2009年10月13日

◆ 小進化と大進化(原理)

 小進化と大進化は、どう違うのか? 次のように示せる。
  ・ 小進化 = 逐次の突然変異 (突然変異が逐次的に起こる)
  ・ 大進化 = 一斉の突然変異 (突然変異がいっせいに起こる)
 ──

 結論は、上記の通りだ。
 小進化とは、逐次の突然変異のことである。つまり、突然変異がひとつひとつ順々に起こることだ。(たとえば、 A → B → C → …… というふうに。)
 大進化とは、一斉の突然変異のことである。つまり、突然変異がたくさんいっせいに起こることだ。(たとえば、 A ,B ,C …… などが一挙に起こる。)

 図で示せば、次の通り。


 《 小進化 》
       □□□□  
       □□□■  
       □□■■   ↓ 時間  
       □■■■   
       ■■■■
        
 《 大進化 》
       □□□□  
                ↓時間  
       ■■■■
 



 小進化は、突然変異を一つずつ積み重ねていく。一つの突然変異には一つのステップが必要だ。千の突然変異には、千のステップが必要だ。
 大進化は、突然変異をいっぺんにまとめて実現する。千の突然変異があるからといって、千のステップが必要にはならない。さすがに一つのステップだけで足りることはないが、通常、ごく少ないステップで済ませる。

 ──

 現実には、どのくらいの手間がかかるか? 

 小進化では、千の突然変異には、千のステップが必要だ。有益な突然変異が起こる確率は非常に小さいので、一つの突然変異が起こるためだけにも、非常に長期間がかかる。一つの種が別の種になるための突然変異が偶然的に次々と起こる確率は、ほぼゼロである。百億年かかっても、一つの種が別の種になることはありえない。(たとえば、猿が人間の形質を一つ備えたとしたら、その性質は猿にとっては不利なので、その性質は猿のなかで滅びてしまう。その性質が猿のなかで生き残る確率は非常に小さい。……そういうことが数学的に確率計算される。)……つまり、小進化が蓄積して、一つの種が別の種になる確率は、ゼロ同然である。

 大進化では、まったく事情が異なる。大進化のきっかけが起こる確率は数万年にいっぺんぐらいかもしれないが、いったん大進化のきっかけが起こると、そのあとでは形質の変化のための突然変異は急速に進む。そのことは、犬の品種改良を見るといい。犬の品種改良のためには、20世代ぐらいで足りる。それだけの期間があれば、まったく別の種と見えるぐらい、大きな形質の変化を蓄積できる。つまり、いったん大進化のきっかけが起これば、そのあと、形質の変化のための突然変異は、極めて急速に進むのだ。では、そのような大進化は、どのような原理で進むのか? (自然淘汰以外に、どんな原理があるのか?)

 ──

 実は、ここまで考えると、小進化と大進化において、進化の原理がまったく異なることがわかる。

 小進化とは、「集団における突然変異の蓄積」である。たとえば、アジアにおける百万人ぐらいの人間たちが、集団ごといっせいに少しずつ変化していく。あるいは、ダーウィン・フィンチが、島ごとに数百羽の単位で、集団ごといっせいに少しずつ変化していく。……ここでは、集団全体の変化がある。それは、自然淘汰によって起こる。最初は一つだけだったものが、集団全体にひろがることで、集団全体の性質が変わっていくわけだ。変化するのはあくまで集団であり、進化するのもあくまで集団だ。そして、それゆえ、小進化が蓄積するには、非常に長い年月がかかる。(理論上は、兆年以上の時間がかかる。つまり、宇宙の歴史の時間よりも、はるかに長い時間。)

 大進化とは、「個体における突然変異の蓄積」である。別に、集団全体が少しずつ変化する必要はない。ダーウィン・フィンチであれば、それぞれの島のダーウィン・フィンチがいっせいに変化する必要はない。たった1羽だけ、大進化すればいいのだ。そのためには、突然変異が連続的に起こる必要はない。いくつかの突然変異の遺伝子が、一つの個体に凝集すればいい。図で言えば、次の図のように。
  

              □□□■  
                ↓
       ■□□□ → ■■■■ ← □□■□   
                ↑
              □■□□ 
 



 説明しよう。
 最初の種が □□□□ だったとする。
 次に、突然変異が四つ生じる。次のものだ。
     □□□■ , □□■□ , □■□□ , ■□□□

 これらの突然変異をもつゲノムは、(何番目の位置かという)遺伝子座ごとに、異なる突然変異をもつ。そして、あるとき急に、これらの突然遺伝子が一つの個体に集まって、次のゲノムをもつ個体が誕生する。次のように。
     ■■■■

 こうして、四種類の突然変異をもつ新たな個体が、急激に誕生する。

 では、そのためには、何が必要か? 四つの遺伝子が一つに集まるような、そういう特別な突然変異が必要か? いや、そんな特別な突然変異を待っていては、宇宙の歴史が終わってしまう。
 現実に必要なのは、「交配」だけだ。交配があれば、複数の個体にある突然変異が、一つの個体に集積することができる。

( ※ 一回だけの交配ではなく、何回もの交配が必要だが。ともあれ、交配によって、二つの親から遺伝子を引き継ぐ子が誕生可能だ。一組の両親から、四人の子供ができれば、そのうちの一人は、両親の遺伝子を都合よく引き継ぐ。)

 ──

 以上から結論しよう。

 「小進化が蓄積する」という形では、新しい種の形成はできない。その確率はあまりにも低いので、種の形成のためには兆年以上の時間がかかる。種の全体が少しずつ変化して別の種になるということは、ありえないのだ。(実際、大昔のシーラカンスは、いまだに同一種を保っている。)
 このように、種というものは変化しにくい。一つの種の全体がだんだん変化して、別の種になることなど、ありえない。ここには、時間的な問題がある。

 「大進化が起こる」という形では、新しい種の形成は容易である。なぜなら、そのためには、単に交配があればいいからだ。交配を数十世代繰り返すだけで、きわめて短期間に新しい遺伝子セットをもつ個体を誕生させることができる。つまり、新しい種の形成はともかく、新しい遺伝子セットの個体を一つだけ誕生させることができる。……こうして、時間的な問題は解決する。
( ※ いったん新しい遺伝子セットの個体が誕生したあとでは、通常の自然淘汰説と同じになる。新しい遺伝子セットの個体が種の全体に拡散していくことになる。)

 ──

 では、大進化が起こるための条件は? 以上のようにいくつもの遺伝子が一つの個体に集積するための条件は? (そこには何らかの条件があるはずだ。いつでも好都合に大進化が起こるとは思えない。何らかの都合の良い条件があるはずだ。)
 その条件は、「多様な突然変異の共存」である。図で言えば、
     □□□■ , □□■□ , □■□□ , ■□□□

 というふうに、多様な突然変異が共存することだ。このことは、換言すれば、
  「自然淘汰の力が弱いこと
 である。

 仮に、自然淘汰の力が強ければ、そこに存在できるのは、既存の種の優者となるものだけだ。つまり、
     □□□□

 だけだ。これ以外のものは、すべてあっさり滅びてしまう。
 しかし、自然淘汰が弱ければ、本来は滅びてしまうはずの
     □□□■ , □□■□ , □■□□ , ■□□□

 がいずれも共存できる。すると、その後に、これらすべてが交配によって一つの個体に集積することが可能となる。

 ──
 
 原理は、上の通りだ。
 現実には、こういうことが起こるのは、きわめて稀である。とはいっても、数万年にいっぺんぐらいは、こういうことが起こるはずだ。そして、いったんそういうことが起これば、そのあとは急激に形質の変化した新種が誕生する。そのことは、犬の品種改良の例を見てもわかる。

 ──

 以上をまとめると、ポイントは次の諸点だ。
  • 小進化では集団全体がなだらかに変化するが、大進化では特定の個体(または小さな個体集団)が急激に一挙に変化する。
  • 小進化では自然淘汰が強いことが必要だが、大進化では自然淘汰が弱いことが必要だ。
  • 小進化では集団が優者に統一されることが重要だが、大進化ではさまざまな劣者の多様性があることが重要だ。
  • 小進化は絶えず少しずつ起こるものだが、大進化は数万年か数十万年にいっぺんしか起こらない。(そのためには特別な変異が必要だ。)
 ──

 小進化と大進化を対比して、まとめてみよう。

 小進化は、突然変異が「種」に集まることによって起こる。
 大進化は、突然変異が「個体」に集まることによって起こる。

 小進化は、突然変異が「時間」的に蓄積することによって起こる。
 大進化は、突然変異が「空間」的に集積することによって起こる。

 小進化は、突然変異が
      個体 → 種の全体
 というふうに拡大することで起こる。(その原理が自然淘汰。)
 大進化は、突然変異が
      個体 ← 種の一部(小集団)
 というふうに一挙に重なることで起こる。(その原理が交配。)
 
 小進化による進化の原理は、突然変異と自然淘汰だ。
 大進化における進化の原理は、突然変異と交配だ。(ただし、ただの交配とは違う。私の用語では「クラス交差」という特別な交配。)

 ──

 なお、核心は、次のことだ。
 「小進化の蓄積があるときは、時間のなかで一つずつ突然変異が起こるので、気が遠くなるほどの時間がかかる。しかし大進化ならば、時間のなかで突然変異が起こるかわりに、空間のなかで多くの突然変異の遺伝子を一箇所に集めるだけだ。多くの時間を要するかわりに、多くの個体を要するだけだ。このことで、多くの時間をかけずに済む」

 さまざまな突然変異を起こすには、長大な時間は必要ない。空間のなかで多様な個体があればいいのだ。
 
( ※ 別途、重要な点もある。それは順列組み合わせの問題だ。「小進化の蓄積」では、多様な遺伝子の蓄積が、うまく蓄積されるとは限らない。蓄積されそうになっても、捨てられてしまうことがある。たとえば、猿のなかに人間の遺伝子が一つ生じても、それは猿にとって不利だから、その遺伝子は捨てられてしまう。そういうことが起こらないためには、よほどうまく順番が立てられなくてはならない。その順序がぴったりと起こる確率は、ゼロ同然だ。一方、「交配による大進化」ならば、その問題はない。さまざまな順列組み合わせは、さまざまな個体レベルで試行錯誤される。何百通りどころか、何万通りも、何百万通りも、可能である。個体数がたくさんあれば済むだけのことだ。しかも、試行錯誤の数は、生まれた個体の数ではなく、生まれなかった個体の数も含まれる。生まれた個体は試行錯誤で成功した物の数だ。その背後に、試行錯誤で失敗した無数の例がひそんでいる。逆に言えば、実際に産まれた個体数よりもずっと多くの試行錯誤が可能である。こうして、莫大な数の順列組み合わせを試すことができる。それが「交配による大進化」の特性だ。)
  

  ────────────

 以上の話を、モデルふうに適用しよう。具体的に。
 「人類は進化するか?」

 これが問題だ。今の人類は、誕生してから、すでに 20万年ぐらいたった。では、今の人類がさらに進化することはあるだろうか?
 この問題については、次のように答えることができる。

 (1) ダーウィン説

 ダーウィン説によるならば、時間の経過とともに、進化が起こるはずだ。とすれば、あと何十万年かすれば、今の人類はまったく新たな人類に進化するだろう。
 しかし、である。それが正しいとすれば、現生人類にはとっくに進化が起こっているはずだ。現生人類が誕生してからすでに 20万年が蓄積している。それは小進化の蓄積としては十分な時間だ。だから、現生人類はとっくに進化しているはずなのだ。しかるに、そうなっていない!
 人類の歴史は、ダーウィン説を明らかに否定している。

 (2) 本項の説

 本項の説によるならば、これまで現生人類に進化が起こらなかったのは、不思議でも何でもない。もともと数十万年にいっぺんぐらいの割合でしか起こらないはずなのだから、20万年では、大進化が起こっても起こらなくてもう不思議ではない。その意味で、これまで大進化が起こらなかったのは、少しも不思議でない。矛盾はない。
 では、将来は? 大進化は起こるだろうか? 起こる可能性はある。ただし、注意。起こるとしたら、それは、
 「現生人類が少しずつ発達する」
 という形では起こらない。むしろ、
 「現生人類とは別に、新たな種が誕生する」
 という形で起こる。それはいわば、20万年前に起こった
 「現生人類の祖先種から、現生人類が誕生した」
 という事実の再来である。このように、既存の種とは別に、新たな種が出現するのだ。そして、そのような進化が起こった場合、現生人類は新人類から、「われわれの祖先種」と呼ばれることになる。

 では、現実に、そういうことが起こるか? 起こる可能性はある。ただし、そのための条件を、思い出してほしい。それは、こうだ。
 「多様な劣者が共存する環境」
 これがあれば、新しい種の誕生はありえそうだ。
 一方、逆のことも考えられる。
 「特定の優者だけが生き残る環境」
 これがあれば、新しい種の誕生は決してありえない。

 わかりやすく言おう。次の二種類の環境があるとする。
  ・ 知性も体力も健康も良い、優れた個体ばかりが生き残る
  ・ さまざまな欠点と長所をあわせもつ、多様な個体が共存する

 前者ならば、人類は将来、知性も体力も健康も良い、優れた個体ばかりになるだろう。ただし、優れているといっても、その程度は限られている。一つの種が小進化する範囲は限られている。しかも、その場合、種はほぼ画一化されて、遺伝子の多様性は失われる。すると、あるとき突然、未知の病気の出現とともに、種の全体が絶滅するだろう。(遺伝子の多様性がないので。)
 後者ならば、人類にはあまりにも多様な個体があふれるだろう。ものすごく容貌が悪いのに音楽的才能だけは抜群だとか、体はすごく不健康なのに数学の能力だけは抜群だとか。……こういうふうに多様な個体が共存して、多様な遺伝子が豊かにあふれれば、そこにある多様な遺伝子を組み合わせて、特別な個体が出現するかもしれない。たとえば、ものすごく容貌が悪くて、体力もないが、脳の容量は現生人類の2倍近くある、というふうな。
 いわば、昔の「火星人」の想像図みたいな感じだ。( → 想像図

 ま、これは冗談半分だ。しかし、原理としては、おおよそはわかるだろう。
 とにかく、「容貌が良くて、健康的で」というような「現生人類として優れた条件」だけを求めていては、「脳の容量の急激な拡大」という新しい種の条件を満たすことはできない。
 新しい種の条件を満たすには、「現生人類としては奇形である条件」を満たすことが必要となる。(頭蓋骨がやたらとデカすぎる、というような気持ち悪い条件。)……そして、そのような劣者がうまく生き延びることができる環境が長く続けば、ひょっとしたら、劣者たちが組み合わさることで、新しい種が誕生するかもしれない。
 ただし、それは、現生人類がうまく進化したということではない。現生人類とは別ところで進化が起こったということだ。
 その意味で、「人類はいつか進化するか?」という質問は、質問自体がもともと誤りであったことになる。どのような種であれ、一つの種が進化するということはないのだ。進化とは「種の変化」ではないからだ。(種の追加である。)

  ────────────

 [ 注記 ]
 「大進化」は、「種分化(分岐)」とは違う。混同しないようにしよう。( Wikipedia の記述は両者を混同している。)
 ダーウィン説に従うならば、「大進化」と「種分化」は等価だと見なされるだろう。しかしそれはダーウィン説の立場からの解釈にすぎない。その解釈が正しいという保証はまったくない。
 大進化と種分化とは本来、異なる概念である。
  ・ 大進化 …… 一つの種のなかで、新たな種が誕生すること。
  ・ 種分化 …… 一つの種が二つの種に分かれること。

 両者は似て非なるものだ。
 
 一般に、大進化があれば、そこでは種分化が起こる。しかし、種分化が起こったからといって、大進化が起こっているとは限らない。
 両者の包含関係を示せば、次のようになる。
        種分化 ⊃ 大進化

 つまり、「種分化」という概念の方が広い。なぜか? 種分化は、「大進化」によって起こるだけでなく、ダーウィン説の「小進化の蓄積」によって種分化が起こっている可能性があるからだ。つまり、次のように書ける。
        種分化 = 大進化 ∪ 小進化の蓄積による種分化

 では、小進化の蓄積による分化とは? それは「生殖的隔離」や「地理的隔離」による種分化だ。
 たとえば、チワワのような小型犬と、セントバーナードのような大型犬とが、たがいに地理的に隔離されて、何十万年も立てば、別種として扱われるようになるかもしれない。(可能性はなくもない。)
 この場合には、チワワやセントバーナードは、大進化を起こしている必要はない。単に小進化の蓄積が大量にあればいい。その場合、将来のチワワやセントバーナードは、非常に近縁の種となる。
 ともあれ、「種分化」という概念はダーウィン説の延長上にあるが、「大進化」という概念はダーウィン説にはない概念だ。そこで、「大進化」を「種分化」の意味でとらえる人もいるが、それはまったくの勘違いだ。( Wikipedia がそうだ。「大進化はありえない」ということを示すために、「小進化の蓄積による種分化がある」と指摘しているが、それでは論理になっていない。両者は全然別々のことだ。)



 【 補説 】 ( 重要!)

 本項のことから、重要な結論を得ることができる。こうだ。
 「大進化を起こすのは、交配をする生物だけだから、をもつ有性生物に限られる。一方、無性生物では、大進化は起こらず、小進化の蓄積があるだけだ」

 このことは、歴史的に実証されている。次のことだ。
 「約6億年前にカンブリア爆発があった。以後は極めて急速な進化が起こった。ほどなく原始的な魚類が誕生したし、さらに、発達した魚類を経て、両生類が誕生し、爬虫類が誕生し、哺乳類が誕生した。一方、6億年前にカンブリア爆発が起こる以前は、進化はきわめて緩慢だった」
 
 この歴史的事実は、既存の進化論ではまったく説明できない。それゆえ、「カンブリア爆発の謎」というふうに、謎扱いされている。
 しかし、本項の話を読めば、謎などはないとわかる。むしろ必然だ。なぜなら、ある時期に「性」が誕生すれば、交配を経て、大進化が可能となるからだ。性こそが、進化の爆発をもたらしたのだ。
 
 逆に言えば、小進化だけでは、進化はいかに緩慢に進むかがわかる。30 〜 40億年ほどの時間をかけても、やっと単細胞生物を産み出すのがせいぜいだったのだ。小進化の蓄積による進化は、これほどにも小さな力しかもたないのだ。(7億年前に宇宙人が望遠鏡で見たら、「地球には生命は存在しないな」と思ったかもしれない。)
 だが、6億年前にいったん「性」が誕生すると、急激な進化が起こった。短い期間の間に、地球には緑があふれ、知能をもつ動物が出現した。かくも生命の豊かな星になった。……「性」こそが地上にすばらしい生命をもたらしたのだ。
 
 生命の神秘はここにあり、進化の神秘もここにある。つまり、「性」に。

  → 有性生物と無性生物



 ※ 補足となる話。特に読まなくてもよい。

 [ 補足 ]
 「小進化によって人類が利口になる」
 というのは、原理的にもありえない。脳の容量は、現生人類では厳密に規定されており、体の大小にかかわりなく、ほぼ一定である。これは脳が厳密な寸法設計を必要とするからだ。
 また、そもそも産道や骨盤の大きさから、脳の拡大は現状でも精一杯である。
 これらのことから推定すると、現生人類のままでは、脳の拡大は不可能だ。脳が少しずつ拡大するというのは、5%ぐらいまでなら微調整で可能かもしれないが、それを大幅に上回るのは不可能だ。
 つまり、「進化」と言えるほどの脳容量の拡大が起こるには、現生人類とは異なった枠組みが必要となる。小進化の蓄積ではとても無理だ。
 仮に、脳の器官の一部だけが肥大すれば、寸法がズレて、脳が奇形になり、胎児の段階で死んでしまうだけだ。(脳は大脳だけでなくさまざまな小器官が組み合わさっていることに注意。)

 


 【 関連サイト 】
 より詳しい話を知りたい人のために。
 本項の話は、いわばダイジェストふうである。もっと詳しい話は、クラス進化論のサイトを参照。
  → クラス進化論(表紙)

 特に、次の二つの概念を見るといい。

 (1) クラス交差

 「複数の突然変異が交配によって一つの個体に集積する」 
 このことが大進化の原理である。この原理は、「クラス進化論」で示した原理だ。「クラス交差」という概念で示している。

 (2) ネオテニー

 「大進化の最初のきっかけとなる特殊な突然変異がある」
 これが何であるかが問題だ。実は、これは「ネオテニー」という言葉で説明される。クラス進化論の第2部を参照。
posted by 管理人 at 22:57| Comment(1) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クラス進化論には感銘を受けました。私の専門分野は生物学関係ですので、人類の進化については、以前から不思議に思っていました。類人猿に比べて、人類には退化したところが多くあります。例えば体毛を失った事、顎や歯が弱くなった事、筋力が低下した事、これらの退化には必然性はありません。むしろ、顎や歯は強いほうが有利ですし、筋力もあったほうが良く、体毛もあったほうが良いはずです。
特に不思議なのは、喉頭が下がった事です。喉頭が下がるという事は、食物が気管に入る危険を冒すことになります。最悪の場合は窒息または誤嚥性肺炎による死亡という結果になる事もあり得ます。それを避ける為に、人類は咽頭反射の遺伝子と喉頭が下がる遺伝子の両方を持たなくてはならず、少なくとも二つ以上の突然変異が同時に起こる必要があります。これは不可能に近いなと思っていましたが、クラス進化論なら説明できます。
発音が上手なのは、鳥類または海生哺乳類ぐらいで、彼らは我々とは違う発声方法を用います。人類以外の通常の哺乳類には発音の上手なものはなく、それは喉頭が下がる事が危険すぎるからと思います。それ程までに危険なら、音声言語をモールス信号のような形にして、発音は単純化したほうが良かった気もします。
少し話がずれましたが、喉頭の問題を説明できるのはクラス進化論しかないと思われます。後は、人類の退化した姿を見ると、どこかでネオテニーがあったように見えます。そう言えるのもクラス進化論のおかげです。
提案ですが、最近 google が始めた knol というサービスで英文で発表されたらどうでしょう。何らかの反響はあると思います。
Posted by 胡谷和彦 at 2009年11月02日 23:49
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