2010年09月18日

◆ ヴェロキラプトルと鳥類

 ヴェロキラプトルは、翼をもつ恐竜だ。これが鳥類の祖先だ、という仮説もあるが…… ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2010-09-21 です。)

  
 前項で示したのは、「鳥類はオビラプトル類から進化したのだろう」ということだった。
  
 一方、ヴェロキラプトルという恐竜もある。これが鳥類の祖先だ、という仮説もある。
 これは、鳥の翼によく似た翼をもつ。翼という点では、オビラプトル類よりも鳥類に近い。ただし、エウマニラプトル類に属するので、兄弟分のオビラプトル類には属さない。(系統が異なる。)
 
 つまり、オビラプトル類とヴェロキラプトル類の双方が、鳥類の祖先として候補になる。しかも、双方はかなり離れているので、双方がどちらも鳥類の祖先となることはないはずだ。どちらか一方であるはずだ。では、どちらか? 

 ──

 「オビラプトル類が鳥類の祖先だ」と私が考えたことの理由は、
  ・ 半恒温性
  ・ 羽毛とトサカ

 の二つだった。

 「ヴェロキラプトルが鳥類の祖先だ」という仮説の根拠は、ヴェロキラプトルの前肢(翼)は、鳥類の翼によく似ているからだ。
 ヴェロキラプトルの前肢には、羽毛の痕跡がある。
  → 等間隔の突起
 しかも、このように「羽根が骨に付いている」というのは、風切り羽の特徴だ。
  → 風切り羽根は骨に直接付いている
 このことからして、ヴェロキラプトルには、風切り羽が備わっていたはずだ。
 
 このことを見て、「ヴェロキラプトルは、風切り羽をもっているので、鳥類に近い」というふうに考えることもできる。しかし、鳥類に似るためにだけ、風切り羽をもっているはずがない。何らかの理由があったはずだ。では、どんな理由が? (まさか、ただの飾りではあるまい。また、保温でもあるまい。)
 
 私が想像するに、ヴェロキラプトルの翼は、まさしく、何らかの浮遊能力をもっていたはずだ。では、その意味は? おそらく、次のことだったろう。
 「体を軽くして高速で地上駆ける」

 説明しよう。単に駆けるだけだと、地上に着地したときに、ドシンドシンと体重の衝撃がかかる。一方、翼があれば、体がいくらか浮遊する感じで、軽くなるので、その衝撃が少なくなる。上下動が少ないまま、高速で駆けることができるようになる。つまり、「半分飛びながら駆ける」ということだ。ちょっと鳥に似ている。
 これと同様の過程を経て、始祖鳥も先祖から徐々に進化したのかもしれない。

 私が思うに、ヴェロキラプトルは、「やがて誕生する古鳥類の祖先」だったのだと思う。あと何百万年かすれば、ヴェロキラプトルは、翼を大きくして、古鳥類の一種を誕生させたはずだ。たぶん。
 しかし、そうして進化して鳥を誕生させたとしても、その鳥は始祖鳥の再来になるだけだろう。それは決して現存する鳥類にはならなかっただろう。というのは、恒温性がないので、白亜紀末の寒冷気の絶滅を乗り切れないからだ。
 
 先にも述べたが、鳥類の特性は、翼ではなく、恒温性だ。また、初期の鳥類は、前肢をもたなかったはずだ。とすれば、鳥類の祖先は、翼をもつ恐竜である必要はなく、半恒温性のある恐竜であったはずだ。それは具体的には、(風切り羽ではなく)保温のための羽毛と、放熱のためのトサカをもつ恐竜であったはずだ。

 ──

 ここまで考えれば、結論は明らかとなる。
 鳥類の祖先は、オビラプトル類だった。ヴェロキラプトルは、現生の鳥類の祖先ではなかった。ヴェロキラプトルは、やがて真の鳥類(新鳥類)になるべきものではなく、第2の始祖鳥(古鳥類)になるべき恐竜だった。だからこそ、未熟な翼をもち、恒温性がなかったのだ。

 [ 付記 ]
 「ヴェロキラプトルは鳥類の祖先だった」
 という仮説は、その鳥類という言葉が、「現生する鳥類」という意味でなら、誤りだろう。しかし、「もしかしたら生まれる第2の始祖鳥」という意味でなら、正しいだろう。
posted by 管理人 at 22:50| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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