2011年05月26日

◆ 太陽光発電と屋根

 太陽光発電を普及させるなら、その前に、屋根を準備することが必要だ。
 傾斜  が十分でないと、効率が低下するからだ。 ──

 菅直人は「家屋への太陽光パネル設置 1000万戸」という具体的な目標を掲げた。(各紙報道 2011-05-26 )
 ここでは、「コストを20年には現在の3分の1に、30年には6分の1まで引き下げる」という目標が同時に掲げられているから、コストダウンが前提となるのだろう。やたらと補助金で普及させるのではないのだろう。( → 前項
 コストダウンが実際に実現するかどうかは、先のことだから、何とも言えない。「現在の値」というのを「日本の現在の値」と見なすのであれば、中国製はすでに「2分の1」をほぼ達成しているから、必ずしも不可能な目標とは言えない。
 ここまではいい。問題は、その先だ。
 
 ──

 たとえ太陽電池のパネルがあるとしても、それを設置する屋根が必要だ。ここで、屋根というのは、次の二点を意味する。
  ・ 十分な傾斜
  ・ 南向きの屋根

 この二点は、必ずしも用意されていない。

 (1) 十分な傾斜

 太陽光発電には、屋根が十分な傾斜をもつことが必要だ。さもないと、太陽の傾いた冬季に、十分な太陽エネルギーを得られないからだ。また、夏には、太陽電池が過熱しすぎて発電効率が低下しがちなので、夏には太陽の直撃を受けない方がむしろ好ましい。
 この二点からすると、冬の太陽を重視した角度が好ましい。
 単純に最適な角度を求めると、その土地の緯度と等しくするのがベストだ。日本では平均して 23度ぐらい。ただし、冬を重視すれば、30度ぐらいだ。このことは、下記でも同様の数値が示されている。
  → http://ecolifejp.fc2web.com/reform/yane.html
 一般的には、20〜40度が許容域だ。この範囲ならば、30度に比べて、2%の悪化で済む。
 とはいえ、現実には、角度が 20度以下の屋根をもつ住宅が多い。ざっと見た感じでは、大半の住宅がそうだ。たまに 30度ぐらいの角度をもつ屋根を見つけると、すでに太陽光パネルが設置されてある。どうやら新築時に、屋根と太陽光パネルをセットで決めたらしい。

 以上のことから、次のことが結論される。
 「太陽光パネルの設置を目標とするのはいいが、その前に、傾斜の十分な屋根を準備しておくべし。今後の新築住宅では、屋根に傾斜をもつように推奨しておくべし」


 (2) 南向きの屋根

 南向きの屋根も必要だ。
 「そんなの、どこの家にもある」
 と思えるかもしれないが、さにあらず。次の図を見ればわかる。
  → http://homepage2.nifty.com/domi/bikan.html
 切妻(紙を二つに折った形の屋根)ならば、南側の屋根は十分にある。
 寄棟(四方に傾斜のある屋根)ならば、南側の屋根は全体として台形となっており、上辺が短い。そのせいで、上辺部分では太陽光パネルを十分に設置できない。

 現実には、切妻ではなく寄棟の屋根をもつ住宅が多い。ざっと見た感じでは、大半の住宅がそうだ。ときどき寄棟の屋根を見つけると、すでに太陽光パネルが設置されてあるか、アパートであるか、どちらかであることが多い。個人住宅では、カッコ悪い(そして東西方向からの雨を防ぎにくい)切妻屋根は、不人気だ。

 以上のことから、次のことが結論される。
 「太陽光パネルの設置を目標とするのはいいが、その前に、切妻屋根を準備しておくべし。今後の新築住宅では、屋根を切妻屋根にするように推奨しておくべし」


 ──

 まとめ

 将来のパネル設置を見据えて、今のうちに、傾斜が十分で、かつ、切妻である屋根を、用意しておくべきだ。さもないと、いくらコストが下がって、パネルを設置したくても、多大な無駄が発生してしまう。
 何事も長期的な視点が大切だ。そのことは、原発事故で、身にしみてわかったはずだ。
 


 [ 余談 ]
 太陽光発電推進と原発推進とは、どちらも共通点がある。それは、「過剰な楽観」である。
  ・ 原発 ……… 事故は絶対に起こるはずがないさ、という楽観。
  ・ 太陽光 …… コストは劇的に下がるはずさ、という楽観。


 現実には、そういう楽観は成立しなかった。だから、原発事故が起こった。
 そして、そういう甘い楽観が、太陽光発電の推進でもなされている。その典型が、孫正義だろう。「大幅にコストダウンが起こるさ」と見込んでいる。そのくせ、「莫大な補助金を出せ」と主張している。つまり、「莫大な補助金をもらって、かつ、コストダウンが起こるので、自分のポケットには莫大な金が入るはずだ」という皮算用。
 こういうアホな楽観を取っていると、原発事故の二の舞となるだろう。
 馬鹿な東電と、馬鹿な孫正義は、「過剰な楽観」という点で、双璧である。どちらも国民に兆円規模の被害をもたらす。
posted by 管理人 at 19:21| Comment(2) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ステーを使えば全て解決じゃないですか?

ちなみに北海道は無落雪屋根(平な屋根)にステー+太陽光パネルというのが一般的です。
ステーに工夫すれば季節によって角度を変える事も可能です。(現状は動かさないでくれと言われているようですが、効果と要望があればいずれ改善されるかと)

本州は台風の問題でステーは使えないのでしょうか?
Posted by sumeshi0206 at 2011年05月27日 14:48
本州では台風のとき、(普通の)屋根が吹っ飛ばされることもしばしばあります。
Posted by 管理人 at 2011年05月27日 19:21
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