2010年08月15日

◆ ホメオパシーはトンデモか 3

 ホメオパシーのレメディはただの砂糖玉だ。ゆえに無効である。しかし、無効であることは悪くないし、「有効だ」と嘘をつくのも悪くない。その意味で、たいていのホメオパシー批判は妥当でない。 ──
 
 たいていのホメオパシー批判は、「ホメオパシーは偽科学だ」というものだ。その根拠として、レメディが無効であることを指摘する。また、無効であるものを「有効である」と述べることの欺瞞性も指摘する。
 しかしながら、無効なものを販売することは悪くないし、「有効だ」と嘘をつくことも悪くない。このようなことは、悪ではないし、法律的に取り締まられることもない。

 典型的な例がある。無効な商品を詐欺的に販売することだ。
  ・ 睡眠学習法
  ・ 速読法
  ・ さまざまなダイエット法


 これらは、「ちょっとやるだけで、すばらしい大効果」というふうに宣伝する。朝日新聞の広告( 2010-08-15 )でも、SRS 速読法の詐欺的な宣伝が掲載されている。
 こういうのは、もちろん、インチキである。いくらかは効果があるかもしれないが、宣伝文句みたいな効果があるはずがない。トンデモマニアならば、こういうのを「偽科学」と見なして、ダボハゼのごとく食いつきそうだ。  (^^);

 ──

 以上のような例では、いずれも、宣伝では嘘がつかれている。
 「こんなに効果がありますよ」
 と宣伝して、効果がほとんどないものを高額で売りつける。

 その点では、ホメオパシーの業者は、まだしも良心的な方だ。なぜなら、彼らは、薬としての効能がまったくないものを売りつけているが、それゆえ、プラシーボ効果(プラセボ効果)が 30% 程度はあると見込めるからだ。ひるがえって、上記のもの(睡眠学習法・速読法・さまざまなダイエット法)は、 30% の効果は見込めない。英語学力が 30% も向上することはありえないし、さまざまなダイエット法だって 30% もの体重減は見込めない。
( ※ 速読法は、速読に関してはいくらかは効果はありそうだが、早く読んだ分、じっくりと考えることがなくなるので、読書の効果がほとんど消失してしまう。読む速度は 数十% 上がることはあっても、あとに残るものは 数十% 減ってしまいそうだ。)
 
 ──

 要するに、世の中には、「無効なものを高額で販売する」という詐欺的な事業は、たくさんある。そのなかでは、ホメオパシーは、まだしもまともな方だ。
 それゆえ、ホメオパシー(それ自体)は、悪ではない。法律で取り締まられるほどのことではない。トンデモマニアや、朝日新聞が、「レメディーは科学的に無効だ」というふうに批判するのは、まったくのマトはずれだ。それを言うなら、似たように無効なことをやっている連中をことごとく批判する必要がある。
 特に、政治家も? (^^);  ……と書いたところで、思い出したが、うまい例がある。

 それは、経済学者だ。経済学者も同様に、ひどい嘘をついてきた。
  ・ 量的緩和で景気回復
  ・ 構造改革で景気回復
  ・ 規制緩和で景気回復
  ・ 法人税減税で景気回復

 こういう非科学的な嘘で、どれほどの被害をもたらしたことか。

 ついでに言えば、 「 Google 化することで効率 10倍アップ 」( Amazon )
 というふうに嘘をついた著作家(勝間和代)もいた。

 以上の例のようなものは、そのほとんどが無効だ。上記の経済政策は、結果的には、デフレ脱出に完全に失敗した。
 また、勝間和代の本で言えば、ユーザーの体験記もある。
 「勝間さんには有効なのかもしれないが、私がそれをやったら、職場で浮いてしまった。逆効果だった」
 というふうな。

 この点で言えば、ホメオパシーのレメディが無効であることは、上記のような多くのものが無効であるのと、五十歩百歩なのだ。
 ゆえに、
 「ホメオパシーのレメディが科学的に無効である」
 という批判は、批判としては、それ自体が無効である。「無効である」ことが悪であるならば、このようなホメオパシー批判そのものが、無効であるがゆえに、悪である。
(……というのは、ちょっと言い過ぎかもしれない。とはいえ、ホメオパシー批判がいくらなされても、ホメオパシーの規制が全然なされない、という点では、無効性は否めない。)
( ※ ただし、「無効である」ことが悪であるならば、という前件自体が不成立だから、これは命題としては間違っていない。「偽ならば偽」は、命題としては真である。)

 ──

 ホメオパシーが無効であることは、悪ではない。では、ホメオパシーは悪ではないのか? いや、悪だ。では、どこが悪なのか? 
 それはすでに前項で述べたとおりだ。次のことだ。
 「ホメオパシーだけが有効であると主張して、正規の医療を拒否させること」

 もう少し正確に言えば、こうだ。
 「正規の医療よりも、ホメオパシーの療法を、優先させること」


 ここで、彼らの狙いは、金儲けだ。ただし、金儲けのために、自分のレメディーを販売するだけではない。(それだけならば悪ではない。)
 ホメオパシーの業者は、レメディを売るだけならともかく、レメディの売上げを増やすために、「正規の医療は良くない」「正規の医療を受けるな」という趣旨の宣伝をする。逮捕されないように、あからさまにそういう主張はしないが、実質的には、そういう趣旨の主張をする。
 こうして患者を、正規の医療から遠ざけようとする。そのことで、患者の病状を悪化させる。少なくとも、改善させない。そして、そのことで、レメディの継続販売を狙う。(患者が治癒したら、レメディの販売を見込めないから。)……ここが悪なのだ。

 たとえば、助産師の会に、レメディーを(リベートつきで)高額で販売させる。ここで、助産師は、「レメディーは通常医療の補佐をするだけです」とは述べず、「レメディーは通常医療の代替となります」というふうに語る。このことで、1万円以上の砂糖玉を売りつける。(その何割かは助産師の懐に入る。)
 ホメオパシーのレメディを売りつけられた側は、あくまで「通常の医療の代替だ」と思って、高額な金を払う。(すてきな自然なエコ療法だと信じて。有機野菜が高額なのと同じ原理。)
 ホメオパシーの業者の目的は、超高額のレメディ の販売である。そして、それを継続するために、患者を治癒から遠ざけようとする。

 ここを誤解しているのが、トンデモマニアだ。彼らは
 「ホメオパシーの業者は、患者を正規の医療から遠ざけるから、非科学的なことを信じているトンデモだ」
 と批判する。
 違う。正しくは、こうだ。
 「ホメオパシーの業者は、科学的なことを信じている利口な詐欺師だから、正規の医療が有効であることを知っている。それゆえ、患者を正規の医療から遠ざける。その目的は、患者を治癒から遠ざけることだ」
 ( ※ 前項で述べたとおり。)

 ──

 要するに、ホメオパシーの業者は、患者を治癒させまいとする。おのれの金儲けのために。……その意味では、ホメオパシーの業者は、悪魔的なことをなしている。
 ここが、ホメオパシーの業者の独特な点だ。他のもの(睡眠学習法・速読法・ダイエット法・エコキャップ・経済学者・経営学者)は、そういうことはない。これらの業者は、自分のものを売りつけようとするが、購入者の健康を悪化させようとはしないし、改善を阻害しようともしない。
 しかしながら、ホメオパシーの業者だけは、違う。もし購入者の健康が改善したら、レメディの売上げが消えてしまう。それゆえ、購入者の健康の改善を、阻止する。
 「レメディーで健康を回復させましょう」
 と口にしながら、実質的には、
 「レメディーで健康を回復させなくする」
 ということを狙う。
 これが、彼らの悪の本質だ。

 にもかかわらず、そこに気づかない愚か者たちが、「レメディーは科学的に無効です」とだけ唱える。しかしながら、そんな主張は、ホメオパシーの業者の悪質性とは全然別のところを批判していることになる。
 それゆえ、ホメオパシーの業者が、
 「無効であることのどこが悪い。他の業者だって同様だろ」
 と居直ったら、どうしようもなくなる。
 こうして、愚かな人々が「論点逸らし」をすることで、ホメオパシーの業者の悪質さは見逃されてしまう。

 ──

 結論。

 物事の本質をとらえることが大切だ。ホメオパシーの問題点は、それが無効であることや、それが非科学的であることではない。
 ホメオパシーの問題点は、それが正規の医療から遠ざけることだ。レメディが無効であることは、そのために奉仕している根拠にすぎない。レメディが無効であること自体は、少しも悪ではない。(実際、無料ホメオパシー を摂取することは、少しもも悪ではない。)
 ホメオパシー業者の本質は、彼らが詐欺をしているということだ。そして、彼らは詐欺による高額販売を継続するために、患者の健康を損ねようとしている。この悪魔的な商魂が問題なのだ。
 このことを理解するべきだ。そしてまた、これを阻止するには、患者や世論への啓蒙ではとても足りない。公権力による介入が必要だ。

 ──

 なお、このことを理解せずに、「トンデモだ」「偽科学だ」と喚けば喚くほど、ホメオパシー業者の思う壺となる。彼らはこう言いたいのだろう。
 「私は馬鹿です。私はトンデモです。だから私を嘲笑ってください。そして、患者や世論へ啓蒙してください。同じ土俵の上で、対等に争いましょう。その上で、決めるのは、市民の一人一人です。彼らがレメディを摂取するかどうかは、彼ら一人一人に任せましょう」
 こうして、ホメオパシーの業者は、レメディの高額販売を続けようとする。
 しかし、そんなことでは、被害は継続する。ちょうど、統一協会がインチキな壺を「金の壺」と称して、超高額販売したように。
 このような詐欺は、「詐欺罪」ではっきりと取り締まるべきなのだ。つまり、「それがトンデモだから、人々に警告する」のではなく、「それが詐欺だから、公権力に取り締まらせる」というふうにするべきだ。
 


 【 関連項目 】

 → ホメオパシーはトンデモか 2
posted by 管理人 at 09:31| Comment(1) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ホメオパシーの問題点は、それが正規の医療から遠ざけることだ。

これはそのとおり!!

>要するに、ホメオパシーの業者は、患者を治癒させまいとする。おのれの金儲けのために。……その意味では、ホメオパシーの業者は、悪魔的なことをなしている。

正規医療の製薬会社も同じ構造です。
「治癒」する薬はほとんどありませんが「正規治療を受けないと治らない」という宣伝が多いです。
これも詐欺・・・?
Posted by モケーレ at 2012年02月11日 08:13
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