2010年08月14日

◆ ホメオパシーはトンデモか 2

 「ホメオパシーはトンデモだ」という主張が、ネット上に散見される。しかし、違う。
 ホメオパシーは、トンデモではなく、犯罪である。ただし、宗教性を帯びた犯罪である。その点では、オウムと同様だ。 ──

 ホメオパシーはトンデモではない。詐欺という犯罪である。── この件については、先に述べた。
  → ホメオパシーはトンデモか?
 本質的には、上記に尽きている。詳しい話は、上記項目を読んでほしい。

 その上で、本項では、新たに次のことを主張したい。
 「ホメオパシーに対しては、『トンデモだ』『偽科学だ』と批判すればいいのではない。これを犯罪として、政府が強権的に取り締まるべきだ」

 ──

 ここでは、対比的に、次の見解を否定している。
  ・ 「市場原理のもとで、消費者に委ねるべきだ。政府の規制は最小限に」
  ・ 「利用者が望む限り、ホメオパシーの療法を許容する」
  ・ 「利用者には、非科学性を広報すれば、それで十分だ」


 このような発想が、世間には多い。しかし、私はそれを批判する。むしろ、次のように主張する。
  ・ 「ホメオパシーの業者に対しては、詐欺罪で強権的に逮捕する」


 なぜか? ホメオパシーは、れっきとした犯罪だからだ。法律的には、グレーゾーンに属するが、そのせいで逮捕しにくいのであれば、明示的に「違法だ」と示す法律をつくればいい。
 とにかく、ホメオパシーの業者は、人を殺すのをも厭わない、凶悪な犯罪者だ。このような凶悪な犯罪者は、社会的に許容するべきではない。

 そして、そのことは、オウムの例からもわかる。
 「オウムの信者は自由意思で行動しているのだから、政府は許容するべきだ」
 という主張を、かつて、マスコミは取っていた。
( ※ イエスの方舟という、ほぼ無害な宗教団体に警察が介入したことの反動で、警察もマスコミも、オウムのような宗教団体に及び腰になっていた。)
 そして、このような及び腰の姿勢が、結果的に、サリン事件という大被害をもたらした。

 ホメオパシーの業者も、それと同様である。連中は、オウムの教祖と同じぐらい悪質でありながら、「思想が非科学的なだけのトンデモにすぎない」というふうに見なされて、法による規制から漏れてしまっている。世の中には、トンデモマニアという人々がいて、彼らが「ホメオパシーの業者はトンデモだ」と主張するおかげで、ただの思想的な間違いをしているだけにすぎないと思われている。

 違う。ホメオパシーの業者はトンデモではない。また、われわれと思想的に異なっているわけではない。ホメオパシーの業者は、ホメオパシーが科学的に無効であることを、百もわきまえている。そこには思想的な対立などはない。(言っていることと思っていることは別だ。)

 では、そこに何があるかというと、(レメディーと称する)詐欺商品を売って金儲けするのを、許容するかどうか、という違いだけだ。この違いは、「詐欺を許容するかどうか」という違いだ。
 なのに、その真実(詐欺を許容するか否か)を離れて、トンデモであるか否かを論じてばかりいるから、ホメオパシーの業者はいつまでたっても、世にはびこる。(憎まれっ子、世にはびこる。)
 ここでは、世間の人々の対処が、根本的に間違っているのだ。オウムのような犯罪集団に対して、思想で対抗し、思想で是正しようとしている。そういう態度が根本的に間違っている。

 ──

 ホメオパシーの問題は、どこにあるか? 
 たいていの人は、次のことを争点とする。
 「ホメオパシーは、科学的・医学的に、有効であるか否か」


 トンデモマニアは、そのことを論点とするし、朝日新聞の長野記者の連載も、そのことを主な論点としている。
 しかし、本当は、そのことは論点とならない。ホメオパシーが有効であるか否かは、論点とならない。
 なぜなら、結論は「無効である」となるが、無効であることはちっとも悪くはないからだ。このように無効な薬など、山のようにある。それらを販売する製薬会社が、ことごとく悪であるわけではない。療法が無効であることは、犯罪でもないし、悪でもないのだ。(レメディーに効果がない、といくら指摘しても、ほとんど意味はない。)

 ──

 では、何が悪であるのか? それは、あちこちでも指摘されているが、次のことだ。
 「ホメオパシーだけが有効であると主張して、正規の医療を拒否させること」

 もう少し正確に言えば、こうだ。
 「正規の医療よりも、ホメオパシーの療法を、優先させること」


 たとえば、ぜんそくにステロイド剤を使っている例では、
 「ステロイドによる医療は有害です。むしろホメオパシーで治療しましょう」
 と主張している例がある。( → 批判者による紹介

 なぜホメオパシーの業者は、正規の医療よりも、ホメオパシーの療法を優先させるのか? 「ホメオパシーはトンデモ(偽科学)だからだ」というのが、上記の批判者の見解だが、違う。
 ホメオパシーの業者は、正規の治療よりもホメオパシーの方が有効だ、とはちっとも考えていない。(言っていることと思っていることとは違う。)
 その証拠に、弁明の際には、「通常の医療を否定していません」というふうに、何度も釈明する。先にビタミンKの問題で乳児の死者が出たときにも、「通常の医療を否定していません」というふうに、何度も釈明する。
 ホメオパシーの業者は、正規の治療を否定していない。この事実を、はっきりと理解するべきだ。彼らは決してトンデモではないのだ。

 ──

 では、ホメオパシーの業者は、何をしているか? 正規の治療を否定するかわりに、患者においてホメオパシーの療法を優先させようとする。つまり、患者の金の支払先を、医者でなく、ホメオパシー業者にする。
 その意味は、何か? こうだ。
 「患者は、医者から治療を受けて、治癒するべきではない。むしろ、レメディを購入して、慢性的になったまま、レメディを永遠に購入し続けるべきだ」

 つまり、金儲けだ。これがホメオパシー業者の本音だ。

 ──

 ホメオパシーの業者は、ホメオパシーが有効だとは思っていない。ホメオパシーが無効であることを、きちんとわきまえている。だから、「正規の医療を受けるべきだ」というような釈明をする(こともある)。
 実は、彼らは、正規の医療が有効であることを、きちんとわきまえている。そして、患者が正規の医療を受ければ、患者は治癒するので、患者はもはやレメディーを買ってくれなくなる。ここがポイントだ。
 本来ならば、永遠に治癒しないまま、永遠にレメディーを買ってくれるはずの患者が、医療によって治癒したことで、もはや何も買ってくれなくなるのだ。そんなことでは困る。だからこそ、ホメオパシーの業者は、正規の医療を受けさせなくしようとする。「レメディを買えば治りますよ」と嘘をついて、「レメディを永遠に購入するように、いつまでも治らない状況に置く」ようにする。

 これが真実だ。ホメオパシーの業者は、正規の医療を無効だと思っているのではない。正規の医療が有効だと思っている。だからこそ、患者を正規の医療から遠ざけようとするのだ。自分の金儲けのために。
 そして、そのために、自分の信じていることとは逆の嘘をつく。

 ここに彼らの犯罪性がある。おのれの金儲けのために、嘘をついて、正規の医療を受けさせなくして、患者の金を奪い、さらには患者の命を奪う。……ほとんど悪魔的な犯罪だ。
 だから、ホメオパシーの業者を批判するのであれば、彼らのその悪魔的な犯罪性を指摘して、批判して、最終的には警察権力で強権的に取り締まる必要がある。

 ──

 ところが、世の中には、「トンデモマニア」という愚かな人々がいる。彼らは、「自分は正しい」と思い込んで、「馬鹿な相手を攻撃する」ということに、無上の喜びを感じる。
 そのせいで、「ホメオパシーの業者は、馬鹿だ、阿呆だ、トンデモだ」と批判して、それで大喜びだ。しかし、その結果、ホメオパシーの業者は取り締まられることもなく、患者は迷える仔羊として取り込まれ、あとは指をくわえて患者が死ぬのを放置しているしかない。
 そんなことではいけないのだ。まずは、「ホメオパシーの業者は、馬鹿だ、阿呆だ、トンデモだ」と批判するのを、やめるべきだ。

 ホメオパシーの業者は、トンデモマニアよりも、はるかに頭がいい。彼らは、馬鹿のフリをしている利口だ。
 「私は馬鹿だから、間違った学説を主張しています。私が悪いのは、私が馬鹿なことだけです。患者が死ぬとしたら、私の馬鹿な説を信じた、患者のせいなんです。私はちっとも悪くありません。私は単に無知なだけなんです」
 こういうふうに馬鹿のフリをする。馬鹿なフリをして、トンデモマニアを嘲笑っているのだ。何と利口であることか。彼らは、馬鹿なフリをする利口である分、自分を利口であると自惚れているトンデモマニアよりは、百倍も利口だ。
 彼らは、馬鹿なフリをすることで、犯罪を目こぼししてもらっているのだ。本当はそれが詐欺であることをはっきりと自覚しながら、詐欺を続ける。「正規の医療を受けない患者は死ぬこともある」と自覚していながら、「正規の医療は無効です」と言って馬鹿のフリをする。
 そして、人が死んだら、「それは最初からわかっていましたよ」と正直に告白しないで、「トンデモマニアのおっしゃるとおり。私は馬鹿なので、私は何も知りませんでした」とシラを切る。
 こうして、トンデモマニアの助けを受けて、ホメオパシーの業者は詐欺という犯罪をしても、検挙を免れる。
 
 ──

 先に、「ホメオパシーとエコキャップ」という話題でいろいろと述べた。そこでは両者に共通する詐欺性を指摘した。
 実は、そこに述べたこと以外にも、共通性はある。それは、
 「自分を善だと信じている愚かな人々をだます」

 ということだ。次のように。

 《 エコキャップ 》

  …… 「エコは善だ」と信じているエコ信者をだます。

 《 ホメオパシー 》

  …… 「ホメオパシーは非科学だ」と批判する科学信奉者をだます。

 こうして、ホメオパシーの業者は、論議の土俵を科学・非科学の場にもってくる。トンデモマニアは、マタタビに誘われた愚かな猫のごとく、その土俵に吸い寄せられる。
 こうして、まんまと、ホメオパシーの業者の目論見が成功する。つまり、「馬鹿のフリをして、詐欺という犯罪性を隠蔽する」ということだ。このことで、結果的に、彼らは金儲けを続ける。

 今日もまた、トンデモマニアや、朝日新聞が、「ホメオパシーは非科学だ」と指摘する。そして、そのおかげで、ホメオパシーの業者の犯罪性は隠蔽される。かくて、彼らは次々と人を殺しながら、無知なフリをして、おのれの財布にたんまりと金を入れるのである。
 (馬鹿のフリをすれば、世間の利口な連中を、うまくだませるのさ。)
 と、内心ほくそえみながら。

 ──

 結論。

 ホメオパシー業者は、嘘をついている。本人も、それが嘘だとわかっている。
 なのに、嘘を嘘だとわからない人々が、「それは科学的に間違っている」と批判している。
 しかし、ホメオパシー業者は、自分の言っていることが科学的に間違っていると理解しながら、あえてそれを語っているのだ。(嘘をついているわけ。)
 また、その言葉を信じる人々は、「溺れる者は藁をもつかむ」という心情で、ほとんど宗教的な救済を求めるように、それを信じているのだ。(ここでは科学は無意味だ。)
 ここには、嘘と宗教性がある。それに対して、「科学的に間違っています」と主張するのは、「神様などはいない」と科学的に主張するようなものだ。「神の不存在」を科学的に主張して、キリスト教やイスラム教をやめさせようとするようなものだ。根本的に狂っている。
 科学的に真実を語ればそれで済む、と思っている単細胞が多すぎるから、相も変わらず、ホメオパシー業者の被害者が生じ続けるのだ。( *
 狡猾な嘘つきと、単細胞な正直者とが、噛み合わない論議をいくらやっても、そこでは何も解決しないのである。
 われわれがなすべきことは、議論による真偽の決着ではなく、被害者の人命を救うことだ。そのためになすべきことは、公権力の介入だ。

* 患者の救済については、前に述べたことを参照。 → ホメオパシー患者の治療法 )
  
( ※ なお、オウムの場合も、被害をなくすように決着させたものは、警察の介入だった。あそこで、いつまでも議論を続けていたら、サリンの被害はさらに出ていただろう。サリンの被害発生を未然に防ぐことが大切であるように、ホメオパシーの被害発生を未然に防ぐことが大切だ。そのためには、公権力の介入以外にはない。)

( ※ しかしながら、このように主張する私のことを、「トンデモだ、トンデモだ!」とトンデモマニアが非難するから、ホメオパシー業者はいつまでも跋扈(ばっこ)する。……トンデモマニアは、結局は、ホメオパシーの業者を守っているのである。トンデモマニアは、自分たちがホメオパシーの業者に加担していることになっていると、はっきり自覚するべきだ。……ま、読解力がないから、誤読してばかりで、自覚できないのかもしれないが。)
  


 [ 余談 ]
 ホメオパシーの業者は、トンデモマニアの厳しい指摘を見ながら、「ははは。おれたちに協力してくれている、自称・利口者め」と笑っているのだろう。

 彼らがどんな顔をしているかは、次のタイトルを読めばわかる。つまり、アッカンベー  (T_^)  だ。 


posted by 管理人 at 19:35| Comment(3) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
レメディーについても、人々はだまされてしまっているようだ。
 何十回も稀釈したものをレメディだと思っているようだが、それは業者の口先にすぎない。
 最終的にはただの砂糖玉になるのだから、当然、業者としては、ただの砂糖玉を作っているだけで、稀釈する過程などはないはずだ。つまり、たいていのレメディは、完全に同一成分であるはずだ。
 そのことは、不純物や同位体を調べることで、科学的に証明できるだろう。あるいは、工場を検分することで、証明できるだろう。
 相手を詐欺師だと理解すれば、その口先を信じるのは馬鹿らしいとわかるはずだ。レメディなんてものをまともに批判することに、意味はないのである。
Posted by 管理人 at 2010年08月14日 21:09
助産師会の人々は、なるべくホメオパシーのレメディを購入するように、妊婦に勧める傾向があるらしい。そう思わせる情報がある。

 → http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100806

 このことからすると、当然、次のことが推定される。
 「ホメオパシー業者から、助産師に、多額のリベートが渡る」

 レメディは高額だ。その高額のレメディを、助産師が妊婦に勧めることで、助産師は多額のリベートを得ることができる。
 となれば、(貧しい)助産師が金のために、ホメオパシーのレメディを妊婦に勧めるのは、当然のことだ。

 逆に言えば、ホメオパシーの業者は、売上げを増やすように、多額のリベートを設定していると推定できる。
 物事の本質を「詐欺」と理解すれば、いろいろと、裏事情が推定できる。
( ※ 推定だが、たぶん、間違っていないだろう。)
Posted by 管理人 at 2010年08月14日 22:36
上記コメントの推定を裏付ける情報を見つけたので、引用する。

 ────────



助産院の経営は、今は結構厳しいです。個人的には、少子化の時代なので、国もそういうところに、力を入れて欲しいと思います。

昔は、病院がサプリを販売したりすることが出来ないことになっていたのですが、法改正によって販売可能になりました。

経営上の問題というのが大きいです。

http://q.hatena.ne.jp/1270209078
Posted by 管理人 at 2010年08月14日 22:45
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