「怒鳴るばかりで無能な首相」という評価が多かったが、実は菅直人が日本を救ったらしい。(日経)
※ 後半に 補足情報(後日記)が たくさんあります。 ──
日経 2011-04-30 の記事から。
海江田万里経済産業相は3月14日深夜、東京電力の清水正孝社長から電話を受けた。──
「放射線量が多く、これ以上、現場では作業ができません。第1原発から退避して、第2原発に行きたい」
爆発寸前の第1原発を事実上、見捨てて、南に約10キロも離れた第2原発に大半が避難したらどうなるのか。政府と自衛隊に丸投げされても対処は不能だ。経産相から社長発言の報告を受けた菅直人首相は怒鳴った。
「そんなことありえないだろ」
午前に3号機が水素爆発し、午後には2号機で水位低下。午後9時には炉心の燃料溶融に関し、枝野幸男官房長官が1〜3号機とも「可能性は高い」と言明し、衝撃が走る。
炉心溶融か、という極限の状況を考えれば、だれよりも危険を認識していた東電が人命*を優先して事実上、第1原発からの全面撤退を決断したとしても一概に批判できない。
*( 引用者注。「人命」とは「東電社員の人命」のこと。国民の人命ではない。)
一方で首相の東電不信は頂点に達していた。国の存亡、自身の進退を含め、あとはない。第1原発には6つの原子炉と7つの使用済み核燃料プールがある。「チェルノブイリ原発をはるかに超える規模なのに、最悪の事態に関して聞いても誰も答えられない」
そこで首相は、原子力災害対策特別措置法をよく調べるように指示。「原子力災害対策本部長(首相)は事業者に必要な指示をすることができる」との文言を見いだすと、「これで東電との統合本部がつくれるか」と口にした。
東電側は「必要な人員だけ残し、その他は離れるとの判断なのに政府が取り違えた」(幹部)と説明する。だが、首相官邸と危機対応の現場では「複数のルートの情報があった。東電が事実上の撤退を念頭に置いていたのは間違いない」と見る関係者は少なくない。
首相は15日早朝の会談で清水社長に政府と東電の統合本部の設置を打診した。清水社長は「分かりました」と応じるほかなかった。首相が自ら東電本店に乗り込み、幹部らを前に「撤退したときは東電は百パーセントつぶれます」とぶった約1時間前の出来事だ。
統合本部には首相の名代、細野豪志首相補佐官が常駐する。放射性物質の封じ込めから米国との連携までを一手に担う。首相周辺は「統合本部こそが原発対応の要」と解説する。
政府が東電の意思決定プロセスに積極介入する一方で、東電を突き放すような態度も目立つ。厳しさを増す東電の経営に関して首相は「基本的には民間事業者としてがんばってもらいたい」との姿勢だ。賠償問題でも首相や枝野官房長官は「一義的には東電に責任がある」と歩調を合わせる。
4月17日に事故収束に向けて東電が発表した工程表の作成には政府側が強く関与している。「東電に工程表を作るよう指示した方がいい」と細野氏は進言。首相も東電の発表から5日後の記者会見で「国も含めて取り組めば十分、実現可能だ」と期待を口にした。
( → 日経 2011-04-30 )
つまり、菅直人が怒り狂って、東電の方針をひっくり返したわけだ。
では、首相が菅直人ではなかったら? 「首相が自民党の人だったら」でもいいが、おもしろおかしく書けば、下記の通り。
──
もし女子高校生が首相だったら……
(1)
東電 「福島第1原発から退避して、第2原発に行きたい」
首相 「えーっ、マジ? ありえなーい!」
東電 「怒ると、かわいくなくなりますよ。どうせなら、にっこり笑って、『いいよ』と答えてください」
首相 「じゃ、いいよ」
東電 「首相、かわいいですよ。この調子でお願いします」
↓
福島第1は放置され、メルトダウンで、その後、大暴走。大量の放射性物質がまき散らされる。4号機からはプルトニウムが飛散して、死者数万人。
その結果、東北地方は廃墟となり、もはや人間は住めなくなる。日本の国土は壊滅して、チェルノブイリを上回る史上最悪のプルトニウム汚染事故となった(はず)。
そこに池田信夫 登場。「プルトニウムが飛散しても、日本全体が壊滅したわけじゃない.日本の大部分は安全だ。死者だって、たかが数万人であり、煙草の死者よりも少ない。これは原発が安全であることの証明だ」
(2)
東電 「補償は金がかかるので、困ります。このままじゃ倒産してしまいます。国で面倒見てください」
首相 「やだよ。そんな金はないもん」
東電 「お願いしますよ。ケータイ料金を負担しますから、いいでしょ?」
首相 「あたしのケータイ、タダにしてくれるの? なら、いいよ」
東電 「これからも賄賂を渡しますから、毎年よろしく」
↓
東電の補償は免除され、賠償金の大半は国家が負担する。その後、東電から賄賂がたっぷりと首相に渡される。(ただし首相は、忠実な秘書をかかえていたので、すべて秘書の責任にする。)
[ 余談 ]
ただ今、東電が菅内閣の倒閣を画策中。次期首相の本命は、小沢か、石破だ。
小沢ならば、買収は簡単。金で済む。小沢に千億円をプレゼントして、政府から 10兆円をもらう予定。
石破だって、簡単だ。スーちゃんはダメでも、ランちゃんがいる。AKB48 もいる。これらを使えば、たらし込める。
みんなでやろう、「菅直人は無能だ」キャンペーン。やった方には、電気料金を1割引。
【 追記 】
冗談を書き続けたが、よく考えると、話は「冗談じゃない」というところだ。
先の 4号機、危機一髪 でも記したことを思い出そう。4号機が安定したのは、「爆発の衝撃で隣接する場所から水が偶然流れ込み、プール内にあった核燃料の過熱を食い止めた」ということらしい。
ここで、「隣接する場所」に水があったから、その水が流れ込んだ。では、もし菅直人が怒鳴っていなかったら? 東電は撤退していたから、そこには水がなかったはずなのだ。水がなければ、貯蔵プールは過熱しっぱなしとなる。水素ガスが充満して、爆発する。
記事では「現状を大幅に上回る放射性物質が放出される最悪の事態もあり得た」と記されているが、「あり得た」ではなく、「きっとそうなっていた」と言うべきだろう。そして、その放射性物質とは、プルトニウムだ。
要するに、菅直人が怒鳴っていなければ、原発周辺はプルトニウムがまき散らされていたはずなのだ。
なお、政府が避難指示を出したのは、半径3キロに対しては3月11日。半径20キロに対しては3月12日。実行は3月13日からで、3月15日には完了。これはかなり迅速だと言える。爆発が起こったのは、1号機は 11日で、3号機は 14日だ。4号機で爆発が起こるとしても、15日ごろだろう。避難は間に合ったと言えそうだ。ただしそれは、政府が「退避せよ」と命令を出したからだ。この点では、満点ではないにせよ、合格点を上げられる。
・ 東電を怒鳴って、水を注入させた
・ 住民をさっさと退避させた(地震の翌日に決定した)
というのは、合格点だ。
仮に、自民党の首相や小沢首相だったら、こうは行かなかっただろう。東電の退避を了承しただろうし、水を注入させることはなかっただろうし、住民を退避させることもなかっただろう。その結果、半径 20キロ圏内の数万人は、プルトニウムを浴びて、相当多数が死んだはずだ。
つまり、無策であれば、大量の死者が出たはずだ。それを防いだという点では、十分に合格点を上げられる。実行力という点では、傑出した首相と言えるかもしれない。(この件については。)
菅直人は、エイズの場合と、原発の場合の、二つにおいて国民の生命を守る役割を果たした。経済も防災も下手くそだし、組織運営も下手くそで、経済的な復興は全然なっていないが、少なくとも国民の生命を守る役割については、十分に合格点だ。これだけの首相は、めったにいない。日本はついていた、と言えるだろう。
ちなみに、池田信夫が首相だったら、死者は 10万人ぐらいになっていたかもしれない。1号、2号、3号、4号のすべてが暴走して、その放射線は東日本全体を壊滅状態にさせたかもしれない。
(池田信夫の主張は、「放射線の発癌性は大したことはない」というふうに、発癌性のことばかりだからだ。これほどにも盲目的なのは、自らが真実に目をふさいでいるからだ。)
【 後日記1 】
毎日新聞の記事。(2011年4月4日)
官邸は東電役員を呼びつけた。原子炉の圧力が上がってきたことを説明され、ベントを要請した。しかし東電は動かない。
「一企業には重すぎる決断だ」。東電側からそんな声が官邸にも聞こえてきた。
翌12日午前1時30分、官邸は海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出した。だが、保安院は実際に行うかどうかについて「一義的には東電が決めること」という姿勢を変えない。
「東電はなぜ指示を聞かないのか」。官邸は困惑するばかりだった。首相は「東電の現地と直接、話をさせろ」といら立った。「ここにいても何も分からないじゃないか。行って原発の話ができるのは、おれ以外に誰がいるんだ」。午前2時、視察はこうして決まった。
( → http://j.mp/iGOdMG )
【 後日記2 】
本項の検証をする話が 2011-09-06 の朝日新聞・朝刊に掲載された。(特集面)
肝心の箇所を転載しよう。
[記者] 3月15日に東電が福島第1原発から撤退するという話があったのは本当ですか。おおむね、本項で紹介した話と合致しているようだ。
[ 菅 ] 経産大臣から午前三時ごろ、東電から撤退したいという話があった。撤退したら、どうなるのか。放置すれば全部がメルトダウンし、チェルノブイリどこではなくなる。私の頭に「撤退」という文字はなかった。命懸けでどうやって押さえ込めるかどうかだった。
そして、東電の清水正孝社長を呼んだ。撤退しないのか、するのか、はっきりしない。これでは危ない、グリップ(掌握)をしないと駄目だ、と思った。政府と東電の合同の事故対策統合本部の設置を清水社長に提案し、「わかりました」ということになった。
[記者] 統合本部の設置で何が変わったのですか。
[ 菅 ] 私が本部長で、副本部長が海江田万里経財相、事務局長が細野豪志首相補佐官。それにスタッフをつけて常駐させた。情報の流れがよくなり、情報がかなりツーカーになってきた。
[記者] 事故対応を巡り、米国の支援を日本政府が断ったという話があります。
[ 菅 ] 私のレベルで断ったことは一切ない。はじめから、ぜひご協力お願いしますという姿勢だった。危ないところだけ「よろしくお願いします」というわけにはいかない。
なお、本項で紹介した話(日経など)と、部分的に食い違う箇所もあるが、あれから半年たったので、細部では菅首相の記憶が歪んでいるところもあるのかもしれない。あるいは、自分を偉そうに飾るのはよくない、と謙虚に感じているのかもしれない。
本項で紹介した話(日経など)では、「菅首相が大活躍」というふうに表現している箇所もある。それはたぶん、記者がスタッフから話を聞いて取材した結果だろう。そちらの方が当時の取材なので、真実に近いようだ。
だから、実際にはやはり、「菅首相が大活躍」という内容だったのだろう。そして、そのおおまかな方向性が、今回の朝日の取材で裏付けられた、と言えるだろう。
この裏付けが得られた以上は、当時のスタッフ(担当職員)にあらためて再取材してもいいだろう。ただ、内容としては、新味はあるまい。同じ内容が確認されるだけだろう。
ともあれ、菅・前首相のトップダウンの指示により、東電の撤退は阻止され、原発の大暴走は免れた。
一方、「当時は野田首相だったら」と思うと、ぞっとする。野田首相(?)が、「私の一存では決められないので、政府や議会と相談します」なんてモタモタ言っているうちに、原発は大暴走して、日本は破滅していたかもしれない。
そして、そういうことをいつまでたっても理解できずにいる阿呆が、日本国民だ。救国の大英雄を「無能だ」という理由でクビにするのだから、このあとで緊急事態が起こったら、日本は破滅するしかないのかも。
東京の人は、浜岡が再稼働するまえに、遺書を書いておきましょう。(そのときの首相は、菅首相ではないので。)
【 後日記 3 】
読売新聞も、同趣旨の報道をした。
( ※ すぐ上では、「当時のスタッフ(担当職員)にあらためて再取材してもいいだろう。ただ、内容としては、新味はあるまい」と記したが、その通りの内容。前官房長官に取材して、同じ内容を確認したもの。)
枝野幸男前官房長官は7日、読売新聞のインタビューで、東京電力福島第一原子力発電所事故後の3月15日未明、東電の清水正孝社長(当時)と電話で話した際、作業員を同原発から全面撤退させたい、との意向を伝えられたと語った。──
東電関係者は、これまで全面撤退の申し出を否定している。菅前首相や海江田万里前経済産業相は「東電が作業員の撤退を申し出てきた」と説明してきたが、枝野氏は今回、撤退問題に関する具体的な経過を初めて公にした。
枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した。
枝野氏によると、清水氏はまず、海江田氏に撤退を申し出たが拒否され、枝野氏に電話したという。枝野氏らが同原発の吉田昌郎所長や経済産業省原子力安全・保安院など関係機関に見解を求めたところ、吉田氏は「まだ頑張れる」と述べるなど、いずれも撤退は不要との見方を示した。
菅氏はこの後、清水氏を首相官邸に呼んで問いただしたが、清水氏は今後の対応について明言しなかったという。このため、菅氏は直後に東電本店に乗り込み「撤退などあり得ない」と幹部らに迫った。
枝野氏は菅氏の対応について「菅内閣への評価はいろいろあり得るが、あの瞬間はあの人が首相で良かった」と評価した。
( → 2011年9月8日 読売新聞 )
東京新聞も報じている。下記の通り。
東京電力福島第一原発事故で、本紙は、菅直人前首相が三月十五日未明に東電本店に乗り込んだ際の訓示の記録全文を入手した。現場からの撤退を打診した東電側に「放棄したら、すべての原発、核廃棄物が崩壊する」と警告し、「命を懸けてください」と迫っていた。菅氏は本紙のインタビューで「東京に人がいなくなる」ほどの強い危機感があったと明かしていたが、訓示の内容からもあらためて裏付けられた。──
第一原発では当時、1、3号機が水素爆発を起こし、2号機も空だき状態の危機が続いていた。政府関係者の記録によると、菅氏は「(撤退すれば)チェルノブイリ(原発の事故)の二〜三倍のもの(放射性物質の放出)が十基、二十基と合わさる。日本の国が成立しなくなる」と危機感をあらわにした。
その上で、「命を懸けてください。逃げても逃げ切れない」と、勝俣恒久会長や清水正孝社長(当時)ら東電側に覚悟を要求。「六十歳以上が現地に行けばいい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない」と訴えた。
菅氏は海江田万里経済産業相(当時)から「東電が撤退意向を示している」と報告を受け激怒。清水社長を官邸に呼び政府と東電の統合本部設置を通告し直後に東電を訪れた。
( → 東京新聞 2011年9月9日 朝刊 )
当時の記事を探したところ、最も初期なのは 2011-03-18 の産経の記事であったようだ。下記。
15日早朝、東電本店(東京・内幸町)に乗り込んだ首相は東電幹部らを「覚悟を決めてください」と恫喝した。直前に東電側が「第1原発が危険な状況にあり、手に負えなくなった」として現場の社員全員を撤退させたがっているとの話を聞いていたからだ。
「テレビで爆発が放映されているのに官邸には1時間連絡がなかった」
「撤退したとき、東電は百パーセントつぶれます」
会場の外にまで響いた首相の怒声は、蓄積していた東電への不信と初動でしくじった後悔の念を爆発させたものだ。官邸に戻った後も「東電のばか野郎が!」と怒鳴り散らし、職員らを震え上がらせたという。
( → 産経新聞 2011-03-18 )
【 後日記4 】 ( 2011年09月10日 )
菅直人の訓示の全文を、東京新聞や中日新聞が掲載したが、ネットでは公開しなかった。しかし重要性にかんがみて、この記事を写真で公開した人がいる。
→ http://twitpic.com/6i49re
また、文字起こしした人もいる。( → 出典 )。
そこから転載しよう。
今回のことの重大性は皆さんが一番わかっていると思う。政府と東電がリアルタイムで対策を打つ必要がある。私が本部長、海江田大臣と清水社長が副本部長ということになった。
これは2号機だけの話ではない。2号機を放棄すれば1号機、3号機、4号機から6号機。さらに福島第二のサイト、これらはどうなってしまうのか。これらを放棄してしまった場合、何ヶ月後かにはすべての原発、核廃棄物が崩壊して、放射能を発することになる。チェルノブイリの2〜3倍のもが十基、二十基と合わさる。日本の国が成立しなくなる。
何としても、命懸けでこの状況を押さえ込まない限りは、撤退して黙って見過ごすことは出来ない。そんなことをすれば、外国が「自分たちがやる」と言い出しかねない。皆さんが当事者です。命を懸けてください。逃げても逃げ切れない。情報伝達が遅いし、不正確だ。しかも間違っている。皆さん、委縮しないでくれ。必要な情報は上げてくれ。
目の前のこととともに、五時間先、十時間先、一日先、一週間先を読み行動することが大事だ。金がいくらかかってもかまわない。東電がやるしかない。日本がつぶれるかもしれない時に、撤退はあり得ない。会長、社長も覚悟を決めてくれ。六十歳以上が現地にいけばよい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない。撤退したら必ず東電はつぶれる。
【 関連項目 】
→ 菅直人の決断(原発) ( 2012年03月07日 )
※ 後日談
タイムスタンプは 下記 ↓
わたしも東電に早朝に乗り込んだのは英断だったと思います。理系の首相でよかった。
素直に自然科学的に進めばよいものを「政治力学」みたいな物を考慮しすぎて不信を買っています。
首相は文系ではないので小佐古教授の意見はよく理解できているはずだとと思う。なのにそれに従わないのは残念です。
私は永田町の高濃度汚染水も除去すべきと思います。水清くして魚棲まず、といいますが政治家は高濃度汚染水お好きなのでしょうか。少なくともオザワは汚染水大好きみたいですね
理由はここにあります。
「審議2時間で「妥当」判断 原子力安全委、学校基準で」
→ http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011043001000786.html
これ以外の新聞では、「専門家の意見が 20 mSV なのでそれにしたがった」と報道されています。
原子力安全委というのはダメ集団なんですが、現在の政府組織ではこれに従うのが建前です。首相が勝手に変更するのは独裁です。原則として、許されない。
首相ができるのは、原子力安全委と保安院を全面的に改組するか、別の組織を新設するか、ですが。……それを提案しているのは私ぐらいだし、マスコミも提案していません。
正しい選択肢が用意されていないので、首相だけの個人資質では無理です。石原流の独裁なら何とかなるが。それは別の弊害が生じる。
これも参照。
→ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2462
迫害され続けた京都大学の原発研究者
自民党の構築した政治体制を一人で一挙にぶちこわすのには、相当のパワーが必要です。普通は無理でしょう。飲み尽くされます。
──
同席した人々によると、菅首相は、白髪長身の原子力技術者、武藤副社長と衝突した。武藤副社長は、発電所の電力の問題があるため、あと4時間蒸気放出はできないと言った。
菅首相の補佐官によると、「人ぐりが悪い」と武藤副社長は言った。
同席していた人にようると、菅首相は「悠長なことを言っている場合じゃない、出来ることは何でもやって、早くしろ」と怒鳴った。
→ http://jp.wsj.com/Japan/node_237921#
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毎日新聞の記事。(2011年4月4日)
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官邸は東電役員を呼びつけた。原子炉の圧力が上がってきたことを説明され、ベントを要請した。しかし東電は動かない。
「一企業には重すぎる決断だ」。東電側からそんな声が官邸にも聞こえてきた。
翌12日午前1時30分、官邸は海江田万里経産相名で正式にベントの指示を出した。だが、保安院は実際に行うかどうかについて「一義的には東電が決めること」という姿勢を変えない。
「東電はなぜ指示を聞かないのか」。官邸は困惑するばかりだった。首相は「東電の現地と直接、話をさせろ」といら立った。「ここにいても何も分からないじゃないか。行って原発の話ができるのは、おれ以外に誰がいるんだ」。午前2時、視察はこうして決まった。
→ http://j.mp/iGOdMG
朝日新聞 2011-09-06 の、前首相へのインタビュー記事からの抜粋。
タイムスタンプは 下記 ↓
にわか勉強ではありますが、震災の時からネットなどで報道を割と見るようになりました。
僕は、菅直人氏って「濡れ衣宰相」だと思います。
古い話ですが、視察でベント作業遅れも報じた産経が後に否定したり、海水注入停止も実はなかったことが判明したり、韓国に仮設住宅資材受注もネットのデマだったり……、ネット情報を見ていると、何か漠然と菅氏への悪意のようなものを感じました。
こちらの記事を読ませていただいて、このような出所の怪しいデマがネットに溢れたのにも、利権の絡んだ圧力があるからなのかな、と思いました。これからも、世間に溢れる震災に関する偏向報道を理系的な角度からバシバシとメスを入れて下さい。いつも楽しみにしています。