2009年06月30日

◆ 米国は 100万人感染?

 米国では 感染者が 100万人にもなるらしい。それに比して、日本では感染者は 1000人を越えた程度だ。(推定でも 5000人?)
 そのどちらが好ましいか? ──

 米国では 感染者が 100万人にもなるらしい。米国の CDC の推定
  → http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00157998.html
 ニューヨークのヤンキースも、感染者がどんどん出ている。
  → http://blogs.wsj.com/health/2009/06/29/flu-sweeps-through-yankees-clubhouse/
  → http://www.nypost.com/seven/06282009/sports/yankees/flu_scare_sweeps_through_clubhouse_176515.htm


 これを見て、快哉を叫ぶ人もいそうだ。
 「日本ではきちんと対策をしたから、感染者が最小限に抑えられた。米国では、ほったらかしたから、感染者が 100万人にものぼる。初期に検疫や一斉休校などで徹底的に封じ込め政策を取った日本は正しい!」

 ま、岡部・情報センター長ならば、そう語りそうですね。  (^^);

 しかし、である。今はいいが、秋冬になるとどうなるか? こうなるだろう。
 「アメリカ人の多くは、夏のうちに罹患しておいたので、一応、免疫ができた。冬には罹患しないか、罹患しても軽症で済む。一方、日本では、冬になって初めて罹患する人々ばかりだ。免疫ができていないから、軽症では済まず、病状がやや重くなる」


 これはどういうことかというと、次のことによる。
 「豚インフルエンザは、どっちみち、世界中の全員が罹患する。とすれば、われわれにできる選択肢は、次の二者択一だ。 (1) に感染する (2) に感染する」
 「夏に感染すれば、温暖な時期なので、病状はあまり重くならないで済む。冬に感染すれば、寒冷な時期なので、病状はかなり重くなる」


 つまり、米国人も日本人も、ともに豚インフルエンザに罹患するのだが、次の点で違いが出る。
  ・ 米国 …… 夏に罹患するが、病状は重くならない。冬には免疫。
  ・ 日本 …… 冬に罹患するので、病状は重くなる。冬には免疫なし。


 要するに、どうせ罹患するなら、冬に初めて罹患するよりは、夏のうちに軽く済ませておいた方がいい、ということだ。
 「イヤなことは早く済ませた方がいい。あとに引き延ばすと、かえって大変」
 という人生論みたいになる。

 ──

 ついでだが、夏に罹患するなら、タミフルは使わない方がいいだろう。というのは、タミフルを使うと、自分の免疫がきちんと働かないからだ。
 免疫ができるためには、きちんと発熱して、きちんと免疫システムを働かせる必要がある。
夏のうちに発熱しておけば、免疫ができて、次の冬には、軽症で済むようになるだろう。あるいは、罹患しないで済むようになるだろう。(実際、若者ばかりが罹患する、というところから、免疫の重要性がわかる。)

 若者は、夏のうちに豚インフルエンザに感染して、しかも、抗ウイルス剤を使わないで免疫を獲得した方がいいだろう。そのことで、次の秋冬以降の流行に対して、免疫を発揮できる。
 一方、夏のうちに豚インフルエンザに感染しない人や、感染しても抗ウイルス剤を服用した人は、次の秋冬にふたたび罹患するだろう。そのときまた、抗ウイルス剤を使うのかもしれないが、そのうち、耐性ウイルスが流行して、抗ウイルス剤も効かなくなるだろう。そのとき、冬に罹患するせいで、病状はやや重くなる。そのときになって、「夏のうちに済ませておけばよかった」と悔やんでも、後の祭り。高熱と鼻水と咳と下痢で、ひどく苦しむハメになる。下手をすれば、衰弱して死ぬ。

 いろいろ考えてみると、米国の状況が、一番理想的だ、と言える。豚インフルエンザは、夏のうちに罹患しておくのが、ベストなのだ。
(どうせ誰もがいつかは罹患するのだから。)

 逆に言えば、日本は大騒ぎして必死に対策を取ることで、かえって被害を大きくしているのだ。頑張れば頑張るほど死者が増える、という蟻地獄。気がつかないまま、必死にもがくことで、死んでしまう。



 [ 付記 ]
 ちょっと連想したが、これは、「コメからガソリン」と同様だ。
  ・ コメからガソリン
    …… 省エネのために必死に努力しましょう。
        (そのために大量のエネルギーを浪費しましょう。)
  ・ 豚インフルエンザ対策
    …… 夏の感染者を減らすために必死に努力しましょう。
        (そのあげく冬には大量の重症者を発生させましょう。)

 前者は、省エネを目的として、大量のエネルギー浪費となる。
 後者は、(夏の)感染者削減を目的として、(冬の)重症者増加となる。

 自分で何をやっているかわかっていないから、目的とは反対の結果になる行動を取ってしまう。
 比喩。
 「海で溺れている人を救助するために、首にロープを引っかける」
 「自分の背を高く伸ばそうとして、自分でロープに首吊りする」
 笑い話みたいだが、これは、日本の現状だ。省エネでも、豚インフルエンザ対策でも。



 【 関連項目 】

  → 豚インフルエンザを促進せよ(!?)

    ※ 同趣旨の話。「流行を促進した方がいい」と。
posted by 管理人 at 21:17| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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Posted by 管理人 at 2009年06月30日 22:50
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