「正しい節電と、悪い節電」というテーマで、先に述べた。
→ 節電の方法(夏)
新たに、次のサイトの情報があったので、照合しながら、示す。
→ 産総研が節電対策の効果を測定 (gigagize)
→ 産総研のレポート
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(1) エアコン停止は効果が少ない
橋下府知事は「エアコンを停止すると節電できる」と述べた。では、実際にそうなるか? ならない。
なぜなら、エアコンを停止すると、その分、暑くなる。エアコンを切ったあとで、ふたたびエアコンを入れると、室内が暑くなっているので、エアコンを入れたときに大量の電気を食う。
差し引きすれば、いくらかは節電になるが、エアコンを切った時間の分だけ節電できるわけじゃない。
たとえば、午後1時から午後5時までの4時間、エアコンをつけているはずだったとする。そのうち、2時間でエアコンを切っていたとする。2時ごろの1時間と、4時ごろの1時間、計2時間、エアコンを切っていたとする。エアコンをつける時間が半分になったから、エアコンの電力消費は半分になるか? ならない。エアコンをつけている残りの2時間に、エアコンがフル稼働するからだ。
結果的には、差し引きして、少しは節電になる。しかし、大幅な節電にはならない。「焼け石に水」みたいな効果しかない。
ゆえに、橋下府知事の狙いは、あっけなく破綻する。(そのことが今回の報告からわかる。)
(2) サマータイムは逆効果
サマータイムは逆効果だそうだ。
すべての人々が生活時間を1時間前倒しすると、14時の電力需要が抑えられる一方、帰宅によって16時に家庭での電力需要が増加し、業務と住宅を合計した最大電力需要は引き上げられる可能性があるそれなら、サマータイムとは逆のことをすれば有効では? という発想で考えたら、まさしくそうだったという。
逆に1時間後ろ倒しした場合は、15時にわずかに電力需要が増加しますが夕方には減少するため、他の対策と組み合わせれば有効な手段となる可能性があります。これと同様のことは、私も前に述べたことがある。
サマータイムは、やっても逆効果だ。夜の冷房の電気がかかる。私の言ったこととは、ちょっと趣旨が違うが、方向性としては、同じことだ。私の言ったことがだいたい実証された、とも言える。(シミュレーションだが。)
ならば、サマータイムとは逆のことをすれば、夜の冷房の電気がかからなくなる。
( → 逆サマータイム )
(3) 打ち水は逆効果
打ち水をすると、温度は下がるが、湿度が上がるので、(場合によっては)逆効果になる可能性があるそうだ。
昼間の大規模な打ち水は大きな蒸発を招く一方、水蒸気が拡散できないために、湿度の上昇の方が気温の下降よりも数値が高くなってしまい、最大電力需要はわずかに増大してしまうこれは、やり方しだいだと思う。風が逃げるように、うまくやれば、それなりに効果はあるだろう。実際、効果があった、という報告もある。そういう記事を読んだこともある。
本サイトでは、前に少し言及したことがある。
→ 雨水タンクと打ち水
(4) 窓の日光遮断
窓の日光を遮断するといい、ということは、先日の項目で述べたとおり。
→ 節電の方法(夏)
この際、明るさが足りなければ、照明をつけてもいい。熱を遮断することの方が優先する。
「サマータイムは不健康…睡眠学会が反対を提言へ」
→ http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110625-OYT1T00771.htm
これは新しい話題じゃない。本サイトでも何度か繰り返して取り上げた話題だ。食傷気味だろうから、ちょっと言及するだけに止めておく。