2009年11月27日

◆ 第3のスパコン

 富士通のスパコン( SPARC64 )と NEC のスパコン( Xeon )のほかに、第3のスパコン( Cell )を提案したい。

( ※ 本項は、コンピュータの専門家向けの話です。)
 ──

 先に スパコン開発の是非【 追記 】 では、次のように記した。
 「アメリカ空軍は、軍用のスーパーコンピュータの研究開発のためにプレイステーション3 を 2200台発注するという。」
 このようなタイプのスパコン(もしくはグリッドコンピューティングの拡張)を、日本でも開発することを、提案したい。

 ──

 日本にすでにある計画は、次の二つだ。
  ・ 富士通のスパコン …… SPARC64 VIIIfx
  ・ NEC のスパコン   …… Xeon

 そのほかに、米国には IBM のスパコンもある。
  ・ IBM           …… Cell,Power6


 これらに対して、私が提案したいのは、次のもの。
  ・ ソニー、東芝、日立 …… Cell


 理由はいくつかある。
  ・ Cell のスパコンは、ソニー、東芝、日立が連合すれば開発可能。
  ・ Cell はスパコン向き。 NEC の Xeon よりもずっといい。


 富士通の方式は、コスト面で難がある。一方、NEC の方式は、Xeon がもともと汎用 CPU であって、スパコン用の Cell に比べると大きく劣る、という難点がある。
 その点、 Cell のスパコンは、素性がいい。将来的にも、Cell がバージョンアップするにつれて、どんどん高速化や進展が可能だ。
 要するに、コスト面と性能面とを、ともにあわせもつ。富士通タイプと、NEC タイプの、良いとこ取りだ。
 現状では、それが可能なのは、IBM だけだが、日本だって、ソニー、東芝、日立が連合すれば開発可能だろう。何とか、頑張ってもらいたいものだ。

( ※ 以上、あくまで、私見としての提案だ。現実には実現は難しいかもしれない。問題点があるかもしれない。とりあえずは、アイデアを提出するのみ。)
( ※ Cell を複数使った単一マシンにするか、複数のプレステ3を組み合わせたグリッドコンピューティングにするか、という問題は、ここでは示さない。どっちがいいかは、私にはわからない。専門家が自分で決めてほしい。たぶん、どっちも可能だろう。)



 [ 付記 ]
 なお、ここに国費を投入する、という案もありそうだ。……ただし、ソニー、東芝、日立が連合することが、先決だが。
 実を言うと、国費投入の是非というのは、本当は、話題にはならないはずのことだった。というのは、景気が回復していれば、いちいち国費を投入しなくても、日本企業が自力で資金を投入できるはずだったからだ。
 現実には、不況が 20年も続いて、企業は資金が枯渇しつつある。規模も成長できない。まったく、ひどい病人状態である。このまま病人状態が続けば、病人は死んでしまうかもしれない。そこで、とりあえずカンフル剤を打って、死を免れさせる、というのが、国費投入策である。
 ただし、こういう方針は、本当は好ましくはない。好ましいのは、日本経済の景気を回復させて、企業を健康体に戻すことだ。
 なのに、政府が「景気回復」という肝心のことをやらないから、別途、カンフル剤を打つハメになったりする。
 一番大事なのは景気回復なのだ、ということを、政府が理解してくれればいいのだが。(事業仕分けなんかじゃないですよ。)
   
 なお、肝心のアメリカは、国費を投入している。それが上記の、空軍の例だ。日本でも自衛隊の予算で、同じことをやってもらいたいですね。 (…… 皮肉。  (^^); )
posted by 管理人 at 00:27| Comment(8) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
結局 『世界最高速』という目標みたいなものが
出来ちゃってますから自由に作らせれば
同じようにOpteron積んじゃうような構成に
なっちゃうかと思います。

スカラーはある意味 どこでも出来るので
ベクトル型にこだわって欲しかったです。

メーカー相乗りはうまくいったためしが
ないので一社にやらせる方がいいでしょう。

(実績から見るとNECになってしまうでしょうが)

逆にベクトル型は日本から買うしかない状況に
してしまった方がいいですね。
Posted by さ) at 2009年11月27日 16:20
本項で述べているのは、Opteron のような汎用プロセッサに比べ、もともと並列処理のために作られた Cell の方がずっと高性能だ、という趣旨です。
そのことはもともと常識だと思って記さなかったのですが、下記に典拠があります。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070326_folding/

CRAY のスパコンについては、下記に記述がある。
http://wiredvision.jp/news/200911/2009111823.html

米国は、Opteron だけじゃなくて、あれもこれもやっている。「どちらがいいか」という議論をしているのは、貧しい日本だけでしょう。

Opteron よりは、次項の GPU の方がずっと見込みがある。

ベクトル型は、本体でやるより、付属装置でやる方が、トータルでパフォーマンスが上がるようです。本体でやると、それこそ「スパコン専用」になってしまうので、コストがかかりすぎ。日立やNEC が撤退したのは当然です。一番よく知っている当事者が自発的に撤退したのはなぜか、というところから調べて理解して下さい。
Posted by 管理人 at 2009年11月27日 18:46
Cellマシーンを使うのに賛成であるが、これも大なり小なりIBMに依存することになるのであまり面白くない。スーパコンピュータとしては、ベクトル計算が必要なのでGPUを発展させた形のほうがいいと思う。スカラーコンピュータは、パブリックなスーパクラウドコンピュータとして活かせばいいと思う。
Posted by 遠く at 2009年11月27日 18:54
重箱の隅をつつかせていただきます。
・富士通のを独自のプロセッサと呼ぶのはちょっと抵抗がありますねー。
・IBMのはPOWERで、PowerPCじゃないでしょ。
Posted by poimandres at 2009年11月27日 22:04
>富士通のを独自のプロセッサと呼ぶのはちょっと抵抗がありますねー。

 私もあとでそう思ったんですけれど、今さら全部書き直すのは面倒なので、あとで解説を追記して、注釈しています。
 ま、論文じゃないし、急いで大量に書いているんだから、お目こぼし下さい。せいぜい「汎用プロセッサじゃない」というぐらいの意味で理解して下さい。

>IBMのはPOWERで、PowerPCじゃないでしょ。

 あちゃ。気づいていて、間違えないようにしていたつもりだったが、間違えたままだったか。
 実は、修正した箇所は、とてもたくさんあるので、細かいところでは見落としが出てしまいます。これも、急いで大量に書いているんだから、こうなっちゃうんですねえ。
 念のため、検索してみたら、「 Cell 」を「 PowerPC 」と書いてしまったところもあった。ひどいミス。  (^^); 
 ともあれ、ご指摘ありがとうございました。
Posted by 管理人 at 2009年11月27日 22:14
正確に言うとNECは完全にベクトルから足を洗ったわけ
じゃなくてXeonにベクトル命令を入れることを考えてる
ようでIntelとの提携をしたようです。

Cellの元ネタのPOWER系もNECの地球シミュレータの成功で
IBMが慌ててPower4でベクトル命令を追加したという
経緯があります。

Intelはプロセス技術はいいのですがスパコン系の
アーキテクチャに弱い。それに単なるチップ屋ですから
NECとは提携しても補完関係で食い合う心配がありません。
Posted by さ) at 2009年11月27日 22:15
ベクトルについては、次の記述をご覧ください。

 ──

実際、 NEC の古典的ベクトルプロセッサの方向は地球シミュレータの時点で破綻していたもので、それにこだわったのが次世代プロジェクトの迷走の大きな要因であったことは NEC が撤退した今となっては誰の目にも明らかなことでしょう。

http://www.artcompsci.org/~makino/articles/future_sc/note074.html
Posted by 管理人 at 2009年11月27日 22:29
>Cellの元ネタのPOWER系もNECの地球シミュレータの成功で
IBMが慌ててPower4でベクトル命令を追加したという
経緯があります。

地球シミュレータがTOP500でトップに躍り出たのが2002年、IBMがPOWER 4をリリースしたのは2001年なんですが。POWER系列にVPUであるVMX-128が入るのは2007年のPOWER 6から。

もしかしてPOWER4派生のPowerPC 970(2002年)のコトを指されてるのかもしれませんが、PowerPC 970にMotorolaのAltiVecを入れてきたのは、Apple向けとしてPowerPC 74xxの後継チップの位置づけであったCPUである以上当然の話でしょう。地球シミュレータには関係なく。
Posted by TeCH at 2009年11月27日 23:30
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