石油不足に対処するために、バイオエタノールというものが提唱されているが、ちょっと変わったところで、微生物の藻類を使ってバイオ燃料を作ることができる。 ──
微生物の藻類を使ってバイオ燃料を作ることができるという。もともとあったが、その生産量を従来の 10倍になるような、新たな微生物を発見したという。
この記事は、朝日新聞(夕刊 2010-12-14 )にあるが、ネットにはない。ネットで検索したところ、同じ研究者(筑波大・渡邉信)についての情報がいくつか見つかった。詳しくはそちらを参照。(特に見なくてもいいが。)
→ https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/FSH0hzRppM
→ http://sankei.jp.msn.com/science/science/100419/scn1004190843002-n1.htm
→ http://bit.ly/friwJv
→ http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20090417/101276/?ST=print
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情報としては、大したことはない。何が言いたいかというと、これと似た件は前にも論じたことがある、という点だ。
→ バイオ軽油 ( 2008年07月20日)
つまり、2年余り前にも、似た話を論じた。そこではデンソーなどの研究を示したが、本項では筑波大の研究を紹介している。
2年余り前の話(上記)でも述べたが、微生物によるバイオ燃料というのは、筋がいい。有望である。
一方、バイオエタノール(食物トウモロコシなど)や、第二世代バイオエタノール(食物でないケナフなど)の陸上植物を利用するバイオ燃料というのは、私は否定的だ。食物を利用するのは食糧危機をもたらすし、食糧以外でもコスト的に合わないからだ。
→ バイオ燃料の問題
→ 第二世代バイオエタノール
本項では、特に目新しい情報はないのだが、今回新たなニュースに関連して、昔の情報のおさらいをしたことになる。
2010年12月14日
過去ログ

→ http://www.asahi.com/science/update/1214/TKY201012140212.html
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記事には、下記の文章もある。
> 「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」としている。
しかし、エネルギー変換効率からして、日本よりは熱帯地方の方が効率は高い。また、人件費や地価からしても、途上国の方が有利だ。
日本で生産する必要はないだろう。養分・有機物となる食糧カスだって、途上国にもたっぷりあるはずだからだ。
朝日の記事によると、コストは、
> 「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に1リットル50円以下で供給できるようになるだろう」
ということだから、現在のコストとたいして変わらない。
現在の場合、タダ同然で自噴したものを市場価格で売るから、産油国は莫大な利益を得る。
一方、今回の場合は、市場価格と生産コストが同じぐらいだから、得られる利益はほとんどない。産油国みたいな巨大な利益が入るわけではない。
しいて意味があるとすれば、「将来的には石油涸渇による石油価格上昇の恐れがなくなった」ということぐらいだろう。
しかも、石油涸渇というのは、もともと数十年も先の話だから、われわれの生きている時代には関係のない話だ。(それまでに電気自動車などが普及している。)
今回の話は、別に大騒ぎするほどのことではない。「資源枯渇が大変だあ!」と騒ぎ立てている人にとっては有力な反証が出た、というぐらいのことだ。
以下、引用。
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藻類バイオマスによる石油代替資源の生産モデル確立に向けた実証実験を、仙台市や東北大と共同で行うと5日、筑波大の渡辺信教授が同市で発表した。
渡辺教授は、石油の主成分である炭化水素を作り出す藻類「オーランチオキトリウム」を昨年12月に発見した。
実験は、仙台市宮城野区の下水処理場の生活排水を利用。東北大とも連携し、3〜4年かけて最適な水温や水中の酸素量、有機物の割合などを研究する。早ければ年内にも試験用プラントを建設し、徐々に規模を拡大していくという。
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http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011090500777
本項のような方法なら、普通の石油と同程度の価格になる。ということは、普通の火力発電と同程度のコストで済む、ということだ。(重油やLNG よりはいくらか高いとしても。)
温暖化ガスへの影響ならば、太陽光発電と同等だ。バイオ・エタノールは、空気中の炭酸ガスを吸収するので、カーボン・ニュートラルだ。
政府は再生エネ法案で、ソーラーパネルに莫大な補助金を出そうとしている。それよりは、こっちのバイオエタノールに金を投入するといいだろう。