2009年11月27日

◆ 池田信夫のスパコン論 3

 スパコンについて、「作る」ことを考えず、「買う」ことだけを考えるのであれば、その方針を徹底するべきだ。つまり、日本のスパコン技術を、中国に売却するべきだ。いや、いっそのこと、無償供与するべきだ。  (^^); ──
      ( ※ 本項の実際の掲載日は 2009-12-02 です。)


 池田信夫は、スパコンを「作る」ことを考えず、「買う」ことだけを考える。( → 前項 )
 これは先端技術について、「作ることはやめて買うだけ」という二流国家の方針だ。スパコンを作れるのは、米国と日本(と中国)だけだが、そういう一流国家であることをやめて、アジアやアフリカの途上国みたいになれ、という方針だ。
 なるほど、そういう「二流国家としての方針」というのも、成立する。ならば、それをきちんと取るべきだ。そして、その場合には、次の方針が好ましいだろう。
 「日本のスパコン技術を、中国に無償供与する」


 これは、「宝をタダでくれてやる」ということだ。暴論のように見えるだろう。確かに暴論だ。ただし、次の大暴論よりはマシだ。
 「日本のスパコン技術を、ドブに捨ててしまう」

 これは最悪だ。なぜか? 
 第1に、せっかくの技術を捨ててしまうとしたら、人類にとって損失だ。
 第2に、日本のスパコン技術を捨てたら、米国の独占状態が成立する。そうなれば、高値で買う敷かなくなる。逆に、中国に無償供与すれば、米国と中国という二つの先端国家が競争状態になるので、その競争状態から、コストパフォーマンスの良いものを購入できる。つまり、安く買える。……経済学的には、この方が好ましい。(市場原理からして。)

 というわけで、池田信夫が「市場原理」を(馬鹿のひとつ覚えみたいに)唱えるのであれば、「日本のスパコン技術を、中国にタダでくれてやるべきだ」と主張するべきだ。もしくは「どんなに安値でもいいから売却せよ」と主張するべきだ。
 ひるがえって、「日本のスパコン技術を、ドブに捨ててしまえ」と主張するのは、あまりにも狂気的だ。経済学的(独占禁止)にも、経営学的(売却代金)にも、「ドブに捨ててしまえ」という論理は成立しない。



 [ 付記 ]
 そもそも、「作る」ことを考えず、「買う」ことだけを考える、という方針を取るのであれば、日本は途上国として無償援助によって生きるしかない。自分では何も作らず、何も生産せず、ただ他人からもらったお金で生きる、という方針を取るしかない。
 その場合、科学研究予算はばっさり削るべきだし、iPS 細胞のような宝の技術もあっさり捨てるべきだろう。さらには、教育予算も大幅に削り、大学教育の予算をばっさり廃止するべきだろう。(……と思ったら、民主党の事業仕分けでは、それを実際にやりつつある。  (^^); )

 池田信夫と民主党(事業仕分け)の立場は、とてもよく似ている。「作る」ことを考えず、「買う」ことだけを考える、という立場だ。
 そこでは、「作る」ためのコストを注入することはまったく考えない。「作る」ためには、十年以上も先を見据えて、研究費を投入することが必要なのだが、目先の成果ばかりを追って、コストをかけるのを嫌がる。彼らの考えるのは、「買う」ことだけだ。「スパコンなんか安く買えばいいじゃないか。自分で作る必要はない」
 そういう方針を取ったら、日本では何も生産できなくなる。自動車もIT機器も、何も生産できなくなる。
 こう言うと、池田信夫ならば、「自動車もIT機器も、競争力があるぞ」と反論するだろうが、その反論は成立しない。なぜなら、自動車もIT機器も、多大な研究費を投入しているからだ。多大な研究費を投入しているからこそ、作ることができる。単に「買う」ことばかりを考えていて、多大な研究費を投入しなければ、これらの産業はあっという間に衰退してしまう。

 要するに、池田信夫であれ、事業仕分け人であれ、自ら「作る」という作業をしていないで、「買う」ことばかりをしている。だから、「作る」ことの大切さを理解できないのだ。
 池田信夫は、自分では何も学問的成果を「作る」ことがなく、他人の学説を紹介する(買ってから売る)だけだ。事業仕分け人は、自分では何も物を「作る」ことがなく、国民の血税を食い物にしながら、勝手に血税を好き勝手にいじくろうとしている。
 こういう連中は、自ら汗水垂らして、物を作り出そうとしない。だから、「作る」ことは必要ないよ、「買う」だけでいいよ、と思うわけだ。
 ま、そう思うのは、それはそれで勝手だが、だったら、その方針を徹底するべきだろう。つまり、「作るのは一切やめよ」と主張して、「日本の先端技術はすべて中国に無償供与せよ」と主張するべきだ。そして、日本は、生産活動をする中国からの無償援助によって、乞食として生きることになる。生産活動をすることをやめた人間は、乞食として生きるしかない。
( ※ つまり、誰かさんみたいになるしかない、ということだ。)
( ※ ただし、もう一つ、「泥棒として生きる」という道もある。民主党の議員は、これですね。金持ち党首の場合は、母親から金を恵んでもらっているが。ま、似たようなものか。乞食同然。)
posted by 管理人 at 23:40| Comment(2) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スパコンを含め科学技術予算の問題は独立行政法人の理事以下の天下りの役人どもが大部分の予算を搾取し、研究の現場にはわずかな金しか渡らないのが問題ではないだろうか。
税金に寄生している全ての独立法人を廃止し政府が直接現場に予算を配布すべきでは。
Posted by passerby at 2009年12月02日 21:59
> 大部分の予算を搾取し

というのはさすがに言いすぎだけど、話の趣旨はそんなに間違っていない。
それと似た趣旨の話は、別サイトの「泉の波立ち」で論じています。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/
Posted by 管理人 at 2009年12月02日 22:16
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