「コクがあるのにキレがある」というビールもあるし、「コクのあるワイン」というのもある。では、コクとは何か?
ネットで調べると、このことを専門的に論じた本もある。
→ コクと旨味の秘密 (新潮新書)
参考になる研究成果も上がっているが、「コクとは何か」はまだはっきりとはわかっていないらしい。
──
一方、朝日新聞 2010-02-04 に、「コクとは何か」についての記事がある。比内地鶏の卵はコクがあるという。コクがありすぎるぐらいで、他の鶏卵と混ぜると、ちょうどいい味になる、という人が多いそうだ。
で、コクとは何かを分析してみると、「甘み・塩味・酸味・うまみ・苦み」のうち、「苦み」が微量にあるということだ。
cf.→ 朝日新聞の記事の紹介 (あくまで参考)
──
では、コクとは「苦み」のことなのか?
ここで私はふとひらめいた。味には、上記とは別のものもある。それは「渋み」だ。では、渋みとは?
苦味(にがみ)は、味覚のうちの1つ。5つの基本味の1つで、タンニンなどの苦味物質を口に入れることで知覚される。渋味(しぶみ)も生理学的には同一の味覚である。渋みは苦みと原理的には同じものであるらしい。弱い苦みが渋みであるらしい。
( → Wikipedia )
とすれば、先の比内地鶏の卵の場合、微量の苦みがあるわけだから、それは渋みであるはずだ。
──
では、渋み(微量の苦み)が「コク」なのか?
いや、そうではあるまい。渋みをそれ単独で味わっても、「コクがある」とは思うまい。「渋いな」と思うだけだ。
ここまで考えると、(最初の本の内容に戻って)次のように言えるだろう。
「コクとは、かすかな渋み(苦み)のことであるが、それ単独ではなく、他の味と合わさって、他の味に深みを与えるものだ」
他の味とは何か? 次の例がある。
・ 甘み (比内地鶏)
・ 酸味 (ワイン)
・ 辛み (ビール)
これらの味がある。それはもともと単純な味ではなく、いろいろなものが混じった複雑な味だ。ただし、何かちょっと、物足りない。その物足りなさを補うために、微量の渋みが混じる。すると、味わいに、奥行きや深みが出る。
これがコクの正体だろう。私はそう思う。
──
さて。このことから、応用編として、次のことが結論できそうだ。
「第3のビールは、コクがない。しかし、コクを付ければ、第3のビールもおいしくなるだろう。そして、そのためには、微量の渋みを混ぜればいい」
具体的には、タンニンだ。タンニンだけで足りなかったら、タンパク質を混ぜてもいいかもしれない。(この点はあやふやだが。)
とにかく、微量のタンニンを入れることで、第3のビールもコクが付いて、おいしくなるだろう。私はそう推察する。
※ タンニンを入れるには? 渋柿の皮とか、渋いブドウの皮とか、いろいろと材料はある。そういうのを使えばいい。隠し味としてね。
[ 付記1 ]
ビールはもともと苦い。そこに微量の苦みを入れても、苦みとしては大差ないだろう。
だから、「苦み」と「渋み」とは、本当はいくらか違っているのだと思う。渋みの本体は、たぶんタンニンだ。タンニン以外のもので、微量の苦みを出しても、タンニンのもたらすようなコクは得られないと思う。
ビールにコクを付けようとして、タンニン以外の苦みを付けても、たぶん無駄であろう。
( ※ ただしビールの場合、苦みはもともとあって、他の味がないから、他の味のことを「コク」と読んでいるのかもしれない。タンパク質や脂肪やデンプンの味とかね。)
[ 付記2 ]
とはいえ、タンニン以外の苦みがまったく無駄とは言えない。微量の苦みがコクをもたらすということは、お料理に適用できそうだ。
苦みを付けるために、材料を焼くといい。焦げ目を付ける。このことで、コクが出る。焦げ目のない焼き肉や焼き魚は、あまりおいしくない。……焼きおにぎりも、焦げ目があった方がいい。焦げ目こそ、コクの源泉だ。
( 焦がすと発癌物質が発生する、という報告もあるが、野菜といっしょに食べると、うまく中和される。これも覚えておくといい知恵だ。野菜を食べないと、体に毒。)
[ 付記3 ]
お料理への応用。
「コンソメスープにはコクがない。どうしたらコクが付く?」
という質問があった。
→ OKwave
そこで考えた。
「コンソメスープに緑茶を少し混ぜればいい」
さっそく実行した。すると、単純な物足りない味だったコンソメスープに、コクがたっぷりと付いて、おいしくなった。成功!
だけど、緑茶を入れすぎると、味がくどくなる。あとに渋みみたいなものが残って、後味が悪くなる。多すぎないことが肝心。
別案としては、「香辛料のバジルやパセリを入れる」という案もある。特にパセリが良さそうだ。苦いし。
焦がしたパンを入れるのも良さそう。(クルトンみたいに。)

(あくまでも自説であり、
一般的に定義されているわけではありません)
コクというのは、早い話が「食べ物、飲み物の脂肪分」です。
〔コク(脂肪分)による作用〕
○食材の脂肪分は、他の材料を包み込み(乳化作用による)、
直接、舌に触れることなく味覚をまろやかにする。
(コク(脂肪分)が多すぎると、べっとりしたしつこい味になります)
○食感は、舌に残る粘着性で、味は濃く感じる。
コクとは、他の食材の味覚をまろやかにする、味覚を濃く感じさせるという
一見、相違なる二面性を持ったものです。
味覚とは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つの基本味で、
コクが味覚に直接、作用するわけでは、ない。
コク=おいしい ということでは、ありません。
おいしいというのは、
食べ物の五感(触覚、視覚、嗅覚、味覚、聴覚)が全て優れていることです。
ただし、コク=おいしい という感覚を人は持っており、
うまみ成分を食材に加えると、「コクがある」といわれ方はよくします。
また、うまい(旨み)は、本来、味覚に関するものです。
「コクと旨味の秘密」は、読みました。
筆者のコクを解明しようとする意欲は感じますが、独断と偏見の記述が多い。
コク、旨み、おいしいの考え方がごちゃごちゃになって、整理されておらず、
これらは本来、=(イコール)で結びつけて考えるものでは、ない。
動物実験では、都合の良い解釈をしている。
比内地鶏の卵は、この卵の脂肪分が通常のものより多いと考えられるが、
それだけでなく、狭いゲージに閉じ込められて、
配合飼料だけを与えている鶏と、放し飼いで菜っ葉が主体の鶏が産んだ卵では、
味や香りがぜんぜん、違います。
比内地鶏の卵を使った親子丼がおいしいのは想像できます。
「コンソメスープにはコクがない。どうしたらコクが付く?」
という質問は、私なら、「バター」を入れたらコクがつく。と答えます。
(バターは、牛乳の乳脂肪を遠心分離機で固めたもの)
「コクの正体が微量の苦味や渋みである」というのは、賛同できません。
ビールなど元々、苦味があるものに入れても無意味であり、
苦味や渋みがなくても、コクがある食べ物、飲み物はたくさんあるからです。
苦味や渋み成分がほとんど入っていない食べ物に、これらの成分を入れると、
味覚が複雑化して、おいしいと感じることはあるかもしれません。
→ http://portal.nifty.com/kiji/130111159106_1.htm
そもそも、脂肪がコクであるわけがありません。脂肪とコクは、どちらも味わいをよくしますが、きちんと区別できます。区別できない人が「どちらも同じだ」と述べているだけでしょう。
だいたい、コクというのは微量(ppm)の有無を問題にするのであって、脂肪はかなり大量に入れてようやくわかるものです。全然違います。
一般に、コクを問題にするのは、脂肪の入っていない食品です。そこに脂肪を入れても、くどくなるだけで、ちっともおいしくならないのが普通です。
ビールの苦みについては、本文中に記述されています。