2009年11月29日

◆ 民主党の科学大虐殺 1

 民主党の事業仕分けでは、スパコンだけでなく、科学全般がつぶされるようだ。驚くほど多岐にわたっている。 ──

 スパコンばかりが話題になっているが、実はもっと広範に「仕分け」で廃止・削減される見込みだという。一覧は 産経のサイト にあるが、科学関係だけ抜粋すると、次の通り。
  • 組織的な大学院教育改革推進プログラム
  • 戦略的大学支援プログラム
  • 大学等奨学金
  • 科学技術振興調整費(革新的技術推進費、先端融合領域イノベーション創出拠点の形成)
  • 同(若手研究者養成システム改革)
  • 科学研究費補助金(若手研究S〜B、特別研究員奨励費)
  • 特別研究員事業
  • 女性研究者支援(科学技術振興調整費「女性研究者支援システム改革」)
  • 世界トップレベル研究拠点プログラム
  • 学術国際交流事業
  • 知的クラスター創成事業
  • 都市エリア産学官連携促進事業
  • 産学官連携による地域イノベーションクラスター創成事業
  • 産学官連携戦略展開事業
  • 地域イノベーション創出総合支援事業
  • 理科支援員等配置事業
  • 科学未来館(科学未来広報財団への運営委託を含む)
  • 科学研究費補助金(特別推進研究、特定領域研究、新学術領域研究、基盤研究S)
  • 戦略的創造研究推進事業
  • 戦略的イノベーション創出事業
  • 先端的低炭素化技術開発
  • 戦略的基礎科学研究強化プログラム
  • 革新的タンパク質・細胞解析研究イニシアティブ(ターゲットタンパク研究プログラム)
  • 革新的医薬品・医療機器の創出に向けた研究
  • 新興・再興感染症研究拠点形成戦略型活用プログラム
  • 原子力システム研究開発事業
  • 先端計測分析技術・機器開発事業
  • 次世代スーパーコンピューティング技術の推進
  • 大型放射光施設
  • 植物科学研究事業
  • バイオリソース事業
  • GXロケット
  • 宇宙ステーション補給機
  • 衛星打ち上げ(24年度以降打ち上げ分)
  • 深海地球ドリリング計画推進
  • 地球内部ダイナミクス研究
  • 高速増殖炉サイクル研究開発(もんじゅ及び関連研究開発)
  • 材料試験炉研究開発
  • 高レベル廃棄物処分技術開発(深地層処分)
  • 国際熱核融合実験炉研究開発
 これらがどのような影響をもたらすかについては、読売新聞 2009-11-29 に記事がある。一部を紹介しよう。

 ──

 (1) バイオリソースセンター

 生物資源を一元的に維持する。マウスは糖尿病の系統など 4000種類ほど。微生物は2万種類ほど。生命科学の基礎となる。

 → 3分の1の予算削減。50年以上をかけて蓄積してきた成果が台無しになる。いったん捨てたものは、翌年に復活しても、元に戻らない。

 (2) 世界トップレベル研究拠点

 予算の大半は人件費。優秀な人を雇用するための金。機材のように何億円もかかるわけではなく、一人あたり千万円程度の金にすぎない。これで世界トップクラスの頭脳を集める。

 → 削減。「世界トップクラスの頭脳は要りません」

 (3) GXロケット

 金ばかり食って無駄な研究かと思っていたら、実はもはや研究は最終段階。実証試験では実用化に足る 500秒間の燃焼に成功。研究段階は終わりつつあり、あとは実用化に向けた段階。他国は2〜100秒なので、日本のレベルは世界最高レベル。

 → 廃止・見送り。種をまいて、芽を育てて、いざ実らせるという段階で、すべてを捨ててしまう。
( ※ もったいなすぎる。どうせ捨てるのならば、ロシアや中国に技術を売却した方がマシだ。もはやほとんど完成に近づいた技術なのだから。)

 (4) すばる望遠鏡

 光学望遠鏡としては世界最高レベル。ハッブルにも比肩する高性能。ハッブルを打ち上げるほど金がかかるわけでもない。

 → 縮減。そりゃまあ、空の星を見ても、何かの実利があるわけではないが。金儲けばかりを考えているとは、あまりにも情けない。空の星を見て、真実について思いをめぐらしてもらいたいものだ。



 感想。

 あまりにもひどすぎて、情けない。これが先進国の態度なのか? 三流以下の国家方針だ。中国でさえ、「科学技術の振興」を大優先にしているのに、日本はまるで、「知識人は悪だ」と述べて虐殺した、カンボジアのポル・ポトと同様だ。
 今回の民主党の方針は、「科学の大虐殺」として、歴史に残りそうだ。



 [ 余談 ]
 民主党は、なぜ、これほどひどいことをするのか? 理由は明らかだ。「高速道路無料化」と「ガソリン暫定税率の引き下げ」のための金をまかなうためだ。そういう馬鹿げた金をまかなうために、科学を虐殺する。

 「暫定税率廃止でガソリンは1リットル当たり現在より25円安くなる。環境省案では20円の課税を提示しており、差し引き5円の減税となる。」
 → 暫定税率廃止・環境税導入

 つまり、2.5兆円の減税と 2兆円の増税で、差し引き、5千億円の減税をする見込み。そのための財源を必要としている。さらに、高速道路無料化で、数千億円が必要だ。
 そのために、科学を虐殺するわけだ。



 [ 余談 ]
 ホンダは数百億円をかけて世界最高の F1 を開発したあと、それをブラウンチームに無償で譲り渡してしまった。ブラウンチームは連戦連勝。ホンダは世間の物笑いの種になった。
 ホンダは間抜けだが、悪ではない。なぜなら、ホンダは利益を得なかったが、ブラウンチームは利益を得たからだ。ホンダが損した分、ブラウンチームは得をした。人類全体では、損も得もない。ホンダの開発した技術は決して無駄になっていない。
 一方、民主党が日本の科学技術を廃棄すれば、それは人類全体にとっての損失である。それは、間抜けであるだけでなく、悪である。民主党は人類全体の利益の総量を減らそうとしているのだ。特に、過去の日本人が営々として蓄積してきた宝を、勝手に廃棄しようとしているのだ。これはもはや、テロである。間抜けというよりは、巨悪だ。
 としたら、民主党のようなテロリストを叩きつぶすことは、人類の利益になるかもしれない。 (……と言ったら、私がテロリストとして、指名手配されるかも。  (^^); )



 【 関連サイト 】
 文科省のページに、より詳しい「仕分け」の内容が記してある。
  → 文科省のページ

  ※ 真ん中の前あたりに、科学関係の項目がある。
posted by 管理人 at 13:00| Comment(6) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
立花隆の見解が報道されている。以下、引用。
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/poli_news3.html?now=20091129131252

 ジャーナリスト・立花隆氏:
 「率直に言えば、とにかくぼう然としている。バーバリアンが、寄ってたかって日本という国をぶっ壊しつつあるのを目の前で見ている感じ…。『この国はいったい何だ』『今の内閣はいったい何だ』と本当に怒りに震える思いがしている状況です」
Posted by 管理人 at 2009年11月29日 13:27
次の文書が東大で公開されている。

 「11/25 声明文(ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明と科学技術予算をめぐる緊急討論会) 」
 http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info.html?id=2009

 このページ(および東大理学部全体)のサイトは、非常に重くて、10分ぐらいかかっても正常に表示されない。(コメント投稿時)

 ただし、HTML の内容自体は、すでにダウンロードされている。その証拠に、「ソースを表示」というのをブラウザで選べば、文書内容はきちんとわかる。
 スクリプトか何かがダウンロードされるまで、全体が表示されない設計になっているようだ。これではホームページとしての体をなしていない。

 立派な理念を語るのもいいが、ホームページの基本知識ぐらい、備えておいてほしいものだ。語っても何も見えないという状況にしているありさまは、愚劣の一語。これが日本の最高学府かと思うと、情けなくなる。
Posted by 管理人 at 2009年11月29日 16:20
最高学府=最も程度の高い学問を学ぶ学校。通例、大学をさす。
立派な理念を語るのもいいが、日本語の基本知識ぐらい、備えておいてほしいものだ。日本の最高学府=東大と思っている人がいると思うと、情けなくなる。
Posted by ababa at 2009年11月29日 17:18
「最高学府」の件は、ネットで調べたら、よくある誤用だとわかりました。世間で誤用の方がよく使われているので、用例から間違えて覚えてしまったのですね。

 一つ勉強になりました。あえて間違いを訂正せずに残しておきます。
 ま、この程度の誤用なら、よくあるので、私は別に「情けない」とは思いません。正当化はしないけれど。  (^^);
 
 それに、私が間違えても、「日本の最高の国語力の持主が間違えた」ということにはならないので、情けなく思う必要はないですよ。
Posted by 管理人 at 2009年11月29日 17:52
日本語に限らず言語とは何かをまともに考えたことがないような語源原理主義者からの批判は無視するに限る。

日本語にはもともと「最高」やら「学府」などの言葉は存在しなかったのだが、いつの間にか「日本語の基本知識」にさせられている。

そして上のような大きな変化は受け入れるくせに、意味の変遷という小さな変化は受け入れない語源原理主義者がいると思うと、情けなくなる。

こういう人たちのよりどころはたいてい辞書なのだが、そもそも辞書がどのように編集されるのかを考えるがよかろう。
Posted by 楼主 at 2009年11月30日 10:51
ネットで調べたら、次の見解があった。

最高学府とは大学を指す、確かにその通りだ。
だが我が国の歴史を紐解けば、元来大学とは只一つ「帝国大学」のみしか存在しなかった。
その後、幾度かの改名を経て帝国大学は東京大学となった。
つまり、単に大学と言えば東大のみを指す。
よって最高学府=東大の図式は誤りではないのである。

 ──

 また、Wikipedia で調べたら、現在、「学府」は「学部」ないし「大学」と同義になっているようだ。
 仮に 最高学府=大学 であるなら、 最高学府=全学府 であるから、
 最高=全部 となり、日本語として意味が破綻する。

 ふむふむ。勉強になる。
Posted by 管理人 at 2009年11月30日 12:54
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