2010年12月06日

◆ 前項の解答

 前項の解答を示す。
 ( ※ 正解を示すだけでなく、解説も示す。) ──
  
 前項では次の数値を得た。
   (1)÷(2) = 111年
 この数値を「統計寿命」と呼ぶことにしよう。

 (3) の推論は
   統計寿命 = 平均寿命
 ということだ。
 では、その推論は成立するか? 成立しそうだが、成立しない。
 では、なぜか? ……これが前項の問題であった。

 ( ※ 以上では、問題を整理した。)

 ──

 統計寿命と平均寿命は、定義が異なるから、異なる数値になって当然である。
 とはいえ、よく考えれば、その数値はほぼ一致して当然だ。
 実際、それが一致する例が、ヒント1 で示された。

 しかるに、ヒント1の場合には推論が成立するのに、現実の場合には推論が成立しない。
 それはなぜか? ……これが前項の問題の本質であった。

 ──

 ここで、話を簡単にするために、各年齢の年齢構成が毎年同じだとしよう。つまり、定常的な場合を考える。その場合には、推論はほぼ成立するとわかる。(二つの数値の食い違いは、あるとしても、微小である。)
 にもかかわらず、現実には、推論は成立しない。とすれば、現実は定常的ではないことになる。つまり、毎年毎年、年齢構成が変化していることになる。

 では、どのように変化しているか? 
 ここで思いつくのは、次のことだ。
 「平均寿命が毎年伸びている」
 そこで、その場合に、統計寿命がどうなるかを考える。

 典型的な例として、次の場合を考える。
 「各年齢における死者がゼロである」
 つまり、どういうわけかその年に限り、各年齢で死者が一人も出ないとする。その場合には、どうなるか? (2) の値がゼロだから、
  (1)÷(2)
 の値は無限大となる。

 同様のことは、  
 「各年齢における死者が(例年より)半減した」
 という場合にも成立する。
  (1)÷(2)
 の値は、無限大ではないが、倍増してしまう。222年になってしまう。

 ──

 以上のことから、次のことがわかる。
 「平均寿命が一定ならば、定常的なので、統計寿命と平均寿命はほぼ同じである。一方、平均寿命が毎年少しずつ延びていれば、各年の死者数は、定常的な場合の死者数よりも少ない。そのせいで、統計寿命は、平均寿命よりも長くなる」
  ※ 統計寿命とは (1)÷(2) の値。


 これが正解である。
 ただし、「統計寿命と平均寿命は異なる」という点も、いくらか寄与する。
 以上の2点を列挙しておけば、満点となる。

 ──

 なお、さらに完璧を期するのであれば、
 「平均寿命は毎年伸びている」
 ということをデータで示せばいい。そのためには、次の統計データを示そう。
  → http://bit.ly/gCYwAE

 ──

 なお、将来的には、平均寿命の伸びは頭打ちになるだろう。そのときには、統計寿命と平均寿命は、かなり近い値になるはずだ。同時に、毎年の死者数は、現状よりもかなり多くなるはずだ。



 [ 付記 ]
 平均寿命は 50年間のうちに 15年(歳)ぐらい伸びている。1年間に 0.3年(歳) ぐらいの割合での伸びだ。

 《 以下は取り消します。 》

 まったく死者が出ない場合には 1年間に 1.0年(歳) 伸びるはずだから、その3割に相当する量で伸びていることになる。この伸びは驚異的なほど多い伸びだ。「日本人は不老不死を3割程度実現している」と言ってもいい。

 逆に言えば、これこそが、急激な高齢化社会の真相だろう。
 とはいえ、それは悪いことではない。生きている人々にとっては、不老不死に近づきつつあるというのは、嬉しいことだろう。(たとえそれが将来的には頭打ちになるとしても。)
posted by 管理人 at 20:19| Comment(29) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも拝見させてもらっています。
平均寿命が毎年少しずつ伸びるのであれば、その期間に生まれてきた子供の分だけ、(1)の値も大きくなってしまわないでしょうか?
つまり、
「平均寿命が毎年少しずつ延びて、かつ、その期間に生まれてきた子供の数だけ人口が多くなるので、統計寿命は平均寿命より長くなる。」
が正解じゃないのでしょうか?
Posted by S.K at 2010年12月06日 23:56
定常的な状況では、その年に生まれた子供の数と、その年に死んだ各年齢層の合計数は、同じです。

というわけで、「その年に生まれた子供の数だけ人口が増える」ということはありません。

どちらかと言えば、「前年の出生数との増減」が意味を持ちます。しかし、あまり大きな数字ではありません。
Posted by 管理人 at 2010年12月07日 00:12
はじめまして。
一つ質問させていただいてよろしいでしょうか。
1995年は阪大震災の影響で、平均寿命が前年より短くなりましたが
管理人さんのおっしゃる統計寿命は死亡数922139人/人口12557万人=136となり
他の年と同様、平均寿命より大幅に高くなります。
これはなぜなのでしょう?

私が思うに、統計寿命と平均寿命の差に最も大きく影響する因子は「人口構成」だからではないでしょうか。
現在の日本では、高齢化したとはいえ70代〜90代の人口がそれほど多くなく
その下の団塊の世代や団塊Jr世代の人数が多いため、人口比での死亡数が少ないのだと思います。
平均寿命の延びも、影響しているとは思いますが、その影響は少ない、だから
1995年のように平均寿命が前年より短い年でも、人口構成自体は変わらないのでその影響により
統計寿命が平均寿命より大幅に長くなるのでは、と思います。

ちなみに、5年とか10年の間隔でみると、日本の平均寿命は確実に延びていますが
1年ごとのデータをみると、前年より短くなっている年はときどきあるようです。
Posted by sevo3104 at 2010年12月08日 22:42
> 1995年は阪大震災の影響で、平均寿命が前年より短くなりましたが

 なかなか面白い点に着目しましたね。グッド・ジョブ。

 私の考えでは、次のように説明されます。
 阪神大震災のときには、自然死(病死・老衰死)の場合とは違って、若年層が大幅に死にました。そのせいで、平均寿命が大幅に低下する効果が出ます。
 若者が死んだ場合と、高齢者が死んだ場合とでは、平均寿命の短縮に寄与する効果が全然違います。
 ここでは、死者数を見るだけでは駄目で、「若者がたくさん死んだ」という点に着目することが大事です。そのことで「平均寿命の短縮」が説明されます。

 とはいえ、一時的な事件ですから、あまり深く考慮する必要もなさそうです。
 一応、念のための考察、というふうになりますね。補足ふうに、詳しい話を追加したことになります。
 
 ただ、これはこれで、一つの問題になりそうですね。けっこう頭を使いました。10分間ぐらい考えた。かなり難問の部類です。言われてみれば、コロンブスの卵だが。
Posted by 管理人 at 2010年12月09日 00:15
> 1995年は阪大震災の影響で、平均寿命が前年より短くなりましたが

これに対する管理人さんと違う回答。

例えば、均衡状態からある瞬間、10年寿命が延びたと考えると分かりやすい。
さらに、一人残らず10年ずつ延びたと仮定する(今日死ぬ人が10年後に死んで、5年後に死ぬ人は15年後に死ぬ)。
そうすると、10年間死者0になります。
10年間平均寿命は延びてないのに、死亡者は0
で、10年後には元の状態に戻る

ここから考えて、ある瞬間10年寿命が延びたが、実際に近い仮定にして、寿命が5年延びたり20年延びたりの平均で10年延びたと仮定すると、死者数を減らす効果は10年よりもっと長く続いて、トータルでの死者数を減らす効果は、最初の仮定と同じになる、と言えます。

つまり、平均寿命が延びることにより死者数を減らす効果ってのは、その年だけじゃなくて、その年以降に薄く延ばされるってことです。
(どの年数に薄く延ばされるか考慮しきれてませんが、平均寿命の年数になるんじゃないかなぁ)
なので、特定の1年だけ平均寿命が伸びなくても、それは大きな影響を与えず、これまでずっと平均寿命が延びてきたのなら、やっぱり死者数は少なくなるってことです。

どこか理論間違ってます?
Posted by T.M. at 2010年12月09日 17:46
管理人さんへ。返信ありがとうございます。
1995年は特殊だったかもしれませんね。それでは別の年をあげてみます。
2005年も平均寿命が短くなりましたが
統計寿命は死亡数1084000人/人口127768000人=118です。

この年は、特に大きな災害などはなかったと思いますがどうでしょうか。
データは、以下のページを参考にしました。
http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm

繰り返しになりますが、私の意見は
「統計寿命と平均寿命の差が発生する要因としては人口構成の影響と平均寿命の延びの両者が考えられるが
日本においては前者の方が大きい(それほど人口構成に大きな歪みがある)」です。
将来、団塊の世代が死期を迎える頃には、死亡数が大幅に増加し
平均寿命が延びている状態であっても、平均寿命>統計寿命になるだろうと思います。
Posted by sevo3104 at 2010年12月10日 00:25
T.M.さんへ。こんな感じでしょうか。年間死亡数が0だと、平均寿命も統計寿命も無限大になりますね。

0年目 平均寿命:a  死亡数:b 人口:c 統計寿命:c/b
1年目 平均寿命:無限大 死亡数:0 人口:c+年間出生数 統計寿命:無限大
(10年目まで人口のみ増加、その他は1年目と同じ)
11年目 平均寿命:a+10 死亡数:b 人口:c+10年間の出生数 統計寿命:(c+10年間の出生数)/b

つまり、平均寿命が延びたのは0年目から1年目の間だけであって
1年目から10年目までは平均寿命が延びていない、それにも関わらず
1年目から10年目の死者は0人と少ない、ということをおっしゃりたいのでしょうか。

なかなか面白いですが、異論があります。
1年目から10年目の死亡数を0人ではなく、bより大幅に少ないdと仮定します。
そうすると、平均寿命は無限大ではなく、ある数になります。
そして、死亡数bで均衡状態が維持されていたのだから
それより少ない死亡数dでは、2〜10年目まで、平均寿命は伸び続けるのではないでしょうか。

すなわち、初めの設定では平均寿命が無限大になってしまったために、大小の比較ができず、
1年目から10年目まで全て同じに見えるだけではないでしょうか。
(何か間違いがあればご指摘願います。)

ここまで反論してきましたが、これはあくまでT.M.さんのモデルに対する異論に過ぎず
平均寿命の延びの効果が後々まで続く、という可能性を完全に否定することにはなりませんね。
Posted by sevo3104 at 2010年12月10日 00:40
2005年は、減ったと言っても、コンマ以下の微量です。
よく見ると、2005年だけ、統計データが違っています。
「平成14〜16,18〜20年は簡易生命表による。 」
 → http://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/02syo/n0202100.xls
 ということなので、平成17年(2005年)だけ、統計データが違っています。
 そのせいでこの年だけ、食い違いが出るのでしょう。

> 人口構成の影響

 これはヒント2で述べたとおりです。人口構成の影響があるなら、高齢化社会では死者数が多めに出るはずで、その場合には、統計寿命をかえって短くする効果が出ます。伸ばす効果はありません。
Posted by 管理人 at 2010年12月10日 00:53
> それより少ない死亡数dでは、2〜10年目まで、平均寿命は伸び続けるのではないでしょうか。

自分の中ではかなり確定的に理論ができてるんですが、説明が難しいですね。言葉の定義を正確にできない。

sevo3104さんの反論は、「平均寿命が延びた」ことを死亡者から割り出したってことを前提にしてますよね。私が仮定したのは「本当にその瞬間全員の寿命が10年延びた」ってことです。
どうやって平均寿命を割り出しているのか、私は知りませんし、それを調べる手間をかける気もなかったので、そう仮定してい理論を作ってます。

死亡者数が均衡状態で予測される数と比較して少なくなっているのは、統計的な数字としての「平均寿命」が延びているからじゃなくて、本当の寿命が延びているから、ってことです。
なので、統計的な情報としての「平均寿命」が一時的に減ったとしても、それは実際の寿命の延びが止まったことを示さない、ってことも答えの1つですが、そういった統計のぶれよりも、寿命の延びが何年にもわたって影響を及ぼす部分の方が大きいと考えてます。

と書いていて、どの程度の年数影響を及ぼすかの考えがまとまりました。

要は、寿命が延びることによって均衡状態がくずれたことが、均衡状態を仮定した場合の数値とのずれになるんだから、均衡状態に戻れば影響はなります。

最初の私の理論(完全な均衡状態から、全員10年寿命が延びる)を、ちょっとバリエーションを変えて考えれば分かります。

10年平均寿命が延びたとしても、全年代でそれぞれ半数の人が20年延びた結果だったとしたら、20年影響が続きます(20年間死者が半数になる)
1割の人が100年延びた結果だとしたら100年影響が続きます(100年間死者が1割減る)

0.3年平均寿命が延びたとして、同じように考えれば現実に近い影響度が予測できます。

つまり、平均寿命の延びがどのように達成されたかで影響年数が変わります。
死にそうな人が1年長生きできるような技術が発見された結果であれば、影響は1年で終わります。
本来死んでいた新生児が生きられるような技術革新があった結果であれば、その影響は80年以上続きます。

理論は完璧だと思うんだけど、どこまでうまく説明できているかあまり自信ないです。

(仕事からの逃避もいい加減にして、もっと難しいこと考えます)
Posted by T.M. at 2010年12月10日 11:40
管理人さんへ。すみません、データの出典を見落としていました。
2005年は国勢調査があったのでそのデータを採用したのでしょうかね。
1988年や1999年も平均寿命は短くなっていますが
1年だけの現象であれば、誤差範囲内という解釈もありうるかもしれませんね。

それでは別のデータを示します。
http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest03/syousai03.asp
上記のサイトの将来予測データの中で、死亡中位・出生率中位を選んで調べてみると
2040年の総人口は105695000人(表1−1)、年間死亡数は1663000人(表1−8)なので
2040年の統計寿命は64歳になります。2055年で同様に計算してみると、統計寿命は58歳です。
これらの年だけに限らず、この年代では大幅に平均寿命>統計寿命になっています。

平均寿命のデータの場所は、ちょっと分かりづらいですが
下のほうの《日本の将来推計人口(平成18年12月推計)へ》をクリックした先のページの
表4−2を参照すると、2040年は男性82.71歳、女性89.43歳です。率は低いながらも延びていますね。
これで、平均寿命が延び続けていても、将来は平均寿命>統計寿命になるということが示せたと思います。

管理人さんはヒント2で
「人口構成では高齢者が多い。それを考えたら、実際の死者数はもっと増えていいはずだ。
ところが現実は逆だ。ゆえに、人口構成は理由にならない。」とおっしゃっていますが
この時代がまさにそれにあたります。人口構成が理由で、死者が大幅に増加しています。
現在はまだそこに至る通過点なんですね。平均寿命が83歳なので60代はまだまだ死亡数への寄与が低いようです。
長くなったので次に続きます。
Posted by sevo3104 at 2010年12月10日 19:53

管理人さんは「人口/死亡数」で統計寿命という数字を定義なさいましたが
人口統計の世界では、「死亡数/人口」で粗死亡率という言葉が定義されています。
この二つは分子と分母が逆になっているだけで、同じものを表していますね。
粗死亡率はたいてい人口1000人あたりの死亡数という形で表記されます。
1000人あたり死亡数10人であれば統計寿命1000/10=100、8人であれば統計寿命1000/8=125ですね。
そして、この粗死亡率は人口の年齢構成の影響を強く受けるため
年齢調整を行ってから、地域間や年代間の死亡状況の比較に使用されます。
(年齢調整死亡率:これは確かに平均寿命と相関します。)
年齢調整を行わずにそのまま粗死亡率と平均寿命との関連を議論することは、あまり意味がないと思います。
以上、「死亡率」で検索すれば出てくると思います。

あと、ささいなツッコミですが
[ 付記 ]の「まったく死者が出ない場合には 1年間に 1.0年(歳) 伸びるはず」というのは違いますね。
この場合、その年に限っては平均寿命が無限大になります。(まったく死者が出ないということは実際にはありえませんが)
そんな非現実的な仮定をせずとも、ある程度死亡率が改善すれば、平均寿命が1歳/年以上延びることはあります。
日本では実際に1951年、1954年、1958年にはそれぞれ平均寿命が1歳以上延びています。
乳児死亡率の改善が大きな影響をもたらしたようです。

ちなみにワールドカップの開催が決定した中東のカタールでは
2009年の男性の平均寿命が81歳(世界一)となり、なんと前年比+4.3歳です。
オイルマネーで栄養・衛生・医療などの因子が急速に改善するとこういうことが起こるのでしょうか?
まあ、統計データの正確さの問題かもしれません。日本ではそんなことはないと思いますけど。
Posted by sevo3104 at 2010年12月10日 20:01
> この場合、その年に限っては平均寿命が無限大になります。

 そうですね。平均寿命と平均年齢を混同していました。該当箇所を取り消しておきます。
Posted by 管理人 at 2010年12月10日 20:24
T.M.さんへ
もしかして平均寿命を死者の年齢の単純平均だと思っていませんか?そうだとすると根本的に間違っています。
平均寿命は各年齢の生存率を累積して0歳児があと何年生きられそうか、という期待値です。
ある瞬間に全員の寿命が10年延びた、というのはイメージとしては理解できますが
それはあくまで毎年の死亡率の減少を通してしか平均寿命には反映されません。

>10年平均寿命が延びたとしても、全年代でそれぞれ半数の人が20年延びた結果だったとしたら、
20年影響が続きます(20年間死者が半数になる)
定状状態の死者数と比較して、死者数が半減したという仮定ですね。
この場合、各年齢で死亡率が半減しますから、1年目は平均寿命が延びます。
死者の平均年齢自体は変わっていませんから、T.M.さんはこれを「平均寿命が延びていない」と思ったんですね。
ここにボタンの掛け違えがあったわけですね。
というわけで、2年目以降はあまり意味がないかもしれませんが、一応考えてみました。

1年目に死者数が半減したため、2年目は各年代の人数が前年より少し増加していますね。総人口も増加します。
この各年代に対し、死者数は前年と全く同じですから、各年代の年間死亡率は前年よりも減少します。
つまり、平均寿命は毎年延び続けます。
各年代ともに人口が増加し、それにもかかわらず死者は一定ですから、この状態が続く限り、毎年平均寿命は延びます。
そして21年目には死者が前年より大きく増加しますので各年代とも年間死亡率が上昇し、平均寿命は短くなります。
ざっと考えてみたのですがどうでしょうか。もし間違いがあればご指摘願います。
Posted by sevo3104 at 2010年12月10日 22:41
sevo3104さんへ、

私の仮定の本質的な部分を理解していただけてないので、反論全体が無意味です。
そちらの主張は、寿命がある瞬間延びたこと(私の仮定)が、統計上、何年にもわたって平均寿命を上げることになる、と言っているだけです。私は現実にはあり得ない極端な仮定をしているので、統計的な手法を使うことは無意味です。実際、10年人が死なないなんて状況からは、あり得ない平均寿命がでてきますよね。

本質的に考えて下さい。
全員がある瞬間10年寿命が延びたと仮定したら、その瞬間、平均寿命も10年延びてるんです。で、その後は寿命も平均寿命も延びてないという仮定をしているんです。
この仮定のもとだと、10歳まで人は死なないことになります。

ここまで極端な仮定だと現実との関わりが分かりづらいですが、全年代の1割の人がある瞬間10年寿命が延びた(結果平均寿命は1年延びた)としても、1/10の範囲で同じ影響が発生することを理解できれば、現実との関わりが見えてきます。

こんな極端な仮定から、人の寿命が延びること(結果として平均寿命が延びること)が死者数の減少にどう影響するのかを明確に示したつもりだったのですが、理解できない人がほとんどだとしたら、全然明確になってないってことですね(残念!)。でも、私の中では明確になりました。

これ以上分かりやすく説明する能力がないので許されたし(時間もないので)。

結局、「平均寿命と人口から予測される毎年の死者数より、実際の死者数が少ない」ことはパラドックスでもなんでもなくて、その差分だけ生きている人のトータル年齢(=人口x平均年齢)が毎年上がってる、つまり高齢化しているってことを意味するだけです。
平均寿命の延びが止まっても、(新生児の減少による影響を除いた)高齢化が続いている限り、死者数はずっと少ないままのはずなので、元の課題の回答としては「平均寿命の延び」より「高齢化」の方がより正確、なはず。
Posted by T.M. at 2010年12月12日 02:10
いつも興味深く拝見しています。
平均寿命と統計寿命が一致しない理由を以下のように考えました。

主に定常時の年齢別人口分布(生命表の生存数の分布)と現実の年齢別人口分布の違いによる。

死亡率への寄与が大きい高齢者が定常時に比べ少ない。
75歳以上で約2%少(総人口比)。
総人口に対してはたいした数字ではないが死亡率約1%に対しては非常に大きな数字となる。
Posted by nob at 2010年12月12日 14:43
戦争の戦死者の世代の人口が少なくなっているということは考えられます。
 計算すると、終戦時 1945年に 20歳だった人は 1925年生まれなので、現在では 85歳です。したがって 85歳以上の年齢層は、戦争のせいで人口が少なくなっていると考えられます。
 しかしこの数字は男子の平均寿命と大差ないので、寄与分はごく小さいと考えられます。(85歳以上の年齢層はもともと多くが死んでいます。90歳の人も 100歳の人も 110歳の人も。これらが戦死者に相当するが。)
 それよりは 60歳〜80歳の年齢層が非常に多いということの方が、死者の数に影響しそうです。
 cf. 人口ピラミッドの図
 http://goo.gl/HybYU

 というわけで、年齢構成の差は、統計寿命を短くする効果があるだけで、長くする効果はありません。
Posted by 管理人 at 2010年12月12日 19:26
T.M.さんへ
誤解してすみません。T.M.さんのおっしゃる寿命というのは平均寿命とは違うもので、
ただ単に「ある人の死亡時期」という意味なんですね。了解しました。
T.M.さんのおっしゃりたいことがある程度わかってきました。
前のコメントでの、定常状態から急に死者が半減し、その後20年間平均寿命が変わらないというモデルで考えてみます。

1年目は前回やったのでもういいですね。平均寿命も統計寿命も増加します。
2年目を「1年目と平均寿命が同じ」になると仮定します。すなわち、各年代の死亡率が1年目と同じになるということです。
この場合、1年目で死者が半減した分だけ各年代の人口は増加しているので
1年目から2年目の人口増加率と同じ率だけ、2年目の死者数は増加しますね。
すると、総人口も死者数も、増加率は同じなので総人口/死者数=統計寿命は1年目と同じになります。
3年目以降も同様です。総人口と死者はは少しずつ増え、平均寿命と統計寿命は1年目と同じです。

0年目は定常状態ですので、平均寿命=統計寿命です。
1年目は、死者数半減ですので、統計寿命は前年の2倍になります。
計算できないので推測になりますが、各年代のもとの死亡率がよほど高くない限り、
平均寿命は2倍までは延びないのではないでしょうか。
すると、平均寿命<統計寿命となります。これは明らかに1年目に死者が半減した影響でしょう。

おめでとうございます。
これで、「ある年の平均寿命の延びの影響で、翌年以降においても平均寿命<統計寿命となる」という実例が示せましたね。
これは私の中でも疑問だったので、T.M.さんのおかげでわかりました。ありがとうございます。
そうすると、私が提示した1995年や2005年は、前年までの平均寿命の延びの影響で、平均寿命<統計寿命になった、
という解釈が成立しますね。

>全員がある瞬間10年寿命が延びたと仮定したら、その瞬間、平均寿命も10年延びてるんです。
前にもコメントしましたが、平均寿命は各年代の死亡率から計算した、0歳児の平均余命です。
この定義からは、上記は成立しないと思いますよ。
もし、平均寿命という言葉に対して別の定義を用いるというならわかりますが、そうすると議論の前提自体がひっくり返ってしまいます。
なぜなら、そもそもエントリの主題である「平均寿命と統計寿命の差」の平均寿命は、この方法で計算されているんですから。

>結局、「平均寿命と人口から予測される毎年の死者数より、実際の死者数が少ない」ことはパラドックスでもなんでもなくて、
その差分だけ生きている人のトータル年齢(=人口x平均年齢)が毎年上がってる、つまり高齢化しているってことを意味するだけです。
管理人さんへもコメントしましたが、2040年頃のデータの「平均寿命と人口から予測される毎年の死者数より、実際の死者数が多い」
という現象に関してはどうお考えですか?人口が若齢化しているんですか?
http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest03/syousai03.asp の<表1−5>をみると、平均年齢は上がる一方のようなんですけど。
Posted by sevo3104 at 2010年12月13日 00:12
管理人さんへ。お忙しい中、お返事いただきありがとうございます。
>というわけで、年齢構成の差は、統計寿命を短くする効果があるだけで、長くする効果はありません。
短くする効果はお認めになるということですね。まあそうしないと将来の統計寿命の短縮は説明できませんからね。
しかし、管理人さん、書いていて不自然に思いませんか?
定常状態では平均寿命=統計寿命になりますね。そこから、仮に年齢構成が原因で統計寿命が短くなることがあっても
年齢構成が原因で統計寿命が長くなることはないんですか?

それでは、人口構成が統計寿命を延ばすという例を示します。
日本の人口1億2700万人と同数の移民が日本に入ったと仮定します。(日本とそういう国が合併した、でもいいです。)
移民の人口構成は若い年代(30歳以下くらい)で、健康状態は同年代の日本人と同じ、すなわち死亡率も同じと仮定します。
すると、日本の人口は2倍になります。
死亡数はどうでしょうか。30歳以下ではほとんど死亡に寄与しないので、ほぼ変化しません。
すなわち、総人口/死亡数=統計寿命は約2倍になりますね。
平均寿命はどうでしょうか。実は平均寿命は全く変わりません。
各年代ごとの死亡率によって計算されるためです。このあたりは直感的には納得しにくいかもしれませんね。
上記は、「平均寿命が同じでも人口構成の影響によって統計寿命が大幅に長くなる」という例です。
わざわざ移民という仮定をとったのは、人口構成の変化による影響のみを見るためです。
どこか矛盾点があればご指摘願います。

現在の日本の実情とかけ離れている、とお思いかもしれませんが、上記の移民に相当する人々は実は存在します。
団塊の世代および団塊Jr世代は、他の年代より人数が大幅に多い、というのはよく知られていますが
この年代で、他の年代との人数差にあたる人々が上記の移民に相当します。
Jr世代はともかく、団塊の世代は決して若くない、と思われるでしょうが
死亡数への寄与が少ない、という点では程度の差こそあれ、同じなんです。

そして2040年ごろには、団塊の世代が死亡する時期になりますので
上記の仮定で、高齢の移民が入ってきたのと同じ状態になり、死亡数の増加に伴って統計寿命は短くなります。
少し前にコメントされたnobさんは私と同じ意見のようですね。
Posted by sevo3104 at 2010年12月13日 00:59
統計寿命と平均寿命について再度コメントします。
100歳以上の処理をどうするかとか、簡易生命表の生存数より定常人口を使うほうがよいのかなど問題はあると思いますが以下の計算を行いました。

使用データ
・平成20年簡易生命表
・2010年人口統計資料の2008年性、年齢別総人口

計算
(1)総人口を現実と同じとした場合の定常時の各年齢推定死者数
An=(簡易生命表の生存数)*(人口統計資料の総人口/簡易生命表の総生存数)*(簡易生命表の各年齢死亡率)
(2)実際のn歳での死者
Bn=(人口統計資料の各年齢の人口)*(簡易生命表の各年齢死亡率)

各0から9歳までのAn−Bnを千人単位で以下に記す
(男のみ)
〇代 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
10代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
20代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
30代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
40代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
50代 0 0 0 0 0 -1 -1 -1 -2 -3
60代 -3 -3 0 0 -2 -2 -2 -2 -1 0
70代 -1 -1 -2 -1 0 0 0 1 2 3
80代 3 4 5 7 10 12 14 15 14 16
90代 15 14 13 12 10 9 7 7 5 4

80代、90代での差が大きい。
合計すると定常時のほうが約17万人死者が多い。

以下のような結論になると思うのですが
高齢者が少ない→死亡者が少ない→統計寿命が高い
Posted by nob at 2010年12月13日 01:31
人のブログ上で、あまり長く回答コメントを書くのはもうやめますが、今回は簡単に回答できるので2点回答。

> もし、平均寿命という言葉に対して別の定義を用いる

ここが理解のポイント。何度も言ったとおり、一般的な解釈とは別の定義をして考えています。ただ、平均寿命をどう算出するかを変えただけなので、言葉の定義を変えたつもりはないです。

> という現象に関してはどうお考えですか?人口が若齢化しているんですか?

高齢化してる状況で若齢化?質問自体が矛盾してますね。
ご指摘の現象は、長期的な出生数の減少の結果です。出生数の減少による影響が、寿命の延びによる影響を上回ったってことです。
Posted by T.M. at 2010年12月13日 18:31
nobさんへ。詳しいデータを出してくださってありがとうございます。
私は以前のコメントで

>現在の日本では、高齢化したとはいえ70代〜90代の人口がそれほど多くなく
その下の団塊の世代や団塊Jr世代の人数が多いため、人口比での死亡数が少ないのだと思います。

と書きました。(2010年12月08日 22:42)
それと矛盾しない結果になっていますね。
Posted by sevo3104 at 2010年12月13日 22:41
T.M.さんへ
>何度も言ったとおり、一般的な解釈とは別の定義をして考えています。
ただ、平均寿命をどう算出するかを変えただけなので、言葉の定義を変えたつもりはないです。

それでは、T.M.さんの算出方法では、現在の日本の平均寿命は一体何歳なんですか?
算出方法が違うんだったら、当然数値も違ってきますよね。

>ご指摘の現象は、長期的な出生数の減少の結果です。
出生数の減少による影響が、寿命の延びによる影響を上回ったってことです。

これは、ほぼ同意します。出生数の減少→人口の年齢構成の変化 ということですね。
Posted by sevo3104 at 2010年12月13日 23:08
えっとですね、そもそも「寿命が延びた」ってどう算出します?でも、そう仮定してるわけです。つまり、人の寿命が分かるって言う前提なんです。その仮定があれば、平均寿命が計算できるって分かりません?

完全に人の生死がコントロールできる、神の視点でモデルを考えてるんです。そうしないと、10年寿命が延びた、なんて仮定できないですよね。
その仮定をした瞬間、平均寿命の延びも仮定できるんです。仮定したのは「死者数の減少」ではないですよ。

何度も言っていることを繰り返しますが、私のモデルで平均寿命を現実と同じ手法で算出するのは無意味です。それが分からない限り、私が言っていることは半分も分かってないってことです。

まぁ説明もうまくないのは自覚しているので、これで分からなかったら申し訳ないですが、あきらめて下さい。これでこの件は、書き納めとします。
Posted by T.M. at 2010年12月14日 01:36
T.M.さんへ
繰り返しになりますが、公表されている日本の平均寿命は、各年代の死亡率から計算した0歳児の平均余命です。
ちょっと変ですが、これを「平均寿命A」とします。
T.M.さんは、「その年に生きている人全員の、将来の死亡年齢の平均」を平均寿命としているんですね。
これを「平均寿命B」とさせていただきます。
この二つは、似ていますが違います。
完全な定常状態であれば、一致しますけど。(管理人さんの挙げられたヒント1など)
誤解しないようにお願いしますが、AとBでどっちが正しい、とか言ってるわけじゃないですよ。
ただ、AとBは違う、ということと、公表されているデータにはAが使われている、ということです。

ですので、T.M.さんのモデルで平均寿命Bについて得られた知見が、
平均寿命Aについて同様にあてはまるとは限りません。
定常状態では一致するんだから、AとBの差は無視できる、というなら
統計寿命だって、定常状態では平均寿命Aと一致しますよ。

>>1995年は阪大震災の影響で、平均寿命が前年より短くなりましたが →私は平均寿命Aを使用

>これに対する管理人さんと違う回答。 →以下、T.M.さんは平均寿命Bを使用

これでは、平均寿命の中身が変わっているので、回答になっていません。

1995年のデータについて考えてみますと、「震災で若死にする人」がカウントされなくなったのですから
平均寿命Bは前年よりむしろ延びるのではないでしょうか。
もし、震災(1/17)より前の日を基準にするなら、1995年の平均寿命Bは前年とほぼ同じで、1996年に延びます。
例えは、1995年に20歳の人が大量に死んだとすると、その影響で
その人たちが生きていた期間、すなわち1975年から1994年の間の平均寿命Bが短くなることになりますね。

T.M.さんはおそらく、平均寿命Bこそが真の平均寿命なのだと思っていて
計算方法が違ってもAとBは同じになる、と考えていたのではないでしょうか。
ふだんの年は、同じように延びていると思いますが、1995年のような年では変化の仕方に違いが出ますね。

私も管理人さんも、その他の人たちも、みんな平均寿命Aを前提にしています。
現実に入手できるデータは、日本全体でも、都道府県ごとでも、みんな平均寿命Aだけですから。
平均寿命Bを使ってモデルを考えて、何かが分かったとしても、平均寿命Aと違うから
現実のデータを解釈する上では、役に立たないと思います。
それでも平均寿命Bを使用する意味があるなら教えてください。(例えば、日本の平均寿命Bのデータがあるとか)
Posted by sevo3104 at 2010年12月14日 21:51
管理人さんへ。長々とコメントしてすみません。
あまり知識のない人にもわかるように説明しようとすると、どうしても長くなってしまいますので。

管理人さんは
>それよりは 60歳〜80歳の年齢層が非常に多いということの方が、死者の数に影響しそうです。
と、コメントされていますね。
つまり、年齢構成が死者数に影響を与える、ということには同意しておられますね。

それに対してnobさんが年齢構成と死者数の具体的なデータを出したうえで
>高齢者が少ない→死亡者が少ない→統計寿命が高い
という結論を出しておられます。私もこれに賛成です。

その後、管理人さんからコメントはありませんが、どのようにお考えでしょうか?
もし納得されたのであれば、このエントリの「正解」になんらかの追記が必要だと思いますが。
Posted by sevo3104 at 2010年12月16日 23:00
すでに述べたことで言い尽くされています。私が前に書いたことを読んでください。読めばわかるとおり。
 簡単に言えば、超高齢者は少ないが、高齢者は多い。ゆえに統計寿命は短くなる。
 最初にヒント2で述べたとおり。
 この件打ち切り。
Posted by 管理人 at 2010年12月16日 23:09
>簡単に言えば、超高齢者は少ないが、高齢者は多い。ゆえに統計寿命は短くなる。

a:超高齢者は少ない→死者数は減少する→統計寿命は長くなる
b:高齢者は多い→死者数は増加する→統計寿命は短くなる

aとbは、統計寿命に対して相反する効果を示しているので、これだけでは判断できません。
そしてnobさんが具体的なデータで、aの効果>bの効果であり、統計寿命が長くなることを示しています。
言い尽くされている、とおっしゃいますが、上記に対する反論は出ていませんよ。

打ち切りとは、論理性を重んじる管理人さんらしくないですね。
別に私は、管理人さんが間違っていると言っているわけではありません。エントリ本文の理論も正しいと思います。
ただ、他に有益な情報が出てきたので、アップデートが必要ではないか、と言っているんです。
このブログではふだんからよく追記がありますよね。それと同じことですよ。
常に新しい情報・正しい情報を発信しようとなさっている管理人さんの姿勢は、尊敬に値すると思っています。
Posted by sevo3104 at 2010年12月17日 22:33
nob さんの試算は認められない、ということです。いちいち理由は示しません。
 あとは読者が自分で考えてください。私はいちいち説明しません。
Posted by 管理人 at 2010年12月17日 23:07
まだ書きたいことはありますが、ここは個人のブログなのですから、素直に指示に従うべきですね。
ちゃんとした知識のある人が読めば、正しい評価ができると思います。
これまで有意義な議論ができる場を提供していただき、ありがとうございました。
管理人さんの、人口統計に対する知識・思考法にも触れることができ、興味深かったです。
ブログ主である管理人さんの顔に泥を塗るような、出すぎた発言をしてすみませんでした。
今後も参考にさせていただきますので、よろしくお願いします。
Posted by sevo3104 at 2010年12月19日 22:57
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