2010年10月25日

◆ ホメオパスと医療

 ホメオパス(ホメオパシー有資格者)による医療は、認められるべきか? 代替医療ならば認められないが、補完医療ならば認めていいだろう。 ──
 
 前項 の最後で述べたように、ホメオパスによる代替医療は、医師法違反なので、摘発されるべきだ。
 「ホメオパスが(治療の目的で)レメディを処方する」
 ということは、れっきとした犯罪(医師法違反)だ。
 また、それは正規の医療を受けさせなくすることであり、患者にとってきわめて有害である。場合によっては命に関わる。(例。スズメバチのレメディを投与することで、スズメバチによるショック死が起こりかねない。)

 ──

 さて。以上は、代替医療の場合だ。
 一方、補完医療の場合は、どうか? ここで、補完医療というのは、正規の医療がある場合だ。

 ホメオパスが相談を受けたとき、「病院で受診せよ」と言ってレメディを渡す場合が考えられる。つまり、「正規医療なしでレメディを渡す」のでなく、「正規医療ありでレメディを渡す」という場合だ。
 この場合は、レメディを渡しても、医師法違反にはならないだろう。また、実害もない。単にカウンセリングをしているだけとなる。
 このような形のカウンセリングは、合法だし、特に排除する必要もないだろう。病院で満足できる人はカウンセリングを受けないだろうし、病院で満足できない人はカウンセリングを受けて若干の相談料を払ってもいい。それで本人の不安が解決するのであれば、本人としては満足できるかもしれない。

 実は、ホメオパシー業者が「ホメオパシーの成功の実例」というのは、カウンセリングで不安をなくすことで精神が安定した、という例が多い。確かにそういうことは実際にありそうだ。業者は次のような例を示している。
  → http://www.jphma.org/case/otona.html
 ここにあるいくつかの例は、「ホメオパシーで症状緩和」というふうに述べているが、別にレメディが効果的だったということではなく、カウンセリングで不安を取り除いてあげたことが効果的であったのだと思える。
 たしかに、精神的に不安であるがゆえに、体のバランスが崩れて、皮膚病や痛みなどの症状が現れる、ということはある。そういう場合に、カウンセリングとプラセボが効果を発揮して、症状が解決することもあるだろう。

 このようなカウンセリングが有効であることは、医学的にもかなりはっきりしている。これを「非科学的だ」と思うとしたら、その人の方がどうかしている。人間は機械ではないのだから、物理的に故障を直すだけが能ではない。人間には心があるのだから、心に起因する病気は、心で治せることもある。
 そして、現代医学や、たいていの医師は、そういう「心の治療」にまでは手が回らないことが多い。そういう場合に、補完医療として、ホメオパシーがあってもいいだろう。それはホメオパシーではあっても、実態は「プラセボ付きのカウンセリング」だ。……こういう形のホメオパシーは、英国でも認められている。

 というわけで、正規の医療を否定しない形で、補完医療としてのホメオパシー(実態はプラセボ付きのカウンセリング)は、否定する必要はないと思える。それはそれで、場合によっては有効だろう。

 [ 付記 ]
 補完医療におけるカウンセリングのとき、ときやたらと高額のレメディを売りつけるとしたらは、健康詐欺になる。
 レメディはただのプラセボ並みに安価にするということが、条件となるだろう。(というか、レメディーは相談料に含めて、無料にすることが好ましい。)
  


 【 参考 】

 代替医療における医師法違反については、次のような弁解が考えられる。
 「レメディーは何の医療効果もないから、医療ではない」
 しかしながら、実際に何をするかではなくて、「医療であると信じさせて何かをする」こと自体が、医療行為となる。
 たとえば、ニセ医者が出現して、「素晴らしい薬を処方ます」と述べて、ただの水を飲ませたあと、「治療は終わりました。もう治ったので、何もしなくていいです」と言ったら、それはインチキな医療となり、医師法違反となる。
 ここでは、「与えたものが水にすぎなかったから」という弁解は通らない。行為の全体を「医療だ」と信じ込ませるがゆえに、その行為は医師法で規定する医療に該当することになる。
 というわけで、たとえレメディに何の効果がなくとも、それは医師法違反となる。医療だと信じ込ませた時点で、医師法違反となるのだ。(少なくとも患者はそれを「病気を治す医療だ」と思っているのだから、ホメオパスはそのことを認めないと自己矛盾になる。)
posted by 管理人 at 19:08| Comment(2) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ホメオパシーが詐欺であるかどうか」
 「ホメオパシーには本当に効果があるかどうか」
 という話題を出して、
 「トラ子はホメオパシーを本気で信じているから、詐欺師ではない」
 と思う人もいる。( Twitter あたりに見つかる。)
 しかし、そのような単純な発想がいかに間違っているかが、本項を読めばわかるだろう。

 トラ子を「ホメオパシーを本気で信じている馬鹿者」というふうに間抜け扱いするのは、やめた方がいい。トラ子はたいていのトンデモマニアよりも、ずっと頭がいい。もちろん、「水の記憶」なんてものを、本気で信じているはずがない。それほど低脳ではない。(詭弁の仕方を見ても、下手な詭弁ではあるが、自分が水の記憶というものを本気では信じていないことがわかる。)
 つまり、トラ子は、「水の記憶」に基づく「レメディの医療効果」など、まるきり信じていない。彼女の知性からして、当然のことだ。

 ただし、である。彼女は「レメディのプラセボ効果」を知っている。そこいらの医者よりも、ずっとよく知っている。
 そして、プラセボ効果を最大化する方法も知っている。それは、「ていねいなカウンセリング」である。
 そのことによって、患者の心理状態を向上させ、体調を改善し、体調不良から来る症状を解消する。……このことを実に巧みにやってのける。ホメオパシー団体の治療の症例は、まさしく事実だったと思う。それは捏造ではあるまい。そういうことは実際にあるからだ。というか、精神の苦しみのゆえに体調が非常に悪化している、という例は非常に多くある。その苦しみを解消することで、健康が自然に元の状態になることは、当然のことだ。(病原菌を殺すのとはわけが違う。ただの自律神経失調を治すだけだ。)

 この意味で「トラ子はホメオパシーの効果を信じているか」という問いには、私は「イエス」と答える。それどころか、私自身、そのような形ではホメオパシーの効果を信じる。
 ただし、ここで信じているものは「レメディの医療効果」ではなくて、「プラセボとカウンセリング」の効果である。(本文中で述べたとおり。)

 しかしながら、たいていのホメオパシー批判者は、その区別ができない。
  ・ レメディの医療効果
  ・ プラセボ効果とカウンセリング
 この区別ができないまま、「ホメオパシーは無効か有効か」を論じる。その意味で、たいていの批判者は、まったく間違っている。一方、その違いをはっきりと理解しているトラ子は、まったく正しい。彼女の方がよほど利口だ。

 ただし、彼女は、利口であるだけでなく、邪悪である。「プラセボ効果とカウンセリング」という真実を述べるかわりに、嘘をついて、金儲けに走った。人をだまして、大金を巻き上げようとした。その意味で、彼女は利口な悪人であり、つまりは詐欺師である。
 ひるがえって、「トラ子はインチキ科学を信じている馬鹿者だ」と思うのは、まったく見当違いの批判だ。それは、上記の二点を区別できないような、無知から来る批判だ。

 ともあれ、「プラセボ効果とカウンセリング」ならば、ホメオパシーは有益であることもある。一方、「カウンセリングなしで自分でレメディを飲む」というのは、ただの自己暗示にすぎない。プラセボ効果があるだけだ。そんなものを効果的だと述べるのは、完全な詐欺行為だ。ただし、有害ではないし、金儲けにはなる。カウンセリングなしのレメディ販売については、100%の詐欺と見なしていいだろう。

( ※ 上記の見解には、トンデモマニアから批判が来るはずだ。「ホメオパシーの資格もない非専門家のくせに、ホメオパシーを論じるな! 非専門家はホメオパシーを批判する資格がない!」と。……ま、毎度のことだが。)
Posted by 管理人 at 2010年10月26日 23:49
トラ子は利口だ、と述べたが、その一方で、医学的な知識については皆無だと思う。というのは、レメディの適用場面として、「消毒」とか「スズメバチに刺されたとき」などを掲げてしまっているからだ。
 医学的な知識があれば、これらの例を慎重に排除しただろう。しかるに医学的な知識が皆無であるため、単に「ホメオパシーは何でも効果がある」というふうに示してしまった。今となっては「あ、まずかった」と思っているはずだ。
 
 要するに、トラ子は、金儲けが目的であり、詐欺の専門家である。医学の専門家ではない。だから医学的には、ミスをいっぱいやる。
 その点は、トンデモマニアの医者が、詐欺(人をだます方法)については無知であるのと同様だ。トラ子が医学に無知であるからといって、トラ子が馬鹿だということにはならない。
Posted by 管理人 at 2010年10月27日 00:05
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