2009年10月04日

◆ 進化の逆行? (鳥類で)

 進化というものは、逆行するはずがない。しかしたいていの進化論学者は、「鳥類だけは例外で、鳥類だけは進化が逆行する」と考えている。これはおかしい。 ──

 進化というものは、逆行するはずがない。たとえば、次のようなことはありえない。
  ・ 人間が猿になる。
  ・ 哺乳類が両生類や魚類になる。

 たとえば、人間が樹上生活をするようになっても、人間が猿に逆行することはない。
 また、哺乳類が水中生活をするようになっても、哺乳類が魚になることはない。(哺乳類が鯨やジュゴンになることはあるが、あくまで哺乳類のままに留まり、過去の魚類や魚竜に退化することはない。)
 これはまあ、進化についての、常識であろう。進化の基本原則と言える。

 ──

 しかしながら、たいていの進化論学者は、これに例外を主張する。それは、鳥類の進化だ。鳥類については、次の二分がなされる。
   古顎類/新顎類

 それぞれ、次のものを意味する。
  ・ 古顎類 …… 走鳥類(ダチョウ・シギダチョウ)
  ・ 新顎類 …… それ以外の一般の鳥。

 Wikipedia から引用しよう。
 現生鳥類を含む系統である新鳥類は、原始的な古顎類と進化的な新顎類に大きく分かれる。
 古顎類にはダチョウなど地上性・半地上性の数科が含まれる(目には諸説ある)だけであり、現生鳥類のほとんどは新顎類である。
 上記に示しているように、古顎類は原始的である。顔つきや、トサカや、後肢や、羽毛や、竜骨突起など、非常に多くの点で、恐竜新顎類との中間的な形態を持つ。(特に、オビラプトルと、ニワトリなどのキジ類を比較するといい。)

 つまり、新旧の順序で並べると、次のようになる。(左が古い)
    恐竜 ── 古顎類 ── 新顎類


 ところが、進化論学者は、次のように主張する。
 「走鳥類は新顎類のあとに生まれた。新顎類の翼が退化し、後肢が発達し、竜骨突起が消失し、とさかが大きくなって、走鳥類に進化したのだ」

 これはつまり、次の順で進化したことになる。
             新顎類 ─→ 古顎類


 ということは、つまり、「鳥類の進化においては、進化の逆行があったのだ」ということだ。

 ──

 あまりにも馬鹿げている。それはいわば、「サンマの先祖は哺乳類だった。サンマの各器官は、哺乳類の各器官が退化したものだ」と主張するようなものだ。アホくさくて、まともに考えられない。
 しかしながら、そのようなことを主張しているのが、現代の進化論学者たちだ。
 たとえば、Wikipedia には、次のような記述がある。
 シギダチョウ科以外は、通常の鳥類なら胸骨にある、飛翔筋が付く構造である竜骨突起を失っており、平胸類と総称される。竜骨突起の喪失はペンギン、ドードー、ニワトリなど他の飛べない鳥類にはない特徴で、このためまったく飛ぶことができない。ただしこれは、古い鳥類だからではなく、祖先は発達した竜骨突起があったものの二次的に失ったと考えられている。
( → Wikipedia
 このようにして、進化論学者たちは、
        新顎類 ─→ 古顎類
  
 という順の進化を主張する。つまり、「進化の逆行」を主張する。

 しかし、そんなことはおかしい、というのが、私の主張だ。
 ちなみに、次の二つの生物の図を、比べてみてほしい。いかに似ているかがわかるだろう。(つまり、進化の段階が続いている、ということ。)
  → カウディプテリクスの画像
  → ダチョウの画像



 [ 付記1 ]
 竜骨突起について説明しよう。通常の進化論学説では、次のように考える。
 「ダチョウに竜骨突起がないのは、翼が退化したせいで、竜骨突起が消滅したからだ」
 しかし、竜骨突起が消滅するはずがない。「走鳥類の進化」に、次のように記しておいた。再掲する。
( ※ 実を言うと、「翼の退化した鳥」というのは、まさしくある。ツル科のヤンバルクイナだ。地上性で暮らすので、足は発達しているが、翼は退化している。では、竜骨突起は? 竜骨突起は不要なので縮小しているが、しかし、それでもちゃんと竜骨突起は残っている。翼は退化しても、竜骨突起は消えないのだ。)
 鳥類の翼が退化することはある。その例がヤンバルクイナだ。しかし、翼が退化することはあっても、竜骨突起は退化しない。せいぜい縮小するだけだ。同様にして、飛ばない鳥であるペンギンも、竜骨突起は消滅しない。ついでに言えば、人間の尾てい骨だって、痕跡器官ふうに残っている。
 走鳥類において、竜骨突起が消滅すると言うことは、いったん形成された骨格が退行する(進化が逆行する)ということであり、およそありえないことなのだ。

 [ 付記2 ]
 学界の多数派は、私の説とは逆に、
      鳥類 → 走鳥類
 という順序を信じている。つまり、「鳥類の竜骨突起が失われて、走鳥類になった」と。
 このことは、Wikipedia にも記述がある。「祖先は発達した竜骨突起があったものの二次的に失ったと考えられている」と。(上に引用を示した通り。)
 Wikipedia の記述は、この順序があたかも学界の定説であるように記述しているが、実は、この順序( 鳥類 → 走鳥類 )は、定説ではない。どちらかと言えば、俗説である。学問的にはまだきちんと証明されていないのだ。
 この俗説の名前は、「シブリー・アールキスト鳥類分類」と呼ばれる。これは DNA を分析して、進化を推定したものだ。( → WWikipedia「平胸類」
 この DNA 分析を知らされると、多くの人は「 DNA で調べたのだから間違いなし」と信じたようだ。
 しかしながら、Wikipedia 「シブリー・アールキスト鳥類分類」には、次の記述がある。
 後述のようにさまざまな問題が指摘されており、広く受け入れられているものではない。
 と。つまり、これは定説ではない。 DNA で調べたとしても、それはいかに科学的に見えても、信頼性は薄いのだ。要するに、
 「 DNA を調べたら、走鳥類は鳥類から進化したものです」
 と主張しても、そんな調べ方は全然当てにならない。
 ちなみに、このときの調査は 1981 年のものである。これは、「 DNA の精度が低い」として話題になった DNA 冤罪事件(足利事件)の 1990年よりも、10年ぐらい古い研究だ。信頼性はまったく当てにならない。
 要するに、冤罪事件を起こした DNA 鑑定よりも、ずっと信頼性の低い DNA 研究に基づいて、「走鳥類は鳥類が翼を失ったものだ」と結論しているわけだ。「科学的だ」と称して。
 これは、まあ、「進化論における冤罪」と言える。それでいて、人々は「冤罪だ」ということに気づかないで、勝手に信じてしまっている。「 DNA 鑑定だから正しい」と思い込んで。

 ──

 ただし最近では、従来の見解の誤りに気づき出したようだ。次のニュースがある。
 《 米ゲノム研究、鳥類進化の通説を覆す 》
 鳥の進化について、これまで科学的真実とされてきた通説を覆す研究結果が26日、明らかになった。米研究チームによる5年にわたる鳥類のゲノム解析で分かったもので、教科書の修正も必要になるとみられる。
 「重大な発見」は2つ。「1つは、外見での判断は難しいということ。見た目や行動が似ている鳥に必ずしも種としての関連性があるとは限らない。2つめ目は、現在当然と思われている鳥類の分類や進化に関する認識の大半が誤りだったということだ」
( → AFPニュース 2008年06月27日
 現在の学界の常識は大半が間違いだった(精度が低かった)、と判明しているわけだ。最新の DNA 研究で。
 にもかかわらず、その間違った常識に従って、今でも「 鳥類 → 走鳥類 」という順序を信じているのが、進化論の学者たちだ。

  ────────────

 [ 補足 ]
 話があちこちに飛んだので、最後にまとめておこう。本項は何が言いたいか? もちろん、
 「進化の逆行が起こった」
 と言いたいのではない

 「主流派の進化学説では、鳥類の進化について、『進化の逆行が起こった』と主張している」
 ということを示して、
 「それはダメだ」
 と批判している。そして、かわりに、
 「進化の逆行は起こるはずがない。ゆえに、古顎類から新顎類へと進化したのだ」
 と主張している。つまり、
 「走鳥類 → 一般の鳥類」
 という進化があった、と主張している。そして、これは、前項で述べたことだ。
    → 鳥類の進化 (前項)
 


 【 補説 】
 理論的にはどうか? 遺伝子レベルでは、どう考えられるか? 

 (1) 主流派

 現在の主流派の見解に従えば、「進化の逆行はありうる」というのが自然である。
 「突然変異と自然淘汰」という説に従うのであれば、進化は連続的なものであり、小進化の蓄積によって大進化が起こるはずだ。とすれば、環境を逆方向に進めば、逆方向の進化が起こっても不思議ではない。
 たとえば、両生類が浅瀬に入り、さらに水中に入れば、環境に適するという形で、両生類が魚類になっても不思議ではない。何しろ、魚類の方が圧倒的に数が多いのだから、両生類が魚類になれば遺伝子を増やせる。

 (2) クラス進化論

 クラス進化論の見解に従えば、「進化の逆行はありない」となる。これは、「進化の不可逆性」という言葉で、下記に説明されている。
    → クラス進化論の概要

 簡単に言えば、クラス進化論では、進化とは「小進化の蓄積」ではなく、「クラス交差によるジャンプ」である。それぞれの段階における小進化は可逆的だが、いったん段階アップしたら、下の段階に戻ることはできない。それというのも、クラス交差が不可逆的だからだ。
 さらに言えば、ネオテニーが不可逆的だ、ということもある。とにかく、クラス進化論では、「進化は不可逆的だ」と言うことが、遺伝子的に説明される。この点、主流派の「突然変異と自然淘汰」という説とは全然異なる。

 ──

 なお、上の (1) については、馬鹿げた話だ、と思うだろう。その通り。この問題は、「ダーウィン進化論の矛盾点」という形で、かなり前にけっこう話題なった。上記の問題点を指摘したのは、私ではない。上記では、既存の流布している説を紹介しただけ。私に文句を言わないように。
 また、その批判では、次のような説明もなされている。
 「旧種の突然変異がなされる範囲と、新種の突然変異がなされる範囲は、同じである。とすれば、進化がいくらなされても、最初の種の突然変異の範囲から進まないはずだ。これはおかしい」
 たしかに、おかしい。ただし、ダーウィン説を取る限りは、そういう結論が出てしまう。
 実を言うと、ダーウィン説はあくまで「小進化の学説」なのである。そして、小進化については、次の諸点が成立する。
  ・ 突然変異と自然淘汰で進化が進む。
  ・ 進化は可逆的である。(逆行できる。)
  ・ 旧種の突然変異の範囲と、新種の突然変異の範囲は、同じ。

 具体的な例は、犬の品種改良とか、人間の亜種とかがある。この二つの例では、上記の三点は成立する。
 一般に、亜種というものは、小進化であるが、小進化については、上の三点は成立する。
 ただし、進化の本質は、大進化(亜種を越えた種レベルの進化)である。そして、それについては、ダーウィン説では足りないのだ。……それが私の立場だ。(しかもまたそのことは化石レベルで実証済み。)
posted by 管理人 at 19:03| Comment(0) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
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