ロサンゼルスのモーターショーで、日産が エリュール ( Ellure )という名前のコンセプトカーを公開した。これは日産の今後のデザインの方向性を示す。 ──
画像はこちら。
→ 画像
記事と画像はこちら。
→ 記事と画像
──
情報があまりにも少ないので、英文ページをあちこち探ったら、次のことが判明した。
世界的にセダンは売れないし、日産も RV 車ばかりが売れているが、日産としてはセダンにも注力する、という意図を示す。
今回のコンセプトカーは、あくまでコンセプトカーであり、そのままで市販するものではない。
ただし、ただの遊びのオモチャではなくて、今後の日産の FF 車の方向性を示す。これに基づいたデザインの実車を、今後いくつか発売する。少なくとも二つの車種は、このデザインに基づく。
今回のコンセプトカーのサイズは、アルティマよりは少し小さい。背は少し低いが、ホイールベースは長い。対象ユーザーは、仕事をする女性で、昼間よりもアフター・ワークにふさわしいデザイン。(堅苦しくなくて遊び心がある、という意味。)
──
以上をまとめると、次のような意味だと解釈される。
(1) 実車との関係は、カザーナとジュークみたいな関係らしい。そっくりそのままではないが、かなり密接な関連性がある。
(2) 日産のセダンは、これまで、一つの傾向に染まっていた。
・ 旧型フーガ
・ スカイライン
・ 旧型ティアナ
・ シルフィ
・ セントラ
これらの車は、すべて同一傾向のデザインで、そっくりさんと言ってもいいほど似ていた。いずれも一つのテーマからバリエーションが生じたわけだ。
このことと同じことが、次の FF 車で生じるらしい。今後の車種はどれもこれも、今回のコンセプトカーとよく似たデザインになるらしい。
(3) グリルは、新型セレナとそっくりだ。このグリルが、今後は日産顔になるようだ。(2) の各車のグリルがいずれもそっくりだったのに似ている。(セントラは例外だが。)
──
私の感想は?
日産は、フェアレディとフーガで、新しい FR のデザインを示したが、ユーザーの間で不評だ。せっかくアメリカンなデザインにしたのに、アメリカではやや不評で、日本でもかなり不評だ。私としても、見た瞬間に、「ひどいデザインだ」と思ったものだ。
「新型フェアレディZは、もっと醜い。来年の「アグリー・カー・オブ・ザ・イヤー」は、これで決まり。」
と書いたこともあった。( → 泉の波立ち )
一方、今回のコンセプトカーは、なかなかよろしい。全体として、横から見るとプリウスのパクリみたいな印象もあるが、ウエストのラインが凹んでいるのは、独創性がある。コーク・ボトル・ラインを独自の形で生かしている。なかなかすぐれたデザインだ。
ヘッドライトやリアランプは、例によって日産の唯我独尊だが、これになるとは限るまい。
フロントガラスの傾斜や、ボディの四隅の絞り込みは、実車ではもっと箱形っぽくなるだろうが、それは別に問題ない。
全体としては、以前のプリメーラの系統にあるとも言えるだろう。なかなか先進的なデザインだ。
他の日産の車が、カッコ悪い車ばかりであるのと比べると、今回のモデルは、新型エルグランドと並んで、日産の傑作かもしれない。私としては、支持したい。
( ※ その前に、フェアレディとフーガを、さっさとモデルチェンジしてほしいね。あのデザインは気持ち悪すぎる。)
( ※ 本項のように褒めていても、イヤミを言わずにはいられないところが、筆者である私の精神が歪んでいるところだ。もっと素直に褒めることができないんですかね。 (^^); )
2010年11月30日
この記事へのコメント
コメントを書く
過去ログ