( ※ 本項の実際の掲載日は 2010-07-25 です。)
この問題は、先の「IQが高いと成功するか?」という項目の続編である。
この問題へのマイクロソフトの模範解答は、こうだった。
「IQが高くても成功しない人は、単にやる気がないということ。
やる気× 知性=成功力
で、やる気がゼロなら話になりませんよ、ということ」
しかし、私は、これを否定した。で、否定するだけでなく、現実にはどうであるかを、具体的に示そう。
──
いきなり結論から述べる。やる気と成果とは、次の曲線のような関係にある。

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この曲線は、次のことを意味する。
(1) 初期(低レベル)では、やる気と成果は比例する。
(2) やがて、やる気に対して、成果は逓減する。(やる気の効果が弱まる。)
(3) ついには、やる気に対して、成果は頭打ちになる。(ピークになる。)
(4) それでもやる気を出すと、成果はかえって減ってしまう。(疲れ・故障)
(5) さらに無理してやると、壊れてしまう。最悪の場合、死ぬ。
先の項目で紹介したように、桑田の示した「故障した野球選手」の例は、(5) に相当する。やる気がありすぎて、故障してもなおも練習を続けたため、体をこわしてしまい、選手生命を失った。(この場合、選手生命を失ったが、人間生命を失ったわけではない分、マシである。)
一方、世間における過労死の例では、人間生命を失うことになる。
──
以上からわかるだろう。
「やる気と成果は比例する」
というのは、間違いではないが、それが成立するのは、低レベルの場合だけなのだ。
逆に言えば、このようなことを主張するマイクロソフトというのが、どのくらいのレベルにあるか、よくわかるというものだ。
まともな人ならば、(2) や (3) の段階にあるだろう。その場合、最も有効な教訓は、次のことだ。
「やる気をなくして、ゆっくり休め」
逆に言えば、このようなことを主張する人が、どのくらいのレベルにいるかも、よくわかる。桑田レベルだと、このくらいになる。
一般的に言うと、疲労が蓄積している状況では、(3) や (4) になる。こうなると、いくら努力しても、成果は上昇しない。それどころか、下がってしまう。
だから、疲労が蓄積したら、さらに努力するよりは、まずは疲労の蓄積を抜くことがで大事だ。これが鉄則となる。
これを理解できない人は、たぶん、(1) みたいな低レベルで喘いでいる人だけだろう。( IQ が低い人の悩みかも。)
( ※ 非常に能力が高い人は、能力を最大限に発揮することで、疲れやすくなる。たとえば、時速 150キロの投球が可能な人は、すぐに疲れる。一方、時速 30キロぐらいの投球しかできない人は、何百球も投げられるものだ。頭脳でも同様である。まともな思考ができない人は、いつまでも下手な考えを続けていられる。ものすごく知能を使う人は、すぐに疲れる。だからこそ、疲労回復のための休みが必要となる。)
( ※ 私が下らない話をときどき書くのも、疲労回復のための休みだから。 いや、いつも、下らない話ばかり書いている、とも言える。 (^^); )