私は先日の項目で、次のように述べた。
私としては、屋上緑化よりは、街路樹をもっと増やしてほしいと思いますね。そっちの方がよほど効果がある。真夏の歩道を歩きながら、街路樹があると、ほっとする。特に、交差点の信号待ちの際、手前に街路樹があると、とても助かる。これに合わせたかのように、朝日でも 「都市緑化を」という趣旨の社説が出た。良い文章なので、後半を丸ごと引用しよう。
( → 屋上の保水建材 2010-08-22 )
思い出してみよう。公園などの緑地帯で、街路樹で覆われた歩道で、心なしかひんやりとした空気に、思わず一息ついたことはないだろうか。あるいは川などの水面を渡ってくるさわやかな風に、生き返ったような気がしたことはないだろうか。やっと朝日も緑の大切さに気づいたということか。
そうした自然が身のまわりにたくさんあれば、もっとすごしやすいはずと思う人は多いに違いない。
地球は温暖化しつつある。今年のような猛暑は、今後も続くと考えなければならない。とすれば、緑地や水辺など自然をうまく取り込んで、熱をためにくい町へと思い切って大きくかじを切るしかない。
緑地の力は大きい。20ヘクタール以上の緑地は、約2度の温度差をつくるとされる。それほどまとまった緑地でなくても、街路樹があれば日中でも快適に歩ける環境ができる。水を引き、緑陰をつくってベンチでも置けば、絶好の休息場所になる。さまざまな形で緑や水を増やすことを考えたい。
かつての日本には、自然をうまく取り入れた町と暮らし方とがあった。
しかし近代化の過程で効率を優先するあまり、樹木を切り倒し、川を埋めた。野放図に立ち上がったビル群は、風の通り道をふさいだ。暑苦しく、うるおいを失った町並み。そんな都市のあり方を見直すべきときだ。
緑や水は心を和ませてくれる。熱を和らげることは、命を守るだけでなく、快適で魅力的な町づくりにもつながるだろう。
( → 朝日・社説 2010-08-22 )
そして、それを自覚したなら、「太陽光発電のために莫大な金を投じよ」という「太陽光発電教」の主張を、取り下げてもらいたいものだ。
( ※ この件は、次項 を参照。)