それならば同時に、ID口座も導入するべきだ。 ──
政府は国民に共通番号制度を導入する方針だという。
菅政権は28日、一人ひとりに番号を割り当てる「社会保障・税の番号制度」(共通番号)の基本方針を決めた。年金や医療、介護などの社会保障サービスと納税や減税などの手続きに利用する。2014年6月をめどに番号を付与し、15年1月からの利用開始を目指している。──
利用範囲は当面、年金、医療、福祉、介護などの社会保障分野と国と地方の税務分野とする。年金を含めた様々な収入や納税の記録、児童扶養手当などの給付状況、医療や介護費用の支払い記録などを一括管理する。行政機関ごとにばらばらに把握していた利用者の情報がつながり、手当の申請や税金の確定申告で提出書類を省略できる。ネット上に個人専用ページ「マイ・ポータル」をもうけ、自分の情報や利用できる福祉サービスを一覧できるようにする。
( → 朝日新聞 2011-01-29 )
利用方法は、上記の赤文字部で示されたとおりだが、それでは単に情報管理がなされるだけだ。
もっとうまい利用法がある。それは、この ID番号に口座番号を付して、「 ID口座」にすることだ。
ID口座は、通常の銀行の口座振り込みに似ているが、次の点で異なる。
・ あらゆる納付や給付を一元管理する。
・ 支出先は政府や地方自治体に限られる。
(1) あらゆる納付や給付を一元管理する
現状では、さまざまな納税や納付は、銀行口座を通じて、バラバラになされる。たとえば、次のようなものだ。
納税、年金料金納付、水道料の納付、学校などの授業料の納付、学校の
給食費や教育関係費の納付。
これらは一元管理した方が便利だ。
また、逆方向になるが、国からの還付もある。
税金の還付金、減税の給付金、子供手当の給付金
これらも一元管理した方が便利だ。
国としても、「国は子供手当を払ったのに、国民は健康保険料や年金料金を払わないで逃げ回る」というような「取りはぐれ」の危険が減る。メリットは多大だろう。また、真面目な納税者がバカを見ないということで、公平でもある。
(2) 支出先は政府や地方自治体に限られる
ID口座を普通の銀行口座のようにすると、これを悪用する人が出てきそうだ。たとえば、泥棒が誰かの IDカードを盗んで、その IDカードに記入された減税の金を盗み取る、というふうな。
この危険をなくすには、支出先を限定すればいい。
「支出先は政府や地方自治体に限られる」
というふうに。こうすれば、泥棒が IDカードを盗んでも、そこに記入された金を、泥棒が得ることはできない。金を得ることができるのは、政府や地方自治体だけだ。こうすれば、ID口座の危険性は減る。
──
一般に、ID口座では、恒常的に赤字が発生する。納税や、健康保険料や、年金料金などの納付のためだ。
そこで人々は、銀行口座から、ID口座へと、自動振り込みすることになる。
なお、年金や生活保護費などの給付金は、ID口座にはしない。これらの金は、普通の銀行口座に入れる。国民が自分で引き出すことができるようにするためだ。
一方、ID口座に入れた金は、自分自身でも引き出せない。引き出せるのはあくまで、政府や地方自治体に限られる。
( ※ 他に、NHK も含めていいかも。そうすれば、NHK の徴収のコストは大幅に下がる。)
──
ID番号というと、マスコミは、「個人情報の流用や悪用」を懸念している。
ま、デメリットの心配は必要だとしても、メリットをもっと高めた方がいい。それが本項の趣旨だ。
( ※ ついでだが、ID口座への送金[入金]は、一般に誰でも可能にしても良さそうだ。たとえば、ヤフオクの落札者が、落札代金を、販売者の ID口座に送金する。銀行口座がわりだ。あるいは、サラ金が、ID口座で身元確認して、貸付金を ID口座に送金する。……これはこれで、別に不便はないだろう。口座の身元がしっかりしている分、手数料を引き下げることもできそうだ。)
( ※ とにかく、口座からの引き出し[出金]は国や自治体に限られる、というのがポイント。)
[ 付記 ]
メリットとして、振り込み手数料の節約がある。
現状では、各種料金の払い込みについて、銀行の口座振替では、1件ごとに手数料がかかる。その分、銀行の儲けとなる。
一方、ID口座ができれば、各種の納付は一括して処理され、その合金額だけが一括して銀行から引き下ろされる。その回数は、毎月いっぺんではなくて、3カ月にいっぺんぐらいだ。
こうして銀行の口座振替の手数料が大幅に節約できる。その分、政府の事務手数料はかさむが、銀行を儲けさせるほどではあるまい。差し引きすれば、結構節約できるはずだ。(銀行にとっては商売あがったりだろうが。銀行なんて、もともと儲けすぎ。)
【 関連サイト 】
このアイデアは、ずっと前に「小泉の波立ち」で提案したものとまったく同じである。
→ ニュースと感想 (2月28日b)
※ この前後の項目では、ID口座と減税とを組み合わせる案を述べている。
タイムスタンプは 下記 ↓
なお、自分は見なくても、家族が見るなら、取られるのは当然でしょう。
テレビがある世帯は払えばいいのです。