2009年10月13日

◆ 小進化と大進化(形質の数)

 小進化と大進化では、進化にかかわる形質の数が異なる。
  ・ 小進化 …… 一つの形質が変化する
  ・ 大進化 …… 多くの形質が変化する ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2010-11-08 です。)

  
 小進化と大進化の違いは、通常、次のことだと見なされる。
  ・ 小進化 …… 変化の規模が小規模。連続的進化。
  ・ 大進化 …… 変化の規模が大規模。断続的進化。


 一方、次の差もある。本項ではこのことを強調したい。
  ・ 小進化 …… 一つの形質が変化する
  ・ 大進化 …… 多くの形質が変化する


 ここで、「多くの形質が変化する」ということは、「新種が誕生する」ということだ。
 つまり、次の差が出る。
  ・ 小進化 …… 同じ種において、一つの形質がだんだん変化する
  ・ 大進化 …… 旧種から新種が誕生して、多くの形質が変化する


 つまり、進化というものに対して、次の二通りの解釈がある。
  ・ 小進化 …… 進化とは、「一つ一つの形質が変化すること」である。
  ・ 大進化 …… 進化とは、「多くの形質が異なる新種が誕生すること」である。


 ──

 具体的な例としては、キリンの進化を考えるといい。キリンの首はなぜ長いか? これに対して、次の二つの立場がある。
  ・ 小進化 …… キリンという同一種のなかで、首がだんだん長くなった。
           (首の長いキリンが有利だったので。)
  ・ 大進化 …… 祖先種のうち、首が長くなったものが、キリンになった。
           (首の長いものが巨大化して、キリン新種になった。)


 この件については、下記項目で詳しく述べた。
   → キリンの首はなぜ長い?

 ──

 なお、「新種の誕生において、多くの形質が一挙に備わる」という件については、下記項目で説明した。
   → 小進化と大進化
 本項で取り上げたテーマについて、詳しくは、この項目に記述してある。そちらを参照。また、次の項目も参照。
  → 進化は 変化か交替か
  → 断続進化 (断続平衡説)

 ──

 肝心の核心については、上でリンクした「小進化と大進化」という項目に説明したとおりだ。
 ではなぜ、新たに本項を書いたか? 次のことを強調するためだ。

 進化とは何かについて、根本的に異なる二つの立場がある。
 一つは「進化とは形質の変化だ」と見なす立場である。(小進化説)
 もう一つは「進化とは新種の誕生だ」と見なす立場だ。(大進化説)
 前者の立場では、進化を「形質の変化」としてのみとらえる。「キリンの首はなぜ長い?」というような質問に対しては、「進化の過程で、キリンの首がだんだん長くなった」というふうに認識する。中間種の化石については、「首の長さが中間であるキリンがいたはずだ」と考える。
 後者の立場では、進化を「新種の誕生」としてのみとらえる。「キリンの首はなぜ長い?」というような質問に対しては、「進化の過程で、だんだんと首が長くなるように、次々と新種が誕生した」というふうに認識する。中間種の化石については、「首の長さが中間である別種がいたはずだ」と考える。その別種は、キリンではなくて、多くの形質がキリンとは異なる(多くの形質が中間的である)ような種である。

 そのどちらが正しいか? キリンの場合には、中間種の化石が存在しない。しかし、ゾウならば、中間種の化石が存在する。
 ここで、
 「ゾウの鼻はなぜ長い?」
 という質問に対して、次の二通りの解釈がある。
  ・ 鼻の長さが中間的なゾウがいたが、不利だったので、絶滅した。( → 学研
  ・ 鼻の長さも体の大きさも中間的なゾウがいた。それはことさら不利ではなかった。
   ただ、それとは別に、大型化した新種のゾウが出現した。 

 この二つの解釈のどちらが正しいかは、ゾウの進化の化石を見ればわかる。
   → 各種の画像
   → 進化の図
   → 図と説明

 ゾウの祖先種は、「鼻の短いゾウ」ではなくて、「鼻の長さも体の大きさも、中間的であるもの」(ゾウのようなもの)であった。そのあと、進化の過程で、「鼻の長さも体の大きさも、いっそう大きな新種」が次々と出現していった。ゾウの鼻が長くなったのではなく、鼻の長いものが大型化してゾウになったのだ。
  → ゾウの鼻はなぜ長い?

 ここでは、「ゾウの鼻がだんだん長くなる」という小進化が連続的・継続的に起こったのではなく、「ゾウのようなものから、新種が次々と誕生した」という大進化が何度も起こった。
 進化の過程では、同一種において一つの形質だけが変化するような進化(小進化)が起こったのではなく、多くの形質が一挙に変化して新種が誕生するような進化(大進化)が起こった。

 ここでは、進化というものに対する認識が二通りあることに留意しよう。
 「小進化と大進化」

 というと、
 「連続的進化 / 断続的進化」

 というふうに認識しやすい。しかし本当は、
 「同一種の変化 / 新種の誕生」

 というふうに認識するべきなのだ。そして、そこで大事なのは、
 「形質の変化が連続的に起こるか断続的に起こるか」
 という違いではなくて、
 「形質の変化が、一つだけ起こるのか、一挙に多数で起こるのか」

 という違いだ。

 この違いを理解しておけば、
 「キリンの首はなぜ長い?」
 「ゾウの鼻はなぜ長い?」
 という質問に対して、
 「キリンは首が長いと有利だから」
 「ゾウは鼻が長いと有利だから」
 というような解釈は成立しない、とわかるはずだ。
 ( ※ つまり、進化の原理について、ダーウィンの進化論のような発想は成立しない、ということだ。)



 【 関連項目 】
 
  → 小進化と大進化(原理) 【 重要!】
  → 小進化の蓄積で大進化?(嘘)

  → 進化は 変化か交替か
  → 断続進化 (断続平衡説)

  → キリンの首はなぜ長い?
  → ゾウの鼻はなぜ長い?
posted by 管理人 at 19:30| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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