2010年10月31日

◆ エコカーの行方

 電気自動車、ハイブリッド、改良型ガソリン車など、いくつかのエコカーがあるが、そのどれがいいか? ──
 
 そのどれがいいか? ……といっても、ユーザにとってどれがいいかではなく、自動車会社にとってどれがいいか、という話。
 自動車会社は、どれを取るべきか?
 それぞれの方式は、日本のメーカーごとに、得意分野が異なる。

 (1) 電気自動車

 今は日産が圧倒的にリードしているが、技術進歩が早いので、数年後にはどうなっているかわからない。
 トヨタは米国の電気自動車会社と提携しているが、敵に塩を送るようなものだ。日本にとっては不利益だ。

 (2) ハイブリッド

 トヨタ方式が圧倒的に優れている。変速機がないので、大幅にコストダウンが可能だ。
 日産の方式は、見かけ上はそこそこ優れているが、リチウム電池に頼りすぎている。リチウム電池だけで百万円近くになりそうだ。コスト面から、圧倒的に不利だ。将来的にリチウム電池のコストが下がるとしたら、そのときは電気自動車が普及する。リチウム電池に依存するハイブリッドというのは、存在そのものが矛盾している。
 ホンダ方式は、電気自動車モードがない。常に振動があり、不快だ。また、実用燃費は下の (3) と同程度だ。メリットがない。それでいて価格は 20万円程度だ。トヨタ方式に比べて、大きく劣る。

 (3) ガソリン

 マツダの新しいガソリン方式( SKY-G )は非常に優れている。圧縮比が 14 もあり、高い熱効率を誇る。アイドリングストップと組み合わせると、ホンダのハイブリッドとほとんど変わらない(むしろ上回る)実用燃費となる。それでいてコストは低い。詳細は下記。
  → 概要 (マツダ)
  → ハイブリッド無しに30km/L (国沢光宏 コラム)
  → MAZDA SKY-G 広報資料 (清水和夫ブログ)

 ──

 結局、三つの方式は、三社がそれぞれ得意技術を持つ。
  ・ 電気自動車 …… 日産
  ・ ハイブリッド …… トヨタ
  ・ 新ガソリン …… マツダ


 だったら、それぞれの会社が、たがいに技術を交換すればいい。そうすれば、三社が全体として、大きなメリットを得る。

 市場原理主義者ならば、「自由競争こそが利益の最大化をもたらす」と主張するだろうが、もうちょっと頭が良ければ、「協力のメリット」というものを考えるはずだ。三社がたがいに協力すれば、全体として大きな利益を得るので、それぞれの会社もまた利益を得る。
 その一方、三社がバラバラに行動すれば、日本の自動車会社は全体として外国よりも不利になる。ドイツでは、フォルクスワーゲンとポルシェが一体化したし、ハイブリッドなどの技術では技術協力もあるのに、日本ではたがいに反目し合っている状況だ。
 特にひどいのはハイブリッドで、ホンダも日産も独自技術にこだわっているせいで、ひどい商品を販売している。どうせなら、トヨタから技術を買えばいいのに、面子にこだわっているから、自社製の下らないハイブリッド(トヨタが開発途上で「駄目だ」と判定して捨てた方式)にこだわっている。愚の骨頂。
 ま、面子にこだわるのもわかるが、それだったら、三社がそれぞれ自社技術を持ち寄ればいい。そうすれば、面子も立つ。

 私は先に、フーガ・ハイブリッド を批判した。これを読んで、日産ファンは怒り狂うかもしれないが、むしろ、ここにはアドバイスがあると読んでほしい。
 日産は自社開発のくだらない技術にこだわるべきではない。こんなくだらない方式はさっさと捨てて、トヨタの技術を買えばいいのだ。実際、米国で売っている日産アルティマ・ハイブリッドは、トヨタ方式を使っている。それにならえばいいのだ。
 マツダはトヨタからハイブリッド技術を買う予定らしい。それが賢明というものだ。自社開発のために莫大な開発投資をしたあげく、二流の製品しか生み出せなかったフーガ・ハイブリッドやフィット・ハイブリッドは、愚の骨頂だ。
 日産やホンダがどうすればいいかは、本項に書いてあるとおり。本項の目的は、「日産の馬鹿、ホンダの馬鹿」と悪口を言うことじゃない。(私はトンデモマニアではない。)
 本項の目的は、日産やホンダになすべきことを教えることだ。
 一言で言えば、こうだ。
 「面子ばかり気にして、二流の自社技術にこだわるより、最高のものは何かという真実を知れ」

 
 


 [ 付記 ]
 なお、それぞれの自動車会社が勝手に独自方式にこだわっていると、そのうち、携帯電話を製造している日本の電器メーカーみたいになるかもしれない。
 ガラケー(ガラパゴス・ケータイ)と呼ばれるように、日本という独自市場のなかでのみ生きることができる日本の携帯電話製造会社(ソニー、シャープ、富士通、日本電気など。)これらは自社独自の方式にこだわってドングリの背比べをしている間に、サムスンが一挙に世界市場を制圧してしまった。(他に、ノキアなどもあるが。) iPhone に対抗できるのは、サムスンのギャラクシーだけであり、日本メーカーの製品は技術的に大幅に遅れている。(売上げ規模が桁違いだから当然だが。負け癖が付いてしまった。)
 半導体製造のステッパーでも、キャノンとニコンが独自技術にこだわっている間に、統一規格みたいなものを制定した欧州の会社にシェアをすっかり奪われてしまった。
 トヨタや日産も、そのうち、二の舞になるかもしれない。各社が独自方式にこだわっている間に、韓国かどこかの会社が市場を制圧してしまう可能性がある。トヨタの方式が優れているといっても、基本特許はもう切れているはずだ(あるいは近く切れる)。周辺特許も、そのうち切れていくだろう。そうなったら、他のメーカーがハイブリッドの市場を制圧するかもしれない。日本メーカーがバラバラに戦っている限り、やがてどこかに出現した統一規格に負けてしまいそうだ。
 電気自動車だって、下手をすると米国のテスラ・モーターズが世界を支配する可能性がある。トヨタやベンツはテスラと協力しているが、テスラに塩を送っていると、そのうちテスラの下請けメーカーになってしまうかもしれない。
 トヨタの本音は、「日産と協力するくらいなら、テスラの軍門に下った方がマシ」というものだ。面子にこだわるあまり、最悪の道を取る。ガラケーという言葉が今はあるが、そのうち自動車分野でも同様のことが起こるかもしれない。

 [ 余談 ]
 本項では取り上げなかったが、電磁自動車はハイブリッドのほかに、「燃料電池」という選択肢もある。しかしこれは、夢のまた夢というところだろう。実現ははるか先のこととなる。
posted by 管理人 at 09:00 | Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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 ──

(GM)が11月に発売する予定の新型電気自動車「シボレー・ボルト」について、エンジンがあるのに電気自動車と主張するのはおかしいと多くのメディアが批判し、GMが発売直前になって火消しに追われている。
 ウォールストリート・ジャーナル紙は、トヨタ自動車の「プリウス」など既存のハイブリッド車もモーターとエンジンを併用していることを例に挙げ、「電気自動車というよりは、ハイブリッド車に近い」と分析した。

http://mainichi.jp/enta/car/news/20101028k0000m020019000c.html
Posted by 管理人 at 2010年10月31日 20:15
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