「喫煙者の権利を守れ」と私が言うと、頭に火を付けて怒り狂う人も出そうだ。煙草かマッチみたいに。 (^^);
しかしよく考えれば、私の見解が妥当だとわかるだろう。
まずはニュースから。
《 「公共の場は全面禁煙」 厚労相、2月中に全国通知へ 》 長妻昭厚生労働相は19日の閣議後会見で、飲食店など多くの人が利用する施設は、全面禁煙にするよう求める通知を、2月中に全国の自治体に出す方針を明らかにした。罰則はないが、喫煙区域を設ける「分煙」では不十分との考え方をはっきり示し、全面禁煙化を促す。しかし、このような全面禁煙は、まったく必要ない。その理由を示す。
( → 朝日新聞・夕刊 2010-02-19 )
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これが図書館のような公共空間であれば、全面禁煙は必要だ。さもなくば、煙が図書館のなかに入るからだ。(たとえ分煙しても、少しは入る。)
では、飲食店ではどうか? 隣の建物で誰かが喫煙すると、その喫煙の煙がこっちの建物に入るか? もちろん、入らない。だいいち、そんなことまで言い出したら、日本中をすべて全面禁煙にする必要がある。それはそれで一理あるだろう。だが、一方では煙草を販売して、他方では煙草の喫煙を禁じるというのでは、ほとんど矛盾だ。(マッチポンプ)
では、どうすればいいか? こうだ。
「全面禁煙のかわりに、原則禁煙とする」
つまり、たいていの飲食店は禁煙だが、例外的に喫煙の飲食店も許容する。
換言すれば、こうだ。
「『当店は、喫煙者向けの喫煙飲食店です』というふうに明示した飲食店に限っては、喫煙を許容する」
これで何も問題はないはずだ。喫煙者が喫煙者だけで閉じこもって、喫煙しながら飲食したとしても、誰の迷惑にもならないのだから、勝手にそうしていいはずだ。
換言すれば、こうだ。
「喫煙ハウスという喫煙者向けの店で、飲食を提供してもいい」
現状だって、喫煙者が喫煙者向けの場所で喫煙しても、ちっとも構わないはずだ。その部屋で飲食を取っても、全然構わないはずだ。
ひるがえって、「喫煙しながら飲食をしなければ構わないが、喫煙しながら飲食をするのは駄目だ」というのは、あまりも馬鹿げている。(喫煙と飲食とをいっしょにすると特別に有害性が高まる、という医学的なデータは出ていない。馬鹿馬鹿しい話だけど。 (^^); )
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喫煙そのものは有害だ。ただし、喫煙者が閉じこもって喫煙するのは、勝手である。そしてまた、喫煙者が閉じこもって喫煙しながら飲食するのも勝手である。
そして、そういうことを仮に禁止したければ、そのための方策は、「煙草の販売停止」である。
なのに、「煙草の販売停止」をしないで、「飲食店での喫煙を全面禁止する」というのは、喫煙者に対する差別である。喫煙者だけが外食をしてはいけない、という差別。
飲食店での全面禁煙など、まったく必要ない。「喫煙者専用の飲食店」というのが、あってもいい。それを全面排除するのは、魔女狩りも同然で、あまりにも非民主的だ。そんなことを主張する人々は、頭のネジが狂っている。というか、頭に火を付けて、湯煙を上げて、人間煙草になっている。
【 追記 】
煙草の全面禁止なんかよりも、もっと重要なことがある。ディーゼルの排ガスの問題だ。こちらの方が一般の人々にはよほど影響がある。
第1に、現行型のディーゼルだ。これは、花粉症をもたらす。
→ 花粉症(ディーゼル,無花粉杉)
第2に、最新型のディーゼルだ。こいつが問題だ。最新型のディーゼルは、「クリーンだ」と言われて、しきりに賛美されている。しかしこいつは、実際はすごく有害だ。
→ ディーゼルの環境汚染
というわけで、普通の人は、隣のビルで吸われている煙草の心配なんかをするよりは、戸外にいっぱい満ちているディーゼル排ガスの影響を心配する方が、よほど大事だ。こっちの方がはるかに深刻なのだから。
一部の医者は、受動喫煙のことばかり目くじらを立てているが、そういう医者は、トンデモも同然だ。
注目するべきは、あるかどうかもわからない煙草の煙なんかじゃない。ディーゼルの排ガスだ。こいつこそが健康に有害だ。
一部抜粋。
ナノ粒子は呼吸器を介して血管の中に入り込み、心臓を初めとする循環器系、脳・神経系や生殖器にまで侵入することが、最近の動物実験で証明されてきた。東京理科大と栃木臨床病理研究所の研究チームは妊娠中のマウスの母親にディーゼル排気を吸わせ、ナノ粒子が胎児の脳に侵入していると証明した。
政府は単に、余計な問題を増やさなければいいだけ。
また,「政府」が「増やさなければいい」問題というのは「公共の場での喫煙制限への不満」という理解でよろしいですか。
あるいは,喫煙者と非喫煙者が食事の時間だけ別の店に分かれるか,あるいはどちらかが我慢をして同席するか,という選択を指して「個人の問題」だとおっしゃったんでしょうか。
いずれにしても,喫煙者側に寄った考えのように思えます。
私は公共の場を全面禁煙にするという方針は受動喫煙をなくす対策として評価できると考えます。
私もそうするべきだと書いています。
私の趣旨は下記。
私は自分は喫煙しないし、煙草の煙なんか大嫌いだ。ほんのわずかも吸いたくない。そして、自分が大嫌いだからこそ、大嫌いなものの権利を尊重する。
エゴイズムの反対で、他者の尊重が大事だ、というポリシー。トンデモマニアの逆。
個人の問題云々は、「そちらの論じていることは私の話の範囲外、知ったこっちゃない」という意味。
「飲食店での全面禁煙など、まったく必要ない。」
と書かれているので,公共の場を全面禁煙にするという方針を「そうするべきだと書いて」いるとは読めませんでした。
私の誤読だったんですね,申し訳ありません。
喫煙者限定の小さな飲食店や喫煙ルームは、「公共の場」じゃないんです。間違った見出しを付ける方が悪い。