2010年09月18日

◆ ティタニス(前肢のある恐鳥類)

 ティタニスという絶滅種は、小さな腕のような前肢をもつ。これは、恐鳥類・走鳥類から、翼をもつ鳥類への、進化の過程を示すものだろう。 ──

 ティタニスという巨大な恐鳥類がいた。(絶滅種)
 大きさは巨大(体長 250cm )で、恐鳥らしい姿をしているが、小さな腕のような前肢をもつ。これを「翼」と呼ぶこともできなくはないが、飛ぶための能力はまったくない。むしろ、腕のように、物をつかむ能力があったらしい。

  → 図と説明
  → 画像の一覧
  → 英語版 Wikipedia (解説)
 
 ──
 
 見た感じはいかにも恐鳥だが、小さな前肢があるのが特徴的だ。
 このような種が存在したことで、
   恐鳥 → 走鳥類 → 翼のある鳥類

 という説(前出)が、いっそう裏付けられたことになる。

 つまり、鳥類は、恐鳥の段階で、いったん前肢を失った。
 その後、走鳥類の段階でも、前肢は失ったままだったが、一部の走鳥類では、小さな前肢を生やすようになった。その前肢は、飛翔するにはとても足りないが、羽毛を備えることで、翼に似た形状となった。
 その「羽毛をもつ板状の前肢」が、さらに発達することで、大きな翼となったわけだ。
 


 [ 付記1 ]
 恐鳥類と走鳥類は、あまり区別しなくても良さそうだ。「翼がない」という点だけが重要であり、あとは見た目が「おっかない感じ」かどうかの違いでしかないようだ。
 ティタニスは、見た目が「おっかない感じ」なので、恐鳥とも言える。
 ま、恐鳥類とか走鳥類とかは、分岐群(系統群)をなすのではなく、進化の発達レベルを示すだけだから、あまり細かく区別する必要もないだろう。

 [ 付記2 ]
 ティタニスは系統的には、「ツル目」に分類されてきたが、この分類は疑わしい。
 近年の分子生物学の研究では、新たな知見が得られている。同じく「ツル目」に分類されてきたディアトリマについては、次のように説明されている。
 ディアトリマの所属目は未確定である。 近年までツル目とする説が一般的であったが、21世紀以降の研究ではキジカモ小綱 (Sibley) Galloanseraeに含まれるとする説が有力となってきた。
( → Wikipedia
 私としてもこれを支持する。というか、これなら納得できる。(「ツル目」というのは信じがたい。前出の系統樹からして、「ツル目」というのは二つあるが、いずれもの種も、過去恐鳥類からは大きく隔たっているからだ。)
 キジとカモは、翼のある鳥類では、最も原始的なものである。この仲間にディアトリマやティタニスが入るのであれば、不自然ではない。
 逆に言えば、そういう分類が出たことからも、「走鳥類 → 翼のある鳥類」という順序が、いっそう裏付けられたことになる。

 【 後日記 】
 
 以上の [ 付記1 ],[ 付記2 ]には、記述不足なところがあった。もっと正確な系統関係は、のちに判明した。下記でしている。そこを参照。
  → 恐竜と鳥の系統図



 【 関連項目 】

   → 走鳥類の位置づけ[修正]
posted by 管理人 at 23:02| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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