2010年02月21日

◆ ホメオパシーはトンデモか?

 ホメオパシーという民間療法がある。迷信治療みたいなもの。
 これを批判して、「ホメオパシーはトンデモだ!」と主張する人々がいる。しかし、そう主張する人々こそ、トンデモだ。ホメオパシーは決して、トンデモではない。

( ※ マイナーな話題なので、読まなくても構いません。暇人向け。)
 ──

 「ホメオパシーはトンデモではない」と書くと、「ホメオパシーが正しいという根拠を示せ!」というふうに怒り狂う人々もいるだろう。
 しかし、それは誤読というものだ。連中はやたらと誤読して怒り狂う。(トンデモマニア連中が、自分自身、トンデモであるゆえん。)
 
 私は別に、「ホメオパシーが正しい」とは述べていない。むしろ、その逆だ。ホメオパシーについては、「徹底的に悪である」というふうに主張する。「トンデモ」なんていう生易しい軽い表現では足りない、という意味だ。
 比喩的に言えば、ホメオパシーを推奨する連中は、殺人犯である。ひるがえって、トンデモというのは、ただの無知か馬鹿である。殺人犯のような悪人を「馬鹿」と呼ぶのは、生ぬるいし、軽すぎる。その意味で、ホメオパシーを推奨する連中は、ただのトンデモではないのだ。(もっとずっと悪質だ。)
 そして、ホメオパシーを推奨する連中を「トンデモだ」と呼ぶ人々は、悪質な連中をただの間抜けのように見なすことで、彼らの悪質さを隠蔽していることになる。

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 話を戻そう。
 まず、この物事の発端は、(何十年も前からあった騒ぎとは別に)民主党政府がホメオパシーに取り組もうとしたことだ。
 例によって「宇宙人」と呼ばれる鳩山首相が、正統的な近代医学以外の医療も、健康保険の対象にするように検討したい、と述べた。
 このこと自体は、悪くはない。正統的な近代医学以外にも、漢方やら、鍼灸やら、温泉治療やら、いろいろと伝統的な民間療法がある。そのなかには有効なものもあるだろう。それらを医療に含めることを検討すること自体は、別に悪くはない。(どこまで実施するかは別問題。)
 これに対して、厚労相が(勇み足かもしれないが)、ホメオパシーもその対象として含める、という趣旨の答弁をした。そこで、「トンデモであるホメオパシーも保険対象にするなんて、民主党は狂っている」という騒ぎがネットで起こった。(例によって2ちゃんねるなど。)
  → zakzak
  → data-max
 
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 さて。ホメオパシーとは何か? Wikipedia によれば、こうだ。
 ある物質を健康な人に投与した時に起こる症状を治す薬としてその物質が有効であると主張。その物質が限りなく薄く希釈される(ハーネマンの表現を借りれば「物質的でなくなる」)ほど治癒能力を得ることが出来ると考えた。
 ここでは、非常に稀釈した物質を投与するので、ほとんど影響がない。そこで、「効果があるという科学的な知見が得られないのに、効果があるというふうに示すから、連中はトンデモだ」というふうに批判する人々がいる。(トンデモマニア)
 しかし、この認識は、まったく間違っている。

 なるほど、ホメオパシーを最初に実行した人々なら、科学的無知ゆえに、「トンデモ」と呼ばれても仕方ない。
 しかし、現代では、ホメオパシーを推奨している人々は、決して「トンデモ」ではない。彼らは科学的無知ゆえにホメオパシーを推奨しているのではない。ホメオパシーが無効であることを知っていて、あえてそれを推奨しているのだ。連中は無知で馬鹿で何もわかっていないのではない。すべてわかっていて推奨しているのだ。(理由は後述。)

 ──

 そもそも、ホメオパシーの本質は、何か? 微量な物質を含むことか? 違う。あまりにも稀釈しているがゆえに、微量な物質を含まないも同然になっていることだ。
 要するに、彼らが与えるものは、ただのデンプン玉と同じなのである。そこに微量の不純物が入っているというだけのことだ。
 一般に、どんな食べ物だって、微量の不純物が入っている。たとえば、水道水だって、微量のヒ素が混入している。ホメオパシーで摂取するものも、同様である。単に微量の不純物が入っているだけのことだ。(そのくらい稀釈されている。)
 では、なぜ、そんなに稀釈するのか? 稀釈しないと有害であることがわかっているからだ。連中はホメオパシーに何らかのプラスやマイナスがあるとしたら、医学的に訴えられて問題になると知っている。だから、プラスもマイナスも生じないぐらい、徹底的に稀釈する。ただの「不純物」と同程度まで稀釈する。
 ただし、まったく何も含まないとしたら、無意味になるので、高額販売することができなくなる。だから、実質的には何も含まないのと同じなのだが、口先だけは「とても有効なものを含んでいます」と語る。つまり、嘘をつく。
 要するに、ただのデンプン玉を与えて、「これは医学的に特別に有効なんですよ」と嘘をついて、高額販売しているだけのことだ。
 そして、これは、トンデモではなくて、詐欺なのである。ただのデンプン玉を特効薬だと言って高額販売しているからだ。

 連中がやっていることは、有害なものを販売していることではない。毒でも薬でもないものを、舌先三寸で特効薬のように見せかけて、金を奪っていることだ。── ここでは、悪質さは、「だまして金を奪うこと」つまり「詐欺」という点にある。
 一方、「特効薬ですよ」というふうに見せかけたものは、毒にも薬にもならないものであるから、それを飲ませたり食べさせたりしても、ちっとも有害ではない。その意味で、彼らは医学的に悪質なことをしているわけではない。
( ※ ただし稀に、ヒ素などの有害なものをかなり多量に含むものを与えることもあるが、これは、例外としておこう。私が思うに、ヒ素が入っていることすら気がつかなかった、というような愚かな誤算の例だと思う。ま、違うかもしれないが。どっちみち、ヒ素がかなり多量に入っているとしたら、それはもはやホメオパシーではない。ただの有毒物だ。毒入りギョーザと同じレベルの話。)

 ──

 以上のことからわかるとおり、ホメオパシーを推奨する連中は、決して「トンデモ」ではない。なぜならホメオパシーを推奨する連中は、ホメオパシーを信じていないからだ。
 その点は、麻薬の売人が、決して麻薬をやらないのと同様だ。麻薬の売人にとって、麻薬とは金儲けの手段であって、自分が使うものではない。
 ホメオパシーを推奨する連中も同様だ。連中にとって、ホメオパシーとは金儲けの手段であって、自分が使うものではない。彼らはホメオパシーなんか全然信じていない。自分では全然信じていないものを、他人に信じ込ませて、金を巻き上げようとしているだけだ。

 ──

 こうしてホメオパシーの本質がわかっただろう。
 ホメオパシーは決してトンデモではない。詐欺である。正確には、医療詐欺である。この世には、いろいろな形の詐欺があるが、健康を目的にした詐欺と、結婚を目的とした詐欺には、人々はけっこう引っかかる。あまりにも切実な問題であるがゆえに、健康でない人々や、美貌でない女性などは、詐欺師の言葉に、コロリと引っかかってしまうのだ。「溺れる者は藁をもつかむ」という形で、あっさり信じて、あっさり引っかかる。(鳩山首相も引っかかる。いや、「 Trust me 」と言って、他人をだます。)
 だから、ここでは、「連中は詐欺師だ」「連中は犯罪者だ」と厳しく指弾することが必要である。

 一方、「連中はトンデモだ」と批判するのは、てんでお門違いだ。トンデモならば、単に無視すればいいだけのことだ。トンデモが何かを叫び、他の人々がそれを無視する。これでおしまいだ。
 しかし、ホメオパシーの連中は決してトンデモではない。連中がトンデモならば、連中を無視すればいいが、そうは行かない。連中は、トンデモではなく、詐欺師なのだ。こちらが無視しても、連中が猫撫で声で迫ってくる。向こうの方からどんどん迫ってくるのだ。こちらの金を奪うために。……その意味で、トンデモよりも、はるかに悪質なのだ。
 このような悪質性をはっきりと認識することが必要だ。トンデモというのは、ただの馬鹿にすぎない。しかし詐欺師というのは、悪質な犯罪者なのだ。こちらが黙っていれば、こちらをだまして、金を奪おうとする。
 トンデモは人々にとって何ら有害ではないが、詐欺師は人々にとって有害だ。

 このような悪質な詐欺師を「トンデモ」と呼ぶのは、あまりにも生易しすぎる。危険な犯罪者が迫っているときに、その危険性を無視するのも同然だ。台風が迫っているときに、「ただの温帯低気圧です」と述べるようなものだ。
 その意味で、ホメオパシーを推奨する連中をトンデモだと見なす人々こそ、かえってトンデモなのだ。このような人々は、社会にとって明白な害悪をもたらすということはないが、ピンボケなことを述べて犯罪を看過させるという意味で、頭が悪すぎる。そういう頭の悪さを表現する意味で、彼らのようなトンデモマニアを「トンデモ」と呼ぶのは妥当だ。(ただし、詐欺師ではない。金を取らないからだ。)

 ──

 結論。

 ホメオパシーを推奨する人々は、(ただの)トンデモではなくて、(悪質な)詐欺師だ。
 ホメオパシーを推奨する人々を「トンデモ」と呼ぶ人々は、詐欺師の悪質さを隠蔽するので、トンデモだ。

( ※ トンデモマニアは、詐欺師の主張の学問レベルの真偽の問題ばかりを語っていることで、詐欺師の犯罪性を隠してしまう。ピンボケなことをするせいで、犯罪の犯罪性を隠してしまう。)
( ※ やたらと「トンデモ、トンデモ」と騒ぐのは、馬鹿馬鹿しすぎる。詐欺師のことは単に「詐欺師」と呼べばいいだけのことだ。やたらと「トンデモ、トンデモ」と騒ぐなんて、円広志みたいなものだ。みっともない。)
 


 [ 付記 ]
 ホメオパシー批判論者が、ホメオパシーの難点を指摘するのは、社会にとって有益だろう。その点は問題はない。
 しかし、「ホメオパシーはトンデモだ」と主張するのは、あまりにも語彙が貧困すぎる。「あれもトンデモ、これもトンデモ」というふうに、すべてひとからげにトンデモ呼ばわりするのでは、意味が拡散しすぎる。
 たとえば、
 「血縁淘汰説批判もトンデモだ、ホメオパシーもトンデモだ」
 なんて主張する人は、それ自体がトンデモだと言える。彼は、そう主張することで、ホメオパシーを正当化しているのも同然だ。
 言語音痴は、本当に始末に負えない。誤読するだけならまだしも、表現力が貧困だと、自分では真実を語っているつもりで、虚偽を語る。

 [ 余談 ]
 ついでに一言。
 「医療はすべて市場原理で」というふうな主張* がある。
  * 池田信夫など。 → 該当ページ
 もしこれが実現すると、どうなるか? 医療の分野には詐欺師が跋扈するようになるだろう、というのが、私の見解だ。そして、自由診療が野放しになっている民間療法の分野では、まさしく詐欺師が跋扈する。そのことが、ホメオパシーの事例からわかるだろう。
( つまり、「医療はすべて市場原理で」というふうな自由主義の主張は成立しない、ということ。もし成立させたら、医療の分野も詐欺師だらけになる。)



 【 参考 】

 (1)
 似た事例に、「ローヤルゼリー」もある。
 ミツバチの幼虫にローヤルゼリーを与えると、幼虫が女王バチになる。そこで「ローヤルゼリーには特別な作用がある」という俗信が生まれた。
 しかし本当は、ローヤルゼリーに特別な作用があるのではなく、ミツバチそのものが女王バチになる遺伝子を持っている。ただし、その遺伝子が発現するために、ローヤルゼリーがスイッチを入れるだけだ。(それは「メチル化」という作用。 → 朝日新聞の転載
 仮にローヤルゼリーに特別な作用があるとしたら、それを摂取した人間は、素晴らしい美貌の女性になるのではなく、ミツバチの女王バチみたいになってしまうはずだ。ハエ男の恐怖。いや、ミツバチ女の恐怖。  (^^);
 ともあれ、「ローヤルゼリーで美容効果」なんていう商売は、明らかに詐欺である。これもまたホメオパシーと同様の詐欺であると認識することが必要だ。
(「トンデモだ」なんて勘違いしては駄目だ。ローヤルゼリーの販売業者は、誰もローヤルゼリーの効果なんか信じていないし、自分では使っていない。彼らはトンデモではない。)

 (2)
 似たような詐欺に、「エコキャップ」というものがある。Google で「エコキャップ」を検索すれば、エコキャップが詐欺だということはすぐにわかる。
  → Google 「エコキャップ」

 ところが、朝日新聞・朝刊・2面 2010-02-16 で、「エコキャップはエコで人命を救う」というふうに紹介記事を書いている。エコキャップという詐欺運動の提灯持ちをしている。
 ホメオパシーにだまされる人はそんなに多くないが、エコキャップにだまされる人はものすごく多い。こっちの詐欺にこそ着目するべきなのだが。

  ────────────
 
 《 注記 》

 「ホメオパシーはトンデモだ」
 「エコキャップは素晴らしい」
 「フェアトレードは素晴らしい」
 というふうに述べる人々は、いずれも愚かさの点で共通する。勝手に妄想を抱いているせいで、詐欺師の本質を見抜けないのだ。
 ホメオパシー、エコキャップ、フェアトレードは、いずれも詐欺である。立派な目的や実益や理念などを掲げて、人々の富を奪って、自分たちの懐に入れようとする。それを信じた人々は、被害者となり、富や時間や労力を奪われる。
 これらはいずれも詐欺なのだ。詐欺については詐欺であると認識することが必要だ。その意味で、詐欺であることを詐欺であると認識できない人々は、いずれも愚かすぎる。(悪質というほどではないが、愚か。ただし、犯罪者の犯罪性を隠蔽しているという意味では、犯罪者の片棒みたいなものである。)
 ともあれ、「トンデモ、トンデモ」と騒いでいる連中が、一番トンデモなのである。



 【 関連サイト 】
 「ホメオパシー」や「ホメオパシーとトンデモ」などについては、ネットで適当に検索してみるといいだろう。いろいろと情報が見つかる。
posted by 管理人 at 20:00| Comment(2) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
詐欺師は、医者の中にもいるぞ!
昨今の事件はもとより、
私自身もとんでもない医者に遭遇している。
とらなくてもいいものを取れと、ゴリ押しする医者。後から調べたら、ホルモンバランスがくずれるって、これからの長い人生を酷いものにするところだったぞ。
別の医者も、手術の内容を詳しく説明せずに、こちらからこうではときいたら、そうだと答え、手術でお金が入らなくなるものだから、故意に隠していたとしか思えない。
その日、手術することにしぶしぶ同意したが、別の手術方法もあると知って、次の日に断ろうと電話したら、「治りたいんでしょう!」と散々すごまれた。(ポリープなのに)
医者を盾に脅しをかけたと今にして思う。
手術は受けたが、結果は悪かった。
再発はするし、医者の処置も悪かったし。
そんな医者が堂々とまかりとおっていることも
おそろしいとおもいませんか?
そのことにも、目を向けてはいただけないでしょうか?
Posted by 環 at 2010年03月02日 13:42
本項の続編

 ホメオパシーはトンデモか 2

 http://openblog.meblog.biz/article/3196390.html
Posted by 管理人 at 2010年08月10日 21:16
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