屋上緑化のかわりに、セラミック系の建材で保水力をもたせることができる。ただし…… ──
屋上緑化については、前に述べた。
→ 太陽電池と緑化
( 太陽電池よりも、緑化の方が、低コストで好ましい。)
→ 屋上農園
( 屋上緑化といっても、セダムみたいなサボテンより、葉っぱものがよい。)
→ サントリーの屋上緑化
( 木質ウレタン系の新素材で、緑化のかわりに保水材とする。)
──
朝日の夕刊( 2010-08-19 )に、新たに記事が出た。セラミック系の建材(多孔質)で、保水力をもたせることができるという。真夏の気温で、18度の気温低下の効果があったという。
参考のため、ネットで常用を探すと、次のようなものがある。
→ INAX
→ 積水化学工業
一方、土のかわりとなるものを用意して、そこに芝を生やす、という方式もある。
→ ハセベ
以上は、情報。
──
私の評価を示そう。
セラミック系の建材(多孔質)というのは、普通の建材よりは、保水力の面で好ましいと言える。また、設置が簡単だというメリットもある。サボテンやセダムみたいな保水力の小さな植物よりは、まともだと言えるだろう。
その一方で、難点もある。真夏で 18度の温度低下というと、55度が 37度に下がるぐらいだから、効果は十分ではない。葉っぱものの植物ならば、55度が27度ぐらいまで下がる。それよりは大幅に劣る。また、樹木と違って、木陰ができないという難点もある。さらに、設置は簡単だとしても、劣化しやすい多孔質を、あとで付け替えるのには、かなりコストがかかる。置物として設置するだけならばいいが、屋上にぴったり接着するような形だと、撤去費用が大変だ。
だから、屋上に設置するならば、「人工土 & 植物」のような形の方がマシだと思う。これなら撤去も簡単だ。また、植物として芝生にしてもいいが、それでも表面積が大きいから、セラミック材よりは効果が大きい。
セラミック系の建材(多孔質)は、屋上に設置するよりは、むしろ、屋上以外の場所に設置する方がいい。ビルの側面のベランダみたいなところとか。そういうところならば、他のものでは代替が困難だから、用途がある。
また、超高層ビルでは、屋上に出ることが大変そうだから、セラミック系の建材も役立つかもしれない。しかし、超高層ビルだと、ものすごい体積から莫大な熱量を発生する。それが屋上で少しだけ放熱しても、あまり意味はない。都会では、超高層ビルそのものを撤去する方が、よほど利口だ。あるいは、超高層ビルの周辺の地面を緑化する方が、よほど利口だ。(たとえば、二階建てのプロムナードを造って、そこに街路樹を生やす。)
私としては、屋上緑化よりは、街路樹をもっと増やしてほしいと思いますね。そっちの方がよほど効果がある。真夏の歩道を歩きながら、街路樹があると、ほっとする。特に、交差点の信号待ちの際、手前に街路樹があると、とても助かる。
こっちの方を考えてほしいものだ。
( ※ なお、街路樹は、都心である必要はない。人のためでなく、場所のためであるから、人口密度の高い場所を優先する必要はない。地価の高い銀座や新宿の表通りでやる必要はなく、場末や裏通りでやるのでも十分。)
2010年08月09日
過去ログ
手すりのようなものが写っていました。
多孔質に汚れがこびり付き汚くならないか、そんな感想を持ちました。
屋上、歩道などに芝生のような丈の高くない植物が植わっている
だけで、風が吹いたときのさわやかさは違います。メリットは
都心ばかりではありません。
いや、都心よりも田舎の再開発地の方が悲惨です。アスファルトと
コンクリートだけで、全く植栽がありません。熱風しか吹きません。
お盆の帰省で老母の家に向かうとき、駅の近所から田んぼが広がり
用水路に水がいつも流れている姿が懐かしくなりました。同じ場所を
歩いていて、体中をドライヤーに煽られているような気持ちになり
短時間で汗まみれ。
コンクリートから人へ、が消滅したこの夏はアスファルトから緑へが
いいなぁ。ただし彼の国で聞くペンキの緑はお断りです。