2009年10月08日

◆ 言葉と人類 (動物も?)

 言葉を発声できるようになったのが、人類の特徴である、という説がある。
 しかし、それが正しいとすれば、言葉を発声できるオウムやインコだって、人類並みに脳が進化したはずだ。 ──

 オウムやインコはやがていつか 人類並みに脳が進化するだろう……と言いたいわけではない。念のため。(誤読する人もいるようだが。  (^^); )
 ここで言いたいのは、「 A ならば B 」という命題において、「B は 偽 」とわかるから、「 A は偽 」という結論が出る、ということだ。

 つまり、ここで否定したいことは、
 「言葉を発声できるのが、人類の特徴である」

 という説を否定することだ。
 
 ──

 「人類の特徴は直立二足歩行である」

 という説がある。しかしこれについては、先に否定した。類人猿だって直立二足歩行するのだ。(直立二足歩行するだけでは脳は発達しない、ということ。)
  → 直立二足歩行は人類の特徴でない

 ──

 一方、
 「人類の特徴は言葉を発声できることだ」

 という説もある。
 「喉が発達して、言葉を発声できるようになったから、言葉を使えるようになった。そして、言葉を使えるようになったことこそ、人類の特徴だ」

 という説だ。NHK で放送されたらしい。
   → 解説ページ

 しかし、その説が成立するなら、オウムやインコや九官鳥だって、言葉を発声できるのだから、言葉を使って、人間並みの脳をもつようになっていいはずだ。特に、カラスはけっこう頭がいいから、カラス並みの知性と、九官鳥の喉をもてば、鳥類が人間並みの知性を持ってもいいはずだ。
 しかし、そんなことを考えるのは、馬鹿げている。

 ──

 実を言うと、次の事例もある。
   → 記号を操作するチンパンジー アイちゃん
 この事例からすると、次の主張が成立するかもしれない。
 「記号を使うのが人間の特徴であるなら、記号を使えるチンパンジーのアイちゃんは人間の一種だ」
 しかし、こういう主張も、馬鹿げている。

 ──

 実を言うと、言葉の発声であれ、記号処理であれ、それ自体は、人間ほどの知性を必要としない。つまり、低レベルの言葉を使うことは、決して人間の特徴でなく、かなり広範囲の動物に見られることだ。
 たとえば、クジラが遠くのクジラと低周波で交信する、という事例も示されている。これを「クジラは言葉を使うから人間並みに賢い」と主張する人もいるが、別に、そんなに騒ぐほどじゃない。
 また、犬ならば、人間の身ぶりを記号的に理解することもあるし、人間の言葉を理解することもあるが、だからといって、犬が人間並みに利口であるわけじゃない。
 また、ミツバチだって、8の字ダンスでコミュニケーションを取るが、ミツバチが人間並みに利口であるわけじゃない。
 
 ──

 結論。

 低レベルの記号を使うことは、かなり広い範囲の動物で見られる。言葉の発声であれ、言葉の理解であれ、動物もある程度は可能なのだ。
 「言葉の使用こそ人間の特徴だ」
 という説もあるが、そんな説は、誤りである。



 [ 補足 ]
 では、正しくは? 次のように考えるといい。
 「人間の特徴は、高度な脳である。それによって、複雑な発声が可能になり、複雑な言葉の駆使が可能になった。言葉それ自体ではなく、言葉を多様に使える脳の発達こそが、人間の特徴である」
 「直立二足歩行とか、言葉の使用とか、外形的に見える何らかの形質をもって人間の特徴と見なすのは、妥当ではない。そのような形質は、部分的には動物にも見られるものだ。人間の特徴は、あくまで、高度な脳である」

 [ 参考 ]
 高度な脳があれば、言語を高度に駆使することが可能になる。この件は、下記項目を参照。
  → nando ブログ「土器と言語 (言語の発生)」
 ( ※ 「言葉と思考」をテーマとして、「言葉の発声」について言及した項目。)
 


 ※ 以下は、冗談半分。真面目に読まないでください。(間違っているというよりは、たわいもない話。)
 [ オマケ ]
 犬だって言葉を使える、と言えるかもしれない。
 「そんな馬鹿な!」と思うかもしれないが、実際、「バウリンガル」というものがある。これは犬語をきちんと人間向けに翻訳してくれるものだ。
 とすれば、これまで人間が「犬は言葉を使えない」と思っていたのは、人間が犬語を理解しなかっただけかもしれない。犬同士はちゃんと犬語でコミュニケーションしていたのかもしれない。  (^^);

 ただし、である。次の言葉は、怪しい。
  「ぼくが猫語を話せるわけ」(庄司薫)
 話の内容は、ペットの猫と仲良くしているだけだが、彼は猫とコミュニケーションを取っている(つもり)らしい。
 とはいえ、たとえ猫語を理解できるとしても(ミャウリンガルなしで大丈夫でも)、彼が理解できるだけであって、彼自身が「ニャオー」と発話できるはずがない。喉の構造が違うんだから。  (^^);
 つまり、猫語を話すのは無理。猫語を聞いて理解することは可能だとしても。

 そもそも、猫が言葉を使っているかどうかは、きわめて疑問。猫は頭が悪い。ミャウリンガルも、使い物にならないらしい。( → 出典
 一方、バウリンガルは、そこそこ当たっているらしい。( → 出典

 ──

 ただし、世の中には、「うちの猫や犬は、飼い主の言葉がわかります」という証言もある。
  → 人間の言葉を理解する猫や犬
posted by 管理人 at 16:59| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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