2009年06月17日

◆ オーストラリアの状況 2

 オーストラリアの最新状況を示す。
  ・ 患者数は激増。
  ・「感染拡大を防がず、弱者のみを保護する」という方針に転換。 ──

 オーストラリアの情報を紹介する。ネタ元は下記。
   → 豪州ニュース紹介サイト

 (1) 患者数は激増。

 感染者数は、激増している。
 先日までは、次のようだった。
  
  5月  22日に 10人。25日に 23人。26日に 44人。
      29日に 168人。30日に 254人。31日に 302人。
  6月  1日に 401人。2日に 501人、3日に 634人、4日に 876人。
       ( → 前出項目

 その後、1日に 100人増ぐらいのペースだったで、増加ペースが遅いと思われたのだが、実はそうではなかった。公表値は、検査した(できた)分だけ。それ以外の分がたくさんあるらしい。
   → ビクトリア州の感染者数の実態は 5,000人規模か

 ビクトリア州以外では、数の規模は大きくないので、実数が公表されているが、やはりここのところ、急増している。(各州データ:最新分)
   → オーストラリアの感染者数は 2112人に
 
 というわけで、「指数関数的に急増している」という状況があるわけだ。最初のころは、毎日十人ぐらいのペースで増えていたが、それが毎日百人ぐらいのペースになり、さらにもっと……というふうになるわけだ。数日後には、1万人を突破するだろう。
 【 注 】 1万人どころか、すでに 100万人ぐらいに達しているかも。
      そういう推定も成立するようだ。
      この件は、本項の最後の 【 追記 】 を参照。

( ※ どうしてちゃんと計数できないのか? ちょっと不思議だが、私の推測ではこうだ。……「検査薬の数が足りない。重症者の確認のために検査薬を使い切ってしまうので、軽症者のサンプル調査に回すための検査薬がない。」……そんなところだろう、という気がする。……もしかして、薬ではなくて、人員や機器が足りない? )

 (2) プロテクト(保護)モード

  「感染拡大を防ぐ」という従来の方針を捨てて、「弱者のみを保護する」という方針に転換した。
 つまり、「健康な人が感染するのは仕方がない」と諦めて、「重症者や高齢者などを守る」という方針に転じた。
 わかりやすく言えば、「感染を防がず、死を防ぐ」という方針に転じた。

 これは、妥当であろう。私がかねがね主張してきたとおりだ。つまりは、通常の季節性インフルエンザの場合と、ほぼ同様だ。

( ※ 日本では今のところ、「感染を防ぐ」という方針ばかりである。できもしないということがわからず、一千万人規模に達するはずの豚インフルエンザの感染拡大を食い止めようとしている。……巨大な雪崩を止めようとするようなものか。人間にできることとできないこととが、区別できていない。)



 [ 付記 ]
 なぜオーストラリアの状況をいちいち紹介するかというと、日本ではこのことを全然理解できていないからだ。次のニュースがある。
 《 来週中にも対応策 政府、監視強化へ 》
 舛添氏は……「今後ある程度の感染拡大は避けられない。感染経路を追跡できない状態になった時に、どういう手を取るか考えないといけない」と指摘。専門家の議論を経て、5月22日に公表した医療確保や検疫についての運用指針を見直す方針を示した。
( → 毎日新聞 2009-06-12

 《 神戸市医師会、9月めどに指針 》
 神戸市医師会は……秋以降の第2波に備え、9月をめどに今回の教訓をまとめた指針を作成することを決めた。市や国などにも提言する方針。
( → 毎日新聞 2009-06-17
 つまり、日本は、「何をしたらいいか」を、いまだに理解できていないわけだ。
 それだからこそ、「何をなすべきか」を、本項で紹介するわけだ。



 [ 付記 ]
 参考のために、上記のサイトの重要部分を丸ごと引用する。

 ──

   《 オーストラリア 新たな「プロテクト」フェーズへ移行 》
 連邦保健省のロクソン大臣は本日記者会見し、オーストラリアとしての警戒段階のフェーズを、新しく設定した”プロテクト” Protect(=弱者を守ることに専念する段階)に変更すると発表した。
 これまでオーストラリアは国としてコンテイン・フェーズ(国内感染の拡大を封じ込める措置段階=国内流行拡大段階)にあり、感染者の多いビクトリア州だけがサステイン・フェーズ(国内感染の封じ込めを断念し拡大を最小限に留めることに専念してワクチンの到着を待つ国内流行耐久段階)に移行していた。
 ロクソン大臣は、予め策定していたこうしたフェーズは、もっと毒性が強いウィルスを想定したものであり、今回のウィルスは症状が軽いことから違った対処が必要と判断し、新しいフェーズを設定したとのことである。
 この「プロテクト」(=守る)フェーズについて現在報道されているのは次のようなことである。
  • ウィルスに対して抵抗力の弱い人々に早期に対応し、また重度や中の患者を治療することで、これらの人々を「守る」ことができるように(人的資源や物理的資源を)集中する。
  • 患者の中で検疫(隔離)を受けるのは重度あるいは中度の症状が出ている患者のみになる。軽い症状の患者は自主的な検疫を勧められるだけとなり、疑い例患者あるいは感染者と接触しただけの人は検疫の対象から外される。
  • 患者の中で抗インフルエンザ薬を投与されるのは重度あるいは中度の症状が出ている患者だけになる。軽い症状の患者は一般の風邪薬で対応してもらう。感染者と接触しただけの人や疑い例患者は投与を受けなくなる。
  • 感染者が出ても学校が閉鎖されることは基本的になくなる。
  • 現在の国境監視対策は(基本的にほとんどが)廃止されることになる。
  • 全ての州は、6月26日(金)までにこの「プロテクト」フェーズに移行する。
 以上、この新フェーズへの移行は、簡単にいえば「新型インフルエンザは季節性インフルエンザとほぼ同じように対応することにした」という宣言と見なすことができる。
 そして、上記の新たな対応は、現在実施されている、「日本、米国、カナダ、メキシコ、パナマ、国内のビクトリア州などの感染危険地域から帰った/来た学生に対する7日間の登校停止措置」を無意味なものとすることが明らかであるため、この登校停止措置は26日(金)までに解除される方向に向かうのではないか。
( → 該当ページ

 ネタ元の英文:
  ・ http://www.abc.net.au/news/stories/2009/06/17/2601077.htm
  ・ http://livenews.com.au/feature/govt-creates-new-protect-category-for-swine-flu-alert/2009/6/17/210255
  ・ http://news.smh.com.au/breaking-news-national/govt-creates-new-swine-flu-category-20090617-chnz.html


 ──

 引用終わり。 (引用にあたって、一部、ささいな修正をした箇所がある。)



 【 追記 】
 なお、別サイトの情報だが、次の英文ニュースを翻訳紹介している。
  → ビクトリア州の人口の3分の1以上が既に感染しているかも
 専門家の話で、「現時点で、ビクトリア州の人口の3分の1以上が既に新型インフルエンザに感染しているかもしれない」という見解があるそうだ。

 ただし、記事によると、「人口の3分の1」というのは、風邪の全患者数。そのうちどれだけが豚インフルエンザかはわかっていない。数字はちょっと大げさ気味かも。(たとえば、そのうち半分だけが豚インフルエンザで、残りは季節性インフルエンザかも。)

 とはいえ、「人口の3分の1」というのは、通常の季節性インフルエンザの感染者数よりもずっと多い。通常ならば冬の終わりまでに1〜2割程度だからだ。「人口の3分の1」というのは、圧倒的に多い。このままだと、この冬には、人口の8〜9割ぐらいが感染するかも。その大多数が豚インフルエンザ、ということになりかねない。

 そろそろ、しっかり覚悟しておいた方が、よさそうですね。「感染を免れよう」なんて思わない方がいい。ジタバタしないようにしましょう。
( ※ たとえると、付き合った女に「妊娠しちゃったの」と言われた気分ですね。もはや、逃れようはありません。覚悟するのみ。  (^^); )

( ※ ただし、この記事からすると、最初のニュースの数字は結構いい加減だ。ビクトリア州の人口は、500万人である。その3分の1なら、患者数はすでに 150万人ぐらいになっているはずだ。冒頭の「感染者数」は、いったい何なんだ? 検査薬があまりにも不足すぎ? 何だか、滅茶苦茶ですね。……とはいえ、患者数はすでに 150万人ぐらいになっているとしたら、検査しようにも、どうにもならないかも。お手上げ。  (^^); )



 【 関連項目 】
 
  → オーストラリアの状況
posted by 管理人 at 23:26| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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