2009年09月15日

◆ フェアトレードとベトナムコーヒー

 ベトナムではコーヒー豆を生産する農家がとても高所得を得ている。
 このことから、「コーヒー豆が不当に低価格である」というフェアトレード論者の主張は間違いだ、とわかる。 ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2013-03-28 です。)


 フェアトレードについては、前に詳しく論じた。
  → フェアトレード (詐欺・問題)

 簡単に言えば、こうだ。
 「フェアトレードは、『途上国の貧しい人々のため』と称して、馬鹿高い値段でコーヒーやチョコレートを売りつける。しかしそこで得た金のほとんどは、途上国には回らずに消えてしまう。一方で、フェアトレードの事業者は、やたらと暴利をむさぼっている。これは詐欺と同様だ」


 あとで数値を調べたら、フェアトレードでコストアップした分の3%ぐらいしか、途上国には回らないそうだ。
( ※ 3% という数値は、変動の余地がある。)

 ──

 さて。このたび、次の情報があったので、一部抜粋する。「ベトナムではコーヒーで多大な所得を得るようになった」という話。
 《 年収、平均の6倍  「コーヒーで暮らしが変わった」 》
 ダクラク省で2.5ヘクタールのコーヒー農園を営む少数民族エデ族のギーさんは昨年、約8トンを収穫し約3億2千万ドン(約145万円)を売り上げた。諸費用を引いた実収入は90万円以上。15万円前後とされるベトナムの平均年収の約6倍だ。
 秘訣は、品質管理と設備投資による生産性の向上だ。ギーさんは毎日日誌をつけて生育状況をチェック。同省の平均的な収穫量は1ヘクタール 2.4トン前後だが、肥料を良質なものに換え、乾期でも根に確実に水が行き渡るように地中にホースを巡らせるなどして、収穫量を 3.2トンに上げた。
「コーヒーのおかげで子どもを大学に行かせることができた。ベトナムのコーヒーも僕らの暮らしも、もっと良くなる」
 だが、すべての農園が潤ってきたわけではない。先進国で飲まれるコーヒー代金のうち、生産農家の取り分は1〜3%と言われる。ベトナムが90年代に輸出を急増させたことで価格が暴落し、一時は世界中で困窮する農家が相次いだ。
( → 朝日新聞 2013-03-28
 ここからはかなり重要な結論を得ることができる。
 
 アフリカのコーヒー農家が貧しいのは、先進国のコーヒー会社が搾取しているわけではないし、買いたたいているわけでもない。なぜなら、ベトナムのコーヒー農家は、とても高所得を得ているからだ。
 それなのにアフリカのコーヒー農家が貧しいのは、なぜか? 生産性が低いからだろう。コーヒー豆の価格が低すぎるのではなく、コーヒー豆の生産量が少なすぎるのだ。
 とすれば、なすべきことは、(フェアトレードで)価格を引き上げることではなく、(技術指導や肥料提供で)生産量を増やすことだ。

 つまり、「(フェアトレードで)価格を引き上げる」という発想そのものが根本的に狂っていることになる。なすべきことは、「(技術指導や肥料提供で)生産量を増やすこと」なのだ。
 だから、先進国で「(フェアトレードで)高値の商品を買ってください」と訴えることには、何の意味もない。むしろ、「(技術指導や肥料提供で)生産量を増やすために、援助してください」と言って、援助費用を集める方がいい。

 簡単に言えば、次のように言える。
 「魚を与えるよりは、魚を獲る釣り竿を与えよ」
 
 アフリカの農家を援助するために、毎度毎度、金を与えていても、キリがない。それは相手を乞食にするようなものだ。相手はいつまでたっても自立できない。
 それよりは、相手に自立するだけの知恵を与えた方がいい。つまり、技術を。つまり、生産性を高める方法を。
 そして、それができたベトナムでは、農家がまさしく貧困を脱しているのである。それどころか、平均をはるかにしのぐ高所得を得ている。彼らは「コーヒー豆の価格を上げてください」とは訴えない。かわりに、自ら努力して、生産性を高めようとする。再掲しよう。
 秘訣は、品質管理と設備投資による生産性の向上だ。ギーさんは毎日日誌をつけて生育状況をチェック。同省の平均的な収穫量は1ヘクタール 2.4トン前後だが、肥料を良質なものに換え、乾期でも根に確実に水が行き渡るように地中にホースを巡らせるなどして、収穫量を 3.2トンに上げた。
 こういうことができるようになったとき、アフリカでも貧困が解決する。だから、その方向に向かうよう、促すといいだろう。先進国がなすべきことは、そういうことだ。なすべきことを間違えてはいけない。



 [ 付記1 ]
 ただし、そうわかっていても、フェアトレードの事業者は、しきりに「アフリカの貧しい人々を救ってください」と称して、高値で売りつけようとする。
 なぜか? 彼らの目的は、アフリカの途上国の人々を救うことではなく、自分たちの懐を豊かにすることだからだ。つまり、詐欺だからだ。
 その意味では、「エコのために」と称して人々の金を巻き上げようとするエコキャップと同様だ。エコ詐欺。
 
 [ 付記2 ]
 フェアトレードが詐欺であることの証拠は、もう一つある。彼らの示すフェアトレード商品というのは、アフリカの途上国から買い上げるのではなくて、やや発展した中進国から買い上げるものなのだ。(グアテマラ,インドネシア,インド,メキシコ,ボリビア,ベトナムなど。)たいていはそうだ。
 この件は、先に述べた。
  → フェアトレードは逆効果(中進国で)
  


 [ 参考情報 ]
 朝日新聞の記者が、本日 2013-03-28 の朝刊で、フェアトレードを推進する記事を書いた。(投稿面)
 日本を代表するパティシエ辻口博啓さんら3人が作った高級チョコが、大手デパートに並んだ。途上国のことを普段は意識しないファンの目にも留まっただろう。
( → 朝日新聞・神田明美 記者
 では、どんなチョコか? これだ。
  → 6個入り 2415 円 (PDF)
 1口サイズのチョコが6個ならば、カカオの使用量は 100円のチョコ1枚か2枚ぐらいだろう。それに高めの金を払ったとしても、300円。その3%が生産者に払われたとして、10円程度だ。
 2415 円の金を受け取って、たったの 10円程度の金を生産者に渡すだけだ。それでいて、「 3円に比べて3倍もの金を支払っているんです。私たちはとても善行をしているんです」と訴える。そのあとで、「だから 100円のチョコレートでなく、2415 円のチョコレートを買ってください」と宣伝する。

 呆れる。だったら最初から、「10円寄付してください」と求める方が、よほどマシだ。それならば、多くの人が 10円を寄付するだろうから、集まる金額は圧倒的に多くなる。それをそのまま途上国に送ればいい。
 しかし彼らは、そうしない。なぜか? 寄付を集めるだけでは、自分の懐が豊かにならないからだ。彼らの目的は、アフリカの途上国民を豊かにすることではなく、あくまで自分の懐を豊かにすることなのである。

 そして、そういう詐欺師に加担して、何度も「フェアトレード賛美」の記事を書いているのが、エコ詐欺に協力する前歴のある朝日新聞だ。昔からそうですけどね。たとえば、これ。
 → http://ecocap007.com/topix/asahinews100216.pdf
  (朝日新聞によるエコキャップ推進記事)
posted by 管理人 at 19:11 | Comment(0) | エネルギー・環境1 | 更新情報をチェックする
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