2009年12月20日

◆ 薪と森林破壊

 森林の破壊に大きな影響を及ぼすのは、薪(まき)である。炊事の燃料として、薪を取るせいで、次々と森林が破壊されていく。
 この問題をどうするべきか? ──

 森林の減少という話題については、前に述べた。
 地球温暖化の真犯人は、森林の減少だと推定される。近代化にともなって、森林がどんどん減少している。
  → 陸地温暖化説 (緑地減少説)
  → 開墾による森林消失

 Wikipedia にも、森林の破壊という話題で説明がある。
  → Wikipedia 「森林破壊」
 森林破壊という問題をもたらす理由は、主に、薪の採集である。単に落ち葉や枯れ枝などを取る「柴刈り」(写真)ならば問題ないのだが、大きな樹木まで伐採することがあるので、森林破壊の問題となる。

 それでも「わかっちゃいるけどやめられない」という状況が続くせいで、森林はどんどんやせ細り、長年の時間がたつと、砂漠化してしまう。
  → アフリカの森林破壊 (写真つき)
 
 ──
 
 では、対策として、どのようなことが考えられるか? 一応、次のような例がある。

 (1) 家畜の糞

 家畜の糞を溜めて、メタンガスを発生させて、炊事に使うことができる。ただし、規模は小さい。

 (2) 石炭

 石炭は石油と違って、埋蔵量が非常に多大にある。石油のように価格高騰が起こる恐れもない。
 ただし、石油に比べると、水素が少なくて炭素が多いので、炭酸ガスを多く排出する。それが「温暖化論者」から白い目を向けられる理由となる。

 (3) 植樹

 苗木を植樹することで、森林を再生することができる。というか、薪を取る分を補って、森林を恒常的に維持できる。(減少しない。)
 これについては、朝日新聞に記事があった。途上国では薪の採取で森林が衰退してしまい、自滅しかかっている。そこで、苗木を植樹することで、森林を維持できるという。( → 朝日・土曜版 be 赤版 2009-12-19 )
 ここでは NGO (民間団体)が、苗木を育てる事業会社を作って運営している、という話も出ていた。ともあれ、途上国の植樹は、NGO 任せとなっているようだ。どうせなら政府に頑張ってもらいたい、と私は思うが。

( なお、朝日の記事には、(1) の「家畜の糞」というガスプラントの話も書いてある。何だか本項と同じ話題でダブった内容を書いているな。偶然だが。)

  ────────────

 さて。以上のことから、結論を下そう。
 大事なことは、何か? 「炭酸ガスにとらわれるな」ということだ。
 前日の話( 環境汚染とインフルエンザ )の最後でも示したが、世界の人々の頭は炭酸ガスで占められている。

nounai1.gif

 しかし、そうであってはならないのだ。炭酸ガスよりも、森林のことを考えるべきなのだ。
 以下、具体的な例を示そう。
 
 (1) 石炭

 石炭については、「石油よりも炭酸ガスを発生から駄目だ」という主張がなされがちだ。しかしそれは、炭酸ガスにとらわれすぎた発想である。
 森林を重視するなら、こう言える。「石炭を使うことで、薪の採集の必要がなくなり、森林の伐採が免れるようになるから、森林破壊を阻止できる。だから石炭を使うことは好ましい。石油のかわりに石炭を使うのではない。薪のかわりに石炭を使うのだ」……こういう発想ができる。

 (2) 薪

 薪については、「薪は再生可能な森林資源である。それは再生不能な化石資源(石油・石炭)よりも好ましい。炭酸ガスを発生しても、実際には発生していないことになり、カーボン・ニュートラルである。だから、薪の利用は好ましい」という主張がなされがちだ。しかしそれは、炭酸ガスにとらわれすぎた発想である。
 薪はたしかに、再生可能な燃料である。しかし現実には、薪を取れば取るほど、森林は破壊されてしまう。炭酸ガス論者の主張に従えば、森林はどんどん破壊されてしまうのだ。逆効果。
 実は、「再生可能である」ことと「再生される」こととは、同じではない。「再生可能である」のは机上の空論だが、「再生される」のは現実の行為である。現実の行為がなされるには、「植樹する」ことが絶対に必要なのだ。「植樹する」ことを忘れて、「再生可能な資源を使うことは好ましい」などと述べても、森林を破壊するだけだ。
 炭酸ガスにとらわれすぎると、現実を見失ってしまうのだ。

  ────────────

 さらに大きな問題を示そう。森林の破壊というのは、今日少しずつ進行しているだけではない。歴史的には、過去において、壮大な森林破壊があった。それは欧州における森林の大規模破壊である。それは、Google の航空写真(衛星写真)を見るとわかる。

 ざっと欧州全体を概観すると、その大部分は緑地で覆われている。
   → 欧州全体

 しかし、その任意の点をクローズアップしてみると、森林はほとんど残っておらず、大部分は草地や農地であることがわかる。
   → 一部を拡大する
   → クローズアップ

 どうしてこういうことが起こったか? 欧州の歴史は、森林破壊の歴史そのものだったのだ。宗教的な理由から、「森林は異教徒の信仰する神のいる土地」と見なされ、邪教を征伐するために、森林を次々と破壊していった。
   → 欧州の森林破壊の歴史
 また、日本と違って平地なので伐採されやすい、という理由もあっただろう。

 ともあれ、ここでは、薪のために伐採するのではなく、伐採のために伐採した。(たぶん、ヨーロッパ人が人間を皆殺しにしたがるのと同じかな。インディアンやインカ人を皆殺しにしたのと同じ。)

 ──

 歴史的に見れば、欧州の罪は免れない。「過去のことだから」と水に流すわけには行かない。
 ところが現実には、欧州は、「過去のことは水に流せ」と主張する。つまり、「森林の炭酸ガス吸収量を考えるときには、1990年を基準とした増減を見よ」と唱える。
 その場合、日本は 1990年を基準として森林が少し減っているので、「炭酸ガス吸収量が減っている悪い国」と見なされてしまう。国土の大部分が莫大な森林である日本は悪党となる。
 また、日本は狭いので、これ以上、森林を増やすことは困難だ。平地を削って森林にすることはできにくい。一方、欧州は、森林を徹底的に破壊したので、このあといくらでも森林を増やせる。過去においてさんざん悪をなしたおかげで、単に元に戻そうとするだけで、「炭酸ガス吸収量を増やしている良い国」と見なされる。

 要するに、森林の絶対量を見るのではなく、森林の増減を見るだけにするので、過去において ものすごい森林破壊をした欧州ばかりが有利になるのだ。悪をなしたものほど有利になる、というシステム。
 炭酸ガス信者は、欧州に多いが、彼らのほとんどは狂信者なのである。善をなそうとしているというよりは、自分は善人だと思い込みたいだけだ。だから自分が悪人であるという事実を直視せず、逆に、それを隠蔽しようとする。それどころか、悪であることを有利に転じさせてしまう。「すでに悪をなした」を「これから善をなせます」と逆に言いくるめてしまう。ペテンも同様。
 そして、こういうペテン師の口車に乗って、「 25%の削減」などを公約して、いい気になっているのが、鳩山だ。彼は「友愛」「環境」と口にして大得意になっているが、それは要するに、欧州の詐欺師のカモになっているというだけのことだ。

 鳩山は、自分がハトになっているつもりで大得意だが、実はカモになっているのだ。本人は気づかないが。(日本国民は哀れ。)

  ────────────

 結論。

 大切なのは、炭酸ガスではない。緑地だ。特に、森林だ。
 その森林を大切にするには、1990年を基準にした増減を見るのではなく、森林の絶対量を見ることが必要だ。
 豊かな森林の残っている日本や東欧や途上国は、それだけで「森林保護」という善をなしている国と見なされるべきだ。豊かな森林の残っていない(森林を破壊し尽くした)西欧各国は、それだけで「森林保護」という善をなしていない国と見なされるべきだ。
 炭酸ガス吸収という問題を見るなら、このように森林の絶対量を見るべきだ。
 この本質を見失うと、欧州のペテン師たちにだまされて、「炭酸ガス吸収のため」「地球環境保護」という名分で、日本は多額の金を悪党どもに奪われることになる。つまり、詐欺師のカモになる。
 


 【 関連項目 】

 本文の最初でも言及したが、次の二項目には、関連した話がある。

  → 陸地温暖化説 (緑地減少説)
  → 開墾による森林消失
 
 冗談半分だが、脳内解析もある。
  → 森林 太郎 の脳内解析
posted by 管理人 at 19:51| Comment(0) | エネルギー・環境1 | 更新情報をチェックする
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