この問題は、進化論などで未解決の問題とされてきたが、ここで新しい仮説を出そう。それは「言葉を発音するため」である。 ──
鼻の下の溝は、「人中」(じんちゅう)と呼ばれる。これは何のためにあるのか?
この疑問は、しばしばなされる。たいていは、次のように答えられる。
「本当の理由はわからない。ただし、アクア説によると、鼻の穴をふさぐための栓であった名残とされる」
→ 知恵袋
もっと詳しい説明は、ネットで見出される。
鼻の下の溝について考えたことはありますか。これは、人類以外、他のいかなるホ乳類にも存在していないものです。何のためにあると思います?このアクア説の主張は、もっともらしいが、いかにも「こじつけ」という感じだ。
鼻の下に溝が2本あるのなら「鼻汁を流すため」とか言う説も考えられますが、中央に1本あるだけです。
これについて、モーガン自身も予想しなかった意外な展開が起こりました。
モーガン自身は、「水生哺乳類(イルカなど)は鼻孔を閉じることができるが、人間はあまりうまくいかない」と考えていました。彼女はそのことを『人は海辺で進化した』に書いたのですが、それについて読者の一人から、反論がきました。
その手紙によると、「自分の夫と子どもたちは、上唇をうまく上に挙げると、上唇で鼻孔を塞ぐことができる。事実そうやって水が入らないようにして泳いでいる」というのです。その場合、人中の溝は、ちょうど鼻の真ん中の隔壁に密着して、上唇がぴったりと蓋をするのに適した形だと言うことになるのです。
( → 出典サイト )
よく考えてみよう。鼻の穴は二つある。とすれば、栓をするなら、二つの穴の間(内側)よりも、二つの穴の外側で、ぴったりと密着させる必要がある。二つの穴の間ばかりを密着させても、あまり意味はないのだ。
また、栓が目的ならば、直線的な溝 || である必要はない。むしろ、穴以外の部分を密着させるように、ちょうどそういう形 )( になってしかるべきだ。溝という直線的な形態を取る理由にならない。
ゆえに、アクア説の解釈は、破綻する。
──
ここで私の出番だ。物事を本質的に考える、というのが、私の立場だ。では、物事を本質的に考えると、どうか?
まずは、物事を正確に観察する必要がある。すると、次のことがわかる。
「鼻の下にあるのは、溝だけではない。唇もまた、ちょっと変な形をしている。溝の下の部分(赤い上唇の中央)には、(下向きに)突起状のふくらみがある。と同時に、その突起の両側は凹んでいる」
→ 写真
上唇(赤い部分)がこのような形状を取っていることは、ちょうど、鼻の下(白い部分)の形状とは正反対だ。
鼻下 …… 凸 凹 凸
上唇 …… 凹 凸 凹
このような対称性があることは、決して偶然ではない。何らかの理由があるはずだ。
──
さらに見てみよう。下唇はどうか? 下唇は、次の特徴がある。
「下唇の全体が、前に突き出している」
→ 写真1 ,写真2 ,写真3
──
ここまで見ると、上唇と下唇について、共通する点がわかる。次のことだ。
「いずれも、ただの曲面(なだらかな面)ではない。余分な肉が付いている」
では、なぜ、余分な肉が付いているのか? それが本質だ。
──
この疑問には、あっさり回答することができる。鏡に向かって、顔を見ながら、口を大きく開くといい。すると、口が開くにつれて、余剰な肉が引き延ばされるのがわかる。
逆に言えば、余剰な肉がついていないと、口を開くことができないのだ。もともと余剰なものがなければ、引き延ばされることもないからだ。
このことは、折り畳まれた紙を見るといい。次のように折り畳まれた紙があるとしよう。
/\/\/\/\/\/\/\/\/\
この紙を左右に引っ張れば、この紙は伸びていく。
一方、紙が次のように平らだったとしよう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
この紙を左右に引っ張っても、この紙は伸びるはずがない。伸びる余地がないからだ。
要するに、上唇や下唇にある余分な肉は、口を開くためにあるのだ。これが本質的なことだ。
──
さて。ここで問題だ。
口を開くためにあるのならば、上唇は、下唇と同様に、前に突き出ていればいいはずだ。実際、チンパンジーはそうだ。
→ チンパンジーの画像
チンパンジーには、鼻の下の溝はない。かわりに、下唇と同じように、上唇が前に突き出ている。唇を上下とも、めくるように動かす。テレビの画像などで見て、覚えている人もいるだろう。( YouTube にもチンパンジーの動画がありそうだ。)
実際、口を開くためならば、チンパンジーのような唇でも十分なはずだ。あえて溝を付ける必要はない。
──
ここで、実際に鏡を見て、口を開いてみよう。さらに、さまざまに動かしてみよう。口を単に開くだけならば、上唇も下唇も同様だ。しかし、言葉を発するように、さまざまに口を動かすと、次のことがわかる。
「上唇は、なめらかにさまざまな形状に変形できるが、下唇は、あまり変形させることができない」
これはどういうことかというと、こうだ。
「下唇は、余分な肉はあるが、塊になっているので、柔軟性・可塑性が低い。そのせいで、動きがぎこちなく、自由度が低い。上唇は、(塊でなく)凸と凹とがあるので、柔軟性・可塑性が高い。そのせいで、動きがなめらかで、自由度が高い」
つまり、上唇の方がよく動けるのだ。
──
上唇はよく動ける。ここがポイントだ。── では、何のために?
ここまで考えれば、もはや正解は明らかだろう。こうだ。
「言葉を発するため」
チンパンジーは言葉を発しない。他の動物も言葉を発しない。しかし人間だけは言葉を発する。だから人間だけは、鼻の下の溝がある。何のために? 言葉を発するために。
ただし注意。ここでは、溝という形状そのものが重要なのではない。凹みが重要なのではない。凹と凸の双方が重要なのだ。そして、その意味は、こうだ。
「人中や上唇は、蛇腹状になっている」
ここでは、溝があるのではない。凹みがあるのではない。蛇腹状になっているのだ。だから「なぜ溝があるのか?」という最初の質問そのものが間違っていたことになる。むしろ、次のように問うべきだった。
「鼻の下にはなぜ凹凸があるのか?」
そして、その質問に対して、次の回答が来る。
「口や唇を柔軟に動かすことができるように」
その目的は、こうだ。
「言葉をうまく発することができるために」
──
最初の質問を出した人々は、次のように認識した。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 外
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 内 人中の 溝
しかし本当は、こうだったのだ。
______/\/\______ 人中の凹凸
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 上唇の凹凸
つまり、ここでは、凹みがあったのではなく、蛇腹状の形状があったのだ。そして、(横方向に)蛇腹状の凹凸ができるにともなって、(上下方向に)直線状の形状ができた。伸縮性のためには、それ以外にはありえないからだ。
→ アコーディオンカーテンの画像
──
こうして、物事を理詰めで考えることで、正解にたどり着くことができる。
ここでは科学的な思考法を説明した。
・ 事実を正確に観察する
・ 物事の本質を突き詰める
この二点が大事だ。ただの思いつきでは駄目なのだ。
[ 付記1 ]
「蛇腹状」という言葉はちょっと正確ではないようだ。
たしかに外側は
__/\/\__
のような凹凸の形状がある。だが、内側(口腔側)は
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
のように、平坦だからだ。一枚の紙が蛇腹状に折れているのとは違う。
とはいえ、機能的には、伸縮性を与えている。その点では、蛇腹と同様である。
以上のことを勘案すると、「蛇腹状」というよりは、「半蛇腹状」もしくは「片側蛇腹状」と書く方が正確だろう。
とはいえ、そういうふうに正確性を期するよりも、蛇腹と同様の機能があるという点に着目するだけでいい。だから本文中のように、単に「蛇腹状」と書いても、特に問題はないだろう。ここで述べた注記に留意しておけば、それで十分だ。
[ 付記2 ]
どうして形状が
__/\/\__
という二山であって、
__/\/\/\/\__
でないのか、という疑問が生じるかもしれない。それについては、次のように答えられる。
蛇腹状にしたいのが目的だとしても、そう都合よく形状が変化してくれるわけではない。都合のよい突然変異はそう容易には起こらない。そもそも、
__/\/\__
という形状だって、容易には起こりにくいものだ。ただし、次の事実がある。
「哺乳類の上唇は、もともと左右に分かれていた。それは兎や猫の顔を見るとわかる。霊長類の猿や人間では、左右に分かれていた上唇が、誕生前の個体発生の途中で、くっつく(癒合する)。ただし、稀に、それに失敗した個体が生じる。そのような場合、みつくち(兎口)と呼ばれる」
つまり、個体発生の途中では、上唇はもともと左右に分かれていたのだ。とすれば、その程度を少しずらすことで、癒合を不完全にすることができる。そのことで、
__/\/\__
のような形状をもたらすことができる。これは、遺伝子的には、かなり容易な突然変異だ。だから、そういう突然変異が起こった。
つまり、「これこれの目的のために最適だから」というよりは、「これこれの目的のために合致する突然変異の内で、比較的容易に発生する突然変異だから」というのが理由だ。いくら目的に合致していても、その突然変異が起こりにくいものであれば、起こらない。それだけのことだ。
[ 付記3 ]
チンパンジーの写真(前出)を見るとわかるが、チンパンジーの口は本当に蛇腹っぽくなっている。溝が何本もある。(というか、顔中が溝だらけだ。)
どうしてこんなにシワくちゃかというと、顔に筋肉がないせいだろう。ひるがえって、人間の顔には筋肉がたっぷりある。(表情豊かということか。)
→ 顔の筋肉
このような筋肉の存在も、人中があることに関与しているはずだ。
つまり、シワくちゃになって溝があればいいのではなく、伸縮する構造と筋肉との双方が必要なわけだ。チンパンジーの場合は、溝があるので口をひろげることはできるが、発達した筋肉はない。そのせいで人間のような口にはなっていない。
あと、もう一つの点がある。口の大きさの違いだ。
→ チンパンジー(大きな口)
チンパンジーの口に比べて、人間の口ははるかに小さい。はるかに小さいのに、口を大きく開くことができる。つまり、伸縮性が高い。それも、左右だけでなく、上下方向にも伸びる。
この意味からすると、単純な左右方向の蛇腹よりも、余分な肉が盛り上がる形の半蛇腹の方が、適しているだろう。(単純な左右方向の蛇腹では、左右にしか伸びないので、口を大きく開くのに適さない。「あ」を発音するのに適さない。)
( ※ 人間の口は、伸縮性が高い。一方、チンパンジーの顔は、シワだらけだ。シワだらけということは、伸縮性が低いことを意味する。ちなみに、赤ん坊にはシワひとつなく、老人はシワだらけだ。シワが多いのは、伸縮するためというよりは、逆に、伸縮性の低い素材でできているからだ。……この意味でも、チンパンジーの口は、シワだらけであるがゆえに、伸縮性が低くて、発音には不適だとわかる。)
[ 付記4 ]
以上のことを勘案すると、人間の鼻の下は、単に「半蛇腹状」というよりは、「柔軟性の高い素材でできた肉が余分に付いていて、伸縮に適した形になっている」と表現した方がいいだろう。
「蛇腹」という説明はあまり適していなかったようだが、「言葉の発音のため」という説明はいっそう明瞭になっていく。(形だけでなく材質もまた理由となる。)
[ 付記5 ]
チンパンジーの唇と違って、人間のような唇だと、機能的にはどういう差があるか?
それは、口笛を吹くように、口先をすぼめるという動作ができることだ。発音で言えば、B音や W音に相当する。P音も影響しそうだ。それ以外に、拗音にもいくらか影響するだろう。
なお、口先をすぼめるというのは、キッスの動作にも似ている。
→ 画像1( Kiss me ) ,画像2( Kiss me )
鼻の下に溝があるのは、キスをするため??? (^^);
[ 付記6 ]
「○○のため」
という目的論的な表現が気に食わない人もいるだろう。その場合には、普通の進化論ふうの表現でいい。
「○○の方が有利だから」
というふうに。具体的には、
「発音の上手な遺伝子をもつ集団の方が生存率が高いから」
というふうに。つまり、
「言葉を上手にしゃべれた集団の方が有利だから、人類は進化の途上で言葉を上手にしゃべれるようになった」
と考えればいい。その途中で、人中もできたわけだ。(声帯の発達などと同様。)
【 補説 】
本項で述べたことは、あくまで推論だ。ただし、補強となる事実もある。次の二つだ。
・ 脳の小人
・ 唇の粘膜
(1) 脳の小人
「脳の小人」(脳のなかの小人)と呼ばれる生理学的な事実が知られている。次の図で示されるものだ。
→ 脳の小人(Wikipedia)
これからわかるように、脳の運動野では、上唇と下唇(その周辺: Lips )がとても発達している。肘から足首までの部分と同じぐらいだ。これほどにも上唇と下唇( Lips )を操作する脳が発達しているというのは、言葉を操作する人間でのみ見られる現象だ。
逆に言えば、この部分の脳がこれほどにも発達するほど、上唇と下唇( Lips )は高度な運動をなす。その分、高度な運動ができるような、柔軟な肉体的な構造があるはずだ。その柔軟な肉体的な構造の一つが、上唇の蛇腹状の構造だ。(他に、筋肉もそうだ。)
なお、チンパンジーの場合には、このような「脳の小人」は存在しないはずだ。つまり、チンパンジーの場合、唇周辺に関与する脳は発達していないはずだ。また、唇周辺の筋肉や感覚器も発達していないはずだ。
(2) 唇の粘膜
唇に粘膜があるのは、人間だけだ。これはなぜか? このこともまた、謎となっている。それに対して、アクア説や他の説からは、まともな説明は得られない。
しかし本項を読めば、次の結論が得られる。
「鼻の下に溝があるのも、唇に粘膜があるのも、言葉をうまく発音するためである」
つまり、二つの謎の回答は、同じ理由なのだ。
「脳の小人」の図を見ればわかるように、唇は感覚野で特に大きい。これは当然で、唇には筋肉はないから、唇の部分の運動野は大きくない。しかし、唇には感覚器がたくさんあり、感覚を繊細に感じ取る。そのことで、口の運動の動きを脳に教える。脳はそれを知って、運動を修正できる。こうして、フィードバック的な関係をなすことで、口の動きはいっそう精密化することが可能となる。
具体的に言えば、キスをするような感じで、P音を出すときには、唇が大きく運動する。この際、唇に粘膜があることは、大切だ。唇が柔らかいので、柔軟に動くし、息を通すときに微妙な制御が可能となる。(口笛を吹くときを思い出してほしい。)
仮に、唇に粘膜がなければ、P音はうまく発音できなかっただろう。また、B音を発音するときも、唇が(粘膜でないので)表面が固くなり、細かな精密な運動はできなかっただろう。M音や W音でも、唇の柔らかさがなければ、発音しにくかっただろう。
【 参考1 】
結局、もし鼻の下に溝がなく(口のまわりの筋肉もなく)、唇に粘膜がなければ、人類は言葉をうまく発音できなかっただろう。同時に、脳の小人は小さくなり、知性の発達もなかっただろう。
そして人類は、自分自身は言葉の発達ができないまま、次の「進化した人間」つまり「唇の発達した人間」を待つしかなかっただろう。
実は、それがネアンデルタール人であったと思える。つまり、ネアンデルタール人とは、鼻の下の溝と、唇の粘膜という二つの構造をもたないがゆえに、発音が下手で、言葉をうまく駆使できず、それゆえ、知性の発達が不十分であった種だと思える。(この二つの構造をたぶんもたなかっただろう、と推測している。)
ネアンデルタール人は、脳の大きさそのものは、ホモサピエンスと大差なかったが、鼻の下の溝と、唇の粘膜という二つの構造をもたないがゆえに、十分な知性を持ち得ず、次のホモサピエンスに圧迫されてしまったのだ。(直接的に戦うわけではなく、単に生存競争で負けただけだが。)
ともあれ、鼻の下の溝と、唇の粘膜という二つの構造が、いかに重要であるかが、本項からわかるだろう。そして、その根拠の一つとして、「脳の小人」がある。
【 参考2 】
自然淘汰説で進化論的に説明するなら、先の [ 付記5 ] のようになる。これに従って、ぶっちゃけて言えば、こうなる。
「人中ができた個体は、元はと言えば、(正常形から逸脱した)奇形にすぎなかった。まわりの仲間からは、『変な奴』と思われていた。
ところが、この奇形の個体は、都合よく、発音がうまくできた。そのせいで結構、便利なことが多かった。
そういう形質をもつ子孫が増えていくと、そのような形質をもつ集団は、他の集団よりも、生存の点で有利だった。コミュニケーションがうまく行くからだ。かくて、元はと言えば奇形にすぎなかったはずの形質が、自然淘汰を通じて、人類全般にひろがった」
( ※ これは小進化による説明だ。なお、この説明が成立するのは、言葉を話す人類だけである。)
なお、このことからすると、人中ができたのは、人類の歴史のなかでも、比較的新しい時期だろう。たぶん、ホモサピエンスからだろうが、ひょっとしたら、ホモサピエンスのなかでも、ここ数万年のことかもしれない。(その可能性も否定できない。)
ネアンデルタール人では人中が発達していたかどうか疑わしい。ホモ・エレクトスの段階では、たぶん人中はほとんどできていなかっただろう。まず確実に。
( ※ オマケ。言葉の誕生は、ごく初歩的な言葉ならホモ・エレクトスの段階でもできていただろうが、かなり発達した言語は、ホモサピエンスになってからだと推定される。……この件は、nandoブログで論じている。)
( ※ オマケ。時期的に言うと、ホモサピエンスが誕生した直後に、ネアンデルタール人が滅びたわけではない。十数万年のあいだ、両者は共存した。ホモサピエンスは言葉を発達させる形で、アフリカで繁栄した。ネアンデルタール人は十分な言葉なしでも知性によって欧州で繁栄した。ただしその後、ホモサピエンスがアフリカを出るに従って、ネアンデルタール人は圧迫されていった。この件は、別のところで述べた。 → ネアンデルタール人の滅亡 )
【 追記 】
妊娠中の女性がアルコールを摂取する事で胎児に奇形が生じる胎児性アルコール症候群では、人中のない子供が生まれることがある。その場合、人中のない子供は、発音の障害が起こる。
この件は、下記項目のコメント欄に報告がある。
→ 人の鼻はなぜ高い?
人中は歳を重ねると薄くなるそうです。
やはり筋肉が関係していそうです。
あと、ふと思ったんですが、赤ちゃんは母乳を飲む時、上唇と下唇で吸うのではなく、上唇と舌をつかって飲むんですよね。
このような飲み方は、哺乳類の中では、人間の赤ちゃんだけかもしれません。
舌も発音に欠かせませんので、人中、舌ともに、発音の為に発達したのでしょうかね。
下記ページの2番目のコメント( 2010年03月09日 )に、有益な医学的指摘がある。「人中のない奇形児では、発音が困難だ」という話。
→ http://openblog.meblog.biz/article/2362062.html#comment