2010年03月25日

◆ デニソワ人

 現生人類とネアンデルタール人が分岐したのは 47万年前だが、これらの共通祖先から 104万年前に分岐した別種人類がいたという。その名称は デニソワ人。
 ※ 本項は内容が古くなっています。私の解釈の部分は取り消します。
   新しい項目は下記です。そちらをお読みください。
    → デニソワ人・ネアンデルタール人との混血 1 ──
 
 記事の引用。(元ネタは、ネイチャー電子版)
 約4万年前のロシア・シベリア南部に、これまで知られていなかった系統の人類が生存していたことを、ドイツなどの国際研究チームが突きとめた。いまの人類と、絶滅したネアンデルタール人は約47万年前に枝分かれしたとされるが、DNAの解読結果からさらに古い、いまより104万年前に共通の祖先から分かれていることがわかった。
 英科学誌ネイチャー電子版に発表する。
 カザフスタンとの国境に近いロシアのアルタイ山脈にある「デニソワ洞穴」から2008年に発掘された人類の小指の骨の化石を分析した。4万8千年〜3万年前の地層にあった。研究チームはこの骨の粉末 30ミリグラムから細胞内の小器官であるミトコンドリアのDNAを抽出し、塩基配列を解読した。
 その結果、この指の主は、いまの人類やネアンデルタール人と異なる未知の人類とわかり、「デニソワ人」と名づけた。
 デニソワ洞穴では石器などが見つかり 12万5千年前から人類がすんでいたことがわかっており、インドネシアで 10万年前まで生存した人類など多様な人類が同一時代にユーラシアで共存していたことになる。ただ、デニソワ人がどういう姿をしていたかまではわからなかった。
( → 朝日新聞 2010-03-25



 Wikipedia 英語版には、次の記述がある。
 The mitochondrial DNA indicates that Denisova hominin are the result of an out of Africa migration, distinct from the later out of Africa migrations associated with Neanderthals and modern humans, and distinct from the earlier Africa exodus of homo erectus.
( → Wikipedia
 デニソワ人の形質はよくわかっていないらしいが、「ホモ・エレクトスと早期ネアンデルタール人の中間」というふうに推定できそうだ。
 デニソワ人は、ホモ・エレクトスの一種ではないか、とも思ったのだが、上の引用に従うと、そうではないようだ。

 ──

 私の感想として、「デニソワ人はホモ・エレクトスの一種ではないか?」という疑問があったのだが、同様の感想をもつ人もいるようだ。
 「 The case that this is a population different that Homo Erectus really calls for more evidence, however. 」( → 出典
 
 よく考えると、デニソワ人がホモ・エレクトスの一種である可能性は、かなりあると思う。
 というのは、デニソワ人が本当にホモ・エレクトスよりもはっきり進化した種であるとすれば、ホモ・エレクトスよりも明らかに有利な種として、かなり広範に分布したはずだし、それならもっと化石が見つかっていたはずだからだ。
 現実には、デニソワ人の化石は僅少である。小指の骨がひとかけら見つかっただけだ。生存した数は少なかったのだろう。ネアンデルタール人の化石がたくさん見つかっているのとはまったく異なる。
 とすれば、デニソワ人は、形質的にホモ・エレクトスと大差なかったと思える。
 また、時期的にも、デニソワ人は、ホモ・エレクトスの仲間であるハイデルベルク人60万年前〜40万年前 )よりも、もっと古い時期に分岐した。このことからしても、デニソワ人は、「ハイデルベルク人とネアンデルタール人の中間」というよりは、「ホモ・エレクトスの一種で、ハイデルベルク人よりももっと原始的」と言えそうだ。
  
 ホモ・エレクトスには、かなりたくさんのバリエーションがある。私が思うに、ホモ・エレクトスというのは、種よりも上のレベルであり、ホモ・エレクトスの亜種と見なされているのは、種である。* デニソワ人も、そのうちの一つで、ホモ・エレクトスのうちで最も進化したものだと思える。(私の推定)

* なぜ亜種でなく種であると言えるかというと、種ごとに脳の容量は厳密に規定されるからだ。たとえば成人男子の脳容量は、現生人類ではほぼ一定である。しかるに、さまざまなホモ・エレクトスは、それぞれ脳容量の差がきわめて大きい。これは、ホモ・エレクトスが同一の種ではないことを示唆する。なお、下記項目を参照。
  → 脳と遺伝子 の 【 補説 】 )
 


 【 関連サイト 】
 下記サイトはいずれも英文。
 
 → Wikipedia
 → Possible New Hominid Species Identified
 → New Hominid discovered
 → 'New human' found in Denisova Cave
 → Ancient mtDNA from Denisova Cave
 
 なお、原論文は、nature で購入できる。(有料。)
 ただし、nature でも、次のニュース記事を無料で読める。
 → Nature News



 【 関連項目 】

 → デニソワ人・続報
    ( 2010-12-23 における続報 )
posted by 管理人 at 19:21| Comment(1) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後のあたりに 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2010年12月23日 22:13
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