2009年12月24日

◆ 超スマートグリッド

 自然エネルギー由来の発電(太陽光発電・風力発電)には、電力の変動がある。これを解消するために、スマートグリッドという概念が提唱されている。
 しかし、単なる電力融通では、効果がない。効果を出すには、電気自動車の電池に充電・放電することが必要だ。 ──

 自然エネルギー由来の発電(太陽光発電・風力発電)には、電力の変動がある。この件は、前にも何度か述べた。
  → 太陽光発電の支援とコスト

 これを解決する策として、スマートグリッドという概念が提唱されている。たとえば、今回も、経産省の主導でスマートグリッドの技術開発が推進される。
  → 「スマートグリッド」を普及するための組織 (日経 2009-12-24 )

 しかし、日本ぐらいの狭い国では、一国の大半が雨になることもあるし、一国の大半が台風に襲われることもある。国内で電力を融通するだけでは、とうてい電力の安定は実現できない。つまり、スマートグリッドは、ほぼ無効だ。
  → 太陽光発電と電力安定

 一方、原子力発電ならば、夜間の無駄な発電を、電気自動車の電池に充電することで、電力需要の変動を抑制できる。これはうまい方法だ。(需要の時期を調整するわけ。)
  → 太陽光発電の嘘(ピーク電力)

  ────────────

 以上は、情報だ。このあと、本項の提案を示す。それは、
 「電気自動車を、スマートグリッドの一部として、充電池として利用する」

 ということだ。次のように。
  ・ 太陽光発電や風力発電の電力が余剰になったら、充電する。
  ・ 太陽光発電や風力発電の電力が不足したら、放電する。

 こうすれば、かなりの程度で、電力の過剰や不足に対処できる。これはつまり、
 「日本中の電気自動車を、巨大な蓄電池として、電力網に組み込む」

 ということだ。(これを「超スマートグリッド」と呼ぼう。)

 この場合、電気自動車の電池の場合、対応は即時的だ。一瞬にして、充電したり放電したりできる。この点にメリットがある。
 一方、火力発電所は、対応は即時的ではない。いくらかのタイムラグある。

 ただし、電気自動車の電池の場合、対応可能な変動の幅は、大きくない。一国全体の1割にもならないだろう。一方、火力発電所ならば、発電量が6割ぐらいあるから、0割から6割まで、非常に大きな対応可能幅がある。

 というわけで、
  ・ 電気自動車の電池を使う「超スマートグリッド」
  ・ 火力発電所による発電調整

 という双方をうまく組み合わせると、両者の長所・短所が補い合って、うまく行くだろう。
( ※ 現時点では、火力発電所だけだ。それだと、即時的な変動が可能でないので、常に余剰に発電している。つまり、常に余剰分の電力が無駄に捨てられている。……「超スマートグリッド」を使うことで、この無駄に捨てられている余剰電力の分の資源が、節約可能となる。)



 [ 付記1 ]
 本項で述べたことは、私が考えたときは「うまい思いつきだ」と思ったのだが、あとで Wikipedia で調べたら、すでに考案済みだとわかった。悔しい。  (^^);
 電気自動車類の充電・放電スケジューリング
 電気自動車やプラグイン・ハイブリッド自動車の充電を電力事業者の発電電力量に余剰がある時間帯に行なえるようスケジュールを行なう。余った電気自動車からは電力需要のピーク時に放電させる。
( → Wikipedia
 ま、Wikipedia にあるアイデアと私のアイデアとは同じだが、私の方がずっと詳しく説明してある。本項で述べたように。……その分、本項の方が、意義がある。
( ※ Wikipedia の記事には twitter ぐらいの文字数しかないので、情報不足だ。)
  
 [ 付記2 ]
 Wikipedia では「スマートグリッド」と述べているのに、本項では「超スマートグリッド」と述べている。なぜか? 実現がかなり難しいからだ。
 ただのスマートグリッドならば、電力会社が技術開発をして設備投資をすればいい。それは特に難しくない。

 しかし、本項で述べたことには、次の二点が課題となる。
  ・ あらかじめ電気自動車が大量に普及していること。
  ・ 充電・放電を電力会社側がコントロールすること。

 この二つの課題をクリアするのは、容易ではない。政府と電力会社が相談して研究すればいい、というようなものではない。いわゆる「スマートグリッド」の概念を大幅に逸脱しているのである。それゆえ、対処もまた、かなり大規模となる。
 そういうわけで、従来の発想とは次元が異なるということを強調するために、「超」の字をつけて、「超スマートグリッド」と称するわけだ。

( ※ Wikipedia の記述では、「時間帯」で制御するようになっているが、本項の提案では、電力会社側が任意に制御する。天気が悪ければ放電を求める、というふうに。……こういうふうに、需給の変動がランダムに起こるのに応じて、任意に制御できる、という点が、超スマートグリッドの特徴だ。)
    
 【 追記 】
 すみません。
 書いたあとで Google 検索して気づいたのだが、「電気自動車のバッテリでスマートグリッド」という発想は、広く知られているそうだ。いちいち私が言い出すほどのことではなくて、常識でした。冷や汗。
 ともあれ、検索すれば、いっぱい情報が見つかります。
 ただし、本項で私が書いたことが、間違っているわけじゃない。関係者にはすでによく知られた情報だ、というだけのことだ。既存情報の紹介だ、というふうに、読み直してください。
posted by 管理人 at 19:17| Comment(3) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
既存情報の紹介にコメントをするのも何ですが…

スーパーグリッドに自宅のEVが組み込まれ、勝手に充/放電されるとすると

1.乗りたいときに放電されている
2.今すぐ充電したいのに電力消費のピークなので充電されない

といった問題が考えられます。自分の意志で制御できる仕組みも必要だと思います。

何も、超スーパーグリッドなどと言う夢物語を持ち出さなくても、家庭に設置するEV用のコンセントの設定を
・つなぎっぱなしの場合、昼間に放電、夜間に充電する
・昼間の放電量が使用量を上回れば売電できる(そんなに放電量があるとも思えませんが)
・新たにつないだ場合、昼間/夜間にかかわらず、満タンになるまでは充電する
・急速充電が必要な場合はガソリンスタンド(電気スタンド?)に行く
・放電されたくなければコンセントを抜く
とすれば、直感的な操作で済み、しかも各家庭の消費電力を平準化できるのではないでしょうか?つまり「家庭内スマートグリッド」です。
Posted by のび at 2009年12月25日 14:24
ホリエモンこと堀江貴文氏は著書の「『希望』論」の中で「電気自動車のバッテリでスマートグリッド」という発想をさらに拡張して、電気自動車が一般的になることで大量生産によりバッテリー自体が安くなり、家庭内での電気使用についてもスペアバッテリーによる夜間の蓄電を利用することで電力消費量の日内変動を失くせるので、結果として火力発電をかなり減らせるのではないか、としています。
Posted by 黒猫屋倫彦 at 2009年12月25日 18:53
電気自動車の電池の入れ替えを家庭でするってのは無茶でしょう。リチウムイオンバッテリーが88個(総電力量16kWh)ですので、とても人手で入れ替えられる重さじゃないですよ。各家庭にチェーンブロックかリフトも置きますか?
 あと価格も問題。三菱の軽電気自動車は本体450万円で3年ごと?に200万円以上で電池交換が必要です。(寿命が1000回なので毎日充放電した場合は約3年です)
 三菱自動車は、電池交換する時にはモーター等もメンテが必要で、実際の費用は新車価格を超える見込みだとか。

 あと、スマートグリッドと簡単に言葉が出てますが、人それぞれ、お国によりそれぞれのものをイメージしています。
 米国や欧州のように網目状の送電網の場合は、短絡事故などで広域・長時間にわたって停電するので、それを防ぐためのスマートグリッドです。

 日本の送電網は基本的に放射状で、末端から上流への潮流(逆潮流といいます)は許していません。日本のスマートグリッドは、将来の原子力の大量導入も含めて、電力事業者から負荷や第3社の発電設備の出力をコントロールできるようにとの意味合いが強いようです。

 電気自動車の電池を出力変動抑制に使おうというアイディアはありますが、基本的にその自動車のある配電網(住宅で約1000件程度)内に限られますので、工場地帯(特別高圧で送電されているところもあり)や商業地帯で電力が不足したからといって、住宅地の電気を持って行くことはできません。
Posted by ごろんた at 2010年05月21日 15:10
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