2010年01月30日

◆ 裁判と Google

 Google を上手に使えないと裁判に負けてしまう、という例があった。ネット・リテラシーの必要性を示す。(著作権侵害の事例。) ──

 ある表現が著作権の侵害とされた。神奈川県知事の著作。
 《 松沢知事の本、販売禁止命じる 著作権侵害と東京地裁 》
 東京地裁は29日、請求の一部を認め、著作権侵害に当たる2行分を削除しない限り、印刷や販売をしてはならないと命じた。判決は12万円の損害賠償も命じた。
 知事記述の「彼は、富士屋ホテルと結婚したようなものだったのかもしれない」との部分が、山口さん記述の「正造が結婚したのは、最初から孝子というより富士屋ホテルだったのかもしれない」の複製と指摘、著作権侵害に当たると判断した。
( → 共同通信 2010-01-30
 しかし、「と結婚したようなものだった」というのは、ありふれた表現だ。引用符( " " )つきで「 "と結婚したようなもの"」Google で検索すると、こうだ。
  → Google 検索
 「約 3,080,000 件」と表示される。ただしこれは不正確な数である。余計な数がまぎれこんでいる。
 そこで、日時を指定して改めて検索すると、こうなる。
  → Google 検索
 今度は約 289 件と表示される。こちらが正確な数字のように見えるが、実はそうではない。末尾にある検索結果のページ番号をクリックすると、ページ番号は2までであり、件数は 132件だ。これが正確な数字。……非常に多いというわけではないが、世間にありふれた表現だということはわかる。新聞や単行本(ドキュメンタリーを含む)を探せば、さらに多くの文例が見つかるだろう。( Google Books みたいな全文検索サービスが大規模に展開されると、よくわかりそうだ。)

 ただし、である。検索語に引用符を付けないと、正確な検索結果は得られない。引用符を付けないと、「と結婚したようなもの」という句ではなく、それぞれの語が離れたところにあるページもたくさんヒットしてしまう。
  → Google 検索結果

 要するに、今回の事例では、被告が負けたのは、Google の検索をうまく使えなかったからだ。そのせいで、「問題の表現は、ありふれた表現であり、独自性がないから、著作権の対象にならない」と示せなかった。
 講談社のような大きな会社が、立派な弁護士をかかえていても、Google の検索をうまく使えなければ、裁判に負けて、業務に支障をきたす。
 ネットリテラシーの欠如は、身を滅ぼす。(特に、こんな初歩的なこともできないとはね。これが日本の現状だ。)



 [ 付記 ]
 調査によると、Google や Yahoo の検索利用者の大部分は、単語1つで検索しているという。
 (ただし、それを補完するために、補完入力の欄で続く語が出るようになっている。これでいくらか向上するかも。)



 【 追記 】
 数字を修正しました。
 検索結果について、「約 3,090,000 件と表示される」と述べたが、これは Google の間違い。実際に文例を表示させると、もっとちょっとしか表示されない。
 より正確に件数を表示させるには、日付を指定するといい。終了日を「2010/1/20」と指定すると、約 289 件という件数になる。
 そこで、本文中の記述を修正した。

 ただし、このような修正を迫られたのは、Google の数字がインチキだからだ。Google の「××××××××××件」という数字は、まったく当てにならない。Google の技術が低すぎるのかも。   (^^);
 とはいえ、それを理解した上で、ちゃんとした数字を得ることもできる。やっぱりネットリテラシーが大事かな。
posted by 管理人 at 17:38 | Comment(1) | コンピュータ_02 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
数字を修正しました。末尾に説明あり。
 (本文の趣旨は変わらず。)

 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2010年01月30日 23:20
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