2010年09月15日

◆ 走鳥類の位置づけ[再修正]

 走鳥類の位置づけを再修正する。つまり、前項を取り消して、次のようにする。

  (正)  走鳥類 = ダチョウ類 & 未知鳥類(ダチョウの兄弟:絶滅種)
  (誤)  走鳥類 = 形態レベルの進化の一段階
 ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2010-10-02 です。)


 私はもともとは
    走鳥類 = ダチョウ類

 と見なしていた。

 しかし、Wikipedia の記述により、
  「恐鳥類のパラフィソルニスは、ツル目であり、ノガンモドキの祖先である」
 というのを信じたので、
  「走鳥類は(ツル目を含む)あらゆる目で生じた」
 と考えるようになり、
    走鳥類 = 形態レベルの進化の一段階

 という新たな考えを取るようになった。( → 恐鳥類と走鳥類前項

 しかし、鳥類の系統樹 を見ると、Wikipedia の認識は誤りだとわかった。パラフィソルニスは、ツル目でもないし、ノガンモドキの祖先でもない。どちらかと言うと、キジ・カモ類やダチョウ類の近縁であるらしい。(ノガンモドキは鳥類のなかの祖先種の一つとして位置づけられる。 → 鳥の祖先種は大型だ

 ──

 そこで、新解釈( → 前項)は、取り消すことにした。
 つまり、走鳥類とは、それぞれの目における進化の途中段階ではない

 正しくは? ほぼ従来通りである。
 つまり、走鳥類とは、おおざっぱに言えば、ダチョウ目である。ただし、従来とは違って、未知鳥類(ダチョウ目の兄弟種:絶滅種)を加える。つまり、
  走鳥類 = ダチョウ類 & 未知鳥類(ダチョウ目の兄弟種:絶滅種)

 である。
 ここで、未知鳥類とは、ダチョウに似た絶滅種だ。現在も生き延びているのはダチョウ目だけだが、その仲間として、ダチョウに似た未知の絶滅種が過去にはあったはずだ、と想定する。
 走鳥類と呼べる「飛べない鳥」には、ダチョウ類のほか、未知の別系統があったと考えるわけだ。

 ──
 
 では、その未知鳥類(絶滅種)は、ダチョウとはどこが違うか? 体つきはダチョウと大差ないが、未発達な翼(の萌芽)をもつ。この件は、下記に示す。

 ────────────

 恐鳥類(ディアトリマやパラフィソルニス)もいるが、これらはダチョウに先立つものだ。そこで、進化の順で書くと、次のようになる。

   恐鳥類 ── ダチョウ ── キジ・カモ類 


 ただし、系統図で書くと、分岐を含めて、次のようになりそうだ。(*

         未知鳥類(絶滅種) ── キジ・カモ類
   恐鳥類 <
         ダチョウ


 つまり、ダチョウは、キジ・カモ類以降の現生生物の祖先ではない。別の未知鳥類(絶滅種)が、キジ類以降の現生生物の祖先である。
 それゆえ、恐鳥類の分子系統を調べると、キジ・カモ類とダチョウ類の中間にあるように見えてしまう。
 
 上の分岐した系統図の考え方を、新たな説とする。

 ──

 上の系統図の発想は、正しいだろうか? 100%正しい、と言える。なぜなら、遺伝子分析をしても、同等の分岐をする系統樹を書けるからだ。その系統樹は、前にも示した。
  → 鳥類の系統樹系統樹の図1
 このページに紹介してあるリンク先にも、同趣旨で別の系統樹がある。
  → 紹介先系統樹の図2

 いずれにしても、系統樹は同趣旨のことを示す。その同趣旨のこととは、(*) の系統図と同じことだ。
 つまり、共通祖先から、ダチョウと未知鳥類とが分岐する。未知鳥類から、キジ・カモ類を含むグループが分岐する。そのことは分子的な系統樹からはっきりしているのだ!

 ただし、である。分子的な系統樹では、ダチョウと並ぶはずの未知鳥類が存在したとは示されていない。そこで、「それは存在したはずだ」と述べるのが、本項だ。

 ──

 さて。新たな説では、恐鳥類とキジ・カモ類の間に、未知鳥類が来る。ただしその未知鳥類は、ダチョウ類ではない。未知の絶滅種だ。
 その絶滅種は、どんなものか? もし生き残っていれば、「キジ・カモ類の祖先種」という扱いになる。それは七面鳥やハクチョウの祖先であり、かつ、ダチョウの兄弟である。それは、ダチョウの子孫(翼がないまま小さいキウイなど)とは異なり、体が大きいまま不完全な翼をもつようになったものだ。 ( cf. 鳥の祖先種は大型だ

 このような絶滅種は、存在したはずだが、長期間は存続しなかったはずだ。長期間がたつまでもなく、短期間のうちに翼を急激に進化させていったのだろう。というのは、いったん翼が生えれば、翼はきわめて有利なので、翼は急激に進化していったはずだからだ。そして、その急激な進化の結果、七面鳥やハクチョウが誕生したのだろう。

( ※ 不完全な翼がなぜ有利か、ということは、ニワトリの例で説明した。樹上に逃げるニワトリの例。 → 樹上性/地上性(飛ぶ前) 【 追記1 】
  
 ──

 ついでだが、ダチョウには、「前肢の痕跡」とも言えるものがある。
   → 恐鳥類と走鳥類 の [ 付記3 ]
 これはどういうことか? たぶん、次のシナリオが成立する。
  •  上記の未知鳥類(絶滅種)と、ダチョウ類とは、共通祖先をもつ。その共通祖先は、先祖返りをして、未発達な前肢をもつようになった。
  •  その後、道は二つに分かれた。
  •  一方では、未発達な前肢が翼の形になり、それが急激に進化して、立派な翼となった。そして、キジ類とカモ類が生じた。
  •  他方では、未発達な前肢はどんどん縮小していって、痕跡化した。そして、ダチョウが出現した。
 このようなシナリオを考えると、すべてはうまく説明される。
 
 ──

 上のシナリオでは、「恐鳥類に前肢が生えた」ということを基本としている。それは不自然に思えるかもしれないが、別に不自然ではない。実際、証拠がある。ティタニスという恐鳥は、前肢をもっていた。それが化石で証明されている。
  → ティタニス

 ここから類推して、他にも未発見の恐鳥がいるはずで、それが未熟な前肢をもっていたという可能性は十分にある。そういう可能性はあるのだ。(決して不自然ではない。)
 時期は? それはティタニスよりもずっと前に出現していたはずだ。たぶん恐竜絶滅の少し前に出現したのだろう。そこから、上のシナリオに従って分岐して、翼をもつものと、翼をもたないものとに、分かれていったのだろう。
 


 [ 付記 ]
 巨大なダチョウとも言えるエピオルニスやモアもある。これらは、恐鳥類とダチョウの中間にいる種であろう。これらは、前肢の痕跡もないようなので、恐鳥類に含めて考えてもいい。つまり、走鳥類(ダチョウ類)よりもずっと前の段階であり、本項の話題とは関係ない。
 ただ、前肢の痕跡がないのに、すでにダチョウに近い形をしていることからして、未熟な前肢をもっていた先祖種が、エピオルニスやモアよりもいっそう鳥に近い形をしていただろうと、推定できる。(ティタニスのような恐鳥っぽい姿ではなくて。)
  


 【 補説 】
 恐鳥類・走鳥類・鳥類の関係については、以下のように説明される。
 
 次のことは、否定される。
 「鳥類とは、翼をもつ生物の仲間だ」

 ( ※ 正しくは? 翼をもたない鳥類もいる。翼をもつ哺乳類もいる。)
  
 また、次のことも否定される。
 「翼のない生物が、空という環境に進出したから、翼をもつようになった。それが鳥類だ」

 つまり、通説は正しくない。では、正しくは? 
 鳥類への進化は、「恐竜(獣脚類)から鳥類(恐鳥類)へ」という進化(分岐)が起こった時点で生じた。それは偉大なる進化だった。そこでは半恒温性ないし恒温性が生じた。それゆえ、白亜紀末の地球寒冷化を乗り越えた。( → 半恒温性の説明
 初期の鳥類は、恐鳥類だった。その後、白亜紀末には、恐鳥類や、走鳥類や、一般の鳥類が、いずれも共存した。それらは、翼の有無があるが、種としての進化のレベルとしては、大差がない。(いずれも鳥類である。単に形態が違うだけだ。)
 その後、恐竜が絶滅したあとで、恐鳥類が大きく繁栄したが、哺乳類の発達にともなって、恐鳥類は絶滅した。走鳥類は、一部を除いてほとんどが絶滅した。ただし、恐鳥類や走鳥類の子孫は、鳥類の一部として、翼を備えて、現在までたくさん生き残っている。

 ともあれ、恐鳥類も、走鳥類も、一般の鳥類も、生物的にはすべて「鳥類」としてひとくくりにされる。翼の有無という形態的な差は、たいして意味がないのだ。

 詳しくは → 鳥類の本質
posted by 管理人 at 00:01| Comment(3) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
後半に  《 補記 》  を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2010年10月02日 14:49
本項の続編は下記。

キジ類とカモ類
http://openblog.meblog.biz/article/3398759.html
Posted by 管理人 at 2010年10月06日 22:57
素晴らしいですね。
具体的に新鳥類がどの様に分岐したかが良く解りました。
恐鳥類がありダチョウ類が分岐したんですか
古鳥類と新鳥類の違いも良く解りました。
Posted by ネームレス at 2015年09月01日 14:41
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