2010年08月03日

◆ 分配法則の意義

 (数学基礎論の)区体論のサイトで、下記の箇所に、「分配法則の意義」という話を加筆した。
  → 発展編 「分配法則の意義」 ──

 その趣旨は、簡単に言うと、次の通り。
 
 集合論を採用しているときには、包含の理論が数学の基礎になると思われてきた。しかし、そうではないのだ。
 数学の基礎と、包含の理論とには、共通する部分(いわば「」)がある。そこには、分配法則は含まれない。つまり、数学の基礎を構築するためには、分配法則は不要だ。
 このあと、次の二通りになる。

   ・ 包含の理論 = 核 + 公理8 + 分配法則
   ・ 自然数論  = 核 + 公理8 + ペアノ公理


 包含の理論のためには、分配法則が必要だ。(ペアノ公理は必要ない。)
 自然数論のためには、ペアノ公理が必要だ。(分配法則は必要ない。)

 この両者(包含の理論 と 自然数論)は、共通する部分が非常に大きいが、まったく同じではない。特に、自然数論(や実数濃度)を構築するためには、分配法則は必要ない。その意味で、「集合論は数学の基礎となる」というのは、正しくない。集合論は、数学の基礎を構築するためには、少し余分なのである。集合論は、数学の基礎にとって必要ないものまで(余分に)含んでいるのだ。そして、それが、分配法則だ。

 数学の基礎を構築するために必要なのは、包含の理論から分配法則を除いたものだ。その部分だけが数学の基礎にとって必要なものだ。
 その意味で、「包含の理論が数学の基礎になる」というのは、正しくない。「正しい」というよりは、「当たらずといえども遠からず」というのが、適切な表現だろう。
 
( ※ ただし、上でいう「基礎」は、基礎中の基礎のこと。普通の実数を構築するためには、分配法則は必要となる。その意味で、普通の数学を構築するには、分配法則は必要だ。分配法則が不要なのは、基礎中の基礎だけ。それでも、分配法則なしで、かなりの範囲まで基礎が構築できるということは、重要だ。)
posted by 管理人 at 23:57| Comment(0) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
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