会社を選べば、いちおう可能である。かなり安価に出版できるので、利用してもいい。ただし私としては、あまりお勧めしない。そのわけは…… ──
iPad やキンドルなどで電子出版が話題だ。「将来は紙の本は大幅に減少して、たいていは電子出版になるだろう」という声も出ている。
ただ、本の読者としてはそれでいいが、本の著者としてはどうか? 電子出版のメリットは、著者にはあるだろうか? 特に、現時点で。
これが本項のテーマだ。
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さて。電子出版で有名なパピレスが上場したが、株の買い手が殺到して、値が付かなかったそうだ。(ニュース)
そこでパピレスのサイトに行ってみたが、大手出版社のものがほとんとだ。一部で同人誌を売っているが、原則、個人の自費出版は受け付けていないようだ。
そこでネットで調べることにして、「電子出版 自費出版」で検索してみたところ、下記の会社が見つかった。
→ eブックランド ,詳細
簡単に言うと、出版費用は 10万円内外。
売上げの半分から若干の手数料を引いた額が、手元に戻る。
ざっと計算すると、12万円かかって、500円で売ると、 手元に残るのは 230円ぐらいで、元が取れるには 520冊、売れればいい。
アップルの iPad でも読めるように、アップルの APPストアでも販売されるそうだ。ただ、APPストアを訪問してみたが、書籍をどうやって購入するのかは、よくわからない。まだ看板倒れなのかもしれない。
講評。
これをお薦めするかどうかというと、私としては何とも言えない。「とても良い」と手放しで褒める気にはなれない。(印税が 50%というのは低すぎる。アップルは 70% だ。)
また、この会社のサイトには FC2 の旧式アクセスカウンタが使われているが、そのせいで、いつまでも警告が出るのに、それを自分で修正できない。技術力が低すぎる。というか、初歩的なIT知識さえない。
さらには、印税が 50%というのを、はっきり明示していない(契約文書の細かなところを読むと初めてわかる)のも、良心的でない。
とはいえ、かわりに別の会社があるわけでもない。需要が少ない時点(電子出版の草創期)には、こういう小規模な会社が出るのも当然だろう。比喩的に言えば、コンピュータゲームの初期のころのハドソン社みたいなものか。
なお、「 520冊、売れればいい」と述べたが、出版社サイトに表示しておいても、それだけで自動的にどんどん売れるわけではない。原則、自分のホームページで宣伝するしかない。となると、普通の人には、まず無理だ。赤字は必須だろう。
私としては、次のように結論しておこう。
「普通の人は、電子出版するよりは、その書籍を自分のホームページで無償公開する方がいい」
これならば、少なくとも、赤字を出さないで済む。また、無償の方が、多くの人の目に触れることになる。
ざっと推算して、無償の方が、有償の場合よりも、100倍以上の読者を得る。逆に言えば、無償公開しても 5万人以下の読者しか得られないようであれば、それを電子出版することで、利益を出すどころか、赤字が出るだろう。
結論。
電子出版は、出版コストを下げるので、少部数出版をするには、将来的に大いに有望である。しかし、今はまだ、電子出版で自費出版する時期ではないようだ。
ただし、一定の需要が見込める場合(学術書など)では、かなり有望かもしれない。この場合は、自費出版というよりは、少部数出版の形になる。
素人の自費出版の場合は、ホームページやブログで無償公開する方が、お勧めだ。
