2009年12月10日

◆ 鳥と恐竜(気嚢)

 鳥は肺をもつだけなく、気嚢を備えている。一方、初期の恐竜も、原始的な気嚢を備えていたらしい。恐竜は初期のころから、鳥への進化を準備していたことになる。……という学説があるが、これは論理のミスだ。 ──
      ( ※ 本項の実際の掲載日は 2009-12-22 です。)


 鳥は肺をもつだけなく、気嚢を備えている。気嚢とは何かは、次の図から概略がわかる。
 → 気嚢の図 (出典

 つまり、一方通行の流れがあるので、往復の流れがある肺よりも、有利である。この点は、下記でも説明されている。
  → Wikipedia 「気嚢」

 このことから、高空を飛ぶ鳥には、肺でなく気嚢があることが有利となっている。

 ──

 さて。鳥だけでなく、初期の恐竜も、原始的な気嚢を備えていたらしい。そういう推定が、化石を見るとわかる。下記の三つの記事を参照。

 「現存鳥類の呼吸システムを、獣脚類(もしくは恐竜全体)が既に持っていた(という仮説)」
  → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E5%9A%A2

 「原始的な鳥の呼吸器官とみられる痕跡がある新種の恐竜化石」
  → http://mainichi.jp/select/world/news/20091211dde041040010000c.html

 「恐竜:原始的な鳥の呼吸器官」
  → http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091211k0000e040021000c.html

 ──

 以上のことから、一応、次の学説が出る。
 「恐竜は初期のころから、鳥への進化を準備していたことになる」

 しかし、これはまるで「進化における予定説」である。何億年も前の時点で、そのあと1億年ぐらいしてから鳥類に進化するための予定をなしていたことになる。
 しかし、そんな「予定説」は、論理的におかしい。(まるで予言者みたいな迷信だ。)
 では、正しくは? 

 ──

 正解を言おう。話は逆である。次のことが正しい。
 「恐竜には気嚢があったから、恐竜では鳥類への進化が可能となった」


 当初、両生類があった。両生類から、(途中段階を経て)二種類のものが誕生した。一つは爬虫類であり、もう一つは哺乳類型爬虫類。そのあと、次のように進化した。
  ・ 爬虫類 → 恐竜 → 鳥類   (肺と気嚢)
  ・ 哺乳類型爬虫類 → 哺乳類   (肺)


 前者は肺と気嚢をもつが、後者は肺だけをもつ。
 このあと、どちらからも、「翼をもって空を飛ぶ」という種が出現した。

 前者からは、もちろん、鳥類が出現した。それはいちいち説明するまでもない。ここでは、気嚢があったから、このような進化はスムーズに進んだ。

 後者からは、鳥類に似たものが出現した。それは、コウモリである。コウモリは、翼をもち、空を飛ぶ。しかしながら、哺乳類であるがゆえに、気嚢をもたない。気嚢をもたないから、呼吸能率が低い。そのせいで、空を飛ぶ能力も低いし、体も大型化できない。
 結局、コウモリのような哺乳類から、翼をもって空を飛ぶ種は出現したのだが、それは、飛行能力が低くて、体が小形化したものだけだった。そのような生物が生息できる領域は、ごく限られている。(飛ぶのが下手なので、鷲などの肉食鳥類の餌食になりやすい。)……結局、コウモリは、敵に襲われない洞穴で生きることしかできなかった。気嚢がないせいで。

 ──

 こうしてわかっただろう。
 恐竜は、鳥類に進化する予定をもっていたのではない。
 恐竜は、気嚢をもっているがゆえに、空を飛ぶ鳥類に進化することが可能だったのだ。一方、哺乳類は気嚢をもっていないがゆえに、空を飛ぶ鳥類に進化することが不可能だったのだ。せいぜい、洞穴に暮らすコウモリが生じたぐらいだった。
 気嚢は、将来の進化を可能にする条件となっていた。それだけだ。別に、将来的に、鳥類に進化することを、あらかじめ予定していたわけではない。
 ここでは、論理を逆に認識してはならない。(倒錯的に考えてはならない。)

 [ 付記1 ]
 仮に、哺乳類(または哺乳類型爬虫類)に気嚢があったなら、どうなったか? たぶん、爬虫類型の鳥類と、哺乳類型の鳥類とが、空において共存しただろう。

 [ 付記2 ]
 では、哺乳類型の鳥類が生じたら、人間は空を飛ぶことができたか? ……できたかもしれないが、その場合、人間は知能をもたなかっただろう。(脳が大きいと空を飛ぶのに不利だからだ。)
 とすれば、それは、もはや人間とは言えない。「空を飛びたいなあ」と思う人がいたら、頭の足りない鳥に生まれ変わるしかないですね。……羨ましいというよりは、かわいそうだが。  (^^);
posted by 管理人 at 22:30| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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