2011年06月27日

◆ 脳内記憶チップ

 脳内で記憶する機械的な半導体チップが開発され、マウスで成功したという。SF の実現か? ──
 
 脳内で記憶する機械的な半導体チップというと、2001年宇宙の旅 で有名な アーサー・C・クラーク の 3001年終局への旅(1997年)に似た話がある。
ブレインキャップ
 …… 脳と直接接続することによって、仮想現実からデータ収集まで、ありとあらゆることが出来る情報端末。キャップの装着には無毛であることが要求され、故にこの時代の人間は男女問わずほとんどがかつらである。プールの主治医曰く“生えたままにしておいても問題ないが、手入れが面倒。髪の復活はできるが、痛い”

記録媒体

 …… リムーバブルメディアとしては、ペタバイト級の記憶容量を持つ「タブレット」が使われている。千年前のディスクと同じくらいの大きさでやや厚めのタブレット1枚に、人間一人の脳内にあるすべての情報を記録できるという。
( → Wikipedia
 これと同様の話が、アニメの「攻殻機動隊」にもあるらしい。(私は詳しいことは知らない。)

 ──

 以上は SF の話だが、これと似たことが現実化したという。
 《 攻殻機動隊が現実に - 脳に埋めたチップによって記憶を複製することに成功 》
 南カリフォルニア大学のプレスリリースによると、同大学・医用生体工学学科のセオドア・バーガー(Theodore Berger)教授が、海馬(左画像) という脳の長期記憶を司る部位の機能を模倣したチップを使い、ラットが学習した記憶を複製することに成功。
 また脳につながれたスイッチを「On」することで長期記憶を復元し、「Off」にすることで忘却させることができたそうだ。ここからさらに忘却したラットにエンコードした記憶を再インストールするとこもできたという。また、このデバイスをラットに繋いだ状態で学習を行ったところ、ラットの記憶能力を向上させることにも成功したという。
( → 出典記事
 上記ページにはリンク先がある。解説記事と、原論文(PDF)だ。どちらも読んでみたが、「人間が自由に記憶を移転させる」というようなことは書いていない。マウスであれ、人間であれ、そんなことはしていない。単に記憶の一部分を操作しているだけだ。
 この実験で操作されたのは、脳内の海馬だ。
 海馬は、比喩的に言うと、CPUのキャッシュに相当する。(初期の CPU では 128KB ぐらいしかなかった。)そして、通常の記憶をなす大脳は、PC本体のメモリ および HDD に相当する。長期記憶を扱うのは、HDDにあたる大脳であるが、そこに至るための一時的な記憶の貯蔵場所(介在場所)として、海馬がある。
 
 今回の実験で対象とされたのは、海馬だ。そこでは、小さな記憶のみが操作された。複雑な記憶が複製されたり操作されたりしたわけではなく、レバーを操作するというような単純な行動記憶だけが操作された。
 解説記事と対訳を示そう。(機械翻訳で)
 

iomedical engineers analyze―and duplicate―the neural mechanism of learning in rats

LOS ANGELES, June 17, 2011 /PRNewswire-USNewswire/ -- Scientists have developed a way to turn memories on and off―literally with the flip of a switch.

Using an electronic system that duplicates the neural signals associated with memory, they managed to replicate the brain function in rats associated with long-term learned behavior, even when the rats had been drugged to forget.

"Flip the switch on, and the rats remember. Flip it off, and the rats forget," said Theodore Berger of the USC Viterbi School of Engineering's Department of Biomedical Engineering.

Berger is the lead author of an article that will be published in the Journal of Neural Engineering. His team worked with scientists from Wake Forest University in the study, building on recent advances in our understanding of the brain area known as the hippocampus and its role in learning.

In the experiment, the researchers had rats learn a task, pressing one lever rather than another to receive a reward. Using embedded electrical probes, the experimental research team, led by Sam A. Deadwyler of the Wake Forest Department of Physiology and Pharmacology, recorded changes in the rat's brain activity between the two major internal divisions of the hippocampus, known as subregions CA3 and CA1. During the learning process, the hippocampus converts short-term memory into long-term memory, the researchers prior work has shown.

"No hippocampus," says Berger, "no long-term memory, but still short-term memory." CA3 and CA1 interact to create long-term memory, prior research has shown.

In a dramatic demonstration, the experimenters blocked the normal neural interactions between the two areas using pharmacological agents. The previously trained rats then no longer displayed the long-term learned behavior.

"The rats still showed that they knew 'when you press left first, then press right next time, and vice-versa,'" Berger said. "And they still knew in general to press levers for water, but they could only remember whether they had pressed left or right for 5-10 seconds."

Using a model created by the prosthetics research team led by Berger, the teams then went further and developed an artificial hippocampal system that could duplicate the pattern of interaction between CA3-CA1 interactions.

Long-term memory capability returned to the pharmacologically blocked rats when the team activated the electronic device programmed to duplicate the memory-encoding function.

In addition, the researchers went on to show that if a prosthetic device and its associated electrodes were implanted in animals with a normal, functioning hippocampus, the device could actually strengthen the memory being generated internally in the brain and enhance the memory capability of normal rats.

"These integrated experimental modeling studies show for the first time that with sufficient information about the neural coding of memories, a neural prosthesis capable of real-time identification and manipulation of the encoding process can restore and even enhance cognitive mnemonic processes," says the paper.

Next steps, according to Berger and Deadwyler, will be attempts to duplicate the rat results in primates (monkeys), with the aim of eventually creating prostheses that might help the human victims of Alzheimer's disease, stroke or injury recover function.

The paper is entitled "A Cortical Neural Prosthesis for Restoring and Enhancing Memory." Besides Deadwyler and Berger, the other authors are, from USC, BME Professor Vasilis Z. Marmarelis and Research Assistant Professor Dong Song, and from Wake Forest, Associate Professor Robert E. Hampson and Post-Doctoral Fellow Anushka Goonawardena.

Berger, who holds the David Packard Chair in Engineering, is the Director of the USC Center for Neural Engineering, Associate Director of the National Science Foundation Biomimetic MicroElectronic Systems Engineering Research Center, and a Fellow of the IEEE, the AAAS, and the AIMBE.

SOURCE USC Viterbi School of Engineering
( → 出典

iomedical技術者は、ネズミで知る神経機構を分析して、コピーします。

ロサンジェルス、2011年6月17日/PRNewswire-USNewswire/--科学者は文字通りスイッチの宙返りで思い出をつけたり切ったりする方法を開発しました。

メモリに関連している神経信号をコピーする電子装置を使用して、長期の学習行動に関連しているネズミで何とか頭脳の機能を模写しました、ネズミが忘れるように薬品を混ぜられたときさえ。

「スイッチをつけてください。そうすれば、ネズミは覚えています。」 「離れてそれをはじき出してください。そうすれば、ネズミは忘れます。」と、USC Viterbi工学部のBiomedical Engineeringの部のセオドア・バーガーは言いました。

バーガーは、Neural EngineeringのJournalで発表される記事のトップ記事の著者です。 彼のチームは科学者と共に研究でウェイクフォーレスト大学から働いていました、私たちの海馬状隆起として知られている脳の部位の理解における最近の進歩と学習におけるその役割に建てて。

実験では、報酬を受け取るために別のものよりむしろ1つのレバーを押して、研究者はネズミにタスクを学ばせました。 埋め込まれた電気プローブを使用して、PhysiologyとPharmacologyのウェイクフォーレスト部のサムA.Deadwylerによって率いられた実験的研究チームは、亜区のCA3とCA1として知られている、海馬状隆起の2つの主要な内部の分裂の間のネズミの脳活動における変化を記録しました。 学習過程の間、海馬状隆起は長期記憶、先の仕事が見せた研究者に短期記憶を変換します。

「海馬状隆起がありません」と、バーガーは言います、「長期記憶がありませんが、まだ短期的なメモリ。」 先の研究は、CA3とCA1が長期記憶を作成するために相互作用するのを示しました。

劇的なデモンストレーションでは、実験者は、薬物を使用することで2つの領域との正常な神経の相互作用を妨げました。 そして、以前に訓練されたネズミはもう長期の学習行動を見せませんでした。

「ネズミは、それらが、'あなたは、最初に、左に押して、次に、正しい次の時に押します、そして、いつ逆もまた同様です'と知っていたのをまだ示していました。」と、バーガーは言いました。 「そして、彼らは、水のためにレバーを押すのをまだ一般に知っていましたが、左またはまさしく5-10秒間、押していたかどうか覚えているだけであるかもしれません。」

バーガーによって率いられた補綴科調査チームによって創造されたモデルを使用して、チームは、次に、さらに行って、CA3-CA1相互作用との相互作用のパターンをコピーできた人工の海馬系を開発しました。

チームがメモリをコード化する機能をコピーするようにプログラムされた電子装置を動かしたとき、薬理学に返された長期記憶能力は、ネズミを妨げました。

さらに、研究者は、人工器官とその関連電極が正常で、機能している海馬状隆起の動物に植えつけられるなら、装置が実際に脳で内部的に発生するメモリを強化して、正常なネズミのメモリ能力を高めるかもしれないのを示し続けました。

紙に「これらの統合実験的なモデル研究は、初めて、コード化の過程の実時間同定と操作ができる神経の補綴が思い出の神経信号に関する十分な情報で、認識的な簡略記憶過程を回復して、高めることさえできるのを示しています。」と書かれています。

バーガーとDeadwylerによると、次のステップは霊長類(猿)にネズミ結果をコピーする試みでしょう、結局の目的がアルツハイマー病、卒中または負傷の人間の犠牲者が機能を回復するのを助けるかもしれない補綴を作成していて。

紙は「メモリを回復して高めるための皮質の神経の補綴」と題します。 Deadwylerとバーガー以外に、他の作者は、USCと、BME Vasilis Z.Marmarelis教授とResearch Assistant Dong Song教授と、ウェイクフォーレストから助教授のロバート・E.ハンプソンとポスト博士のFellow Anushka Goonawardenaです。

バーガー(Engineeringでデヴィッドパッカード議長をつかむ)は、Neural Engineering、国立科学財団次長Biomimetic MicroElectronic Systems Engineering ResearchセンターのためのUSCセンターのディレクターと、IEEE、AAAS、およびAIMBEのFellowです。

ソースUSC Viterbi工学部
( → 機械翻訳: エキサイト

 
 原論文もざっと目を通したが、同じような話だ。たいしたことはない。

 簡単に言うと、こうだ。
 記憶を移転させることができるからといって、英和辞典の内容のような大量の情報を頭に入れることができるわけではない。「二叉路で右の道と左の道のどちらを採るべきか」というような単純な情報を移転することができるだけだ。
 その際、別に、脳で思考するような記憶力は使われず、単に反射的にどっちにするかを自動処理するような単純行動の記憶(反射的な記憶)が使われるだけだ。

 ま、それだけだとしても、脳内を刺激することで行動を操作するというのは、素晴らしい業績である。……それはいわば、日本人が宇宙衛星を飛ばすための第一歩となる、ペンシルロケットを開発したような、素晴らしい業績である。この一歩があればこそ、何十年かたてば、日本人が国産ロケットで宇宙に飛び立つことができるようになる。(まだできてないですね。  (^^); )

 ともあれ、今回の業績は、新たなる分野への一歩となる、偉大な業績だ。たとえそれで実現したことは、あまりにも小さいとしても。



 [ 余談 ]
 どちらかと言えば、 筋電義手 の方が実用化に近い。次の記事がある。
  → ついに脳神経とも直結! 脳からの指令で自由自在に動く人工の腕が完成間近

 指ではなく手首(から先)ならば、脳神経によって動く義手はずっと前からできている。この件は、私も前に言及した。
  → 筋電義手

 サイボーグみたいなものですね。脳の一部を機械化しようと思うよりは、肉体の一部を機械化しようとする方が、はるかに実現性が高い。
posted by 管理人 at 19:33| Comment(0) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
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