簡易検査は無効だと述べたが、これまでにはない新しい利用法を提案したい。この方法ならば、簡易検査を使うことによって、死者を減らせそうだ。
(あっと驚く、逆転の発想。医学以外にも使えそうな、逆転の発想。) ──
「簡易検査を使うな」
というのが、これまでの私の主張だった。その理由は、
「簡易検査の感度が低いこと」
であった。
「感度が低ければ、感染していても陰性と判断されるので、有効ではない」
というのがその理由だった。
しかし、である。ここで、逆転の発想を取ることができる。次のように。
「当たらない気象予報は、役立たずだと思える。しかし、当たらないことが明白であるならば、ハズレる方を信じることで、その気象予報を役立てることができる」
たとえば、曇りは中間だから別だとして、次のようになるとしよう。
・ 晴れという予想 → 必ず雨になる
・ 雨という予想 → 必ず晴れになる
この予想は、必ずハズレる。ゆえに、この予想はまったく信頼できない。
しかし、まったく信頼できないがゆえに、その予想を役立てることができる。
・ 晴れという予想 → 「雨になる」と判断する
・ 雨という予想 → 「晴れになる」と判断する。
このように、逆の方向で予想することで、「必ずハズレる予想」というものを有益に利用することができる。
( ※ 冗談みたいだが、真面目です。笑ってはいけません。)
──
同様のことは、簡易検査にも当てはめることができそうだ。
簡易検査というものは、ウイルスの量がある程度以上まで増えたときに「陽性」だと判定する。ある程度以下のときには「陰性」だと判断する。その意味で、ウイルスの量が少ないときには、信頼性が薄い。
→ http://www.asahi.com/special/09015/TKY200905210164.html
しかしながら、ただの発熱(38〜39度)程度ではなく、40度程度の高熱を発していながら、なおかつ、簡易検査で陰性だという場合がある。
→ 簡易検査で死者が続々と の (1) [神奈川県の患者]
この患者は、簡易検査によって、次のことが判明した。
・ ウイルス量は多くない (感染していないということではない。)
・ 症状はとても重い。 (正確には他の症状も見る必要がある。)
このことは、次のことを意味する。
「ウイルス量は多くないのに、症状は重いから、重症化しやすい患者である」
( ※ 症状が重いというのは、高熱や軽い肺炎など。
重症化というのは、呼吸困難や意識不明など。)
重症化しやすい患者というのは、たとえば、免疫力が弱いとか、喘息持ちとか、他の薬剤のせいとか、いろいろと理由が考えられる。だが、理由は何でもいい。「重症化しやすい」ということだけが大事だ。
そして、そうだとわかれば、抗インフルエンザ薬を早めに処方した方がいいとわかる。さらに、「要注意患者」として、入院させて、経過を詳しく見ておいた方がいいかもしれない。(入院しなくても、翌日以降、丹念な診察が必要だろう。場合によっては電話診察でもいいが。)
というわけで、次の方針が成立する。
もともと健康な大人の場合、症状が普通ならば、特に何もしなくていい。しかし、症状が重ければ、簡易検査をした方がいい。その上で、次のように対処するべきだ。
・ 陽性である → ウイルス量が多いのだから高熱でも当然と見なす。
・ 陰性である → ウイルス量が少ないのに高熱だから危険だと見なす。
つまり、もともと健康な大人が高熱を発した場合、簡易検査で陰性である場合に限り、状況は危険だと見なして、抗インフルエンザ薬などを処方する必要がある。
これは、「簡易検査で陽性である場合に抗インフルエンザ薬を処方する」という標準医療とは正反対の方針だ。まったく正反対の方針だから、トンデモマニアが「トンデモだ!」と大騒ぎする可能性もある。(彼らはそれが趣味だからだ。)
しかしながら、本項で述べたことに従えば、逆の方針を取ることによって、重症化する患者を死から守ることが可能になりそうだ。
もちろん、私は医師ではないから、「この方法が絶対に正しい」とは主張しない。また、たとえ医師であっても、「この方法が絶対に正しい」とは断言できないだろう。多くの人々による検証を得る必要がある。
とはいえ、新たな方法として、本項の方法を提案しておこう。
──
なお、本項の方法が正しいならば、現状(簡易検査に過度に頼っている現状)は、「患者を救う方法」ではなく、「患者をあえて死なせる方法」となっている。「間違って救えない」というよりは、「あえて死なせる」という逆方向の方法となっている。
その典型が、前項 (1) の神奈川県の患者の例だろう。この例では、「陰性だから」という理由で治療を受けられなかったようだが、実は、「陰性だから」という理由からは、「重症化しやすい患者だ」という結論が得られて、それゆえに、「丹念な治療が必要だ」と見なされるべきだったのだ。
そして、「陰性だからこそ危険だ」という方針が取られていたならば、この患者は死なずに済んでいた可能性がかなり高い。少なくとも、最初の受診の時点で、「高熱で陰性だから、抗インフルエンザ薬の投与」という方針が取られていれば、この患者は死なずに済んでいた可能性がかなり高い。
──
結論。
簡易検査を役立てる方法はある。ただしそれは、「簡易検査を信用する」という方法ではなく、「簡易検査を逆用する」という正反対の方法だ。(いわば、「必ずハズレる気象予想は、その逆になると信じればいい」というような方法だ。)
このような方法を取ることで、もともと健康な大人が重症化して死ぬ危険を、ある程度 避けるようにすることができそうだ。
【 追記 】
上に述べたことを、少し修正する。
「多くの人々による検証を得る必要がある」
と述べた。だが、検証を得る必要はない。一人一人の医師が自分の判断で、即時 実施してよい。というか、即時 実施することが好ましい。
なぜか? これは「新しい治療法」ではないからだ。
新しい治療法であるならば、デメリット(副作用)の危険性があるので、厳密な検証が必要である。しかし本項で述べたことは、新しい治療法ではない。治療は従来通りの治療法を取ればよく、新たに加えたり変更したりすることは何もない。
また、これは「新たな検査法」でもない。検査そのものは、すでに認可された簡易検査を使うだけだ。
また、これは「新たな判断法」でもない。これによって簡易検査の陽性・陰性という判断がくつがえるわけではない。
では、これは何か? これは「新しい注目法」なのである。従来は見過ごされていたグループ(陰性だから安全だと見なされていたグループ)のなかから、「症状が重い人」だけに注目する。
図示すれば、以下の通り。
《 陽性 》 《 陰性 》
症状:重い ●●● ○
症状:軽い ◆◆◆◆◆◆◆ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この図で、従来は陽性の患者(左半分)だけに着目して、陰性の患者(右側)は無視されてきた。治療するにせよ、治療しないにせよ、陰性という患者は無視されてきた。(治療する場合は、症状だけに着目するという形で治療するのであり、陰性という点については無視されてきた。)
しかし本項の方針では、陰性の患者(右側)のうち、症状の重い患者( ○ )がことさら注目されることになる。従来は「陰性」というだけで、症状の軽い患者といっしょに無視されてきたのだが、新たな方針では、ことさら注目されることになる。
このような「注目法」が、本項の方法だ。ここでは、「注目」の仕方が変わるだけだ。治療法も、検査法も、判断も、何ら新たに変わることはない。注目法が変わるだけだ。
しかも、何らデメリットは生じない。「これまで注目していたものを無視する」のではなくて、「これまで無視してきたものに今後は注目する」ということであるからだ。
それゆえ、即時 実施しても、問題はないのである。医学的な方法は何も変わらない。変わるのは医者の意識(注意意識)だけだ。「これまで見逃していたものに着目する」というふうに、意識が変わるだけだ。
当然、厚労省や医学界の認可が必要となるようなものでもない。「気合いを入れよ」というような標語と同様のものにすぎないからだ。ただし、ただの標語とは違って、具体的な指針を示す。そこがちょっと違うだけだ。
※ 参考
徒然草に、「高名の木登り」という話がある。木から下りる直前のときに、「気をつけろ」と声をかけた、という話。そういうアドバイスと同様だ。注目点を教えるだけだ。厚労省の認可などは必要ない。
→ マンガ「高名の木登り」
《 注記 》
なお、医者の意識が変わるにともなって、「治療の有無」も変わることがある。「治療しなくてもいいや」と思っていたのだが、「危険性の高い患者」というふうに意識が変われば、「治療するべきだな」というふうに方針が変わりやすい。
ただしここでも、「治療をしないはずの患者に治療をするようになる」ということだから、特にデメリットはない。強いて言えば、副作用が起こる場合がありそうだが、確率的にはごく小さい。(タミフルでなくリレンザにすれば副作用の可能性はさらに下がる。)
一方、治療を受けることで、死の確率がかなり下がる。こちらの方が大きな影響がある。
【 参考 】
重症化した患者を救う方法の一例。タミフルとリレンザの併用。(ペラミビルが認可されていなかった時点で。)
→ http://www.kansen-wakayama.jp/pdf/new_infull2_011.pdf
2010年11月12日
過去ログ
タイムスタンプは 下記 ↓
>簡易検査で陰性である場合に限り、状況は危険だと見なして、抗インフルエンザ薬などを処方する
「重症の場合のみ検査し、かつ結果が陰性の場合に限り処方する」だと、これまで当然のごとく治療していた「重症、かつ、検査で陽性」という人(赤丸)を、むしろ治療しないことになりますよね。
しかしそれらの赤丸の人の中には、「もしウイルス量が少なくても重症化しやすい人だったが、今回たまたまウイルス量も多いため重症」というパターンの人が一定数含まれているはずと思います。
それらは重症化しやすい人が実際に重症に陥っているという最悪のパターンであり、当然最も最優先で治療すべき群だと思いますが、それらの人への治療が遅れるデメリットはないのでしょうか。
簡易検査以外の何らかの方法で、赤丸群の中でそれでもやっぱり治療すべき患者を見抜ければいいのでしょうけど、実際は不可能でしょう。「重症例は簡易検査の如何に関わらず遅滞なく治療」という方針の方が現実的ではないかと。
> 「重症の場合のみ検査し、かつ結果が陰性の場合に限り処方する」
そんなことは書いていません。誤読ですよ。ちゃんと読んでください。
>簡易検査で陰性である場合に限り、状況は危険だと見なして、抗インフルエンザ薬などを処方する
の前にあるのは、「重症の場合」ではなくて、「もともと健康な大人が高熱を発した場合」です。そう書いてあるでしょ? わかりやすく言うと「症状が重い初診時」です。
用語がまぎらわしいのはお詫びしますが、「症状が重い」というのは「重症化」ということ以前(初期)です。具体的には発症初期の高熱など。一方、重症化とは、発症中期以後の呼吸困難など。
重症化したあとのことは話題になっていません。治療するのは当り前なので。
今回は初診時の対応を論じています。
> これまで当然のごとく治療していた「重症、かつ、検査で陽性」という人(赤丸)を、むしろ治療しないことになりますよね。
違います。重症者への治療方針は変わりません。どちらも治療する。すぐ上に述べたとおりで、重症者は話が別です。
初診時に高熱などで症状が重い場合には、……
・ 陽性ならば、抗インフルエンザ薬を投与しなくていいが、してもいい。(もともと健康な大人ならば。)
・ 陰性ならば、重症化・死亡するリスクが高いと見なして、要警戒体制を取る。抗インフルエンザ薬の投与だけでなく、入院など。
> しかしそれらの赤丸の人の中には、「もしウイルス量が少なくても重症化しやすい人だったが、今回たまたまウイルス量も多いため重症」というパターンの人が一定数含まれているはずと思います。
>それらは重症化しやすい人が実際に重症に陥っているという最悪のパターン
たしかにそうですけど、大量の陽性患者のなかで、どれが重症化しやすいか、見極める方法はありません。まさか全員を入院させるわけにも行かないので。
ただし、「ウイルス量が少なくても重症化しやすい人だったが、今回たまたまウイルス量も多いため重症」という人の場合は、「症状が重い初診時」ではなくて、「すでに重症化している」(重度の肺炎)という段階になっていそうです。
この場合は、当然、治療します。
本項で述べているのは、重症化した人の治療の有無ではなくて、重症化しやすい人をスクリーニングする方法です。ミルクがこぼれる前に、どのコップでミルクがこぼれやすいかを知る方法。ミルクがこぼれたあとの話ではありません。
──
患者向けに言うなら、38度ぐらいまでなら、普通の大人は医者に行かなくてもいい。しかし39度なら半々で、40度ならぜひ医者に行くべき。そこで検査してもらって、「陽性」ならば一安心(薬処方後は様子見)だが、「陰性」の場合にはぜひ入院するべき。(その人には薬が効くとは限らないので。場合によってはペラミビルの点滴が必要。)
( ※ 症状が重いというのは、高熱や軽い肺炎など。
重症化というのは、呼吸困難や意識不明など。)
南堂さんが以前から御指摘のとおり、簡易検査の感度は(特に発症初期は)低いです。熱が高い人だけ特に選んで検査すれば多少マシでしょうが、それでも「陰性」となる患者は大量に出ます(熱が高くても鼻水が出てないと陽性にはなりづらい)。
これら陰性群は、ほとんどが、ただ初期だった等の理由で陰性に出てしまったというだけの普通のインフルエンザ患者か、インフルエンザ以外の病気の人です。将来の重症化の危険性が高いインフルエンザ患者(神奈川県の死者のパターン)も含まれるでしょうが、非常に稀で、見分けるのは不可能です。
>40度ならぜひ医者に行くべき。そこで検査してもらって、「陽性」ならば一安心(薬処方後は様子見)だが、「陰性」の場合にはぜひ入院するべき。
との方針では、あっという間に病院がパンクしてしまいます。
>大量の陽性患者のなかで、どれが重症化しやすいか、見極める方法はありません
とは南堂さんも仰ってますが、同時に、大量の「陰性患者」のなかから重症化しやすい人を見極めるのも、やはり無理だと思います。つまりどっちにしろ無理。
そもそも簡易検査は、陰性に出たって現在インフルエンザかどうかすら分からないほどなのに、それを将来重症化しそうな稀な人間を拾い上げるのに使うのなんて、もっと困難です。
ところで、新聞記事で初期に陰性だったため治療せず、後にこじらせたパターンは確かに多いです。が、それは、そもそも初期は陰性ばかりなのが普通であることと、もし初期に陽性なら、日本では当然すぐに薬物治療をしているからだと思います。
これらの記事を見て「陽性ならもちろん危険、陰性でも油断するな」と考えるのは正しいと思いますが、「陽性なら一安心、陰性ならもっと危険」とまで考えるのは、結果と原因のはき違えではないでしょうか。
>との方針では、あっという間に病院がパンクしてしまいます。
それならば、実現可能なように、次のようにすればいいでしょう。
(A) 患者数を絞る。……高熱だけでなく、軽い肺炎もあることが条件。
(B) 対処を弱める。……ただの高熱ならば、入院とは限らず、高頻度の診察。電話診療でもいい。
ただし、ピーク時ならともかく、ピーク以外のときならば、患者数は多くないので、入院もいくらかは可能だと思えます。空きベッドのある病院ならば、受け付けてもいいでしょう。どうせ「インフルエンザ患者専用」の隔離病棟があるはずだし。そこを無駄に空かせておいても仕方ないし。で、1〜2日の経過で、すぐに「退院・自宅療養」か「重症化」かが判明しますから、通常は1〜2日の経過でどんどん退院していくので、大量の患者を処理できるでしょう。病院だってその方が儲かりそうだし。 (^^);
ま、隔離病棟がないところでは、実行できないので、万全ではないのですが。やらないよりはやった方がいいでしょう。
> 非常に稀で、見分けるのは不可能です。
1〜2日の様子見だけです。たとえば、41度の発熱で、すでに軽い肺炎になっている人が受診して、抗インフルエンザ薬が投与されていなかった。ここで抗インフルエンザ薬を投与すれば、大部分が快方に向かうので、どんどん退院させる。残りのわずかだけが、さらに重症化していきます。それをうまく拾い上げることができれば、それで十分。
1次スクリーニング:症状で重い( 41度か軽い肺炎)
2次スクリーニング:簡易検査で陰性
3次スクリーニング:薬剤投与して1〜2日後の症状悪化
これで数百人検査して、1人の命が救われるとしたら、コスト的にも十分に見合うと思います。
(1)症状が重い人はそんなに多くない。たいていは 39度以下です。
(2) 症状が重い人ならば、たいていが陽性になっているはずです。簡易検査で陰性になる人は少数のみ。
また、簡易検査を乱用するのは現状ですから、この分はコストアップに勘定しなくてもいい。(乱用に比べれば、むしろコストは下がる。)
(3)入院した分は、空きベッドが埋まるので、病院の赤字解消に役立ちます。無駄に超高額の薬品を使うのとは違って、コストがかかるというより、患者から病院へ所得が移るだけです。入院できない分は、高頻度の診察となりますが、これも病院の収入アップになります。
──
あと、もともと健康だった人が死ぬのは、どうも、流行初期と流行末期に多いようです。(漠然とした印象だから確定はできないが。)
なぜそうかは知らないけれど。報道の例がそうなっているだけなのかもしれないが。
──
>初期に陽性なら、日本では当然すぐに薬物治療をしているからだと思います。
>「陽性なら一安心、陰性ならもっと危険」とまで考えるのは、
薬物治療して治るのであれば、重症化する例にはならないので、別に何かを変える必要はないでしょう。
本項で対象としているのは、「薬物治療しても治らない患者」をスクリーニングする方法です。それを見つけるにはどうすればいいか、という話。
「陽性だから薬物投与」ということで重症化しないのならば、薬物が有効だったということだから、その患者はもともと重症化するはずがない人でしょう。したがってスクリーニング対象からははずれます。
ま、「初期に薬物治療したからこそ治療効果があった」ということも考えられますが。しかしその方針で薬物投与を大量にやれば、やがてはソ連型と同じく耐性ウイルスばかりになってしまいます。
とはいえ、おっしゃることも、それなりに道理は通っています。「陽性なら一安心」とまでは言えなくても、「陰性ならもっと危険」と考えることは差し支えないと思います。たとえハズレても、死ぬわけじゃないし。(入院費用などはかさむが。それは負担する価値がありそうに思える。いやなら高頻度受診でもいいし。)
41度または軽い肺炎(重い症状)を対象に、抗インフルエンザ薬の処方をする。(もともと健康であっても。)
その上で、簡易検査をする。
陽性であるならばそのまま様子見。(通常は抗インフルエンザ薬が効くはず。多いウイルスがだんだん減れば症状も治まるはず。)
陰性であるならば特に危険だとして、入院または高頻度受診として、重症化やその対策(ペラミビルの投与やICU)に備える。(ウィルスが少なくても症状はさらに悪化する可能性がある。サイトカインストームの危険もある。)
本文では
>簡易検査で陰性である場合に限り、状況は危険だと見なして、抗インフルエンザ薬などを処方する必要がある。
とあり、「症状が重い陽性例で、抗ウイルス薬の処方は今後しない」ように読めたため、それは流石にデメリットがあると思った次第です(治療していたものを治療しなくなるので)。
そうでなく、注目し治療する対象が単に増えるだけとのことなら、問題ではないです。
実際のところ、多少症状が強くても、インフルエンザ抗原陽性と出てくれれば、診断と治療法はほぼ確定してくれるので、治療する側の気は多少楽になるとは思います。なんだかんだと、薬物治療さえしていれば、健康な成人がインフルエンザで死亡することはほとんどありません。
陰性なら困るのは確かですね。ただ「インフルエンザが重症化しやすい特殊な人」という稀なパターンを想定するより、「インフルエンザ以外のもっとヤバイ病気の可能性も十分ある」を先に考えて対処するのが、頻度からして適切だろうと思います。
”どうせ「インフルエンザ患者専用」の隔離病棟があるはずだし。そこを無駄に空かせておいても仕方ないし。で、1〜2日の経過で、すぐに「退院・自宅療養」か「重症化」かが判明しますから、通常は1〜2日の経過でどんどん退院していくので、大量の患者を処理できるでしょう。病院だってその方が儲かりそうだし。 (^^);
ま、隔離病棟がないところでは、実行できないので、万全ではないのですが。やらないよりはやった方がいいでしょう。”
”(3)入院した分は、空きベッドが埋まるので、病院の赤字解消に役立ちます。無駄に超高額の薬品を使うのとは違って、コストがかかるというより、患者から病院へ所得が移るだけです。入院できない分は、高頻度の診察となりますが、これも病院の収入アップになります。”
現実的なことを 情報として 申し上げます。
インフルエンザの「疑い」の方がそれほどの数入院できる施設は 国内には 皆無です。
インフルエンザの感染経路を考えれば むしろ インフルエンザの疑われる方は 病院には立ち入り禁止にしたいくらい、病院内の環境は悪いのです。
経過観察のための入院で そのうちに紛れたホンモノのインフルエンザに感染してしまうriskの方が高いでしょうし、その入院は 全く 赤字解消には繋がりません。
そんなことはないですよ。最新の病棟ならば、各階ごとに自動ドアで仕切られています。最新のマンションと同様ですね。患者は各階から出ませんから、指定した階をインフルエンザ専用にできます。
また、「それほどの数」と言いますが、たいした数ではありません。「陰性で、かつ、軽い肺炎」という患者は、そう多くないはずです。陰性の患者をすべて収容するわけではありません。収容できる範囲内で決めるだけです。また、患者の希望も必要です。(高額の入院料金が必要なので。……希望しない患者も多いだろうし。
計算してみます。ベッドが 20床で、入院日数が2日で、流行期間が 100日。これだと、1シーズンに 1000人を処理できます。 20床で 1000人ですから、十分に現実的です。
> インフルエンザの感染経路を考えれば むしろ インフルエンザの疑われる方は 病院には立ち入り禁止にしたいくらい、病院内の環境は悪いのです。
> 経過観察のための入院で そのうちに紛れたホンモノのインフルエンザに感染してしまうriskの方が高いでしょうし、
インフルエンザは空気感染しませんから、各階を自動ドアで仕切るぐらいで十分です。移動中の患者も、医療用マスクをしてもらうぐらいで、十分でしょう。
ただし、古い病棟だと、自動ドアがないので、不適でしょう。その場合は、建物ごとで隔離。
いずれにせよ、病院が「皆無」ということはないでしょう。少数の患者を収容できる病院は、いっぱいあるはずです。別に赤痢やコレラの患者を収容するわけじゃないので、厳密な設備は必要ありません。