高速道路の低額化(上限料金)による炭酸ガスの排出量増加にについて、新聞報道があった。
昨年3月下旬から実施されている高速道路の「休日上限1千円」の料金制度によって高速道路利用が増え、二酸化炭素(CO2)の排出量が年間約 287万トン増えるとの試算を、環境省がまとめた。この件について、時事通信は「影響は限定的」と表現している。たしかに、日本全体の CO2 発生量に比べれば、1%をはるかに下回る量だから、「限定的」と言えなくもない。
( → 朝日新聞 2010-05-07 )
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しかし、それを言うなら、人々が大騒ぎしている「レジ袋の削減」はどうか? エコキャップで大騒ぎするよりも もっと大騒ぎして、レジ袋削減に努めている。その結果、どれだけの量が削減されるか? 高速道路の 10倍ぐらい? いや、高速道路よりも少ない量だ。数値は下記にある。
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あちこちで数値を出しているが、300億枚の削減によって、180万トン(183万トン)の削減となる。
高速道路の方は 287万トンだから、レジ袋は高速道路による増加分の 63% の量の炭酸ガスを排出するだけだ。つまり、レジ袋を廃止しても、高速道路の増加分の 63% しか削減できない。爪に灯をともすように努力しても、たったのそれっぽっちしか削減できない。
高速道路の方を「限定的」と呼ぶならば、レジ袋の削減の方は輪をかけて「限定的」となる。
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新聞は、何かを報道するとき、類似の話と対比するべきだ。
時事通信や日経は「高速道路の低額化は、炭酸ガス排出増加は大したことがない」と報道するが、それなら、「レジ袋の削減も、いくらやっても大したことがない」と報道するべきだ。
それができないなら、二重基準。
( ※ 朝日だって、褒められたものじゃない。「レジ袋の削減」という点では、朝日は熱心だ。)
[ 付記 ]
上記および下記の数値からして、「高速道路の方は大したことがない」と解釈できるかもしれないが、違う。
レジ袋を廃止すれば、国民1億3千万人が、毎日、「レジ袋を使えない」という影響を受ける。それは莫大な影響だ。
一方、高速道路の方は、影響を受ける人は、かなり少ない。また、日数にしても、「毎日」ではなくて、「たまに」であるにすぎない。
高速道路の方は、ごく少数の人が一挙に莫大な量の無駄をなす。(しかも便益は小さい。)
レジ袋の方は、莫大な数の人がほんのちょっとずつの無駄をなす。(便益はきわめて大きい。)
この両者を比較すれば、どちらが本当の無駄であるか、わかるだろう。
【 関連項目 】
→ レジ袋の有料化
※ レジ袋削減による石油削減の効果は 0.15 %でしかない。
(この数値からして、高速道路の方は 0.25% と言えるだろう。)
( 私としては、「レジ袋の廃止」よりは、「子供のケータイをやめよ」と主張したい。その方がずっとエネルギーを削減できる。)
( 本日の朝日の声欄にも出ていたが、子供にとってケータイは弊害が大きすぎる。そして、ケータイをやめた家庭の報告が出ていたが、やめることは十分に可能だ。連絡はパソコン・メールで済むからだ。)
