2011年02月11日

◆ ホメオパシーは有効である

 ホメオパシーは有効か? 科学的に厳密に考えるなら、有効になることもある、と考えるのが正しい。つまり、まったくの無効ではない。 ──
 
 ……というふうに結論すると、トンデモマニアが「トンデモだ!」と騒ぐだろうが、ま、話半分だと思って、眉に唾をつけながら、じっくり読んでほしい。目からウロコの話がある。
( ※ ただし、頭ごなしに「読む前から否定してやろう」と思っている人は、読まないでほしい。それは「誤読してやろう」と思って読むということだから、必ず誤読する結果になる。自分の読解力の低さをさらけだして恥をかくだけだから、そういう気持ちでは読まないでほしい。心を白紙にして読んでほしい。)
( ※ 「記述がわざとらしい」という批判は、甘んじて受けます。わざと馬鹿なトンデモマニアを引っかけるために、「釣り」になるような書き方をしているので。  (^^); )

 ──

 「ホメオパシーを実践したら有効だった」
 という体験記は、たくさんある。それをもって「ホメオパシーは有効だ」と結論することはできるか? もちろん、できない。(免疫力で治癒した可能性も十分にある。因果関係は成立しない。)
 ここまでは、ホメオパシーの批判者が指摘していることだ。問題は、その先だ。

 ──

 「ホメオパシーを実践したら有効だった」
 という例を見ると、次のような例が多いことに気づく。
  ・ 実行者は、女性である。
  ・ 症状は、体調不順や痛みなどである。(感染症や怪我ではない。)


 たとえば、最近、次のページが批判になっている。
  → WEBRONZA のホメオパシー礼賛記事

 ここでも、上記の特徴が当てはまる。
  ・ 著者(体験者)は、女性である。
  ・ 彼女の体験は、月経前症候群である。引用すると、
 両脚全体がズキズキ痛み出し、常にイライラする状態が数日続く。この症状が毎月表れていた。何とかしなくてはと思ったが西洋薬を飲むのはためらわれた。そこで、まさか治ることはないとは思うがと疑ったまま、ホメオパスに診断してもらった。レメディを毎月1本計3本飲んだら、心身ともすっかり治ってしまったのだ。
  という体験が記されている。

 ──

 ここまでは、既存の知識だ。このあとで、科学的に考察してみよう。
 科学的に考えると、次のことが成立する。
  ・ ホメオパシーのレメディは、ただの水または砂糖玉にすぎない
  ・ それが効果があったと感じられる


 この二点からわかることは、何か? 「レメディは有効だ」ということか? そうは言えない。水や砂糖玉が有効であるはずがない。(ここまでは、ホメオパシー批判者の指摘するとおりだ。)

 では、結果的に、ホメオパシーが有効だった(と感じられる)としたら? その場合、論理的に、次の二点が成立する。
  ・ レメディは有効でない
  ・ ホメオパシーは有効である


 この二点は、矛盾に見えそうだが、矛盾ではない。これを矛盾でなくする科学的な解釈は、ただ一つ。こうだ。
 「ホメオパシーは暗示療法である」

 これが決定的に重要な真実だろう。

 ──

 「ホメオパシーは暗示療法である」
 と考えれば、次の3点が説明される。
  ・ 信奉者は、女性であることが多い。
  ・ 症状は、体調不順や痛みなどである。(感染症や怪我ではない。)
  ・ レメディは無効だが、「レメディは有効だ」と信じることは有効だ。


 このうち、最後のものは、プラセボ効果とは似て非なるものだ。
 プラセボ効果は、誰にも等しくかかる効果だ。その薬が効くかどうかには関係なく、「薬が効くだろう」と漠然と信じていることから来る効果だ。
 一方、暗示療法は、「これはよく効く」と積極的に信じることによって発揮される効果だ。
 逆の立場から言えば、次のように言える。
 「プラセボ効果とは、暗示療法の一種である(弱い暗示療法である)」

 つまり、特に積極的に暗示をかけないで、放置しておくだけによって生じる暗示療法が、プラセボ効果だ。プラセボ効果は、あくまで、暗示療法という枠内の一つにすぎないのである。
 そして、(ここが大事だが)プラセボ効果には確かに大きな効果があることが、すでに科学的に証明されているのである。

 ──

 以上のことから、次のことが言えるだろう。
  ・ プラセボ効果は、暗示療法の一つである。
  ・ プラセボ効果は、体調不順や痛みなどでは、効果が大きい。
  ・ プラセボ効果には、統計的に、かなり大きな治療効果がある。
  ・ 積極的な暗示療法は、プラセボ効果を増進する。


 ここから、次の結論が得られるだろう。
 「ホメオパシーは有効だ、と信じる暗示療法を受けると、実際に治療効果が出ることがある。特に、体調不順や痛みなどでは、効果が大きい。また、暗示効果の大きい女性では効果が大きい。(疑い深い男性では効果が少ない傾向にある。)」


 さらに、次のことも言えるかもしれない。
 「(月経前症候群のような)女性特有の体調不順などを体験している女性たちでは、ホメオパシーが有効だったという体験を持つ人が多い
 しかし、月経前症候群のように、女性特有の体調不順などを体験していない男性たちでは、ホメオパシーが有効だったという体験を持つ人が少ない。」


 これは、単純に言えば、次のように言える。
 「月経のない男たちは、女の気持ちがわからないのだが、女の気持ちがわからないということを、男たちは理解できない。そのかわりに、『女たちは馬鹿だから、ホメオパシーを信じるのだ』と女性蔑視論を吐く」


 つまり、ホメオパシーについては、次の二つの意見が成立する。

 (1) ホメオパシー否定論

 「ホメオパシーには何の効果もない。効果があると信じている女性たちが多いのは、女性たちが非科学的な馬鹿だからだ。男は利口だが、女は馬鹿だ。馬鹿な女が多いせいで、世間にはホメオパシーが流行する。男たちは、馬鹿な女たちを、啓蒙しよう! 馬鹿な奴らを啓蒙することこそ、正しいことだ。正しいことをする俺様は、偉い。俺様を否定する奴は、トンデモだ!」

 (2) ホメオパシー部分認定論

 「ホメオパシーは、西洋医学の及ばない領域(体調不良や痛みなど)では、部分的に効果があることもある。特に、女性特有の体調不順については、人によっては効果があることもある。その理由は、暗示療法である。ホメオパシーに効果があると信じている女性たちが多いのは、女性たちには女性特有の体調不順などがあり、それが暗示療法で治ることもあるからだ。そういう医学的な男女差を認識できない男は、独りよがりだ。独りよがりな男が多いせいで、世間ではホメオパシー批判がのさばる。男たちは、おのれの愚かさを、自己反省しよう。偉ぶるよりも、まずは謙虚でなくては」

 ──

 結論。

 ホメオパシーは、西洋医学の得意とする領域では、まったく無効である。しかしながら、西洋医学の得意としない領域では、暗示療法によって有効になることもある。特に、女性特有の症状では、効果が大きいこともある。
 感染症とか怪我とか毒物とか、そういうふうに物質的な原因がある場合は別だが、原因も解決も自分の体だけで可能となる「体調不順」などの症状では、暗示療法が有効であることもある。そして、暗示療法の一つとして、ホメオパシーやバッチフラワーレメディが有効だと感じられることもある。
 そして、その治療が効果が出ることの理由は、痛みそのものがなくなることというよりは、痛みに対して神経質であることをやめることで、めぐりめぐって体調が改善するということも、あるかもしれない。ともあれ、作用機序ははっきりとしなくとも、結果的に患者本人が満足できるのであれば、それはそれなりに有効だとも言える。
 暗示療法というものを頭ごなしに否定することは、それこそ非科学的である。科学的な認識とは「人間は機械ではない」とはっきり理解することだ。機械ならば明白な因果関係が成立するが、人間の体では心理作用で肉体の状態が左右されることも、多々あるのだ。……こう理解することは、オカルトではなく、科学的な態度である。

 《 参考 》

 私の体験談。
 大酒を飲んだあとで、腹痛になった。その腹痛が弱い腹痛のまま、1カ月たっても治癒しない。心配で仕方がない。そこで、医者にかかったら、「大丈夫。問題ない。痛みが続くようなら、また来なさい」と言われた。
 心配がなくなったら、とたんに、一カ月も続いた痛みが消えてしまった。病は気から。
( ※ これも暗示療法の一種かもしれない。)



 [ 付記1 ]
 人体には神秘である部分も多い。プラセボ効果がどんなものであるかは、西洋医学は十分に解明していない。
 また、催眠術というものが可能であることも、西洋医学では十分に解明していない。それでも、催眠術は成立する。そのことは、ファインマンが述べている。自分自身が催眠術の実験台に立って、催眠術にかかってしまった。
   → ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)
   ( p.90 のあたり。「僕、僕、僕にやらせてくれ」という章。)

 催眠術は人間の心や行動を操作できる。それはとてつもないことだ。それに比べれば、「痛みの操作」なんて、はるかに小さな効果だ。暗示療法によって、そのくらい心理操作(鎮痛効果)ができたとしても、ちっとも不思議ではない。

 [ 付記2 ]
 真に科学的な立場を取るなら、「プラセボ効果なんて非科学的だから存在しない!」とは述べないはずだ。
 むしろ、「人体には不思議なところがあり、暗示療法が有効であることもある」と述べるはずだ。
 多くの人々は、「科学は絶対的に正しい。科学はあらゆる現象を解明できている」と錯覚しがちだ。しかし、真に科学的な人ならば、「科学は人体のすべてを解明尽くしてはいない。人体には神秘がある」という真実を理解するはずだ。

 現代医学は、百年前の医学に比べて飛躍的に進歩しているが、それは今後も続くはずだ。その意味では、現代医学は、百年後の医学に比べて、圧倒的に無知なのである。プラセボ効果や暗示療法を正しく解明できず、むしろ「現代科学で解明できない現象は存在しないことにしよう」と思うことを科学的だと信じている人々が多いのだ。こういう今の科学水準はかなり低いと言えるだろう。
 比喩的に言えば、今の医者は、「消毒薬をかけることが医学的だ」と信じて、野菜にも殺虫剤や消毒薬(DDTなど)をかけて喜んでいる、昔の医学者に似ている。低レベルな科学を「これは完璧な科学だ」と信じきっているせいで、おのれの限界に気づかないのだ。
 おのれの無知を疑うだけの自己反省があれば、まだしも間違わないのだろうが、他人を攻撃することにばかり熱中していると、自己反省などは夢のまた夢なのだろう。
 


 [ 余談 ]
 予想される誤読。
 「こいつはホメオパシーを有効だと唱えることで、ホメオパシー・ジャパンのあこぎな商売に加担している! こいつはトンデモだ!」
 「ホメオパシーを有効だと唱えるなら、ホメオパシーが有効だという科学的な根拠を示せ。実証データを示せ。二重盲検法による統計データを示せ。それなしにホメオパシーを有効だと見なすのであれば、トンデモだ!」
 
 科学的知識が欠落しているだけならまだしも、日本語読解力がないと、誤読して、勘違いして、上記のような文句が生じるだろう。
 そういうふうに馬鹿をさらす人が出てきそうなので、あらかじめ予告しておこう。(特に、はてブ あたりに、誤読ゆえの悪口が掲載されそうだ。毎度のことだけど。  (^^); )

 とにかくまあ、「暗示療法」という概念を理解してから、文句を言ってほしいものだ。
( ※ 私が思うに、ホメオパシー批判者の一部は、「ホメオパシーは悪である」という暗示にかかっている。そのせいで、プラセボ効果の存在さえも、否定してしまっている。一種の催眠状態ですね。頭がマヒしている。)
posted by 管理人 at 17:31| Comment(7) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
WEBRONZA の件については、面白い見解を述べているブログがあった。
 → http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/webronza-24e2.html

 かなりひねくれた(独自の)見解だ。なるほど。感心した。そういう見方もあるんですね。
 ヒステリックに騒ぐ連中とは別に、冷静な見方をする人もいるものだ、と感心した。
Posted by 管理人 at 2011年02月11日 19:36
ホメオパシー批判者の大半は、「ホメオパシーに心理的効果がある」ということは認めていると思いますよ。
むしろ、「心理的効果だけしかないのに、それだけではカバーできない領域に手を出している」
という理由で非難されているんじゃないですか。
予防接種とか、喘息とか、火傷とか、ビタミンKとか、、、。
まあ、管理人さんもたぶんそういうことをわかって書いていると思いますが
読者の中に誤解する人がいるといけないので書かせてもらいました。
対象となる領域をきっちりと限定するのなら、ホメオパシーも有効でしょうが、それは難しいでしょうね。
Posted by sevo3104 at 2011年02月13日 00:42
> ホメオパシー批判者の大半は、「ホメオパシーに心理的効果がある」ということは認めている

 プラセボ効果については、そうです。
 本項の話題は、プラセボ効果があるかどうかではなくて、もっと強い暗示効果についての話です。
 プラセボ効果を切り口にして、暗示効果について話題を伸ばしているのが、本項の趣旨です。

 ホメオパシー批判者を批判することが本項の目的ではありません。本サイトは原則、他人を批判することを目的としていません。トンデモマニアとは違うので。
Posted by 管理人 at 2011年02月13日 09:37
ホメオパシー批判に関する部分は余談でしたね。失礼しました。

>プラセボ効果は、誰にも等しくかかる効果だ。その薬が効くかどうかには関係なく、
 「薬が効くだろう」と漠然と信じていることから来る効果だ。
 一方、暗示療法は、「これはよく効く」と積極的に信じることによって発揮される効果だ。

上記の分類に関する疑問ですが、Wikipediaによると
「プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E8%96%AC
となっており、信じる強さに関しては言及されていません。
他のソースを調べても、投薬に際して暗示をかけて、積極的に信じさせる場合まで含めて
プラセボ効果とする解釈が一般的ではないかと思います。

そこでお聞きしたいのですが、上記のプラセボと暗示の分類は、管理人さんが独自に考えられたものですか?
それとも、世間で広く認められている分類なのでしょうか?
後者であれば、何かソースをお願いします。
Posted by sevo3104 at 2011年02月13日 22:56
プラセボ効果を考えるときに、患者に暗示療法をすることはありえないでしょう。プラセボを使うのは二重盲検法のときであり、患者も医者もどちらもわかっていないはずです。
 プラセボを使う患者に限って、暗示を強くかけるのでは、二重盲検法になりません。

 暗示療法までも含めて「プラセボ効果」と呼ぶことは、広い意味では可能でしょう。ただし、普通に言うプラセボ効果とは違っているはずです。
 本項では暗示療法の意義を強く強調していますが、Wikipedia などでは暗示療法との区別をしていません。区別するかどうかは、本項の独自の立場だとも言えます。
Posted by 管理人 at 2011年02月13日 23:14
>プラセボ効果について無知な人は、そうでないかもしれませんが。
この一文は余計でしたね。大変失礼しました。お詫びして、取り消させていただきます。

リンク先を拝見して、疑問が解けました。どうやら無知なのは私だったようです。
カウンセリングのことを指していたんですね。カウンセリングは確かにプラセボ効果とは異なります。

暗示療法については、以下のように理解しました。
A:薬の成分や実績などについて説明し、「よく効きますよ」と暗示をかける。
この場合、もし薬が投与されなければ、暗示は全く効果がありません。
よって、この暗示はプラセボ効果に含まれます。

B:薬とは独立した形で、暗示療法を行う。
例:過換気症候群やパニック障害などの患者に対し、発作を防ぐ・抑えるような暗示を行うなど。
それとともに発作を抑えるための薬も処方する。
この場合は、もし薬がなくても暗示だけで効果が存在しますので
暗示の効果はプラセボ効果とは全く別のものだと考えられます。

私はずっとAだけ考えていましたが、管理人さんはAとBの両方を指していたんですね。
すなわち、「ホメオパシーには、プラセボ効果(A)以外に、暗示療法の効果(B)がある」
AとBの分類は、暗示の強さというより、暗示の種類の違いですね。
大変失礼しました。確かに私が誤読していましたね。
カウンセリングは、中身は暗示療法とは異なりますがBのパターンになるでしょうね。

管理人さんのおかげで、自らの誤読に気づき、知識を深めることができました。
コメントに付き合っていただき、ありがとうございました。
そして、これまでの失礼な発言を深くお詫びします。
このコメントは、管理人さんあてに書いたものですので
承認せずにそのまま削除していただいても結構です。
Posted by sevo3104 at 2011年02月15日 22:11
解説しておきます。
プラセボ効果と暗示効果は、重なるところがとても多く、区別することはできません。一つの例で両方を兼ねていることが多々あります。

しかしながら、プラセボ効果の概念と暗示効果の概念は、区別することが必要です。両者は別の概念です。

対象は重なることがあっても、概念は別々だ、という点に留意しましょう。

例。科学者という概念と日本人という概念は別々だが、現実の人間では重なることが多々ある。
Posted by 管理人 at 2011年02月15日 22:33
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