日本対オランダ線では、GKの直前でボールが軌道を変えたために、キーパーが阻止しそこねた。そのせいで、日本は1点差負けとなった。日本はこの新しいボールのせいで負けたと言える。
実際、このジャブラニというボールが軌道を変えやすいことは、前から選手たちが指摘してきた。(リンク先に記事あり。)
・ 無回転キックの揺れ幅が大きく、各国のGKから苦情が多い。
・ 「けられるのが嫌みたいで突然、弾道が変わる」
・ 「慣れの問題ではあるけど、実際にボールがすごく動くんだ」
このような問題は、どうして起こったのか? 実は、わざとそうなるように設計したからだ。Wikipedia の記述を引用しよう。
天候に左右されないキックの安定性を得るため、表面皮革パネル数を2006年大会使用球「チームガイスト」の14枚から6枚減らして8枚としている。またこの皮革には特殊なデザインが施され、これを組み合わせることにより「より完全な球体」へと近づけることができたという。さらに表面上には濡れた際の滑りやすさを抑えるための凹凸が施されている。これにより「無回転シュート」のボール変化は通常より大きくなるとされ、……つまり、(影響を与えないほどの)ごく小さな凸凹はあるものの、全体としては完全な球体に近づいている。また、公式球は、溝も浅くなっている。(安価なレプリカは違うが、高価な公式球は溝が浅い。) このことで、空気の渦の乱れが生じやすくなり、軌道を変えやすくなった。
つまり、「無回転シュートが軌道を変えやすい」という効果が、いっそう強く出るようになった。というか、そういう効果が出ることを狙って、完全な球体にしようとした。
( ※ ひょっとして、狙いではなかったという可能性もあるが、それほど馬鹿だとは思えない。「無回転シュートが軌道を変えやすい」という効果は、周知のことだからだ。当然、軌道を変えやすいのは、狙ってのことだろう。)
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もっとも、「慣れてしまえば、使いにくくとも、ある程度は対応できる」ということはある。そして、それこそが、ボール会社の思惑だったのだ。
そのことは、ジャブラニで大儲けした、という記事を読めばわかる。
《 W杯で売り上げ過去最高へ アディダスのサッカー部門 》こうして、ジャブラニの本当の狙いがわかる。それは「金儲け」である。
アディダスは今大会で開催国の南アや日本、ドイツ、アルゼンチンなど計12チームにユニホームを供給し、ドイツ大会から倍増。不規則な弾道で「ビーチボールのよう」と選手から不満も出ている同社製造の大会公式球「ジャブラニ」も1300万個以上を販売したという。
( → 共同通信の記事 )
仮に、従来のボール(昔ながらの六角形と五角形)を公式球に使っていたら、一般の人は新しいボールを買わずに、従来のボールをそのまま使うだろう。また、新たに買うとしても、アディダス社以外のものを買う人が大半だろう。(いろいろなメーカーがあるから。)
ところが、ジャブラニが公式球になったら、人々はジャブラニを買うしかない。どうせ日本の公式試合でもジャブラニが使われるだろうから、自分たちが買うときもジャブラニを買うしかない。また、ジャブラニは製作法が非常に高度であり、他社には真似ができないから、アディダス社のものを買うしかない。(代替品は存在しない。)
こうしてアディダス社は1300万個以上サッカーボールを売ることができるようなった。ボロ儲けである。(作っているのは、日本のボール会社だから、アディダス社は、何ら手足を動かさず、コンピュータの帳簿を操作するだけで、あとは自動的に大金が入ってくる。)
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まとめ。
アディダス社の狙いは、莫大な金儲けである。そのために、完全な球に近い独自製品をつくりだした。それを作るには、高度な技術が必要であり、他社には真似ができないからだ。こうして、技術によって市場の独占を狙った。そして、それを標準品とするために、W杯の公式球として認定してもらった。
結論。
W杯とは、アディダス社が市場の独占を通じてボロ儲けするための、宣伝イベントなのである。アディダス社は FIFA (国際サッカー連盟)に大金を払ったが、それをはるかに上回る金をサッカーファンからちょうだいした。
そして、このように莫大な金が動くときには、ボールの動きがちょっと動いても、たいして問題とはならない。小さなボールの動きよりも、巨大な金の動きの方が、ずっと大切だからだ。
「サッカーは点を取るゲームだ」
と人々は思っている。しかし本当は、こうだ。
「サッカーW杯は、ファンから強引に金を奪い取るためのイベントだ。そのためには、サッカーそのものはどうでもいい」
【 関連サイト 】
画像は下記で。
→ ジャブラニ( W杯 公式試合球 )