太陽光発電は増やすべきでないのだが、風力発電は増やせる。
自然エネルギー発電をめざすなら、風力がお勧めだ。 ──
自然エネルギーの紹介をする朝日新聞の記事がある。(特集記事を連載中)
その記事はいつもと同じく、自然エネルギーの推進をめざす煽動記事だ。ただ、見るべきところもあるので、紹介しよう。
最初に結論を言えば、こうだ。
「風力発電は、増やすこともできる」
具体的には、次のことがポイントだ。
「風力発電の発電場所は、北海道や東北地方が多い。一方、電力の需要場所は、関東が多い。だから、北海道や東北で発電した風力発電の電力を、関東で消費することにすれば(電力の移送をすれば)、風力発電は十分に可能だ」
現実には、そうなっていない。次の問題がある。
・ 北海道や東北では、風力発電の電力を受け入れる余裕がない。
・ だから、風力発電をしても、北電が買ってくれない。(買い取り枠がある)
・ 発電後の送電線の負担を教えないなど、北電はいろいろと妨害措置をする。
──
また、風力の安定性については、「天候予測」をすることで、予測がかなり可能なので、変動への対処(火力による対処)が十分に可能となる。(1時間おきの天候予測によって火力の用意が十分に可能となる。)
さらに、コスト的にも、風力発電は通常の火力発電とだいたい同程度にまで下がっている。最新の火力には負けるにしても、古い火力には対抗できるぐらいだ。太陽光発電のように「勝負にならない」というのとは全然違う。
以上のことがわかる。そして、そうとすれば、風力発電は増やす余地が十分にある、と言える。
実際、まともに努力しているスペインでは、風力発電の発電量が全体の2割ぐらいになっている。(日中に2割で、夜間には3割ぐらい。)
( → 公式ページ )
( ※ 以上は、朝日の記事の紹介ふう。私の見解というほどではない。)
[ 付記1 ]
再生可能エネルギー法案は、とうてい成立の見込みがないかと思えたが、どうやら成立しそうだ。というのは、自民党が賛成側にまわるらしいからだ。(読売・朝刊 2011-06-29 による。)
菅直人の方針が駄目だとしても、自民党も同様なのだから、似たり寄ったりか。法案の成立後、次期首相の下で法案取り消しにするのが、唯一の策かも。
[ 付記2 ]
読売新聞・朝刊 2011-06-29 に、デンマークの風力発電が紹介されている。全量固定買い取り制度があるそうだ。1kW時の価格は、市場価格が 4.6円、補助金が 3.8円、合計 8.4円だという。これで全量固定買い取り。
なるほど。これならば納得できる。日本の LNG 発電の価格と同じくらいだからだ。
とすれば、日本でも「再生エネルギー法案」で、同趣旨にすればいいだろう。次のように。
・ 風力も太陽光も等しく、同価格で全量固定買い取り。
・ 買い取り価格は、「 8.4円/1kW時 」程度にする。
ソフトバンクが電田プロジェクトをやりたければ、勝手にやるといい。ただし、その買い取り価格は、ソフトバンクが望む 40円 程度でなく、8.4円 程度にするべきだ。そのあと、太陽光でやるか、風力でやるか、水力でやるか、バイオでやるかは、各企業の勝手に任せればいい。これなら孫社長も満足できる……かも。
( ※ 皮肉が相当入っています。 (^^); )
【 関連項目 】
→ 洋上の風力発電
※ 洋上の風力発電は、結構実用になるようだ。低周波の公害もなく、
電力の変動も小さめであるようだ。
2011年06月29日
過去ログ
→http://windpowerinfo.blog.shinobi.jp/Entry/153/
すでに別項で言及済み。リンク先のリンク先。
コストがかかりすぎて、実用化されそうにない。
北海道から関東では距離がありすぎます。
また津軽海峡の送電設備の増強にコストもまた問題。
変動への対処は揚水発電の方がクリーンな感じを徹底してていい気がしますね。
コストやロスについては下記を参照。
http://j.mp/kuGO4q
また、このサイトとは全く逆のことを言ってるサイトもあります。
http://no-windfarm.net/
まぁネットなので当然のことであって、どちらが正しいかという論争をふっかけに来たのではありません。
しかし「風」と言う、なんとも気まぐれなものに頼るより、(同じく不確定ではありますが)地熱発電を開発していくほうが現実的ではありませんか?
風を開発するのは不可能ですが、地熱はまだ開発可能だと思います。
どうお考えでしょうか?
ただ、海岸線や洋上の風車は、問題が少ないようです。
安定性については私も疑問視していましたが、少なくともドイツでは、かなり安定的に発電しています。どこかの項目で述べました。グリーン証書などの話。
補完的に使うだけなら、そう悪くもないようです。主役にはなれないとしても。
地熱発電は、できるところではどんどんやればいいと思うが、どうしても小規模になりがちです。温泉の副次的な発電ならば問題はないが。通常は温泉の枯渇とか、鉱水による環境破壊などの重大な問題が付随します。ギャンブルみたいなものです。当たれば少額の利益で、ハズレれば大損、という、分の悪いギャンブル。
よほどギャンブルの好きな人以外には、お勧めしません。通常は、投資した人が破産するでしょう。最悪の場合、鉱毒事件となる。
唯一可能なのは、既存の温泉を利用した小規模発電でしょう。うまく行けば、日本の発電の0.1%ぐらいをまかなえそうです。