2011年06月26日

◆ 電力購入を自由化せよ(グリーン電力制度)

 太陽光発電などの自然エネルギーを推進するには、電力購入を自由化するといい。つまり、太陽光発電を推進したい人だけが、高額で購入すればいい。 ──
  
 自然エネルギー(太陽光発電など)を推進するため、高値の固定価格で買い取りをするべきだ、という意見がある。(菅直人や孫正義やエコ主義者)
 なるほど、そういう立場もあるだろう。ならば、そういうふうにしたい人だけがそうすればいい。やりたくない人に「やれ」と無理強いするかわりに、やりたい人だけが自腹を切ってやればいい。そのためには、電力購入を自由化するといい。
 このことは、すでにドイツで実現している。「グリーン電力制度」という名称で。
 グリーン電力料金とは、再生可能エネルギーによる電力を中心に従来のエネルギーによる電力を組み合わせ、環境に貢献するという点から通常の料金より高い値段で販売する電力の販売方法のことである。
( → 出典
 具体的な例は、下記。
 インターネットで15分毎に電力がどこから来るかが分かるようになっています。たとえば2003年2月28日は、3時30から45分までのエネルギーミックスは太陽光発電が 2.6%、34.3% が小型水力、風が非常になかったので 1.1% が風力、62% がコージェネレーションとなっています。
 グリーン電力は18.40Eurosセント/キロワット時で販売されています。これは通常の電力料金より3Eurosセント高い値段です。
( → グリーン・ピースの例
 このように、買いたい人だけが買えばいい。
 そして、最も環境保護の急進派であるグリーン・ピース(在ドイツ)でさえ、太陽光発電はたったの 2.6% でしかない。風力は 1.1% でしかない。大部分は、小型水力とコジェネだ。
 これが現実だ。

 ──

 ここまで見れば、自然エネルギーの推進のために、何をするべきかは、はっきりする。
 なすべきことは何か? やたらと自然エネルギーの供給を増やせばいいのではない。また、それを国民に強制的に買わせればいいのではない。そんなのは、エネルギーの社会主義政策であり、馬鹿げている。
 なすべきことは、供給の側ではなく、需要の側にある。需要の側で、自然エネルギーを自由に選択すればいいのだ。
 たとえば、孫正義は、自分のところで太陽光エネルギーを供給する(そして高コストは国民に押しつける)のではなくて、自分のところで太陽光エネルギーを消費する(そして高コストは自分で払う)ようにすればいい。2倍の料金でエネルギーを売りつけるのではなく、2倍の料金でエネルギーを買えばいい。
 そして、太陽光エネルギーを推進することが自分の使命であると思うのならば、自分で発電して自分で購入すればいい。莫大な金で発電して、莫大な金で購入すればいい。それならば筋が通る。
 一方、莫大な金で発電して、それを国民全体に押しつけるというのでは、もはや筋が通らない。それは自民党時代の利権政治と同じである。
( ※ とんでもない高価格で公共事業を実行して、その公共事業を談合企業に回す。談合企業は政治家に賄賂を渡す。こうして、企業と政治家が国民の金を食い物にする。そういう利権システムがあった。これが自民党時代の土木産業における利権だ。それと同様のことを、太陽光発電でやろうとしているのが、利権企業であるソフトバンクだ。)
 

 ──

 だから、太陽光発電を食い物にしようというソフトバンクみたいな利権企業のたくらみを排除することが必要だ。そのためには、「買いたい人だけが買う」という形で自然エネルギーを推進すればいい。それが、電力購入の自由化とグリーン電力制度だ。
 現状では、電力購入の自由化はなされていない。ユーザーが「高値で太陽光発電を買いたい」と思っても、そうできない。だから、それができるように、制度を整備するといいだろう。(電力の発送分離があれば簡単だが、発送分離がなくてもとりあえずは可能だ。)

 菅首相は、「再生エネルギー法案」なんかに熱中するよりは、「電力購入の自由化とグリーン電力制度」に熱中した方がいい。
 そして、それが実現したなら、「太陽光発電を高値で買い取れ」という声は、政府に向けられるのではなく、国民全体に向けられるだろう。「皆さん、自然エネルギーを高値で買いましょう」と。
 また、「自然エネルギーが大好き」という人も、「皆さん買いましょう」と言い、かつ、自分でも買えばいい。……とはいえ実際には、自分では買わないだろう。ドイツのグリーピースと同様に、太陽光発電も風力発電も、自分ではろくに買わないだろう。買っても、5%以下だろう。実際に大量に買うのは、コジェネだろう。それが賢明だからだ。

 電力購入が自由化されれば、自然に市場は最適状態に落ち着く。それが市場原理の効果だ。
 そして、そうなれば、「高値で購入を強制するべきか否か」なんていう下らない法案騒動で、政治家は無駄に時間をつぶさないで済むようになる。
 


 [ 付記 ]
 その意味では、国家の危機に際して、太陽光エネルギーの推進なんていう馬鹿げたことにこだわっている菅直人や孫正義は、とんでもない阿呆だと言ってもいい。
 ただし、「菅直人をやめさせよ」という政治騒動にこだわっている自民・公明・小沢・鳩山に比べれば、まだ罪は少ない。これらの連中は震災を自分の利益のために食い物にしようとしているので、最悪の悪党である。こういう連中は、すぐさま死んでしまうのが、お国のためというものだ。

( ※ ついでだが、「菅直人はやめよ」と騒いでいる連中も、同罪だ。なすべきことは、「首相は辞めよ」と騒ぐことではなく、「こうすれば日本は救われる」と提案することだ。だが、そうしている人は、ほとんど皆無だろう。「やめろ、やめろ」と騒いでいるだけだ。まるで「菅直人がやめれば、震災被害も原発被害もたちまちにして消えて失せる。悪い現実は一夜の夢になる」と思い込んでいるように。幼児的な退行症か。)
 
 [ 余談 ]
 「グリーン電力証書」という話題もあるが、細かいことなので、本項ではそこには立ち入らない。



 【 関連項目 】
 コジェネについては、「燃料電池」という話題で扱ったばかりだ。
  → 太陽電池か 燃料電池か

  ※ 燃料電池は、コジェネの一種だ。
  ※ コジェネが効率的になるのは、大量の湯を使う場合。
    一部の工場を除けば、大量の湯を使うのは家庭だろう。
posted by 管理人 at 13:20| Comment(3) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
グリーン電力に対して消極的な池田信夫はその質の安定性、つまり周波数、電圧の変動を指摘する。地域独占を正当化する電力会社も発電と送電を分離すると質の安定が保たれない事をその理由に挙げる。電力の質が問題となるのは一部の産業用のみで大半の工場では電圧がプラスマイナス10%程度、周波数が1%変動しても問題とはならない。家庭用では高品質の電力は必要としない。

電力不足を解消し、不安定なグリーン電力を安定的に供給する方法は全国を60HZに統一し電力過剰地区から不足地区へ配電を自由化することだ。家電は今でも50/60HZ共用だから問題ない。産業用の機械もポンプ、送風機、モーターも共用で羽車の外径トリミング、プーリー、ギアの交換で済むものが殆どである。発電所の発電機も50HZを60HZに改造するのは難しくない。

どうしても高品質の電気を必要とする工場があれば自社で自家発電機を使えばよい。韓国は日本の半分の電力料金だが質が悪いという話は聞かない。日本の半導体や液晶のメーカーも進出している。私は機械屋で電気のことは素人ですが50HZを60HZに改造することはそれ程困難ですか?ブログ主は電気屋さんのようですが教えて下さい。
Posted by 本多敏治 at 2011年06月26日 15:40
50と60を統一することは可能ですし、家庭でも対応可能だと思います。それでも、調整するなどの手間は必要になることが多い。(自動切り替えの機械も多いが、すべてではない。)

 一方、統一することのメリットは、ほとんどありません。万一の大停電のときに便利なくらい。今年の三月ごろだけです。今では関西も電力不足だから、やりとりできません。統一するメリットがほとんどない。

 どうせなら余計に新型発電所を作る方がずっと賢明です。万一の時には古い発電所の稼働でカバーする。今のように。
Posted by 管理人 at 2011年06月26日 15:52
 50と60を統一する件については、後日、新たな項目を記述しました。
  → http://openblog.seesaa.net/article/435848947.html
Posted by 管理人 at 2011年10月03日 23:11
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