この問題を解決する、うまい対策がある。 ──
メールの文書は、テキストファイル(せいぜい HTML )が原則だが、特殊な形式の添付ファイルで送られてくることがある。PDF 文書、MS-Word 文書、エクセル文書など。これらの添付ファイルは、 Windows 以外の環境では、開けないことがある。( Linux や Mac やケータイ端末。)
そこで、「添付ファイルは使うな! テキストファイルにしろ!」と怒り出す人々もいる。
→ 404 Blog Not Found
→ 添付ファイルにまつわる不満
では、こういう怒りの文句を言われた人々は、どうすればいいか? たとえば、雑誌編集者ならば、どうすればいいか? 印刷所 or 社内印刷部門から送られてきた PDF 形式の印刷見本を、テキストファイルに変換して、筆者に送ればいいのだろう。
しかし、それだけの手間をかけられる人ばかりだとは思えない。雑誌編集者だって忙しいのだ。「 PC音痴の自分でやらずに、PCに詳しい相手に任せよう」と思う人も多いだろう。初心者ならば、そもそも操作法がわからないだろう。その言い分は、こうだ。
「ちょっと最終確認だけですよ。OK とだけ言ってくれればいいんです。だって、文章の変更などは、すでに済んでいるでしょ? もともとそっちの送ってきた原稿なんだし」
と思っているはずだ。さらに言えば、
「手直しなんかしないでいいんですよ。今さら手直しなんかされたんじゃ、こっちはひどい面倒だ。OK とだけ言ってください。今さら手直しなんかしないでください」
と思っているはずだ。
ま、そうでなくても、文系には PC初心者が多いのだ。「メールはテキストファイルで」という常識さえ知らないような人々も多い。なのに、「 PDF 形式の文書を、テキストファイルに変換する」なんてことを、できないとしても不思議でない。
つまり、馬鹿を相手に「直せ」と言っても、のれんに腕押しだ。馬鹿は死んでも治らないのだから、馬鹿を相手に「馬鹿を治せ」と言うのは、時間の無駄。無駄なことをやっても、仕方ない。
──
では、どうすればいいか? 論理的に、次のことしかありえない。
・ 馬鹿な相手がやらない(できない)のなら、利口な自分がやるしかない。
・ 自分がやるけど、いちいちやるのは面倒だから、簡単に済ませたい。
この問題は、私もちょっと悩まされたことがあった。そこで考えて、名案を思いついた。いちいち Acrobat や MS-Word なんか使わないで、自動的に変換してしまえばいいのだ。そのためには、変換を自動化するツールをネット上で見つければいい。で、考えたすえ、見つかった。次の方法を取る。
──
メールに添付された PDF や Word文書をブラウザ上で見えるように、自動変換する方法がある。下記の通り。
(1) 自分宛のメールを、すべて Gmail に転送する。(コピーする。)
※ au one メール ,livedoor メールでもいい。( → 参考項目)
(2) Gmail で開くと、添付ファイルについて「 HTML 形式で表示」という項目がある。
それをクリックすると、ブラウザ上で HTML 文書に変換されて表示される。
(3) もし変換がうまく行かない場合には、添付ファイルをダウンロードする。
そのあとで、「 Google ドキュメント」というウェブサービスで文書を開く。
これでおしまい。(2) または (3) の方法を取ればいい。
通常は、自分のメーラーで開く。それがうまく行かないときには、文句を言う代わりに、(2) のように、 Gmail で HTML 文書として開く。(2) ではうまく開けないときには、(3) に従って、Google ドキュメントで開けばいい。
とにかく、こうすれば、ブラウザを使える環境があれば、特殊形式の文書を開ける。端末がケータイであれ、Linux であれ、大丈夫。ブラウザを通じて、Gmail または Google ドキュメントが対応している形式の文書を、すべて読める。
たとえば、Word文書も、 PDF 文書も、エクセル文書も、パワーポイント文書も、いずれもOK だ。(一太郎文書はダメ。世界標準ではないので。)
実際にどうか、確認することもできる。PDF 文書として、次の縦書きサンプルがある。
→ PDFファイル
これをダウンロードしてから、メールに添付して、自分の Gmail アカウント宛てにメールを出して、試すことができる。
──
以上のような HTML 変換処理をすると、どのくらいのことができるか?
(i) MS-Word 文書については、書式が大幅に崩れることがある。行ピッチの指定は崩れる。文書内の画像は消失する! それでも、文字単位でなら、きちんと表示される。(文字消失はない。色やサイズも大丈夫。)……つまり、もともとテキストファイルで表現される範囲ならば、特に問題はない。
(ii)PDF 文書については、あまり大きな問題はない。(2) では不十分な点も多いが、(3) ではかなりうまく行く。
ただし、縦書き文書の場合、ちょっと問題がある。見映えは大丈夫でも、テキスト文字列をコピーで取得することは難しい。というのは、縦書き文書を HTML 変換する過程で、HTML ソースでは、文字の一字ごとに改行が入るからだ。次のように。
縦
書
き
文
字
この HTML 文書をテキスト文字列に変換したくても、うまく行かない。……これを解決するには、文字の一字ごとに入った改行を、全削除する必要がある。
( ※ 改行コードを全削除するのは、秀丸などの高級エディタで可能だ。ま、PC 技術者ならば、お茶の子さいさいだろう。)
──
なお、普通の環境( Windows 環境)であれば、以上のような処理をする必要はなさそうだ。PDF ファイルをもらったら、 PDF で開いて、そのまま見るだけでいいからだ。もし文字列を処理したければ、PDF 上でコピーすればいい。MS-Word 文書も同様だ。
もし PDF にコピー制限がかかっていれば、その場合、「コピー制限をはずせ」と注文を付ければいい。その場合に文句を言うだけで済む。他の場合は、Windows 上で普通に処理できる。
──
ただ、Windows 環境でない場合もある。ケータイや Mac や Linux の場合だ。この場合には、前述のように、Google のウェブサービスを使えばいい。それによって、かなりの程度、自分で解決できる。
馬鹿に「直せ」と言っても、何も直らないのが普通だ。そのことは、上述で紹介したサイト(お役所の例) を見てもわかる。
馬鹿を相手に「馬鹿を治せ」と文句を言っても、無駄である。それよりは、自力で対処した方がいい。
※ (3) でも対処できない場合には、Evernote を使うという手もある。
これについては、本項末の 【 補説3 】 という箇所を参照。
[ 付記1 ]
PDF などからテキストを得るには、クリップボード経由の他に、正式アプリ( Acrobat Reader や MS-Word )で、「テキスト形式で保存」というのを実行してもよい。そうすれば、ファイルを丸ごとテキストファイルで取得できる。
ただし、クリップボード経由の場合と、結果は同じだ。とすれば、クリップボード経由の方が簡単である。ゆえに、あまりお勧めはしない。
ともあれ、「テキスト形式で保存」というのでもいいし、クリップボード経由でもいいが、PDF などからテキスト文書を抽出することは可能だ。
例えば、縦書きのゲラをPDFで送る場合。これは間違いである。縦書き PDF からテキストだけをコピペすることは可能だ。改行記号をはずすだけでいい。(もしかしてそれさえもできない初心者なのか? その場合は、「エディタや MS-Word で改行記号を削除するには?」と、知恵袋で質問するといいだろう。パソコンの知識がない初心者には、知恵袋がお勧めだ。知恵袋は、カンニングだけが能じゃない。 (^^); )
直しが数カ所ならいいのですが、そうでない場合に元の文書データなしにどうやって直せばよいのでしょう? 私が全て打ち直すべきなのでしょうか? 縦書きゆえ、PDFからテキストだけをコピペするわけにも行きません。
( → 404 Blog )
ついでだが、一太郎 2011 プレミアム に付属の JUST PDF を使えば、PDF の編集も可能だ。これだと、Acrobat Reader ではできないことも可能だ。校正用の PDF を直接編集することもできる。あれこれ悩む前に、一太郎 2011でも買うといいかも。 (^^);
しかし、本当を言うと、PDF というのは、印刷するためのアプリである。したがって、雑誌編集者とのやりとりで基本となるのは、「印刷して、赤ペンを入れて、それを送付すること」である。それで問題ないはずだ。
何も電子メールで送付するだけが能じゃない。紙を使って、速達で送付すればいいのだ。先方だってたぶん、それを期待しているはずだ。
ITオタクになると、紙の文書や郵便を使う知恵が退化してしまう、という見本か。
[ 付記2 ]
「テキストファイルで送れ!」というような注文は、いちいち文句を言う代わりに、自動化することができる。(そのことで怒るストレスがなくなる (^^); )
メールの署名として最後に書く記述を、いろいろと変更できるメールソフトもある。そこで、この署名のところに、定型文として、注文を記述しておけばいい。たとえば、下記のような。
メール文書は原則、テキストファイルで送付してください。Word ,PDF 文書などでは送らないでください。これで、毎度毎度、同じ文句を言わないで済む。言ってもわからない相手には、無駄な抵抗をしない。馬鹿は死んでも治らないのだから。
Word ,PDF 文書などは、いったんコピーしてからメールソフトに貼りつけると、テキスト文書になります。このようなテキスト文書を、メールの本文として送付してください。
[ 付記3 ]
本項で述べた方法(添付ファイルつきのメールを転送すること)は、他の場合にも応用が可能だ。
たとえば、巨大なファイル(2MBぐらい)を送られてくることがある。うんざりする。こんなファイルがパソコン内にたくさんあると、面倒だ。それらをすべてメールソフトで保存すると、メールソフトのデータが多くなりすぎて、パソコンの負担が重くなる。
この場合には、巨大ファイルを見たあと、すべて削除してしまえばいい。そのあとは? 必要なときには、Gmail に保存されたファイルを使えばいい。この場合、Gmail は自分の本来のメールのバックアップになるのだ。
( ※ 受信メールだけ。送信メールは別。)
[ 付記4 ]
何だったら、Gmail を自分の本来のメーラーにしてしまえばいい。原則、Gmail で処理して、特別な場合のみ、自分の本来のメールアカウントを使う。
こうすれば、添付ファイルが何であろうと、もともと Gmail で処理しているのだから、簡単に変換して、すぐに見ることができる。
あれこれと文句を言うよりは、新しい環境に移行してしまった方が早い。自分の使うハードウェアが汎用でないときには、使うメーラーを汎用にしてしまえばいいのだ。(それがウェブサービス時代のリテラシー。古い技術にこだわって文句を言うよりは、新しい技術を取り入れる勝間和代みたいな発想を取る方がいい。勝間和代は Gmail を使っているから、404 Blog みたいにグズグズ文句を言ったりはしない。自力で対処している。)
なお、自分の本来のメールアカウントに直接来たものは、Gmail に転送するといいかも。
( ※ ただしループにならないように注意。自分の本来のメールアカウントに直接来たものは、Gmail に転送されたあとで、さらに自分の本来のメールアカウントに転送してはいけない。下手をすると大変なので、注意が必要だ。パソコン初心者は、やってはいけない。)
【 補説1 】
ケータイ端末自体にビューア機能や編集機能があることもある。
→ http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/review/26968.html
2005年の時点でそうなのだから、現在ではかなり多くの機種がそうなっているかもしれない。
【 補説2 】
ネット上から(パソコンで)Word文書を扱う、という方法もある。「ネット版 MSオフィス」とも言われる Office Web Apps を使えばいい。( Microsoft 公式アプリ。)
便利に思えるが、Windows 上でしか使えない。 (^^);
使用想定者は、「 MSオフィスを買ってないけど使いたい」という人。( Windows ユーザー限定。)
ニュース報道は → Microsoft Office Web Apps 利用可能に
※ 試してみたが、利用は簡単だ。ただし、縦書きの場合は、互換性が不十分。
縦書きフォントが 90度寝たままで表示されてることがある。(記号類)
また、隠し文字や、フィールドコードは、表示モードでは一応 OKだが、
編集モードでは表示がすらメチャクチャになる。互換性がひどすぎる。
ワードパッドみたいなものかな。(あくまで簡易ワープロである。)
※ 一太郎や OpenOffice を使う方が百倍ぐらいいいですね。
【 補説3 】
別案として、Evernote を使う、という手もある。Google ドキュメントの代わりに Evernote を使えば、PDF や Word文書を任意の端末(ケータイなど)で扱える。
→ http://dekiru.impress.co.jp/contents/036/03622.htm (メールの処理)
→ http://dekiru.impress.co.jp/contents/044/04408.htm
→ http://www.yamakawa.us/webservices/381.html
→ http://journal.mycom.co.jp/series/hacks/037/index.html
( 閲覧は無料だが、Word文書などの編集は有料だという話)
最後の話を見ると、多様なファイル形式を使う人は、Evernote が便利であるらしい。長い文章を書くのは大変だが、受け取った文書をちょっと加工するぐらいの手間なら、さまざまなファイルを同一のアプリで扱える Evernote が便利であるらしい。おまけに、端末を選ばない、という利点もある。
あちこちを移動して、持ち運び型の端末を使う人ならば、 Evernote が最適かもしれない。Mac でも大丈夫だ。
( ※ ただし Linux ではダメ。互換ソフトもあるが、機能が不十分だそうだ。)
なお、Evernote で添付ファイルを扱うには、リンク 1番目の「メールの処理」という話を参照。
本項冒頭で述べた「転送」という処理を自動実行しておけば、簡単だ。毎度毎度いちいち転送しなくても、すべてが自動的に転送されるようにしておけばいい。その後、メールの添付ファイルを見たいときには、Gmail のメールアカウントに Evernote をつなげれば、Gmail でなく Evernote で添付ファイルを開くことができる。
( ※ メーラーで添付ファイルを開けないときには、Evernote から転送メールを開けばいいわけだ。)
【 追記 】
(1) Office Viewer
MS Office の文書については、Viewer ソフトを使うのが、ベストかもしれない。Viewer だから、もともとマクロウイルスが無効になる。( Viewer はマクロを実行する能力がもたない。)
→ Word Viewer
→ Excel Viewer
→ PowerPoint Viewer
(2) 互換ソフト
互換ソフトを使ってもいい。互換性は高くなくとも、内容を見るぐらいならば差し支えないはずだ。
・ OpenOffice
・ LibreOffice
・ ジャストシステムの Office ソフト
これらのソフトで、MS Office のファイルを開ける。それで特に問題ないはずだ。
