2009年11月30日

◆ スパコンの仕分け(実況)

 スパコンの事業仕分けの実況音声を文字に書き起こしたテキストがある。それを紹介する。 ──

 スパコンの事業中継は、実況中継がニコニコ動画があり、その音声をテキストに書き起こしたものがネットで紹介されている。
  → スパコンの事業中継(テキスト

 詳しくは、読めばわかるが、あまりにも長すぎるので、肝心の点だけを紹介する。
 ※ 文中の「田嶋」は、田嶋要・民主党議員。スパコン担当の検事・兼・裁判長。
 ※ 文中、氏名のない ? 部分では、蓮舫議員(など)が問い詰めているようだ。(NECの撤退の話で。)
   → slashdot

 ──

 《 以下、引用(抜粋) 》


田嶋)おはようございます。およそ全ての科学技術投資、将来のこの国のメシの種に繋がっていくという現実的な果実が当然期待をされなければいけないと思います。

?)だってもう世の中の大勢はスカラー型で行こうとしている中で、あえて複合型でやって、まあベクトル型は確かに日本のリードしていた分野であったかもしれませんけども、しかし今になって結局複合型が分かれてしまったということについての責任は果たしてこれ、どこにあるのかと。これだけ国費を投入してきて、設計がほとんど終わって今からというときに仕様が変更されるということについて、これは非常に疑問を感じざるを得ないと、いう意味では、やはり計画、やっぱりもういっぺんこの総合科学技術会議に戻すなり、内部の評価委員会ではなくて、戻すなりしてもう一回再検討するのが、私はやっぱりこれ、筋ではないかと思うのですが。

?)えっと、見直し…立ち止まって見直しをした方がいいと思います。当初の目的をどれほど達成しているのかどうか、NECが途中で抜けたことも含めて、無理がなかったのかどうか、等々いっぱいあると思いますよ。
 人材育成というのはみなさんは、利用者だけのことじゃなくて、作る人の人材育成、ある種の継承性もあるわけです、そこも含めて何ら考えていないような気がする。要するに、1社だけ残ったところで、残りの2社は全然コントリビューションしてないわけでしょ。その観点からいうと非常に大きな問題だと私は思う。ですから私が思うのは、一度立ち止まって、一年ほどかけて見直しをやるということが必要じゃないかと思いますね。一番効率的…これは(…)と違って、止めたからといって、技術は残りますから、それを使って、性能は落ちるにしろ、作って、使ってもらう。
 例えばベクトル機は排除ということになりましたけど、たとえばIPCCでコントリビューションあったからって3年後やるために、やっぱり今、プログラムが書けないと大変ですよ。書き直した結果が正しいかどうかという検証も含めなきゃダメだから、そう簡単にはいかないんですよ。だから同じ機械があって、使ってやった方がよっぽど楽ですよ。そうやってトータルとして研究者の時間の価値を考えると、できるだけ少量の、効果的な方法とマシンを入れてやるってのはありますからね。そこを含めてちゃんと見直した方がいいかと思いますが。というのが私の意見です。

?)で、あなたがおっしゃってるのは、だけど、これができなきゃ世界一になれない。科学は必ず世界一になれないってことを言ってるわけですよ、できなければ。そんな馬鹿なことはないでしょう。これができないからってね、全てが、もう日本は二流国になっちゃうっていう説明はありえないですよ。あたりまえのことでしょ、これ。だから、そういう矛盾だらけの説明をしていてこの事業の正当性を主張するっていうのは、僕には理解しがたい。

文科省)(すぐ上への答弁) 私が申し上げたのはこの、スパコンというシミュレーションの世界においての問題でございます。その点で不利な状況になるということでございます。

?)だから研究の場合には、これがないからって日本の研究が全部ダメになるわけじゃないわけでしょう。IPCCのなんとかで日本のコントリビューションがなくなるわけじゃないし、たとえばここに書いてるような、自動車の衝突実験やるときに、このコンピュータ使わなくたって、今までのやつである程度はできるわけだし。もうあらゆることがね、これができなけりゃ全てダメになるって話じゃないわけですよ。だからその、科学としてここまでやるから、これがないとダメなんだという言い方はおかしいでしょうと言ってるわけね。で、今あなたがおっしゃったように、まさにそうなんだから、別にこのプロジェクトを一回立ち止まって見直したって、日本の国益にとってなんのマイナスにもならないでしょうということです。

 ……

研究者?)まず1番重要なのは、技術、技術というか、日本の場合はスーパーコンピューター、非常に酷い状況にあるんですよ。80年代、日米貿易摩擦が起こるまでやったときは、日本の汎用機で儲けた金をつぎ込んでやってくれてたんです。ほんとにありがたいと思いますよ。それが、儲けがなくなって、スーパーの最先端技術、これは戦略的な技術だと私は思いますけれども、その技術者が、要するに、儲からないものには当然投入しませんわね、開発にしろ。そのための技術がもう途絶えかけているんですよ。ハードウェア、ソフトウェア、チップのプロセッサ、製造技術、それを使いこなす技術、OS、ライブラリ、コンパイラも含めて。それをなんとかしたいということで、それは各民間にはできないということがあってそれをやりたいと。まず1点。
 2番目、センターを作る以上、よく起きるのは、モノポリーで唯我独尊になるんですよ。競争効果がないがために非常に(…)が起きる。その点大型計算機センターが1965年にできたんですが、その時は最初、研究者がアメリカに行って、ものすごく計算機関係は潤沢だったわけです。持っているもの何もないから、総力をあげてボトムアップで勢力を、お願いを経て東大にできた。東大にできると当然京都が欲しい。京都ができると残りの5帝大が欲しいってんで、5つ入って、まあ安定状態に入って、お互いに切磋琢磨しながらきたということがあります。で、それは当時予算が、運転経費、24時間分措置されてなくって、8時間分くらいしか措置がないので、残りの部分は利用者からいただいて、それを交通整理的な利用でやって、うまくやっていったわけです。
 それで例えば機構のシステムの人たちなんていうのが研究をやって、彼らとしては地球のシミュレーションだとか、明日の天気予報のためという形で、そのために教育の現場で人が輩出していって、それが結実したのが言ってみりゃ地球シミュレータのIPCCのコントリビューションなんですよ。それに対して、ナノとかバイオの人たちっていうのは、研究者がそれなりにはいますけれど、拠点化されていないんです。日本全体の大きな、ライブラリ…ソフトウェアを作って、外国と競争するというか、今はやってないというふうに私は思います。それでむしろ複数個いるというか。
 もうひとつ、地球シミュレータの失敗というか、うまく行かなかったのは、一発勝負だったんですね。継続性がなかったということがあって、これは、このプロジェクトの中に当初から入っているからこれはいいと思うんですが、それが3つ目で。
 4つ目が、やはり大型センターの成果を見ていただければ分かりますけども、要するに、若い研究者、彼らは何も、知識はないかも分からないけれども、(けい…仕事欲?)は非常に強いんですよ。いろんなことやってくれることによって、いろんなサイエンスの、最前線が、進展するということがあって、大きな計算機センターがここに人を集めるんじゃなくて、若手、将来の(担い手?)になる部分にセンターを置いて、サービスをやるという。その4つだったと思うんです。

 ……

田嶋)はい、それでは、評価者の結論をご報告いたします。次世代スーパーコンピュータ、結論。廃止が1名。見送り、今年度見送りですね、が、あ、ごめんなさい、来年度の予算計上見送りが6名。予算縮減が5名でございますが、その中身も半額以上の縮減と、いうことでございますので、結論的には、限りなく見送りに近い縮減というふうに申し上げたいと思います。以上です。よろしいですか。



 【 私の感想 】

 文科省は、「世界一の重要性」と「ペタ」ということばかりを唱えていて、何もわかっていない。

 研究者(?)は、きちんとわかっているらしいが、それを伝える言葉が全然下手で、何を言っているのかもよくわからないような言葉。説得力がゼロ。

 田嶋議員 or 蓮舫議員は、「一休みしろ、一回見直せ」と騒ぐだけで、相手の言い分を全然聞いていない。ま、それに対してちゃんと答弁をもらえないのはかわいそうだが、そもそもそんな下らない質問を発する方が、ひどい馬鹿レベル。文科省などが、馬鹿レベルの質問に答える気がしなくなるのも、むべなるかな。

 馬鹿同士が勝手にわめいているだけで、全然、論議が成立していない。かくて、権力をもっている馬鹿(田嶋)の最初の提言がそのまま採用される。すなわち、
 「将来のこの国のメシの種に繋がっていくという現実的な果実」

 への要求を満たさないならば廃止だ、という結論。一般に、科学というものは、現実的な果実をもたらさない。数学であれ、物理であれ、そういうものだ。そして、「現実的な果実をもたらさないから廃止」ということであれば、あらゆる科学は廃止されざるを得ない。
 こういう馬鹿が検察官・兼・裁判長になった時点で、どんな科学であれ事業廃止になるのは当然である。
posted by 管理人 at 13:37| Comment(1) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

事業仕分け人・金田康正教授 「カラシニコフは1丁30ドルで買えるとインターネットに書いてあった」

http://obiekt.seesaa.net/article/134015889.html

http://d.hatena.ne.jp/dragoner/20091126/1259246771
Posted by 管理人 at 2009年12月06日 11:29
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