これについて、「超法規的措置なのは法治国家に反するのでけしからん」と池田信夫が息巻いている。
→ 法的根拠のない首相要請は言語道断!
そこで彼は、自説を補強するために、「これは法治国家ではないということを証明してほしい」という趣旨で、歴史学者に論考を頼んだ。
すると、次の論考が返ってきた。
→ 日本はもともと法治国家ではなかった
つまり、「有徳な全能な君主にすべてを任せる」という中国流の徳治国家になる、という趣旨。池田信夫がせっかく菅直人批判(法治国家でないのはけしからん)を頼んだのに、当てはずれ。 (^^);
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さて。私なりに見解を言えば、こうだ。
「国家の喫緊の事態なので、超法規的措置を取るのは、正しい」
理由は、次のことだ。
Q 20年近く運転してきた原子炉を止めるのに、一刻を争う緊急性はないのでは?こういう状況だから、いちいち国会論議なんかをしていたら、間に合わないのだ。国会論議中に東海地震が起こったら、シャレにならない。(マーフィーの法則にはなる。 (^^); )
A ある。3月11日の大地震の後で、地殻の歪みがたまっており、数カ月以内に大地震が起こる可能性がいつになく高まっている。
( → 前出コメント 2011年05月08日 )
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さて。このことからすると、逆に、次のことも妥当だとわかる。
《 原発停止要請は浜岡のみ 首相表明 》これについて首相を批判する声が twitter にはたくさん出回っている。しかし、このようなことを首相が要請するとしたら、それこそ、池田信夫の言う「超法規国家」が成立してしまう。あるいは、先の歴史学者の言う「徳治国家」が成立してしまう。
菅首相はこの日、東京都内の訪問先で記者団から、浜岡以外の全国の原発の停止要請をする考えがあるかを問われ、「ありません」と初めて明言した。政権として性急な「脱原発」路線には踏み込まない意向を事実上表明したものだ。
( → 朝日新聞 2011-05-08 )
浜岡原発以外は、緊急性がないがゆえに、首相個人の独断的な「要請」は許されないのだ。それが法治国家の原則である。
逆に言えば、緊急時以外については法に則っているという意味で、日本はちゃんと法治国家になっている。
そして、浜岡の例は、あくまで国家存亡の危機に瀕した場合の緊急措置なのだ。
このことを理解できずに、「法治国家でない」とか「徳治国家だ」とか述べている人々は、あまりにもピンぼけなのである。
彼らは単に、国家存亡の危機という重要性を、理解できていないだけなのだ。危機意識が欠けているだけなのだ。…… 津波が来たら、ぐずぐずして、きっと飲み込まれますね。かわいそうに。 (^^);
【 関連項目 】
浜岡が喫緊の課題だという点については、下記。
→ 千葉の地震
→ 地震の再発(次はどこ?)
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浜岡以外の原発については、下記。
→ 他の危険な原発
他にも危険な原発はいくつもある。
→ 原発再開の条件
危険な原発は、安全性の確保が重要。単に廃止すればいいのではない。

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> 裁量的な東電救済に反対する人が裁量的な浜岡の停止に賛成するのは、勧善懲悪で言ってるだけ。応報感情は法の支配より強い
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/67505289431224320
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相手の話ぐらい、ちゃんと聞けばいいのに。
浜岡の停止を主張するのは、「首都圏の壊滅を防ぐ」ことのためだ。つまり、リスクの回避だ。池田信夫には「リスク」という概念がないらしい。投資をしたら、失敗するタイプかな。
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> 「緊急だから手続きを省くのはやむをえない」という人は、地震が予知できるのか。30年以上起こらなかった東海地震がすぐ起こる理由を説明してよ。これはテレビで地震を見て恐くなっただけの錯覚で、客観的条件は何も変わっていない。
http://twitter.com/#!/ikedanob/status/67512259081011200
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相手の話ぐらい、ちゃんと聞けばいいのに。
「緊急だから手続きを省くのはやむをえない」のは、地震を予知できるからじゃない。3/11地震の後で、連動型の「リスク」が高まっているからだ。
リスク高まっていることは、あちこちで報道されている。そのくらいの知識ぐらい、ちゃんと仕込めばいいのに。「地震はべき分布だ」ということすら知らないで、確率分布だと思っている。無知ですね。
ともあれ、大事なのは、「東海地震が予知されたから」じゃなくて、「東海地震のリスクを回避するため」だ。リスクとは何かを理解できていないらしい。投資をしたら、失敗するタイプかな。