Google ニュースを見ていたら、トップに出ていたのがこの記事だ。
《 温暖化で 30年には 84万人死亡 COP16で発表 》こうやって「大変だあ」と大騒ぎする。「狼が来た!」と何度も叫ぶように。
地球温暖化が進んで適切な対応策を取らないと、2030年には世界で年間 84万人が熱中症や感染症、栄養不良などで死亡するとの報告を、国際援助に関する非営利組織 DARAがまとめ、メキシコの気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の会場で3日発表した。
報告は既存の研究を基に、温暖化の影響を分野別や国や地域ごとにまとめた。年間35万人と推計される10年段階の温暖化による死者が、30年に84万人に増えると予測。ほとんどが熱中症や感染症、食料供給の減少に伴う飢餓や栄養不良など健康影響が原因で、一部は大雨による洪水や激しい嵐など気象災害の犠牲によるものだとした。
( → 共同通信 2010-12-04 )
トンデモマニアが出てきて、「トンデモだ!」と騒げばいいのだが、連中は弱い者いじめだけが趣味で、強者にはたてつかない。(強者にたてつくと、自分がトンデモ扱いされてしまうからだ。彼らの主張の原理は「強者は正しい」ということだからだ。 (^^); )
そこで、例によって、私が強者にたてつくことにする。
──
84万人が死ぬというが、これは次の二点で無意味だ。
・ 分母が巨大であることを失念している。
・ マイナスばかりを見て、プラスを見ない。
順に説明しよう。
(1) 分母が巨大であることを失念している。
84万人が死ぬというが、分母はどれだけか? 世界の総人口は、ネットで検索すれば、すぐにわかる。69億人だ。それに占める 84万人の比率は、「84万÷69億=」という数式をググれば、「 0.00012173913 」という値が出る。あまりにも小さすぎる量だ。統計誤差みたいなものだ……と思ったが、それよりもはるかに小さい。「無視できる量」と言ってよい。
(2) マイナスばかりを見て、プラスを見ない。
温暖化によって死者が出るが、その一方で、温暖化によって死なずに済む人も増える。たとえば、「凍死者」とか「寒さによる病死者」など。また、「温暖化による作物の増収で減る餓死者」もある。……いずれにせよ、(1) の微々たる量に比べれば、圧倒的に多い。
さらに言えば、環境面のプラスマイナスだけでなく、人口面のプラスマイナスもある。 84万人が死ぬとしても、その一方では、人口爆発が起こり、人口は大幅に増えていく。予想によると、2050年には 91億人にまで増えるそうだ。( → 朝日新聞 ) 69億人から 91億人まで 22億人も増える。84万人の何倍でしょう? (^^);
ここで、莫大に増える人口は、それ自体が環境破壊の要因になる。そのことに注意。
──
結論。
「温暖化で 84万人が死亡」というのは、物事のごく一面だけを取り上げて、拡大解釈しているにすぎない。論理のペテンだ。
「温暖化で経済的に悪影響が出る」というのであれば、まだしも論理が通るが、「温暖化で 84万人が死亡」というのは、トンデモと言ってもいいペテン論理だ。人をだまそうとしている根性が透けて見える。詐欺師の論理。
こういうインチキ論理にだまされないようにしよう。
[ 付記 ]
しかも連中は、物事の本質を根本的にずらして考えている。正誤で示そう。
《 誤 》
温暖化は問題だ。その理由は炭酸ガスの増加だ。これを何とかしないと、莫大な死者が出る。
《 正 》
温暖化は問題だ。その理由は緑地の減少(砂漠化の進展)だ。これを何とかしないと、人間の生活に多くの悪影響が出る。ただし、人口そのものは、かえって増えていく。そして、人口の増加こそが、地球環境の悪化の最大原因だ。問題の解決には、人口の抑制がとても大事だ。環境だけをいじればいいのではない。
(環境だけを改善しても、そのせいで人口はどんどん増えるので、かえって環境は悪化する。問題を根本的に解決するには、同時に、人口の抑制が必要だ。さもないと、穴のあいたバケツに水を注ぐようなものだ。)
【 関連項目 】
環境と人口爆発との関係については、下記項目を参照。
→ 地球の砂漠化
→ アフリカの未来