孫正義と池田信夫が喧嘩している。twitter で。 ──
池田信夫 「太陽光発電コストが原子力発電コストを下回ったことの出展を」
※ 出典 の誤記。
孫正義 「米国事例。RT @iidatetsunari http://bit.ly/fepbkg 」
池田信夫「半分が将来の見込み2011ですら上下にプロット。しかも環境条件の異なる米国基準。これが客観性があると言えるのか?そしてNC warnは反核団体。恣意性はないのか?」
まだまだ続くが、外野の twitter も、ピーチクパーチク、かまびすしい。
誰かが togetter すればよさそうだ。
[ 余談 ]
次の話もある。
孫正義「はい。RT @sasurai46 孫さんが言ってるのは買取で促進すれば将来コストがひっくり返るって話。」
大量生産でコストが下がる、という理屈。もう大量生産されているんですけどね。
実は、「もう各国で大幅に普及している」という孫正義の理屈からすると、いちいち買い取りをしなくてもどんどんコストは下がるはずだ。コストが下がれば普及する。だから、買い取りは不要のはず。
「買い取りによってコストダウンが進む」というのは、朝日が昔から続けていた嘘だが、まともな経営者ならば、そんな嘘に引っかかるはずがない。
こういう嘘を信じるところからして、孫正義の経営能力には大きな疑問符が付く。製品のコスト計算ができないからだ。
ソフトバンクは、ソフトメーカーであり、ハードメーカーではないから、仕方ないのかもしれない。しかし、ソフトバンクが製品を作り出したら、倒産は間違いない。コスト計算ができない人が社長をやっているのだから。
それにしても、「買い取りによって(大量生産で)コストダウンが進む」なんて。素人判断もいいところだ。ここまで馬鹿だとは思わなかった。コストに関する限り、経営能力はゼロ同然だ。
ちなみに、過去のデータを見ればいいのだが。
太陽電池の生産量は、ここ数年、ものすごく急増しているが、価格の低下率は、年2割程度でしかない。今後は、ここ数年と同じ率で延びることはありないが、孫正義の計算だと、今後の数年間はものすごい率で価格低下が起こることになっている。15年ぐらいで価格はゼロになり、20年ぐらいで価格はマイナスになってしまうらしい。
馬鹿馬鹿しい。 (^^);
ついでだが、どんなにコストが下がっても、夜間の発電量はゼロ同然なのだから、コスト計算をしても意味がない。平均コストなんて、最初から意味がない。
それゆえ、私の判定は、「平均コストを比べている限り、二人とも負け」である。
[ 付記 ]
孫正義の頭の悪さには、こっちの頭が痛くなる。
「欧米政府は民間投資を促進させる為に同程度の全量買取制度を実施し急拡大。未実施日本は停滞。」
という屁理屈。
未実施日本は停滞だって、別に構わない。太陽光の普及率の競争をしても意味はない。それはただの浪費の競争にすぎない。浪費競争で勝っても意味はない。
「欧米政府は民間投資を促進させる為に同程度の全量買取制度を実施し急拡大」
と孫正義は述べている。だったら、普及によるコストダウンは、欧米政府に任せていればいい。欧米が普及率を高めれば、それによってコストダウンは進むはずだ。(孫正義の理屈によれば。)
つまり何にもしなくても、欧米政府のおかげで普及率が高まり、コストダウンはどんどん進む。日本があえて巨額の無駄金を投入する意味はない。欧米政府がどんどん補助金を出しているのだから、欧米の市場に向けてどんどん輸出すればいいだけの話だ。
そして、(孫正義の言うように)10年ぐらいたって太陽電池の値段がゼロ同然になったら、そのころになって、タダ同然の太陽電池を買えばいい。そうすれば、無駄な出費はなしで済む。
孫正義の主張が正しいとしたら、日本がなすべきことは、「太陽電池がタダ同然になるまで待つ」ということだ。無駄な金を出費することは、欧米政府に任せておけばいい。
他人が馬鹿なことのために金をどんどん捨てているなら、日本はそれを真似する必要はなく、見守っているだけでいいのだ。他人が失敗すれば、「それ見たことか」と笑えばいい。他人が成功すれば、その成功の成果を分けあえばいい。それだけのことだ。
ともあれ、「浪費の競争」に参加することのメリットは、何もない。せいぜい「エコです」という詐欺的な栄誉を得られることだけだ。
孫正義は、「反原発」ということだけを理性的に主張していればよかったのに、「自然エネルギー」なんていうペテンにこりかたまっているから、ピエロになってしまう。
たしかに原発はコスト的にも成立しなくなっているし、ほとんどダメだが、太陽光はもっとダメなのだ。そこに気づかないのだから、頭が悪すぎる。
【 関連項目 】
私の見解は?
→ 原発のコスト(その真相)
ここに米国の公的な資料もある。
要するに、「太陽光 v.s. 原発」という対立図式そのものが意味を持たない。太陽光のライバルは、原発じゃなくて、天然ガスだ。そして、太陽光は、天然ガスに完敗する。
「太陽光 v.s. 原発」という対立図式で論争している二人は、およそ見当違いのことを論じているわけだ。犬も食わない喧嘩、みたいなものか。ただの無駄。
( ※ 実際の掲載時刻は 00:20 ですが、時刻を遅く改めました。 ↓ )
2011年04月24日
過去ログ
→ http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51701378.html
本項で指摘した点は修正され、また、別項で指摘した米国の資料も紹介している。
私が書こうかなと思っていた米国の砂漠の話まで、先に書かれてしまった。 (^^);
なお、私は皮肉を言うつもりだった。
「孫正義が太陽光発電をしたければ、チベットを侵略して、砂漠を取れ」
と。さすがに池田信夫は皮肉は書かないが。 (^^);
なお、次の文句は怪しい。
> 料金だけ払って再生可能エネルギーの電力を捨てている。
風力の分はそうだ。(変動が激しすぎるので。)
太陽光の分は、そうではない。家庭から売電した分は、ちゃんとカウントされている。
→ http://yachinavi-taiyoko.seesaa.net/
(売電量の記録レポート)
そもそも、家庭から勝手に、高電圧で送り出しているのだから、電力会社はそれを止めることができない。
池田信夫は、風力と太陽光を、混同しているようだ。たしかに、太陽光を大量に受け入れることはできないが、小規模である現状では、別に捨てているわけではない。捨てているのは、風力の分だけだ。
> 福島事故のあとは、送電網の調整ができないので電力の卸売市場は停止されている。
これは何かの勘違いではないか? 市場は開いている。
また、次の情報もある。
→ http://s.nikkei.com/gKbpHm
自家発電フル稼働 東電向け売電を活発化
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ま、総評として言えば、池田信夫の論点にも所々難点があるのだが、私のサイトを読んだりして修正しているので、難点はどんどん減っていく。
一方、孫正義は、自分の主張ばかりして、人の批判に耳を貸さない。だからいつまでたっても、同じ間違いから脱せない。
池田信夫も頑固だが、自説を修正するだけの柔軟さはある。
孫正義は頑固すぎる。エコに凝り固まっている。どうしようもない。自分の 10億円をエコのために捨てるのは構わないが、道連れで国民の金を何千億円も奪わないでほしいものだ。経済自殺するなら、自分の金の分だけにしてくれ。
あまりにもおかしいので、眉に唾を付けたくなるほどの疑惑。
→ http://www.tamanegiya.com/sbtotyousenn20.2.18.html
ほんとかいな。
>原発とは「買収」である:高度成長期に、東京で余った金を地方にばらまくしくみとして原発が使われた。そのパイプになったのが田中角栄を初めとする政治家で、地元議員はすべて買収された。それが『原子力戦争』のテーマ(来月発売)。
池田信夫に親切な私からのアドバイス。
その本はあまり売れないと思います。誰でも知っているので。「原発 利権」でぐぐれば、2月以前にもたくさんのサイトが見つかる。すでに知られた内容なので、買う気はしないでしょう。
どうせなら、孫正義との喧嘩の方が、ずっと売れますよ。私のサイトでも、この項目はアクセス数が高いので。
ソフトバンク嫌いの人が、喜んで買ってくれそうだ。